社会福祉法人のありかたを巡って(本日の日本経済新聞から)

みなさん こんにちは


さて、ご存知の方もおられるかと
思いますが、

取り急ぎ、今朝の日経に出ていた
記事の共有です。

今後、社会福祉法人に対し、

「福祉」だけではなく「産業」の視点から

様々メスが入ってくるのだと思います。

念のため、ご認識下さいませ。



経営不振に陥った社会福祉法人を民間企業の
ノウハウを活用して再生する動きが出てきた。

宇治病院(京都府宇治市)は社会福祉法人と
して初めて私的整理手続きに入る。

京都銀行が債権を放棄し、

東証1部上場のノーリツ鋼機グループが再生を
支援する。

事業を続けながら再生できる私的整理を選び、

患者や老人ホーム入居者などへの支障を回避する。

政府系ファンドの地域経済活性化支援機構が
私的整理と金融支援を仲介し、

8日にも発表する。

再生の体制が整い次第、和歌山市に本社を置く
精密機器メーカーのノーリツ鋼機グループに
よる支援も発表する。

社会福祉法人は高齢者や障害者を受け入れる
福祉施設や保育所などを運営する非営利の法人。

法人税は課されず、国や地方からの補助も受ける。

社会福祉法人を取り巻く事業環境は企業の参入を
促した2000年の介護保険法施行と介護報酬の引き下げ
など収支悪化につながった06年の同法改正で激変した。

帝国データバンクによると、一般企業も含めた
老人ホームや在宅介護サービスなどを展開する

「老人福祉事業者」

の倒産件数は13年に00年以降で最多となる46件を
記録した。

税制優遇や補助金を受けていても、

経営戦略のまずさで経営不振に陥る社会福祉法人が
今後も増えるとみられる。

宇治病院の私的整理は、民間企業のノウハウを
生かした社会福祉法人再生のモデルケースとなる
公算が大きい。

宇治病院は病院のほか、200人程度の利用者を抱える
介護事業も兼営する。

3、4年前から経営上の混乱で医師の大量離職が
相次ぎ、

大幅な減収に陥り、赤字に転落していた。

特別養護老人ホームも運営しており、

破綻すれば事業を継続できず、

入居者が退去を迫られるなど混乱が生じる
恐れが強まっていた。

私的整理で事業存続を目指すのは、宇治市が病床
不足で、

福祉施設も全国平均と比べ少ない地域だからだ。

病院以外の介護事業は黒字で、

地元自治体も事業の継続を望んでいる。

京都銀行は宇治病院向けの債権を放棄し、

残る債権も劣後ローンに振り替える。

金融支援額は公表しない方向だ。

宇治病院は保有する不動産の含み損を抱えて
おり、

実質債務超過状態にあるとみられ、

債務を免除しなければ、再生できないと
判断したもようだ。

宇治病院は経営陣を刷新し、

新たな体制の下で再生を目指す。

社会福祉法人は非営利法人で、

企業支援のように出資したり買収したりして
スポンサーになることはできない。

しかし、経営改善には民間企業の経営ノウハウや
事業運営の手法を取り入れる必要がある。

政府が出資する地域支援機構も幹部を派遣したり
官民共同支援の姿を作ったりして、

事実上、ノーリツ鋼機グループが再生を請け負う
形にする。

実際に再生作業を請け負うのはノーリツ鋼機の
グループ会社で医療機関・福祉事業者向けの
コンサルティングや債権の買い取りを手がける
エヌエスパートナーズ(東京・港)。

人材の派遣も検討している。

ノーリツ鋼機は医療関連機器も製造するメーカーで、

医療関連企業の買収を繰り返している。

今回の支援は経営ノウハウを取得する狙いが
あるとみられる。

社会福祉法人を巡っては、厚生労働省も社会福祉法
改正を目指し、

ガバナンス(統治)強化に着手しており、

宇治病院の再生は制度見直し議論にも影響を与えそうだ。

同省は7月4日、

「社会福祉法人制度のあり方について」

と題した報告書を発表。

組織改革や財務面の強化策を盛り込んだ

社会福祉法の改正案を作る作業に入っている。


記事内容は以上です。





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