働き方改革を踏まえた今後の労働法の展開
法律改正のスケジュールは2017年秋の国会を
「働き方関連法案」が通過し、そしてその約一年後の
2019年4月~施行というのが、現在のシナリオということ
である。
内容が内容なだけに、2019年からの法改正の動きは
今までにないレベルの改正になることが予想される。
●同一労働同一賃金 ガイドライン
社員とパートの不合理な待遇差の解消を目指すものとして
と法律ができる前から、早々とガイドラインが作成されて
いるほどの熱の入れようである。実はこれには、隠された
意図があるそうだが・・・・それはともかく、その中でも
インパクトの比較的大きい内容をご紹介し、これに対して、
我々は、今、何をすべきなのかについても触れてみたい。
・福利厚生や手当の取り扱い
福利厚生施設、社宅、慶弔休暇、健康診断 病気休職・・・
等の福利厚生制度は、合理的な理由がないかぎりは
均等・均衡でなければならない。。
⇒正社員の就業規則にある福利厚生の内容とパート就業規則
に書かれてある内容を見比べてみる必要がある。
ある規定・制度が、正社員固有のものであれば、そこに
処遇差があってもなんら問題ないが、
そうでない場合にはパート就業規則にも同じ規程を
適用させるということになる。
・実態を踏まえていない手当に対する対応。
手当自体の意味や目的は不明確な手当で、そもそも
この手当は、なぜ作られたかが不明である手当も
現場では、よく散見される。
そのような手当は、原則的にはパートにも適用される
ことが前提となる。なぜなら社員限定という合理的な
理由が見当たらないからである。
従って、現在の使用中の手当の「目的や意味」は早め
に明確にし、それに対する対策を検討しておく必要がある。
・賞与
会社業績への貢献におうじて支給する場合、例えば、
社員は2か月分、パートは5万円というような支給方法は、
「業績への貢献に応じて」とは言えない。つまり合理的な
処遇の差とは言えない。
・基本給の給与テーブルの考え方
社員とパートは将来の役割期待が異なる為、
賃金の決定基準やルールが違う。といったような、
主観的抽象的な説明では足りず、賃金決定基準や
ルールの違いについて、職務内容、配置の変更範囲
(転勤に有無など)、その他の事情の客観的、
具体的な実態に照らして不合理なものであってはならない。
従って、職務内容などの前提条件が異なる場合のみ、
異なる賃金テーブルを使用できる。さもなければ同一の
賃金テーブルが原則。
例えば、職能要件書の中で、具体的な仕事内容で社員と
パートの仕事を区分する方法。ただ実際には社員とパート
の明確な区分が難しいが、同じ仕事も行っているが、
社員のみが行っている仕事もあるなど、その仕事の範囲や、
もしくは求められる成果レベルなどで社員との違いを
具体的に表示するが出来れば、社員とは異なる賃金テーブルで
パート賃金を運用することは可能である。
引き続きこのテーマは、皆さんに発信していきたいと
思っています。
それでは。