社会福祉法人の在り方等に関する検討会 2
さて、今年7月に発表された
「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」
をご存知でしょうか?
社会福祉法人の方々は、おそらく確認
されているレポートだと思いますが、
ここでは何回かに分けてそのポイントを
皆様にご紹介いたします。
●2回目は、「社会福祉制度のセーフティネット
としての役割」
について、その主要な論点を下記致します。
1.社会福祉制度のセーフティネットとしての役割
(社会福祉法人の現状)
○ 非営利法人である社会福祉法人には、前述した機能の
発揮が当然求められている。 しかし、制度創設当初から
措置を受託する法人としての色彩が強く、行政からの強い
規制を受けて来たという歴史的な経緯もあり、
多くの社会福祉法人において、非営利 法人として制度や
市場原理では満たされないニーズに取り組んでいくこと
よりも、法 令や行政指導に適合することに重きを置いた
事業運営がなされてきたといえる。
○ 利用者本位の社会福祉制度への転換に対応して、
2000(平成 12)年の社会福祉基 礎構造改革では、
社会福祉法人の経営の原則が新たに示されるなど
、利用者のニーズ に対応した主体的な法人経営が
なされるよう制度改革が行われているが、それが十分
浸透していない。社会福祉基礎構造改革から
10 年余りが経過し、利用者本位の社会 福祉制度が
国民の間で一般化していく中で、社会福祉法人は、
近時の社会的な変化に 対応しきれていない面がある。
(社会福祉制度のセーフティネットとしての役割)
○ 社会福祉法人は、古くから社会福祉事業の主たる
担い手として活動している民間法 人である。
他の経営主体と比べ、福祉サービスのノウハウや経験、
専門人材や施設・ 設備をより多く有している経営主体
といえる。
引き続きこれまで培ったノウハウを生かして既存の
福祉サービスを担うのと同時 に、非営利法人として、
制度や市場原理では満たされないニーズに応えることが
期待 されているという原点に立ち返り、
様々な社会生活上の困難を抱える者に対して、日常生活の
支援を含むトータルなサービスを提供したり、
過疎地等他の経営主体の参入 が見込まれない地域で
サービスを提供したりするなど、他の経営主体で担う
ことが必 ずしも期待できない福祉サービスを積極的に
実施・開発していく必要がある。
○ 介護保険制度においては、地域包括ケアシステムの
構築が目標とされ、介護サービ スにとどまらない
生活支援も含めた体制整備が提唱されている。
社会福祉法人は、●地域包括ケアシステムの構築、
●対応の難しい、ソーシャルワ ークの必要な人への対応、
●新たなサービスの創造を積極的に行っていくなど、
社会福祉法人は、所轄庁による事業運営についての包括的
な指導監督に服しており、社会 福祉法人の今日的な役割を
十分に踏まえた所轄庁の対応がないと、現実には新たなニーズ
に対応し た経営ができない点には留意が必要である。
(例:資金の利活用や公益事業の認定とその実施など)
福祉制度と福祉サービスの提供主体、両方のセーフティネットとしての役割を果たし ていく必要がある。
次回は「法人組織の体制強化」についての項目について
論点の整理を行う予定にしております。