介護経営情報
みなさん、こんにちは!!さて、皆さんは、今、外国人観光客に
もっとも注目を浴びているホテルで
大阪の「道頓堀ホテル」をご存じでしょうか?
このホテルは、お客様への「おもてなし」の
サービスで有名ですが、それを作りだしている
社員の方々を大切にする経営、そして、そこで醸成
される社風・風土は、業界に関わらず、今日の経営の
あり方と今後の方向性を示唆してくれているものと
感じています。
今日は、このホテルの記事が、雑誌「致知」
に掲載されていましたので、皆さまに
ご紹介させて頂きます。
────────[今日の注目の人]───
★ 社員のやりがいを育む3つの要素 ★
橋本 明元(王宮 道頓堀ホテル専務)
※『致知』2016年8月号【最新号】
※特集「思いを伝承する」P48
───────────────────
そのためには大きく3つのことが
大事ではないかなと思いましてね。
一つは自分たちの意見を
聞いてくれる土壌があるかどうか。
当時、ある女性社員から
「女性化粧室に姿見を置いてほしい」
と言われたんですよ。
男性の私からすると、
そんなの要るのかなと
思ったんですけど、買ったんです。
そうしたら、その鏡を誰に
言われることもなく綺麗に
拭くようになったんですよ。
で、同僚や後輩に「これ私の意見やで」
と言っているのを聞いて、
社員さんは自分の意見を聞いてほしい、
会社に貢献したいと思っているんだなと。
それで、改善提案制度を導入し、
目安箱に自由に意見を書いて
放り込めるようにしました。
一切強制はしないのに、
もう改善提案の嵐ですね(笑)。
最近は、改善提案したことに対して
後でいちいち上役の許可を
取るのもどうかなと思って、
一回あたり20万円以内であれば
自由に使っていいことにしています。
──社員に決裁権を与えていると。
いわゆる経営者ですよね。
自分で責任を持って
お金を使うことによって
経営感覚が身につくし、
会社への愛着も湧くと思います。
二つ目が、会社や経営者が
自分のことを大事にしてくれている
という実感があるかどうか。
例えば福利厚生の面では、
病院代は全額無料ですし、
本人だけではなく、
家族にも適用しています。
入院しても手術しても、
会社がすべて負担すると。
それ以外には、
社員さんの誕生日はもちろん、
その配偶者の方の誕生日にも
プレゼントを贈っています。
そこに手紙も添えて、
旦那さんや奥さんの
会社での活躍ぶりを綴り、
それはご家族の支えのおかげですよ、
と心からの感謝を伝える。
そうすると、しんどい時があっても
ご家族が味方になってくれて、
踏ん張れると思うんです。
──社員のみならず、その家族も
大事にされているのですね。
そして三つ目が使命感。
自分の仕事が社会の役に立っている実感が
あるかどうか。
弊社の使命は「世界中の人に日本の文化・
おもてなしを体験 体感していただき
心に残る思い出づくりのお手伝いをします。そして一人
でも多くの方が日本を好きになってくれるよう努力します」
というものです。
みんなが「日本を好きになってもらうんや」とイキイキ
しながらイベントの企画や運営まですべてをやっています。
社会の役に立つというと、ついボランティアとか寄付に
いきがちですよね。
たしかに
それも大事なことで、わたしたちも毎日ホテル周辺の
清掃活動を主体的にやっています。
でもそれ以上に大事なのは普段の仕事そのものが
社会の役に立っているという実感を
もつことではないでしょうか。
みなさん、こんにちは!
今週の月曜日、火曜日と福島県の
いわき市で「キャリアパス導入研修」
を行い、講師を務めさせていただき
ました。
当日は、いわき市の介護事業者の方々
35名にお集まりいただき、2日間で
計7時間みっちりとお伝えいたしました。
キャリアパスの意義、行政の考え方
導入事例に、実際に活用している
フォーマットも数多くご提供させて
頂き、事業所にて即、実践出来るような
研修にしています。
来週の25日、26日は、会津若松市での
研修です。
会津若松のみなさん、お楽しみに!!
お会いできることを楽しみにしています。
みなさん、こんにちは!
今週の月曜日と火曜日は、福島県の
社会福祉協議会主催の「キャリアパス
導入研修」の講師を務めさせて
いただきました。
福島県下の福祉施設の管理者の方々
約20名にお集まりいただき、キャリアパス
導入に関するポイントと
その作り方の各論にいたるまで、じっくりと
7時間お伝えいたしました。
今まで、各地の社協様にてキャリアパス
の導入研修は行ってきましたが、少人数
の対話研修方式で行ったのは初めてでした。
内容については、背景、考え方、作成プロセス
導入事例、失敗しないためのポイントなど
多くの点を出来る限りわかりやすくお伝え
いたしました。
終わった後のアンケートを拝見する限り
皆様の満足度は高かったようですので
ホットしています。
来週から福島県各地で延べ、18日間
研修を行う予定にしています。
福島県の方々、キャリアパスでお悩みの
法人様 是非ともご参加を検討いただければ
幸いです。
お申込み問い合わせは、福島県社会福祉協議会
人材研修課まで。
みなさん、こんにちは!
今日も、労務管理のツボをお伝えいたします。
今日は、「休日労働」です。
ここで重要な点は、休日には法定休日と所定休日の
2種類があるということです。
法定とはその名の通り方が定めた休日で、
所定休日とは会社で定めた休日です。
労基法35条 (1)使用者は労働者に対して毎週
少なくとも1回の休みを与えなければならない。
(2)前項の規程は、4週間を通じ4日以上の休日を
与える使用者については適用されない。
休日の付与については(1)でなく、(2)を選択する
こともできますので(2)を先に説明します。
4週の内4日の休みを与えればいいですという休日の
設定方式です。4週間に4日ということは、
一週間に一日も休みが無くていい週もありうると
いうことです。ただ、4週4休制度を取る場合には、
その旨就業規則にしっかり明示する必要があり、
4週間がいつからいつからの期間の事を言って
いるのかも明確にする必要があります。
運用によってはスタッフにハードな労働環境に
なる可能性もありますのでスタッフには丁寧な
説明が必要でしょう。
次に一般的な休日の付与方法である
(1)ですが休日は1週に一日与えればいいという
ことになります。この1週のち一日休みを与えてください
と言っているのは法定休日を指します。
常勤スタッフであれば、もう一日やすみが与えられている
ことが多いと思いますがその休みを所定休日といいます。
法的には週一日でいいのですが、週6日労働と
なれば一週間で48時間労働となってしますので
所定休日が用意されているのです。法定休日と
所定休日とはそもそも意味合いが異なっており、
労働条件通知書にいう「休日出勤の有無」とは
法定休日の出勤のことを言っています。
●休日出勤に関しておさえておきたいポイント
就業規則等で法定休日はいつなのか定めておく
とわかりやすいのですが、必ずしも明確にする
必要はありません。まして、訪問介護ですから、
土曜も日曜もあるわけです。その場合
「法定休日は一週間における休日の最後の休日とする」
と明記する必要がでてきます。次に一週間の起算日を
定めているかどうか。通常の場合ですと一週間の始まり
は日曜日ですが
別に日曜日ではなく、月曜日にしようがそれは事業所の
自由に決めてさしつあえありません。
但し、法定休日と所定休日では割増賃金の計算方法にも
関係してきますので注意が必要です。
例えば、日曜日起算の場合、日曜日が休日で月曜日か
ら土曜日まで働いたとすると
土曜日の出勤は所定休日の出勤となり、つまり週40時間を
超えて働いたことで生じる割増手当なので25%が
適用されます。次に月曜日起算の場合、同じように
その週の土曜日、日曜日働いたとして土曜日は25%割増ですが、
日曜日は法定休日出勤となり35%割増の扱いになります。
いかがでしょうか?
結構、このような点は見逃されがちなので、皆さん
十分にご注意を!!
みなさん、こんにちは!
今日は、介護事業所に良くある労務管理の
課題について、皆さんにお伝えさせて
頂きたいと思います。
一か月単位の変形労働性について
どの事業所の就業規則を拝見しても、概ね一か月
単位の変形労働時間制を採用する旨の記載はあります。
しかし、そのルールや活用方法を理解されている方が、
意外と少ないのも変形労働時間制です。
適性に運用することは事業所にとっても、スタッフに
とっても好都合の制度ですので、基本をおさえ働きやすい
職場作りに結び付けて頂けたらとおもいます。
そもそもスタッフを働かせることが出来る時間は
一日8時間、一週で40時間なので、これを超えて働かせる
わけにはいかないのですが、1か月あたりの変型労働時間制
とは、一か月以内の期間を平均して1週間あたりの労働時間が
平均して40時間以内になるように労働日ごとの労働時間を
設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を超えたり、
特定の週に40時間を超えたりすることが可能になる制度です。
日々行っている業務を一か月の時系列で考えた場合、
例えば第一週はサービス提供実績をまとめてケアマネに報告し、
国保連に請求しなければならないので48時間に設定、月末は
月末でスタッフの勤務表をつくったり、
モニタリングしたりでここもまた忙しいのでこの週も48時間に
設定、その代わり2週目3週目あたりはそれほど繁忙
ではないので週32時間で設定するといった具合です。
イメージをご理解頂くために大雑把に説明しましたが、
労働日ごとに勘案していくことになります。定期巡回、
随時対応型訪問看護やサービス付高齢者住宅などの
住まい系と連動して夜勤が発生するサービス形態は、
夜勤があり14時間や16時間の勤務形態と思いますので
その場合にも一か月単位の変形労働時間制を軸に、
労働時間が週40時間になるようにシフトを調整して
いくことになります。
ここで変形労働時間のメリットですが、法人側で考えると
合法的に残業を削減できるということ、スタッフが分から
考えると繁忙期は仕事に専念し、そうでない時期には趣味
や余暇活動に精を出すなど ワークライフバランスを日々の
生活に取り入れられることが出来る点です。人材不足が
叫ばれているいまだからこそ、制度を有効に活用することで、
スタッフが生活にメリハリをつけ仕事に集中できる職場環境
づくりを行うことも管理者の皆さんの役割といえるでしょう。
このメリットも多い一か月単位の変型労働時間制ですが、
制度を利用する場合には、法的に定めておかなければなら
ないルールもあります。
それは、1、対象労働者の範囲を決めること 2、対象期間、
起算日を決めること 3、労働日ごとの労働時間を決めること
また、一か月の日数により上限になる労働時間を超えないこと
などがあるので、この点に留意しながら運用をお願いいたします。
みなさん、こんにちは!!
今日は、新たなキーワード?「地域共生社会」
についてお伝えいたします。
2016年6月2日に閣議決定された“ニッポン一億総活躍プラン”
にも盛り込まれ、同月20日にも塩崎厚生労働大臣が
あらためて言及したコンセプト「地域共生社会」。
今後、この概念を具体化させていくために、
塩崎大臣自らをトップとする「推進本部」の設置が
行われると共に、本コンセプトの具体策が
次期法改正・報酬改定に一定の影響を及ぼすと
言われています。今回のニュースレターでは、
この新たなキーワードと言っても過言ではない
「地域共生社会」について、概要を確認して
まいりたいと思います。
先ず、一億総活躍社会実現のための具体策を示した
“ニッポン一億総活躍プラン”に、“地域共生社会”
という概念がどのように説明されているのかについて、
予め確認しておきましょう。下記はその抜粋となります。
子供・高齢者・障害者など全ての人々が地域、暮らし、
生きがいを共に創り、高め合うことができる
「地域共生社会」を実現する。このため、支え手側と受け手側に
分かれるのではなく、地域のあらゆる住民が役割を持ち、
支え合いながら、自分らしく活躍できる地域コミュニティを
育成し、福祉などの地域の公的サービスと協働して助け合い
ながら暮らすことのできる仕組みを構築する。
また、寄附文化を醸成し、NPO との連携や民間資金の活用を図る。
また、6月20日に行われた塩崎厚生労働大臣の会見内容に
ついてレポートされた記事も公開されていましたので、
そちらも合わせてご確認下さい(以下、記事全文より
弊社判断にて重要部分のみ抜粋)。
塩崎恭久厚生労働相は20日、高齢者や障害者、子どもと
いった既存のジャンルを超えた福祉サービスの普及を
進めるため、自らをトップとする推進本部を設置する方針を
明らかにした。「省として本気で正面から取り組む。
改革の検討を加速していきたい」という。介護保険の次の
制度改正・報酬改定を視野に、具体的な施策を協議して
いく意向も表明。「審議会で今後、本格的に議論して
いただこうと考えている」と述べた。
塩崎厚労相はこの日、三重県四日市市を訪ねて社会福祉法人
などを視察。「地域共生社会」を目指す先駆的な取り組みに
触れた後、「これを国民運動にしていきたい。
厚労省に本部を立ち上げて正式に推進していく。硬直的な
縦割りの制度だけでなく、新しいモデルをつくっていかないと
日本の人口問題は乗り切れない」などと語った。
その実現に向けては、分野横断的なサービスを展開して
いくことや複数の専門資格を取りやすい仕組みをつくること、
複雑なニーズにも対応できる相談体制を整備することなどが、
「今後の方向性」として掲げられた。塩崎厚労相は20日、
「これまでの地域包括ケアシステムは、高齢者施策の文脈で
語られてきた面がある。今後は地域共生社会。地域に暮らす
人全員をケアする、すべての市民・住民のための地域づくり
、そんな意味合いに進化させたい」と説明。
「そうしたサービスを制度としてしっかりと位置付ける。
財源の手当ても考えていく」と意欲をみせた。
新たな「推進本部」では、老健局や社会・援護局など
関係する部局の幹部が集まり、プランの「今後の方向性」で
打ち出した施策などの調整にあたる。
塩崎厚労相は21日の閣議後会見で、
「国民生活の新しい局面にあった制度を1日も早くつくっていく。
なるべく早く本部を立ち上げたい」との意向を示した。
(記事参照元:http://www.joint-kaigo.com/article/pg190.html)
「分野横断的なサービス」の具体的なイメージとして、
代表的な先駆事例としては、高齢者、障害者、子どもなど、
多様な利用者が支え合いながら福祉サービスの提供を行っている
「富山型デイサービス」や、高齢者や障害者が子育て支援に
ボランティアとして参画して活躍し、子どもも高齢者や
障害者に元気を与えて活躍している三重県名張市の
「おじゃまる広場」「子ども支援センター」等が挙げられます。
(下記はそのイメージ図。平成28年4月26日開催
一億総活躍国民会議 塩崎厚労相資料より抜粋)
また、「複数の専門資格を取りやすい仕組みをつくる」
部分については、現在、医療・福祉の複数資格に共通の
基礎課程を創設し、資格ごとの専門課程との2階建ての
養成課程へ再編することや、資格所持による履修期間の短縮、
単位認定の拡大を検討していること等が挙げられるでしょう。
地域住民個々の“QOL”という視点においても、
また、生産年齢人口の減少という“国策的課題に対する解決策”
という視点においても新たな可能性を予感させる
「地域共生社会」というコンセプト。厚労大臣自ら旗振り役
を務める推進本部を設置する、という発言からも、
国が本腰を入れて取り組む意志の表れだと理解して
差し支えないでしょう。事業者の皆様としては今後の動向を
しっかり注視すると共に、行政施策の後追いに終始するのではな
く、参考事例等から独自にヒントや気付きを得ながら、
「どんな地域社会を生み出す事が出来れば、地域の人たちに愛さ
」
れ、必要とされ、関わる全ての方々を幸せに出来るのだろうか?」
と、(他人事ではなく)自社事としての“ビジョン”を
あらためて考え始める必要があるのではないでしょうか。
弊社も今後、有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を
発信してまいります。
以上
みなさん、こんにちは!
さて、皆様ご存じでしょうか、来年4月、介護報酬改定が
実施される見通しとなりました。
次期介護報酬改定は、3年に1度の
2018年同時改定ですが、消費税増税に伴う
改定があると思っていましたが、
増税の先送りで増税に伴う改定はなくなりました。
しかし、急遽実施されるのが政府が決めた介護職員の
賃金1万円引き上げの介護処遇改善のための介護報酬改定
です。
課題は、何といっても公費で必要となる600億円の
財源捻出です。
また、これらが実施されると介護事業所は、
キャリアアップ(キャリアパス)を
反映した賃金改定の準備が求められます。
今後ますます、各事業所におけるキャリアパスの
必要性が増してくるものと思われます。
取り急ぎのご一報連絡でした。
塩崎恭久厚生労働相は20日、ゴミ出しや買い物など
高齢者らの日常生活に関し、地域住民による支援を
制度化する方針を明らかにした。支援体制をつくった
社会福祉法人などに対し介護報酬の優遇措置を講じる
とともに関連法改正を検討する。
併せて、障害者らも含めて地域で支え合う必要性を指摘し、
介護施設での障害者受け入れを認める意向も表明した。
三重県四日市市内の介護施設などを視察後、記者団に語った。
政府は、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられる
「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、医療と
介護の連携を進めている。しかし、人口減少や独居高齢者
の増加などを背景に、ゴミ出しや買い物などの日常生活に
不自由する高齢者が増える一方で、介護保険では支援が
行き届かないという問題があった。
四日市市では、地域住民らが社会福祉法人と連携し、
高齢者や障害者らの日常生活支援をしている。
塩崎氏は「厚労省の考え方と相通ずるものがある」と述べ、
制度化して後押しする考えを示した。
塩崎氏は「高齢者、障害者、子どもといった縦割りの
福祉サービスを横断的に提供できるようにすべきではないか」
とも述べ、住民主体で地域づくりをする「地域共生社会」
を目指す考えを示した。その方策として、現在は例外的に
認めている介護施設での障害者受け入れを「共生型サービス」
として制度化し、介護保険と障害福祉サービスの報酬を
そろえる考えを示した。同省は月内にも検討を始め、
2017年度の介護保険法改正や18年度の介護と
障害福祉サービスの報酬改定への反映を目指す。
(毎日新聞 デジタル版 より)
みなさん、こんにちは!!
今日は、川崎市の介護行政の取り組みについて
ご紹介いたします。
昨年 このブログでもご紹介しました
要介護度の「改善」達成による、奨励金制度です。
以下、川崎市の記事を掲載させていただきます。
介護サービス利用者の要介護度を改善した事業所に、
成功報酬として報奨金を付与する新しい制度を
川崎市が7月から開始する。
これまでの制度の矛盾を解消し、事業者の意欲を
高めて介護保険給付費を抑制するのが狙いだ。
現在の介護保険制度は要介護度に応じて、事業者に
支払われる介護報酬が設定されている。介護サービス
利用者の要介護度が高いほど報酬は高くなるが、
要介護度が改善された場合、評価に反して報酬は減る。
これに対し、市は利用者の要介護度が改善または
維持が図られた場合、事業者に対して独自の報酬である
インセンティブを与える新しい仕組みを検討。
「かわさき健幸福寿プロジェクト」として7月1日
から来年6月30日までの1年間を評価対象にする。
事業者の意欲を高めることで利用者の要介護度が改善され、
介護保険給付費を抑制につなげたい考えだ。
市は実施に際して参加事業所数や改善した人数の数値目標
を定め、それに基づき評価する。インセンティブについては
改善が認められた場合に、翌年9月に報奨金として1事業所
につき5万円程度を拠出するほか、評価に応じ、市長表彰や
成果を上げたことを示す認証シールの授与、市公式ウェブ
サイトへの掲載等を行う。
幸区にある地域包括支援センターのセンター長の1人は
「利用者の健康維持に繋がるので良い取り組みだと感じる」
と話し、「報酬が支払われる仕組みが複雑なため、現場で
の制度の周知が必要」と語った。
市の担当者は「報奨金のほか、認証シールやサイト
掲載により、事業所の信頼を高めるメリットにつながればいい」
と話している。
制度開始記念イベント
市は、同プロジェクト開始を記念したイベントを7月8日(金)、エポックなかはら(中原区)で開く。午後2時から4時まで。入場無料で申し込み不要。定員は570人。義母の介護経験がある洋画家の城戸真亜子さんが登壇し、「心をつなぐ介護日記」と題して講演するほか、市が同プロジェクトの概要を説明する。
イベントの問い合わせは同プロジェクト事務局(【電話】045・461・3636)。
一億総活躍国民会議で示された「処遇改善と人材確保策」を理解しておきましょう
安倍首相が介護職の待遇改善を指示
2016年4月26日に開催された、一億総活躍国民会議(以降、「本会議」と呼ぶ)。
安倍首相はこの場で、「介護職員の賃上げを来年度から実施する」との意向を表明されました。
具体的には、「月1万円程度」の改善を計画。ここには、介護
サービスを支える人材を確保し、目標とする「介護離職ゼロ」
を実現する環境を整備する狙いが盛り込まれています。
上記発言を含め、本会議にて議論された「処遇改善と人材確保策」の背景や内容について確認してみたいと思います。
処遇改善・人材確保策の内容は
先ず、本会議の総括としての安倍首相の言葉を確認しておきましょう(以下、関係する部分のみ抜粋)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「本日も活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。保育・介護人材の確保のためには、ニッポン一億総活躍プランにおいて総合的な対策を取りまとめることが必要です。第一に処遇改善、第二に多様な人材の育成・高齢者等の活用、第三に生産性の向上を通じた労働負担の軽減、やりがいを持って安心・快適に働ける環境の整備といった点について、財源を確保しつつ、2017年度から実行します。保育士の処遇改善については、新たに2%相当の処遇改善を行うとともに、キャリアアップの仕組みを構築し、保育士としての技能・経験を積んだ職員について、競合他産業との賃金差がなくなるよう処遇改善を行います。介護人材の処遇改善については、キャリアアップの仕組みを構築し、競合他産業との賃金差がなくなるよう処遇改善を行います(以降、割愛)。今回で、個別のテーマについての議論が終了しました。来月中にニッポン一億総活躍プランの閣議決定ができるよう、加藤大臣におかれましては、石原大臣やまた、塩崎大臣始め関係大臣と協力して、作業を加速していただきたいと思います。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この言葉の背景となった資料を確認していきたいと思います。
先ずは、一つ目の資料です。
※最下部の資料1をご覧ください
字が小さくて読めないかもしれませんので補足させていただ
きますと、右側が介護福祉士の退職理由を示したグラフと
なっています。左から順に「結婚、出産・育児(31.7%)」
「法人・事業所の理念や運営(25.0%)」
「場の人間関係(24.7%)」「収入23.5%」」
「心身の不調(腰痛を除く)、高齢(22.0%)」
「労働時間・休日・勤務体制(18.9%)」「腰痛(14.3%)」
2項目とんで「将来の見込みが立たなかった(12.2%)」
と続いている状況です。
政府はこのデータを受け、次のような課題認識を形成しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「介護では2020年代初頭までにさらに約25万人の人材を確保していく必要がある中、介護福祉士の退職理由を見ると、低収入であることが依然として高い割合を占めている」「そのほかにも、労働時間、仕事量などの勤務環境や雇用管理に関わる理由や、体力的な理由も多い」「また、将来の見込みが立たないことを理由とするなど、キャリアパスが見えないことや、介護では職員が経営理念を共有できないことが課題」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
続いて、次の資料です。
※最下部の資料2をご覧ください
この資料は、「平成27年度介護報酬改定において、
一人当たり月額平均1.2万円相当の処遇改善加算の拡充を
実施したところ、事業所独自の自主努力を含め、加算額以上
(1.3万円)の処遇の改善がされている」ことを示しています。
その意味では、政府の政策誘導は「順調に推移している」
と言えるのかもしれません。
しかしながら、他サービス産業の平均給与に比べると
まだ約1.2万円程度の開きがあると言われており、この差を縮小・解消させるべく、「平均で月額1万円程度の賃上げ」
という方針を首相が表明した、というのが上記発言の経緯です
(この経緯は是非、おさえておいて下さい)。
そして、最後の資料は、今後、処遇改善と合わせて政府が
注力する人材確保策をまとめたものです。是非、政府が何に
注力しようとしているか?について、あらためて確認を
していただければと思います。
今後、検討すべき方向性とは
今後、事業者が存続・発展できるかどうかは、
「良質な従業員を確保・育成できるかどうか」に大きく影響されるであろうことについては、皆様も異論はないかと思います。
その為には、ワーク・ライフ・バランス等も視野に
入れた「働きやすい組織」づくりと共に、「働きがいのある組織」
づくりが不可欠です。是非、上記施策や政府の方向性を有効活用し
つつ、自社独自の工夫も凝らしながら、攻めの姿勢で人を
「集める」工夫を展開していただければと思います。
我々も今後、今以上に人材確保・定着・育成に有効な施策
を開発してまいりますので、楽しみにお待ちいただければ
幸いです。