2015年介護保険法改正情報5
2015年法改正の各論に関する検討が行われている
「介護給付費分科会」。
本会で話し合われたポイントや論点の多くは
そのまま次期改正に反映される可能性が高く、
その意味でも、介護事業者としては、ここでの
議論の進捗をしっかりと把握しておく必要が
あるでしょう。今回は、7月23日・8月7日の
介護給付費分科会にて取り上げられた
テーマを取り上げてまいります。
先ずは、特別養護老人ホームについてです。
提示された論点は下記の通りとなっています。
(1)現在、介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設
については、医療関係職種の配置等に係る加算や、
看取り介護加算が設けられているが、今後、中重度者を支える
施設としての機能に重点化されること等に伴い、医療ニーズの
高い入所者の増加が見込まれる中で、そうした入所者に対する
適切なケアを行う観点から、配置医師や看護職員の勤務実態等
も踏まえつつ、施設における医療提供体制や介護報酬上の評価
の在り方をどのように考えるか。
→勤務実態を踏まえつつ、今以上に体制整備を促進していこう、
という方向性になる、と考えるのが自然でしょう。
また、医療法人との連携等、非営利ホールディングカンパニー型 法人促進の布石になるような動きも出てくるのかもしれません。
(2)入所者の居住環境の改善を図る観点から、これまで、
「個室ユニット型施設」の整備を推進し、新設のものを中心
として一定の整備が進んできているが、一方で、一定数の
自治体において、地域の実情に応じて多床室の整備が
行われている実態に鑑み、多床室の居住環境を向上させる
観点からも、プライバシーに配慮した多床室の在り方を
検討する必要があるのではないか。
→要注目の視点ですが、ユニットケアを中心に施設整備
を進めていきたい、という方向性は、変わらないと
考えるのが自然でしょう。
(3)平成17年に居住費を利用者負担とした際、
多床室については、居住環境を考慮して、室料を
含まない光熱費相当分のみを居住費とする取扱いと
されているが、今後の介護老人福祉施設・地域密着型
介護老人福祉施設における居住費の利用者負担の在り方
をどう考えるか。
→多床室の費用負担も個室と同様に上がっていくものと
思われます。
(4)(5)については、内容を認識いただく程度で
十分かと思われます。
(4)特別養護老人ホームは、社会福祉法人等により設置
される地域福祉の拠点として積極的に地域展開をし、
地域貢献を行う必要がある。そのような中で、小規模多機能
型居宅介護等との併設禁止や人員配置基準上の取扱い等
についてどのように考えるか。
(5)「サテライト型」のみならず、「単独型」も増加している
地域密着型介護老人福祉施設について、特に都市部等の地域に
おける更なる整備を進めていくに当たり、どのような方策が
考えられるか。
続いて特別養護老人ホームの最後、(6)についてです。
(6)介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設
における様々な取組を評価する観点から、各種の加算を
設けているところであるが、その算定状況にはバラツキが
あるほか、平成27年度より、施設への新規入所者が原則
として要介護3以上に限定されることを踏まえ、報酬上の
加算の在り方をどのように考えるか。
→要介護3以上に限定されることにより、中重度者向けの
ケア体制の整備を目的とした加算等が新設される可能性
があるのかもしれません。
以上が特別養護老人ホームの変更に関する検討事項です。
次回は、特定施設入居者生活介護に関する議論のポイント
を見てまいりたいと思います。