経営者の「原点」を考える

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を

良く耳にします。

学力、知力、財力、権力など自分のミツすべての力をつくし
結果については天に任せるという意味です。

結果の良し悪しに関わらず、全力を尽くすのは大変潔い

姿勢といえます。しかしそこには、「全力を尽くしたのだから

結果どうなっても仕方ない」というあきらめの気持ちもい

含まれているのではないでしょうか。

またどういう目的に対して全力を尽くすのかという視点が、

この言葉には含まれていません。

順序を変えて次のような考え方をしてみては、いかがでしょう。

すなわち、「天命にしたがって全力を尽くす」のです。

与えられた場や機会を自分の天命と受け止めたうえで

、それを最大の目標にすえて、あらゆる手立てを尽くして

実現を目指すということです。

人はそれぞれ人生を歩んでいくうえで、

天から与えられた
使命というものがあります。利己心にとらわれず、

無心の状態で、その使命の実現のために全力を注ぎます。

また目的遂行の過程において、すべてのものを慈しみ

育てようとする、低い、優しい、温かい心をもって

取り組んでいくのです。

天命に従いながら、道徳的な生き方を貫き、一つ一つの事に
全力で当たれば、品性は向上し、目標も成就するでしょう。


いままで出会った師と仰ぐ方々はすべてこの考え方で

前進されている。一流の経営者もまたしかりである。

経営者は皆、そこで働く社員とその家族の幸せ背負っている。

経営者は結果を出す覚悟が必要なのである。天命を感じ

一瞬たりとも無駄にすることなく、考え続け、行動して

いかなければならない。

想いを言葉にし、自分を追い込み、ひとつひとつその

実現していく。これこそが経営者の「誠実さ」であり

また「ダンディズム」なのであろう。

経営者として、まだまだ至らない自らを振り返り、

一歩でも「師」に近づくことを志として、日々を前進して

いかねば、と想いを新たにした瞬間であった。


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