介護経営情報
厚生労働省は11月25日、来年の介護保険法の改正に向けた協議を行っている社会保障審議会・介護保険部会の
会合を開き、年内にまとめる意見書の素案を提示した。
ケアマネジメントについては、新たに利用者負担を徴収する
構想に言及。これまでに出た賛否の両論を併記し、
「引き続き検討を行うことが適当」とまとめた。
今回は実施を見送る方針を明確にした形だ。
ケアプランを有料化する案は、制度の見直しをめぐる
議論で過去に何度も取り上げられて
きた。今年の介護保険部会でも、複数の委員が早期に
実現すべきだと主張。一方、当事者の日本
介護支援専門員協会や利用者でつくる団体は反対し、
両者が折り合うことはなかった。
厚労省は素案に賛成意見として、「家族・利用者に
コスト意識を持ってもらうために一定の負担は必要」
「ケアマネジャーの専門性を評価する意味で負担を
求めるべき」などを記載。
反対意見としては、「利用者の意向を反映すべきとの
圧力が強まり、給付費の増加につながる」
「気兼ねなく相談できることを確保すべき」などを列挙した。
ケアマネジメントについてはこのほか、
2018年度の介護報酬改定に向けて検討すべき課題を整理している。
具体的には、「特定事業所集中減算の見直しも含めた
公正中立なケアマネジメントの確保」を俎上に載せるとした。
加えて、
・入院・退院時における医療との連携の強化
・居宅介護支援事業所の管理者の役割の明確化
も論点に位置付けている。
※参照URL
↓http://www.joint-kaigo.com/article-2/pg100.html 安倍晋三首相は11月10日の「未来投資会議」で、
2025年を見据えて新しい医療・介護システムの
構築を目指す意向を表明した。健康の維持や重度化の予防、
自立の支援といった視点をより重視した制度に変えるとともに、
人工知能(AI)やロボット、見守りセンサー、ICTなど
最先端の技術をフル活用していく構想を説明。
改革のスピードを早めるため、施設・事業所の人員配置基準
や報酬の見直しに踏み込むと言明した。
増大するニーズに応えられる効率的な体制を作りつつ、
膨らみ続ける社会保障費の抑制も達成したいという
思惑がある。安倍首相は席上、「パラダイムシフトを起こす。
目標時期を明確にし、そこから逆算して実行計画を決める」
と号令をかけた。「2025年はすぐそこ。間に合うように
新たなシステムを2020年までに本格稼働させていく」とし、
関係閣僚に具体化を求めた。
塩崎恭久厚生労働相はこの日、当面の取り組みの工程表を
提示。2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に、
安倍首相の指示に沿った施策を盛り込みたい考えを明らかにした。
詳細な議論はそれぞれの審議会で進める。
今後、イノベーションの基盤をなす有用なデータベースの整備や、
ハイテク機器を活用するメリットの実証などを急ぐ。
2020年代初頭には、AIによる診療やケアの合理化、精度の
高い遠隔サポート、科学的に裏付けられた介護、職員の
負担軽減などを実現できるように展開するという。
会議に出席した有識者は、介護報酬改定で実施すべき措置を提案。
ロボットなどの導入を促す仕掛けを組み込むことに加えて、
自立支援の観点で効果が高いケアの内容を構造化・標準化し、
それを行わない事業者の報酬を下げることも打ち出した。
診療報酬については、遠隔医療の評価を対面と同等に設定
することや、AIによる診療の最適化を後押しすることなどを
あげている。
会合後に会見した石原伸晃経済再生担当相は、
「我が国が抱えている少子高齢化、人口減少といった課題を、
イノベーションの社会実装を通じて解決していく」と強調。
「医療・介護の分野はさらに議論を深掘りしていきたい」と
意欲をみせた。政府は今後、与党や現場の関係者との調整に
も力を入れる方針だ。 月額1万の待遇改善の支給要件が明らかに
11月16日に開かれた「第132回社会保障審議会介護給付費分科会(以降、本分科会)と表記」において、かねてより話題に上っていた「介護職員の待遇改善(月額1万円)」の具体的方法論が示されました。
来年1月の加算率公表を経て、具体的に加算要件がスタートするのが2017年4月。事業者としては早めに準備を進めておく必要が高いであろう、という想いのもと、今回は、新たに設けられる加算要件の内容について確認してまいります。
新たな支給要件とは
本分科会の中では新たな支給要件の対応案として、先ず、下記内容の解説が為されました。
あらためて確認すると、事業者として「月額1万円相当の上乗せ加算報酬」を獲得するためには、下記2つの要件のクリアーが求められてくる、ということになります。
(1) 現状の処遇改善加算(I)の要件
(2) 経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること(就業規則等の明確な書面での整備・全ての介護職員への周知を含む)
(3) (=キャリアパス要件(3))
この2要件のクリアーを条件とする加算区分が、これまでの処遇改善加算(I)の上に更にもう一つ設けられる、ということになる訳です。
更に、『「経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み」とは具体的にどのようなものなのか?(現行の処遇改善加算の要件との違いは?)』という疑問が生じる事も想定した上で、解説資料も同時に開示されています。しっかりと目を通し、今回の加算要件に対する理解を深めておくことが重要です。
加算要件クリアーの“先”に対する意識も重要
「月額平均1万円の処遇改善」の報酬を手にしたとしても、当然ながら、全ての介護職員に対して“平等”に1万円ずつを配分しなければならない訳ではなく、その配分基準については、上記
経験 資格 評価等の基準づくりも含め、各々の事業者の人事戦略に委ねられることになります。その意味においては、本加算の要件をクリアーすることは当然の事として、経営者としては、「この上乗せ報酬を有効活用して、どのように組織を活性化させるか?」についてもしっかりと計画を練っておく必要があると言えるでしょう。
そのためには入念な準備が必要となる事は間違いなく、早め、早めに行動に移されることを強くおススメする次第です。我々としても今後、本テーマに対する新たな関連情報が入り次第、適宜、皆様に発信してまいります。 >厚生労働省は、介護職員の賃金を平均で月1万円程度引き上げ
> るため、来年4月から既存の「処遇改善加算」を拡充する方針
を 固めました。一定の基準にもとづいて定期的に昇給させる
仕組み 構築、経験や資格に応じて給料を上げていれば対象
とするそうで す。これまでの要件はそのまま維持しつつ、
加算率の高い新たな 区分を設けるとのことです。
この議論は社会保障審議会・介護給付費分科会で提案され、
委員 からは大筋で了承を得,年内正式に決定、来年度の予算に
必要な 経費を計上するという流れになります。尚、加算率の
発表は1月下 旬頃となる見込みだそうで、詳細の通知、
Q&Aは年度末までに用 意するとのことです。
>
●厚労省によれば、新設する「キャリアパス要件III」を、
他の全 ての要件と共に満たせば単位数を多く得られるとして
います。 その「キャリアパス要件III」をみますと次の通りと
なります。
>
●一定の基準にもとづいて定期的に昇給を判定する仕組み
●経験や資格に応じて昇給する仕組み
>
のどちらかを就業規則などに位置づけて導入し、職員に広く
周知 することを求めています。これまでの
「キャリアパス要件I」では、
「職位・職責・職務内容に応じた賃金体系にする」との制約を
課し ていますが、昇給の具体的な手法には踏み込んでいませんでした。
「キャリアパス要件III」を組み入れた区分を加えるだけで、
それ以 外の要件やルールの変更はしないとのことです。
>
●参考までに、これまでの要件をまとめ、例示すると以下の
通りと なります。
>《 キャリアパス要件I 》
職位・職責・職務内容等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
> 《 キャリアパス要件II 》
> 資質向上のための計画を策定して研修の実施または研修の機会を確保
> すること
> 《 キャリアパス要件III 》
> 経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準にも
> とづき定期に昇給を判定する仕組みを設けること
> 《 職場環境等要件 》
> 賃金改善以外の処遇改善を実施すること
> *就業規則等の明確な書面での整備・全ての介護職員への周知を含む
>
> <処遇改善加算の拡充後のイメージ> キャリアパス=CP
>
> 《 来年度から処遇改善加算は5段階へ 》
> 新加算 月3万7千円相当
> CP要件I及びCP要件II及びCP要件III +職場環境要件
> 加算I 月2万7千円相当
> CP要件I及びCP要件II +職場環境要件
> 加算II 月1万5千円相当
> CP要件I又はCP要件II +職場環境要件
> 加算III 加算II×0.9
> CP要件I or CP要件II or 職場環境要件 いずれか1つ
> 加算IV 加算II×0.8
> CP要件I or CP要件II or 職場環境要件 いずれも満たさず
>
>
> ●人材確保・定着に関する議論はますます活発になってきています。
> ここでも再三触れているAIや介護ロボットの議論も介護人材の確保
> ということで介護報酬や配置基準にまで踏み込まれやはり活発化し
> ています。それらの動向も踏まえて自組織のなかで、どう組織全体
> を構築していくのか。
>
それは、単に「どうさばくか」といういわば小手先の
「HOW」の 対応だけでなく、「WHY」「WHAT」という視点まで
落し込んで法人 のあり方を確認しておくことも組織構築を
考えるうえ大事であるとも 感じます。
>
>
> 参考 http://www.joint-kaigo.com/article-2/pg88.html
皆様、こんにちは。
改正社会福祉法に関する政令やQ&Aがでました!!
社会福祉法人の経営者や関係先の皆さんが待ちに待った
改正社会福祉法の関係政令(通知)やQ&Aが発出
されましたので本日、皆様方にお届けいたします。
⇒http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000142657.html
2018年の報酬改定に向けた動き
現在の議論を整理・集約すると、大きく分けて下記5つに大別できるものと思われます。
(1) 保険者機能強化・見直し関連
(2) 人材確保関連(生産性向上・業務効率化)
(3) 各サービスのあり方関連
(4) 利用者負担・費用負担関連
(5) 新たな枠組み関連(地域共生社会)
今回は、このなかでも特にご質問・ご相談が多い(2)(3)の内容について触れてまいります。
先ずは(2)、人材確保関連(生産性向上・業務効率化)についてです。
人材確保関連(生産性向上・業務効率化)
人材確保関連に対する議論は、これまでもここで触れてきましたロボット・ICTの議論です。9月の介護保険部会において、ロボット・ICTの活用促進のために、ロボット・ICTを活用している事業所に対して介護報酬や人員・設備基準の見直し等を介護報酬改定時に検討することが提案されています。
また業務効率化等の観点から法令上提出か?必要な書類等の見直しや、ICTを活用した書類の簡素化を求めた提案がされています。この流れはさらに加速しそうですし、公的資金の動向も含め着目しておきたい論点です。
※最下部の「資料1」をご覧ください
続いて(3)の論点について触れてまいります。
各サービスのあり方
まず、同会にてとりあげられているサービスの全体について確認しておきましょう(下記)。
・ ケアマネジメントのあり方
・ 福祉用具・住宅改修
・ 軽度者への支援のあり方
・ リハビリテーション機能の強化
・ 中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化
・ 療養病床再編に向けた議論
・ 安心して暮らすための環境の整備(特養)(有料老人ホーム)
これらの中から特にご質問の多い項目「ケアマネジメントのあり方」「福祉用具・住宅改修」「軽度者への支援のあり方」「中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化」各々について論点を確認してまいります。まずはケアマネジメントからです。
各サービスのあり方~ケアマネジメントのあり方
介護保険部会では、ケアマネジャーのあり方について、次の視点に基づいて審議が進められています。
1. 資質向上を目的に、今後,ケアマネジメント手法の標準化を推進する事。
2. 適切なケアマネシ?メントを推進するため、居宅介護支援事業所における管理者の役割を強化する事。
3. 特定事業所集中減算の見直しも含めた公正中立なケアマネシ?メントを確保する事。
4. ご利用者の1割負担をケアマネジメントにも導入する事。
5. 入退院時における医療・介護連携の強化等の観点から、居宅介護支援事業所の運営基準等の見直しを介護報酬改定の際にあわせて検討する事。
特に4.の利用者負担問題については、反対署名を22万筆以上集めたことを、「日本介護支援専門員協会」が6月の社員総会で明らかにしましたが、以降も賛否両論(下記)が併記されながら、現在も介護保険部会での審議は継続されています。最終的にどちらに着地するかは未知数ですが、事業者としては「1割負担が導入される」ことを前提に、今後の事を考えておいた方が賢明だと言えるでしょう。
尚、ケアマネジメントの利用者負担導入の際の議論の内容、論点は次の通りです。
※最下部の「資料2」をご覧ください
続いて、福祉用具・住宅改修の議論に移ってまいります。
各サービスのあり方~福祉用具・住宅改修の論点
福祉用具については、貸与価格の問題が議論されており、極端な価格差が生じないようにすることなどが論点とされています。
また、住宅改修にあっては、住宅改修の内容や価格について保険者が適正に把握・確認できるようにするとともに、利用者の適切な選択に資するための見積書類の様式や、複数の住宅改修事業者から見積りをとれるようにケアマネジャーが利用者に対して説明することができることを提案しています。
さらに共通項として、福祉用具や住宅改修が,利用者の自立支援、状態の悪化の防止、介護者の負担軽減等の役割を果たしていることも考慮した上て?、価格設定や保険給付の対象範囲、利用者負担のあり方等について問題提起しています。
※最下部の「資料3」をご覧ください
続いて、軽度者への支援のあり方についてです。
各サービスのあり方~軽度者への支援のあり方の論点
10月4日の財政制度分科会では、「改革の方向性」(案)として,軽度者に対する生活援助については、地域支援事業に移行すべきとのまとめがなされています。
ところが,10月12日の介護保険部会の論点は、その方向性とは異なっています。すなわち、まずは他のサービスの総合事業への移行状況や、「多様な主体」による「多様なサービス」を着実に進め、事業の把握・検証を行った上で地域支援事業への移行検討を行うべきとしています。正当な理由があるとはいえ、この段階で大きく方向性が変わることは余り例がなく,巷では選挙対策との噂が飛び交うほど注目された動きです。
※最下部の「資料4」をご覧ください
最後は、中重度の在宅生活を支えるサービス機能の強化についてです。
各サービスのあり方~中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化についての論点
この議論は、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスの利用者数や事業所数を増やすなどの充実をどう図るかというのが焦点です。
※最下部の「資料5」をご覧ください
具体的には、地域密着型通所介護について、小規模多機能型居宅介護等の普及のため必要があれば、市町村が地域密着型通所介護サービス事業者の指定をしないことができるしくみの導入や、在宅のケアマネージャーが(看護)小規模多機能にご利用者を紹介しても、プランの移動が生じないようにする等の提案が為されています。
このように、ここでの議論は、中重度者の在宅生活を支えるしくみとして,小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスへの期待があらためて強く感じられる流れになっています。
自社の経営に影響が出そうな論点については更なる情報収集を
2018年介護報酬改定の方向性は、もちろんすべて決まったわけではないにせよ、この12月のとりまとめへ向けて、その輪郭はかなり明確なってきています。事業者にあってはこうした動向を想定し、特に自社の経営に直接影響が出そうな論点については、体制整備、人材育成などいかに早い段階から手を打つことができるかが重要でしょう。経営にあっては、まさにその対応力がこれから大きく問われることになりそうです。私たちも今後、更に有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。
みなさんこんにちは!!
昨日は、熊本県社会福祉協議会主催セミナーの
講師を務めるため、島根県から熊本県に移動でした。
熊本での講演タイトルは、
「介護人材確保と定着に向けた魅力ある職場づくり」
です。
熊本県下の約100事業者の方々が、お集まり頂き
会場はとても熱気に包まれていました。
講演の方はみっちり三時間、出来るだけ事例を通じて
皆様に、分かりやすくお伝えすることを心掛けました。
会場の皆様は、本当に熱心に聴講頂き、その真剣度合いが
こちらにも伝わり、つい熱が入りすぎて、講演時間時間
を少し延長する一幕もありました(汗)
今回の内容が、一つでも皆様のお役に立てればと
願っております。
また、今回は震災後の初めての熊本でしたが、
まだまだ、地震の爪痕がまだまだ残っており、
一日も早い復興を、と願うばかりです、
【頑張ろう熊本】 今日は、東京商工リサーチからの表記に関する
情報を掲載させていただきます。
2015年4月の介護報酬改定から1年が経過したが、2
016年1-9月の「老人福祉・介護事業」倒産が累計77件に達した。
すでに9月時点で2000年1月から調査を開始して以来、
最多だった前年(1-12月)の76件を上回り、年間最多記録を
更新した。
負債5千万円未満の小・零細規模が68.8%、設立5年以内が
46.7%を占め、小規模かつ新規事業者を中心に倒産を
押し上げている。また、事業計画が甘い安易な起業だけでなく
、本業不振による異業種からの参入や過小資本のFC加盟社
などの倒産も発生している。
業界の大きな課題となっている介護職員の人手不足の解消が
難しい中で、成長産業として注目されてきた
老人福祉・介護業界に淘汰の動きも出てきた。
※調査対象の「老人福祉・介護事業」は、有料老人ホーム、通所・短期入所介護事業、訪問介護事業などを含む。
2016年1-9月の倒産は年間最多の77件
2016年1-9月の老人福祉・介護事業の倒産は77件
(前年同期比35.0%増、前年同期57件)に達し、これまで
年間最多だった2015年の76件を9月時点で上回った。
負債総額も82億9,600万円(同62.7%増、同50億9,600万円)
と前年同期を上回った。
負債10億円以上が2件(前年同期ゼロ)に対し、
負債5千万円未満は53件(前年同期比39.4%増、前年同期38件、
構成比68.8%)と大幅に増え、倒産は小規模事業者を
中心にしている。
●業種別、最多は「通所・短期入所介護」と「訪問介護」
業種別では、施設系のデイサービスセンターを含む
「通所・短期入所介護事業」と「訪問介護事業」が各32件(それぞれ前年同期比39.1%増、前年同期23件)と前年同期を上回った。
この他、「有料老人ホーム」が7件(前年同期比250.0%増、前年同期2件)発生した。
●設立別、5年以内が半数
2011年以降に設立された事業者の倒産が36件(構成比46.7%)
と半数近くを占め、設立から5年以内の新規事業者が目立った。
従業員数別では、5人未満が53件(前年同期比39.4%増、前年同期38件)と大幅に増え、小規模事業者の倒産が全体の約7割
(構成比68.8%)を占めた。このように、小規模で、参入間
もない新規事業者の倒産が増えて件数を押し上げている。
● 原因別、販売不振が2倍増
原因別では、販売不振が51件(前年同期比104.0%増、
前年同期25件)で、2倍増となり同業他社との競争の激しさを物語った。次いで、事業上の失敗が10件、設備投資過大が5件の順。 販売不振が全体の約7割(構成比66.2%)を占めたが、
安易な起業だけでなく本業不振のため異業種からの参入失敗(6件)や過小資本でのFC加盟(3件)など、
事前準備や事業計画が甘い小・零細規模の業者が想定通りに
業績を上げられず経営に行き詰ったケースが多い。
●形態別、事業消滅型の破産が9割
形態別では、事業消滅型の破産が75件(前年同期比33.9%増、
前年同期56件)と全体の9割(構成比97.4%)を占めた。
一方、再建型の民事再生法はゼロ(前年同期1件)で、業績不振に陥った事業者の再建が難しいことを浮き彫りにした。
●東北・関東・中国・四国の4地区で増加
地区別では、全国9地区すべてで倒産が発生した。関東の26件(前年同期15件)を筆頭に、近畿16件(同16件)、
九州13件(同9件)、東北8件(同2件)、中部7件(同7件)、中国4件(同ゼロ)、北海道1件(同4件)、四国1件(同3件)、北陸1件(同1件)の順。
前年同期より上回ったのは、東北・関東・中国・九州の4地区。
減少は北海道と四国の2地区だけで、中部・北陸・近畿の3地区が前年同期同数だった。関東の大幅増が目立ち、地区により
“まだら模様”をみせているが、増加した同業他社との競争
も影響しているとみられる。
●2016年の主な倒産事例
(有)ハイム(TSR企業コード:922085765、法人番号: 5310002017519、長崎県)は、当初はスーパーマーケット経営会社だったが、その後スーパー事業から撤退し、グループホームの運営を開始した。しかし、業績が低迷するなか不動産賃貸関連で訴訟トラブルが生じ、約2,200万円を一括返済せざるを得なくなり、8月17日に破産を申請した。
(有)すてっぷ(TSR企業コード:712010327、法人番号:6260002013720、岡山県)は、訪問介護からスタートし、
最近は通所介護を中心に事業を行っていた。
だが、従業員の退職が相次ぎサービスの提供が困難になったため2015年10月に営業を停止していた。その後も事業再開の目途が立たないことから破産を申請し、9月7日に破産手続の開始決定を受けた。
介護報酬改定から1年を経過し、「老人福祉・介護事業」の倒産はことし4月以降、6カ月連続で前年同月を上回っている。特に、2016年上半期(4-9月)累計は62件(前年同期比106.6%増、前年同期30件)と急増している。2016年は月平均8.5件ペースの発生で、このままの水準で推移すると年間100件を超える可能性も出てきた。
東京商工リサーチの調査では、全国の老人福祉・介護事業者
3,889社の2016年3月期決算は、「増収増益」企業の30.8%に対し、「減収減益」企業も30.8%と拮抗し、業績の二極化が鮮明に表れた。さらに、「減益」企業は52.0%と過半を占めている。同業他社との競合や人手不足を補うための人件費上昇が収益悪化を招く悪循環に陥るケースも目立っている。
2015年4月の介護報酬改定では、基本報酬がダウンした一方、
充実したサービスを行う施設への加算は拡充された。
だが、小規模事業者は加算の条件を満たすことが難しいだけに、
経営基盤が脆く、経営体力に乏しい小規模事業者への影響は
小さくないことを示唆している。今回の報酬改定により体制が
未整備の業者がふるいにかけられる一方、新規参入の障壁は高まっている。
2016年に入り、参入企業の準備不足や競合、個人支出の抑制など、
様々な要因から老人福祉・介護業界の淘汰が浮き彫りになった。
高齢化社会の進行に伴い市場の拡大が見込まれるだけに、
今後は新規参入や統合を促すため、補助金や融資支援など
政策支援も必要になってくるだろう。 先日から11月30日までの日程で臨時国会が開会しています。この国会では、補正予算が組まれることで、雇用関係の助成金について見直し・新設等が予定されています。この助成金の概要に関する情報が先行して出てきているため、事前に概要を確認しておきましょう。
1.対象の予定となっている助成金
見直しや新設の対象の予定となっている助成金は以下のものがあります。
(1)労働移動支援助成金(見直し)
(2)65歳超雇用推進助成金(新設)
(3)生活保護受給者等雇用開発助成金(新設)
(4)地域雇用開発助成金(見直し)
(5)両立支援等助成金(新設)
(6)人材確保等支援助成金(見直し)
(7)キャリアアップ助成金(見直し)
(8)キャリア形成促進助成金(見直し)
(9)地域活性化雇用創造プロジェクト(仮称)(新設)
当然ながら、政策として注力したい内容に予算が割かれることになりますが、この中でも、特に「65歳超雇用推進助成金」と「両立支援等助成金」に注目しておきましょう。
2.65歳超雇用推進助成金
この助成金は、「ニッポン一億総活躍プラン」を受け、将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていく必要があることから、65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年年齢の引上げを行う企業に対する支援を拡充するために新設されるものです。具体的には、65歳以上への定年の引上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかの措置を実施した事業主に対して、その措置の内容に応じて助成金が支給されます。
・65歳への定年引上げを実施した事業主・・・100万円
・66歳以上への定年引上げ又は定年の定めの廃止を実施した事業主・・・120万円
・希望者全員を66~69歳の年齢まで継続雇用する制度を導入した事業主・・・60万円
・希望者全員を70歳以上の年齢まで継続雇用する制度を導入した事業主・・・80万円
この助成金と似通った助成金が以前から存在しますが、現段階の情報によると要件が緩和され受給しやすい状況になっています。
3.両立支援等助成金
両立支援等助成金はいくつかの助成金から構成されていますが、このうち、現在の介護支援取組助成金が見直され、新たに介護離職防止支援助成金が新設される予定です。この助成金は、仕事と介護との両立の推進に資する職場環境を整備し、介護休業を取得・職場復帰をした労働者や仕事と介護を両立するための勤務制度(所定外労働の制限、時差出勤、深夜業の制限)の利用者が生じた事業主に対して助成金が支給されます。助成金を受給するためには、「介護支援プラン」の策定・導入が必要となります。
支給額は、雇用する被保険者が、介護休業を取得した場合と、それ以外の介護のための勤務制度を利用した場合に分かれており、以下のとおりとなっています。
・介護休業を1ヶ月以上取得し復帰した場合・・・1 人あたり60万円(中小企業事業主以外40万円)
・介護のための勤務制度を3ヶ月以上利用した場合・・・1人あたり30万円(中小企業事業主以外20万円)
※それぞれ1事業主につき無期雇用の労働者・有期雇用の労働者各1人ずつ支給
詳細については、補正予算成立後の今月に雇用保険法施行規則が改正、施行された段階で出てくるものと思われます。厚生労働省等からの今後の情報に注目をしておきましょう。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。 みなさんこんにちは
今日は、福島県主催のキャリアパス構築研修の
最終日でした。今年の5月~10月まで7か月間
13回の研修講師を務めさせていただきました。
福島市、郡山市、いわき市、会津若松市と各地の
福祉事業主の方々、管理者の方々との出会いに感謝です。
今回の研修では、導入編と運用編に分けて研修内容
を構成しました。キャリアパスを導入したけども、
運用面の課題を抱える事業所も多く、運用のための
チャックポイントを階層、人事評価、賃金に分けて
お伝えしました。
キャリアパス運用編では、運用の主役である管理者や
リーダーの方々の心構えから実際の人事評価のコツや
面談の進め方のツボ等を事例を通じてお伝えいたしました。
さらには、「職員が辞めない組織の風土作り」という
テーマで職員が自ら成長してくれるような組織風土とは
どのようにして、つくりあげられるものなのか、具体的な
事例を通じて、組織風土の大切さをご理解いただけたかと
思います。
是非、今回の研修内容を職場で活用して頂き、職員の
皆さんが、夢と希望をもって、そして生き生きと働ける
職場づくりを目指して、発展させて頂けれと思っております。
今回ご参加頂いた福島県下の300社を超える事業者の
みなさんの今後に期待したいと思います。
また、研修の設営をいただきました福島県社会福祉協議会
の皆様、本当にありがとうございました。