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9月に開催された“介護給付費分科会”のポイントを理解しておきましょう

9月に開催された“介護給付費分科会”のポイントを理解しておきましょう

2021年度法改正・報酬改定に向けた議論、いよいよ各論へ

2021年度介護保険法改正・報酬改定の議論が現在進行形で行われている“介護給付費分科会”。20206月より本格始動した本会は6月、7月は各2回、8月は3回、9月は2回開催されており、徐々に各サービスの具体的な法改正の論点が明らかになりつつあります。中でも今回特徴的なのは、「感染症や災害への対応力強化」というトピックスが独立したテーマとして掲げられていること。これらの情報を早めにインプットし、(心構えも含めた)然るべき準備を行っていく事を目的に、今回は、94日に開催された会で挙げられた論点について、内容を確認してまいります。

 

2020年9月開催の「介護給付費分科会」で示された論点(抜粋)とは

では、早速、中身を確認してまいりましょう。

 

まずは感染症対策等にかかる現状基準の確認です。施設サービスでは、下記のような対応が「義務(≠努力義務)」として定められています。

 

◯感染症または食中毒の発生、まん延の防止のための以下の措置を実施

①委員会の開催(概ね3ヶ月に1回)、その結果の周知 ②指針の整備 ③研修の定期的な実施

④「感染症及び食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順」に沿った対応

※2020年9月4日 介護給付費分科会資料より抜粋

 

次に災害対策に関する現状基準の確認です。訪問系サービス及び居宅介護支援事業以外の全てのサービスにおいては、下記のような対応が同じく「義務(≠努力義務)」として定められています。

 

◯非常災害に関する具体的計画の策定

◯関係機関への通報・連携体制の整備、従業者への周知

◯定期的な避難等訓練

※2020年9月4日 介護給付費分科会資料より抜粋

 

また、上記に加え、介護サービスの安定的・継続的な提供のための、「業務継続計画(いわゆるBCP)」についての論点も確認しておきます。

 

○ 新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)では、特定接種の登録事業者(※1)について、業務継続計画(BCP)の作成が求められており、対象となりうる事業者に対し、「社会福祉施設・事業所における新型インフルエンザ等発生時の業務継続ガイドライン(※2)」が示されている。

○ また、社会福祉施設等は、災害等にあってもサービス提供を維持していくことが求められており、社会福祉施設等の事業継続に必要な事項を定める「事業継続計画」の作成が推奨され(※3) 、その作成に資するものとして「社会福祉施設等におけるBCP様式(※4)」が示されているところ。

○ 令和2年度第二次補正予算においては、介護サービス事業所のBCPの策定支援のため、各サービス類型に応じたガイドラインの作成や、BCP作成の指導者養成研修のための予算を確保。

※2020年9月4日 介護給付費分科会資料より抜粋

上記3点を踏まえた上で、今回の法改正に掲げられている「感染症や災害への対応力強化」についても確認しておきましょう。まずは、感染症への対応に関する現状整理についてです。

 

■感染症への対応として、運営基準においては、

・介護保険施設においては、感染症対策について取組を行うことの義務

・通所系・居住系サービスにおいては、感染症対策に関する努力義務

が設けられている。

また、介護保険施設に対しては、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(平成313月改訂)」を示している。

■今般の新型コロナウイルス感染症への対応においては、

・介護報酬において、一時的に人員基準等を満たせなくなる場合の柔軟な取扱いや、対面での実施が求められる会議の柔軟化、サービス毎の特性に応じた柔軟な取扱いを可能とするなど、臨時的な取扱いを行うとともに、

・補正予算等を活用し、衛生物品の確保や設備整備、サービス継続、応援体制の構築、感染症対策の徹底のための支援や、ICT化の支援を行っている。

・また、社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点や、高齢者施設における感染症発生に備えた対応等を示し、感染症対策の徹底と発生に備えた取組の促進を図っている。

■また、現在、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(平成313月改訂)」や今般の新型コロナウイルス感染症における「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点」を踏まえ、全てのサービス類型が対象となる、感染症対策に関するマニュアルや、事業継続計画(BCP)に関するガイドラインの作成を進めている。

※2020年9月4日 介護給付費分科会資料より抜粋

 

次に、災害への対応に関する現状整理についてです。

 

■非常災害対策として、運営基準においては、

・訪問系サービスを除く全てのサービスで非常災害に関する具体的計画の策定等が義務付けられているほか

・小規模多機能型居宅介護や認知症対応型共同生活介護においては、訓練に当たっての地域住民との連携の努力義務が設けられている。

また、交付金等を活用し、高齢者施設等の防災・減災対策を支援するため、耐震化や非常用自家発電や給水設備の整備を進めている。

■また、災害発生時においては、交付金等を活用し、災害復旧に要する費用についての支援を行うとともに、介護報酬の臨時的な取扱いを可能としている。

具体的には、平成30年度以降、7回、臨時的な取扱いの対象となった災害があったが、その際には、被災により一時的に人員基準等を満たせなくなる場合や、避難所等で生活している者に居宅サービスを提供した場合、被災した要介護高齢者の受け入れにより高齢者施設等で人員超過等した場合に柔軟な取扱いを可能とするなど、臨時的な取扱いを行ったところ。

■さらに、現在、全てのサービス類型を対象に、事業継続計画(BCP)に関するガイドラインの作成を進めている。

※2020年9月4日 介護給付費分科会資料より抜粋

 

これらを踏まえた、感染症や災害への対応力強化についての論点は下記の通りとなっています。

 

<論点>

■今般の新型コロナウイルス感染症や、昨今の自然災害における介護サービスの被災状況等も踏まえ、感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に対して必要な介護サービスが安定的・継続的に提供される体制を構築していくため、日頃からの発生時に備えた取組や発生時における業務継続に向けた取組を推進する観点から、現行の運営基準等も踏まえて、どのような方策が考えられるか。

■各事業所において、災害や感染症が発生した場合でも業務を継続していくための業務継続計画(BCP)の策定を進めていくために、どのような方策が考えられるか。

■災害発生時や新型コロナウイルス感染症への対応における介護報酬の臨時的な取扱いについて、災害や感染症への対応力強化や生産性向上等の観点から、ICTの活用をはじめ、平時からの取扱いとすべきものについて、どのように考えるか。

※2020年9月4日 介護給付費分科会資料より抜粋

 

「感染症対策や災害対策を強化すれば、加算が取れるようになるのでしょうか?」過去、そのような質問を幾度かいただく機会がありました。考え方としては「~という対策をしている法人には〇〇単位」という“一対一対応”型の加算が新設されるのか、或いは体制加算(特定事業所加算やサービス提供体制強化加算等)の充実という形で評価・インセンティブが新たに設計されるのか、いずれかのパターンが想定されるかと思いますが(勿論、それ以外の方法もあるかもしれませんが)、どんな形になるにせよ、社会的使命から介護施設には「感染症対策や災害対策の強化」が強く求められてくることは間違いなく、同時にそれらの充実は職員確保・ご利用者確保に対しても影響を及ぼしてくるものと思われます。そのような観点を総合的に斟酌した上で、今後の対策・対応について検討を重ねておく必要があるのではないでしょうか。

 

議論のプロセスから関心を持って情報を追いかけておくことが大切

上記情報はあくまで「現時点における議論のプロセスから得られる示唆」であり、今後、時間の経過と共に、更に内容が煮詰められたり、或いは、場合によっては議論の風向きがいきなり転換するような状況も発生するかもしれません。介護経営者としては「こうなりました」という最終的な結論だけでなく、「何故このような内容に着地したのか?」という、言葉の裏に潜む意図や背景を温度感も含めて理解する姿勢が重要となってくるのではないでしょうか。

そのためにも早め早めに情報をキャッチアップし、頭の中で“PDCA”を回しておく事が重要だと思われます。「もし上記が実行された場合、自社にはどのような影響が出てくるか?」「それら想定される影響に対し、どのような対応を行う事が最適なのか?」幹部育成の視点も含め、そのような議論を社内で始めていかれる事を是非、おススメする次第です。

私たちも今後、有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。

 

※本ニュースレターの引用元資料はこちら

第184回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13243.html

「高齢者施設における新型コロナウイルス感染症 発生に備えた対応等について」

厚生労働省は6月30日、 「高齢者施設における新型コロナウイルス感染症 発生に備えた対応等について」

というタイトルのもと、“有事への備え” のポイントについて、 改めてまとめた通知を公表しました。

詳細は下記をご確認ください。

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2020/0701090843379/ksvol.853.pdf?from=rss

現場復帰する介護職への準備金、大幅拡充 厚労省 全国一律で最大40万円

厚生労働省は28日、いったん離職した介護人材が現場へ戻る際に“準備金”を支払って後押しする制度について、その額を大幅に引き上げる方針を明らかにした。

準備金は現在、人手不足がより深刻な首都圏、関西圏、東日本大震災の被災地など14都府県で最大40万円、それ以外の33道県で最大20万円となっている。これを全国一律で40万円に揃える形で拡充する。27日に閣議決定された第2次補正予算案の成立後、速やかに実行する計画だ。

この制度は、現場を離れた介護人材に復帰を促す呼び水として創設されたもの。準備金は基本的に貸し付けとなるが、復帰後に介護職として2年間働けば返還は全額免除される。

《厚労省公式ページ》再就職準備金のご案内

対象者の要件は、ホームヘルパー2級(初任者研修修了)以上の資格を持っていること、介護職の実務経験が1年以上あることなど。準備金の使途としては、転居のためにかかる費用、通勤用の自転車・バイクの購入費、研修費、参考図書の購入費、介護ウェアの購入費などがあげられている。(介護ニュースサイト)

新型コロナウイルス感染症についての相談・受診 目安(厚労省)

「施設・事業所は今後、新しい目安にのっとって
判断をして欲しい」

・・・・

新型コロナウイルス感染症についての相談・受診
目安の改訂が公表されていますね。

既にご存知の方も多くいらっしゃるかと存じますが、

「未だ確認していない」

と仰る方は、こちらをご覧下さいませ。

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2020/0512113210312/ksvol.832.pdf

 

【コロナ対策 緊急配信 感染対策動画】

皆さん、こんにちは。

今日は新型コロナ対策の緊急配信第3弾として、厚労省が配信した

下記の動画を3本ご紹介します。従業員の教育に面でお役立てください。

①訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策!①(あなたが利用者宅にウイルスをもちこまないために)

https://www.youtube.com/watch?v=OQp6VRyoYL4

②訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策!②(利用者とあなたの間でウイルスのやりとりをしないために

 

https://www.youtube.com/watch?v=RZN_aN6dcs4

③訪問介護職員のためのそうだったのか!感染対策!③(あなたがウイルスをもちださないために)

https://www.youtube.com/watch?v=6PKNJjJ7hQc

 

 

 

【緊急配信 コロナ対応助成金】

4月28日発表された新型コロナ対策助成金の速報です。

今回は「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」です。

 

●対象事業主
 新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する 中小企業事業主
 (※試行的に導入している事業主も対象となります)

●助成対象の取組
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・就業規則・労使協定等の作成・変更等

※シンクライアント端末(パソコン等)の購入費用は対象となりますが、シンクライアント
 以外のパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象となりません。
 ただし、レンタルやリースについては、5月31 日までに利用し、支払った経費については対象
 となります。

●主な要件
事業実施期間中に
・助成対象の取組を行うこと
・テレワークを実施した労働者が1人以上いること

●助成の対象となる事業の実施期間
令和2年2月17日~5月31日
計画の事後提出を可能にし、
2 月 17 日以降の取組で交付決定より
前のものも助成対象とします。

●支給額
補助率:1/21企業当たりの上限額:
100 万円

 

詳細は下記まで
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000625750.pdf

 

医療事業者様向け情報(労務)2月号②

パートタイマーに対する待遇等の説明義務

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長

先日入社したパートさんに「私の時給はどのようにしたら上がるのですか?」と尋ねられました。当社では、正社員の昇給時期に、勤務成績が優秀なパートさんについて個別に時給を引上げているのですが、このような説明をする必要があるのでしょうか。

社労士

はい、パートタイマーを雇ったときには賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用など 総務部長について、説明する義務があります。例えば「給与はどのように決まるのか」ということや「どのような教育訓練を実施しているのか」等です。

総務部長

そうなのですか。どのような方法で説明するのでしょうか。

社労士

口頭で行うことが原則ですが、説明すべき事項が漏れなく記載されていて、容易に理解できる内容となっていれば、文書を交付すること等も認められています。

総務部長

なるほど、わかりました。一度まとめて、パートさんに渡せるようなものを作ってみます。

社労士

これ以外にも、「正社員への転換制度にはどのようなものがあるか」といった質問が寄せられたときにも、説明をする義務があります。

総務部長

当社では、勤続3年以上の者で、本人が希望し、上司からの推薦があるときに正社員登用試験を受けることができるので、この内容を説明することになりますね。

社労士

はい、そうですね。また、大企業では今年4月から、中小企業では来年4月から、正社員と非正規社員の不合理な待遇差の禁止(いわゆる同一労働同一賃金)が始まります。これとともに、非正規社員に対する待遇に関する説明義務が強化され、非正規社員から求めがあった場合には、待遇差の内容や理由を説明することが義務となります。

総務部長

パートさんから「正社員には通勤手当が支給されるのに、私には支給されないのはなぜか?」という質問に答える必要があるということですね。

社労士

そうですね。正社員と非正規社員の不合理な待遇差の是正はもちろん、これに加え非正規社員から説明を求められたときに対応できるよう、いまから待遇差の整理と必要に応じて是正をし、説明できるように準備しておきましょう。

【ワンポイントアドバイス】

  1.  非正規社員の雇入れ時には、賃金、教育・訓練、福利厚生施設の利用など雇用管理上の措置の内容を説明する義務がある(※)。
  2.  非正規社員から求めがあったときには、待遇差の内容や理由を説明する義務が今後課せられる。
  3. 説明は口頭で行う他、文書を交付することも考えられる。

※フルタイムの有期労働者についても同一労働同一賃金の施行時期に義務化される。

(次号に続く)

社会保険労務士法人
ヒューマンスキルコンサルティング
林正人

保育事業所様向け情報(労務)10月号③

労働基準監督署の監督指導で指摘を受けやすい事項

先日、厚生労働省より「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成30年度)」が公表されました。これは全国の労働基準監督署(以下、「労基署」という)が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき、企業への監督指導を行った結果について公表したものです。調査により問題を指摘された企業は賃金不払残業を解消するための取組みを行うことが求められます。具体的な取組事例の一部が、是正結果とともに公表されているため、企業における実際の取組事例を見てみましょう。

1.賃金不払残業の状況

・割増賃金が月10時間までしか支払われないとの労働者からの情報を基に、労基署が立入調査を実施。

・会社は、自己申告(労働者による労働時間管理表への手書き)により労働時間を管理していたが、自己申告の時間外労働の実績は最大月10時間となっており、自己申告の記録とパソコンのログ記録や金庫の開閉記録とのかい離があり、賃金不払残業の疑いが認められたため、労働時間の実態調査を行うよう指導。

2.企業が実施した解消策

会社は、パソコンのログ記録や金庫の開閉記録などを基に労働時間の実態調査を行った上で、不払となっていた割増賃金を支払った。賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。

①支店長会議において、経営陣から各支店長に対し、労働時間管理に関する不適切な現状及びコンプライアンスの重要性を説明し、労働時間管理の重要性について認識を共有した。

②労働時間の適正管理を徹底するため、自己申告による労働時間管理を見直し、ICカードの客観的な記録による管理とした。

③ICカードにより終業時刻の記録を行った後に業務に従事していないかを確認するため、本店による抜き打ち監査を定期的に実施することとした。

これはあくまでも一事例に過ぎませんが、このように、労働時間の適正把握のために、ICカードなどの客観的な記録による管理を行うことが求められ、またICカード導入後についても、その記録が適正なものになっているか抜き打ち監査を行うなど、確認することが求められています。取組事例を参考に、監督指導を受けないように対策をしていきましょう。

労基署の調査では、労働時間に関するもののほか、管理監督者として取り扱っている従業員が労働基準法で認められた範囲であるかについて指導が行われるケースがあります。具体的には、労基署が職務内容、責任と権限、勤務態様、賃金の処遇等を確認した上で、企業に対して、管理監督者の範囲を見直し、適正ではない疑いがあるときは、必要な改善を図るよう指導が行われています。自社の取扱いを確認し、問題があれば改善しましょう。

(次号に続く)

【介護・保育】人材定着ブログ10 月号 ~働き方改革とワークライフバランス② ~

介護・保育業界における導入に向けた取り組み

事業所の経営者の方々と話していると、こんな声をよく聞きます。「大切な取り組みであることはわかっているけども、ただでさえ人手不足なのにそのうえ、残業削減、有給休暇取得促進によって現場が回っていくのか、サービスの低下につながるのではないか」。初めての取り組みゆえに、このような心配はよくわかります。しかし、取り組まないことへのデメリット、取り組むことへのメリットを考えて判断していくことが大切なのではないでしょうか。業界を取りまく環境の変化への対応と、人材の確保(採用と定着)、今後の法人イメージなどについて、それぞれに影響を洗い出したうえで考えてみてはいかがでしょうか。まずは、出来ることからスタートすることが大切だと思います。

それでは、その取り組み方について、大まかなステップについて説明させていただきます。

(1) ステップ1
まずは、ワークライフバランスや働き方改革への取り組みについて、その目的を明確にして、それを社員に伝えていくことです。例えば、なぜワークライフバランスや働き方改革が必要なのか、なぜわが社はとり組むのか、どんなメリットがあるのか等をしっかり伝え、理解浸透を深めることが必要です。
例えば、ワークライフバランスを実現するための手段の一つである「ロボット・ICT導入」でも、重要なことは「なぜ導入するのか?」「導入して何を目指すのか?」など目的や目標を含めた「定義づけ」をあらかじめしっかりと行っておくことです。そのうえで導入後の「あるべき姿」を職員間で共有することです。さもないと「面倒だ」「邪魔だ」などの理由で、使用を拒絶されることもあります。ロボット・ICT導入に限らず、「導入の定義づけ」、「あるべき姿」を共有していき、それを実現する為の手段という位置づけで推進することがとても重要です。

(2) ステップ2
意識や風土の醸成から取り組みを始めることです。よく、こんな声を聴きます。育児介護と仕事の両立に向けて制度を整えたが実際には使ってもらえない、または、業務効率化に向けて従業員に「インカム」を持たせてコミュニケーションの円滑化をはかったが、実際にはあまり使用されない。これらは、「制度」から入った失敗例といえるのではないでしょうか。制度を導入して、取り組みを行ったつもりでいるのは上層部だけで、実際にはそのような制度を活用できる「風土」がないと制度は機能しません。言ってみれば、「上」からの指示でスタートしても、「やらされた感」的な印象で取り組む限りそれは長続きしません。社員がその目的と必要性をよく理解し、主体的に取り組めるような状況(組織風土)が必要なのです。
それでは、組織風土の醸成にはどのような取り組みが必要なのでしょうか。例えば、ある法人では「理念」の共通理解を促進するためにセミナーや研修、ワークショップなどを行い、さらに職員満足度調査を行ってアンケート調査やヒアリング、座談会などを行っている組織もあります。それらに共通している取り組みは、「一方通行ではないコミュニケーションの充実化」です。職場におけるコミュニケーションの充実化が最も重要であると言われる経営者や管理者の方々は非常に多いのですが、それを具体的な取り組みとして、どれだけの時間と人的パワーを捻出しているでしょうか?大事だとわかっていても、社員との面談も行えていないという職場も多いのではないかと思います。熱心に取り組む法人のなかには、毎月1回上司との面談を行い、管理者に向けては施設長や理事長とも定期的に面談する機会を設けているところもあります。なんとこの介護施設は延べで年間4000回の面談を設けているそうです。また別の法人では社員の意見に耳を傾け、その中で貴重な意見があれば、経営にも取り込むといった真摯な姿勢、また面談だけではなく、説明会・研修会・小グループでの懇談会などを通じて、社員全員の理解と共有化を推進しているところもあります。そのような取り組みを継続して行っていくことで、徐々に良好な風土が醸成されていき、その結果として、働き方改革やワークラーフバランスなどの「新しい取り組み」に対しても前向きな姿勢で「やってみよう」という雰囲気が生まれ、自主的な取り組みにつながっていくのではないかと思います。

・・・次回は引き続き、事業所の取り組み状況につぃてお伝えいたします。

特定処遇改善加算Q&A第3弾

厚労省は先月末の29日、

「2019 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.3)」

を公表しましたね。

目を通しておいた方が良い方もいらっしゃるかもしれません。

関心をお持ちの皆様は、下記をご確認下さいませ。

https://www.wam.go.jp/gyoseiShiryou-files/documents/2019/082918212670/ksvol738.pdf

 

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