2015年介護保険法改正情報1
さて、ご存知の方も多いと思いますが、
先週の27日(水)、
介護給付費分科会にて、いよいよ、
次期改正に向けた居宅サービスに関する
議論が始まりました。
今日はそこで示された、
今後の論点について皆様に共有させて
いただきたいと思います。
(今日は先ず、居宅サービス全般に対して
示された論点を確認します)
大別すると2つの視点が挙げられていますが、
先ずは1点目、
“居宅サービスの機能と連携の在り方”
に関する論点提示です。
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○
訪問系サービスと通所系サービスはいずれも
居宅における高齢者の自立を支援するための
サービスであり、
本来、これらは連携しつつ提供されることが
効果的・効率的と考えられ、
求められる機能や基準の考え方も基本的には
同じであることから、
これらを一体的・総合的にとらえた機能分類や
評価体系が必要ではないか。
○
このような考え方に基づき、
たとえば同じようなサービスの提供については
報酬上も同じような機能として評価する等、
今後、より一層の機能的な連携を図るとともに、
異なる機能や役割についての明確化を図る必要が
あるのではないか。
その際、担っている機能を明確にするための客観的な
機能評価も合わせて導入することを目指すべきでは
ないか。
(例:心身機能の回復に重点的に取り組むサービスを
提供するのであれば、事業所における機能回復の程度
を評価する必要があるのではないか。)
また、アセスメントに基づく個別サービス計画の立案など
PDCAに基づくサービス提供を行うことや、
他の事業者や専門職等との連携、
利用者の社会性の維持などの居宅サービスにおける
基本的な取組を更に徹底する必要があるのではないか。
○
特に居宅において、
今後急速に増大する認知症高齢者を含む重度
要介護者や、
複数の慢性疾患を合併する医療ニーズの高い
高齢者への対応を見据えた効果的・効率的な
サービス提供体制を確保することが求められる。
そのためには、各居宅サービスが有する専門職を
有効に活用することが重要であり、
今後の在宅医療・介護連携の推進も踏まえ、
更なる多職種連携の充実が必要ではないか。
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続いて2点目、
“居宅サービスにおけるリハビリテーション”
に関する論点提示です。
↓
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○
高齢者に対する
「心身機能」
「活動」
「参加」
のそれぞれの要素にバランスよく働きかける
効果的なリハビリテーションが徹底できていない
ことについて、どのように考えるか。
また、居宅サービスにおけるリハビリテーション機能の
役割や位置づけについて、
通所介護や訪問介護との役割分担や連携等も含め、
居宅サービス全体の機能や連携の在り方の中で再整理
する必要があるのではないか。
○
このような現状を踏まえながら、
バランスのとれた効果的なリハビリテーションを
今後更に推進するためには、
地域における高齢者リハビリテーションのあり方を
改めて検討する必要があるのではないか。
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要するに、
法人(or事業所)ベース・サービスベース
ではなく、
“ご利用者”
ベースの視点に基づいて、
ケアミックスによる効果を最大化させるための
仕組みをどう構築するか?
そして、
それらを実現するための不可欠要件として、
通所リハや訪問リハも含めた、
各地域に存在する、
“法人(or事業所)視点”
“サービス視点”
ではない、
“機能視点”
で分類された各居宅サービスをどうやって
“シームレス(=継ぎ目がない状態)化”
させるマネジメントを確立するか?
ということですよね。
極めて合理的だ、と感じる一方、
現状からどうやってその状態まで引き上げて
いくか?
ということを考えた場合、
かなり難易度が高い話になってくることは
間違いないでしょう。
や、
次期改正では、
これらの視点を具体的に推進するための
評価体系が設けられると思われますが、
例えば、文字通り、
“連携”
を推進するための思考レベルの準備を
開始する(=連携するならどこがいいか?等)。
もしくは、
単独法人として事業拡大&機能複合の
可能性を検討する。
或いは、異なる切り口から、
“非営利ホールディングカンパニー型法人”
に倣い、
“連携”
という緩やか(曖昧?)な言葉よりもう一歩
踏み込んだ形で
“ホールディングカンパニー型法人”
“アライアンス型法人”
のようなモデルを検討する。
更には、今年の診療報酬改正で定義づけられた
“機能強化型訪問看護ステーション”
のようなモデルを夢想する等々。
無論、
拙速に動く必要はありませんが、
そうやって、頭を柔らかくしておくと、
いざという時に、
迅速に行動を開始&加速出来る可能性は
大いに高まるものと思われます。
“企業は環境適応業である”
自社の理念・魂を根底に置きつつ、
“波”
(=次期はどんな改正になるのか?)
と
“潮の目”
(=未来の介護業界はどこへ向かうのか?)
の両面の要素から、
自社の未来ビジョンに対するイメージを着実に
固めてまいりましょう。
(参考 CBTAG代表 原田氏 情報)