サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会
サ高住の現状、及び来年度の補助金内容(変更有り!)
2018年1月31日に「サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会」が開催。
先月26日に平成30年度法改正・報酬改定の資料が発表され業界の
注目がそちらに集中する中、その5日後に粛々と(?)開催された
“サービス付高齢者向け住宅(以下、サ高住)に関する懇談会”
。今回の改正において、いわゆる“介護保険サービス内包型サ高
住”に対する適性化が図られたことは記憶に新しいところですが、
サ高住そのものの存在意義が揺らいでいる訳では決してありませ
ん。
本懇談会は平成28年5月に行われた「サービス付き高齢者向け
住宅の整備等のあり方に関する検討会」のフォローアップ及び
付加意見の確認、という位置づけで開催されましたが、
興味深いデータが示される等、介護事業者として認識しておいた
方が良い情報も中には含まれているように思われます。
本ニュースレターにおいてはそれらの情報をピックアップし
つつ、事業者として認識しておくべきポイントを確認して
まいります。
サ高住の現状、及び新たな補助金内容とは
では先ず、サ高住の整備戸数の推移について確認してまいります.
平成27年度末段階においては“199,056戸
(上記185,512戸は平成27年9月時点の実績)”となっている
サ高住ですが、本年(平成30年)1月末段階においては既に
“227,583戸”となっており、恐らく現時点においてはグループ
ホームの総数を優に超えているのではないかと思われます。また、
2011年10月の新設以降、31,094戸(平成23年度末)→109,239戸
(平成24年度末・前年比+78,145戸)→146,544戸(平成25年度末・前年比+37,305戸)→177,722戸(平成26年度末・前年比+31,178戸)→199,056戸(平成27年度末・前年比+21,334戸)→215,955戸(平成28年度末・前年比+16,899戸)、と(伸び幅は徐々に減少してきているものの)着実に増加基調が見て取れますが、国が目標としている整備計画はまだまだ大きく、
平成30年度においても開設の補助金枠が設けられている
ことを含め、新規開設を検討する事業者は今後も継続的に
増えていくことと思われます(恐らく補助金が続く限り、
この増加傾向は変わらないでしょう)。
次に、「要介護度の進行等に伴う入居継続に関して事業者が感じた課題」に関する集計を見てまいりましょう。
そもそもとして重度要介護者や認知症の方の入居を想定し
ないつくりになっているサ高住も存在する中
(特に建設会社や不動産会社等、非医療・介護系企業が
オーナーになっている住宅に多い感覚を覚えます)、今後、
サ高住を新設されようと考える介護事業者にとって上記集計
結果は頭に置いておいた方がいい情報かも知れません。
最後に、来年度の補助金の情報について見ておきたいと思います
住宅部分に関しては「既存ストックを改修する
場合の補助限度額が引き上げられている(150万→180万)」点、
及び、「25?未満の部屋を新築する場合の補助限度額が
引き下げられている(110万→90万)」点が特に注目かと
思われます。
また、高齢者生活支援施設については種別が「地域交流施設等」
と「介護関連施設等」に二分され、「地域交流施設等」のサ高住
併設を今後、更に促進しようとしている点、及び、
介護関連施設等については「平成30年度中までに工事に着手する
事業は現行のとおり補助対象とする(=平成31年度以降に工事に着手する介護関連施設については補助対象から外す)」ことが
現時点から既に記されている点が非常に重要ではないでしょうか(これにより、平成30年度中の着工が更に加速する可能性は高いと思われます)。
風評に惑わされず、地域に必要な高齢者住宅を
以上、簡易ながら、今回は「サービス付き高齢者向け住宅に
関する懇談会」から資料を抜粋・解説させていただきました(より詳細の情報を確認したい方は下記をご参照下さい↓)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr7_000029.html
繰り返しになりますが、次年度の改正において“介護保険サービス内包型サ高住”の適正化が図られることになったからと言って、“サ高住”そのものの存在意義や役割、重要性が棄損されるという訳では決してありません。
その意味でも「自社の経営戦略上、今後、高齢者住宅を保有する
事は有効」とお感じになられている事業者様は上記に始まる
各種情報を見据えながら、「地域に求められている高齢者住宅
とは一体どのようなものなのか?」について深掘りしつつ、
事業開始のタイミングを周到に図られることを強くおススメする
次第です。
弊社も今後、より有益な情報を入手出来次第、皆様に向けて
発信してまいります。