「2018年度介護報酬改定に向けた今後の課題」
法改正・報酬改定が施行されてから、はや、2か月が
経過しようとしています。一方、一息つく間もなく、
次回の改正・改定はどんどん近づいてきますし、
2018年度は医療と介護の同時改定であることも含め、
既に国は次期改正・改定に向けて動きを加速し始めています。
そこで、今回は、少し気が早いですが
、次期改正・改定につながるかもしれない重要な情報
について確認を進めてまいりたいと思います。
●法改正・報酬改定実施後も2015年4月23日、
2015年5月19日・20日と、連続して開かれている
介護給付費分科会。
そんな中、4月23日の会では、2015年1月9日に議論された
「平成 27 年度介護報酬改定に関する審議報告」が
あらためて取り上げられ、その中で示された「今後の課題」
について、あらためて再確認されました。
内容としては、次の通りです。
次回の介護報酬改定においては、介護保険制度の
持続可能性という視点とともに、質の高い介護サービスの
安定的な供給とそれを支える介護人材の確保、医療と介護の
連携・機能分担、更なる効果的・効率的なサービス提供を
推進するための報酬体系の見直し、報酬体系の簡素化など、
介護サービスのあるべき方向性も踏まえた検討を行う
とともに、診療報酬との同時改定も見据えた対応が
必要であり、例えば以下のような課題が考えられる
(※ここでは掲げられた4つの内、3つを抜粋)
。
【課題その1】
通所リハビリテーションや通所介護、認知症対応型通所介護
(以下、認知デイと表記)などの居宅サービスについては、
それらの共通の機能とともに、それぞれのサービスに
特徴的な機能(例えばリハビリテーション、機能訓練、
認知症ケアなど)の明確化等により、
一体的・総合的な機能分類や評価体系となるよう引き続き
検討する。 また、その際には、現行の事業所単位での
サービス提供に加えて、例えば地域単位でのサービス提供
の視点も含め、事業所間の連携の進め方やサービスの
一体的・総合的な提供の在り方についても検討する。
【課題その2】
介護保険制度におけるサービスの質については、
統一的な視点で、定期的に、利用者の状態把握を行い、
状態の維持・改善を図れたかどうか評価することが必要である。
このため、介護支援専門員による利用者のアセスメント
様式の統一に向けた検討を進めるとともに、
ケアマネジメントに基づき、各サービス提供主体で把握
すべきアセスメント項目、その評価手法及び評価の
ためのデータ収集の方策等の確立に向けた取組を行う。
【課題その3】 今後の診療報酬との同時改定を念頭に
、特に医療保険との連携が必要な事項については、
サービスの適切な実態把握を行い、効果的・効率的な
サービス提供の在り方を検討する。
非常に抽象的な内容で分かりにくい文章となっていますが、
予測も含めて要約すると、下記にように整理できるの
ではないでしょうか。
(1) 通所リハ・通所介護・認知症対応通所介護等の
サービスについては、例えば「通所介護」という共通
の括りの中で「リハ機能」「機能訓練機能」「認知症対応機能」
という分類等に類型化され、
その分類に基づいた加算形式で評価がされるようになる
可能性がある(=仮に通所リハや認知デイに現状の
通所介護の基礎報酬が反映されると、
両サービスの報酬が現状より下がる可能性がある。
加えて、通所介護の基礎報酬が更に下がる可能性もなくはない?)
(2) 事業所間の連携を促進するための加算等が生まれる可能性がある(他サービスの連携加算等が参考になる?)
(3) (1)(2)を前提に各サービスにおける質の
評価項目がケアマネジメントに基づいて見える化され、
それらの評価結果の高低によって報酬が上下する仕組みが
導入される
(現状の特定事業所加算やサービス提供体制強化加算の考え方
が反映される?もしくは新たな考え方が登場する?)
(4) 特に医療との結びつきが重要なサービスについては、医療連携強化促進策がより充実される可能性がある
(加算等で対応?)
上記はあくまでコンセプトレベルの内容が提示されたに
過ぎず、今後、どのような展開が具現化されるかについては、
これから始まる議論をしっかりと注視していく必要があるでしょう。
しかし、地域包括ケアシステムの構築・充実を大前提に、
「貢献度の高い機能に対する評価(リハ・生活行為力向上・認知対応・中重度対応etc)」
「医療とは勿論、介護分野同志の他サービスとの連携の推奨」
「質の評価の追及(=質が高いサービスが生き残る仕組み)」
等々の「考え方の軸」についてはぶれる事がないと思われます。
上記軸を社内にインストールし、
サービスに落とし込むためには、それ相応の時間が必要に
なってきます。その意味では、これらの情報を念頭に、
例えば連携相手の調査を開始する等、未来を予測しながら、
出来るところから準備をし始めておく事が必要だと
言えそうです(後でドタバタしないためにも)。
弊社としても、更なる情報の入手や具体化の
アイデアが浮かび次第、皆様にどんどん
情報を発信してまいります。