介護経営情報

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その5

みなさん、こんにちは!

今日は、シリーズ最後の「その5」をお伝えいたします。

その5:個人の成績を個人の責任であると断定してはいけない




評価制度の底には、「成績が悪いのは個人の能力不足だ」

という考えがあります。

しかし、個人の成績は会社や上司にも左右されているのです。

われわれが目指す「人を育てる人事評価」では、

成績の悪い職員には、上司や会社の支援・協力でこの職員を

カバーしなければなりません。責任は全体にあります。

個人の成績に帰してしまっては、組織として力は低下して

いくばかりで、こちらの方が重大問題あることを認識

すべきです。

成果主義による評価制度に生まれがちな

「個人責任主義」から是非脱皮をして、チーム全体の成果を

求める「全体責任主義」に移行しなければなりません。

全体責任主義は組織の「温かさ」が基本なのです。

この「全体責任主義」はメンバー間の信頼、協力、

思いやり、誠意などがその根底に流れる考え方・価値観に

なっている必要があります。

人の能力不足を指摘するだけでは信頼関係は生まれません。

信頼関係や職員同士の絆が強い職場として「全体責任主義」

を作り上げていく必要があります。

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その4

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その4


「行動評価は、年に1回か2回の評価時期だけで行っていてはダメ」



評価することが目的で行われる評価の場合は、年に1回か2回

の評価で十分だと思います。しかし、職員を変革させ、

組織風土を変えようとするならば、月1回のチェックが必要です。

人を育てる人事評価とするためには、期末になって評価時期が

来た時だけ思い出したように評価しても人は変わりません。

長年続けてきた習慣がそんなに簡単に変わるはずはないからです。

部下を成長させるという事は、この習慣を変えるということに

他ならないのですから。習慣を変える為に必要なことは、

変えようとしている良い行動を繰り返すしかありません。

いくら頭でわかっていても何度も行動することが習慣を

変える為には欠かせません。

従って、月1回自分の行動を振り返る機会を設け(自己評価)


月1回上司と面談を行うことを運用責任者の方にはお勧めを

しています。

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その3

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その3

評価項目は抽象的な方が、いろいろな側面から評価が出来てよいと考えていないか?


評価することは非常に難しくて、評価者訓練を受けないと

評価は出来ないと言われています。

しかしそれは、評価項目が抽象的で何を評価すれば

いいのかわからないという原因が考えられます。

評価を行う難しさには、

●人によって評価が変わる、

●評価項目が不明確なので評価する人も、される人も

わかりにくい、

●誤評価の原因

(ハロー効果、偏り傾向、寛大化など)評価する
ということに困難さが付きまとっています。

例えば「協調性」という表現で終わってしまう評価項目の

場合、何が協調性なのか評価者が判断しなければなりません。

抽象的な表現は職員をいろいろな視点から評価できる

ことになり有用の要ですが、評価の公平性や客観性からみる

とかなり深い問題が含まれています。具体的な行動表現に

することで、だれでも同じ理解とすることが大切です。


介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その2

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その2


期末に評価するというやり方では、職員は育たない。

一般的に評価は期末に行われることが多いのですが、

問題は、その時の評価者が「彼はどんな行動をしたのか、

それはなぜか」そして「あの行動は、どの評価要素で

判断すればいいのか」そして「評価は何が適切なのか」

と考えてから評価を決定する方法です。

そして期末の評価で良かった点、悪かった点を通告される。

部下からすれば、先に「こんな行動をしてくれればS評価に

するからね」と言ってくれればそうしたのに・・・と思って

しまうかもしれません。

つまり、評価が人を育てる目的ならば、人がどんな行動を

すれば良い評価になるのかをあらかじめ明示しておくべき

なのです。「そのような行動・努力がS評価になり、

どのような行動がA評価・・・になるのか」を示すことで

部下は期待される行動や努力の仕方がわかるので、

実践するようになるわけです。

また、これを意識して仕事をしてもらう為のツールとして、

各個人に職員ノートを持ってもらい、その中に期待する

行動・努力を記載したシートを入れ、週に一度は自分で

見直してみることを行っている法人もあります。

年に一度や二度の評価では人は変われません。

大切なことは「習慣づけ」ということです。

2017年介護事業経営実態調査結果

 
 皆様、こんにちは。

大幅に遅れていた2017年介護事業経営実態調査結果がようやく
出ました。

結果は、前回調査で平均収支差が7.8%だったものが、今回の
調査では3.3%と大幅に低下しました。

  介護報酬改定に大きな影響を及ぼす介護事業経営実態

  調査結果をどのように分析し、2018年4月からの新報酬に反映 されるのか注目されるところです。

  関係資料をご案内しますのでどうぞ、法人の経営会議などの
  ディスカッションの材料として活用いただければ幸いです。
  ⇒http://mf.jiho.jp/servlet/mf/related/pdf/1226849079394.pdf

介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点 その1



介護事業者が陥りやすい、人事評価の5つの問題点  


その1:評価は出来る職員とダメな職員を分ける事ではない


職員相互を比べて評価するのではなく、多くの職員が

成長できる評価制度にすることが重要です。いつも優秀な

職員が良い評価で、そうでない職員がそのままでは

「人を育てる」評価制度とは言えません。

評価では、職員が行うべき「努力を具体的に」示すこと

が大切です。上司が部下にこう言ったとします。

「もっと仕事を効率的にしてもらわないと困るよ」。

すると部下は「わかりました、そうします。ところで

効率的に仕事をするってどうすればいいですか」と

聞き返してきました。この時の回答として「明日使う

予定の用具を今日中に準備して・・・」といったもので

あれば、効率的に行うコツがわかるわけです。どうすれば

良い結果がでるのか、そのコツを着眼点として明確に記載し、

そのコツ、つまり努力をしたかどうかを評価する仕組みと

すれば、それは結果そのものではなく、「良い結果を生むで

あろう行動と努力」を明確にすることにより、職員の成長が

期待出来ます。つまり、評価制度で諦める職員をつくらない、

なかなか良い結果を生み出せない職員が「出来る職員」

に育つ仕組みを評価制度に盛り込むことが大切なのです。

人事制度を整備することによるメリットとは

人事制度を整備することによるメリット
 

 みなさん、こんにちは!
社会保険労務法人 ヒューマンスキルコンサルティング
代表の林です。

今日のテーマは引き続き「人事制度(キャリアパス)」です。

今日は、まず、人事評価制度を中核とした人事制度を

整備することで、法人全体にどのようなメリットが

生まれるのでしょうか、というシンプルな疑問にお応え

することから始めたいと思います。

過去に多くの介護事業所に人事制度・キャリアパスの

導入支援をお手伝いさせて頂いて実感する代表的な

ものを挙げてみます。
 
(1)人事制度の整備により、公平な人事処遇
     (昇格、昇給など)が可能となる。

(2)職員の自分の人事処遇への納得感が高まる。

   人事制度における重要なキーワードは
   なんでしょうか。私は「透明性」と「納得感」
   であると考えます。評価である限り、良い評価
   とそうでない評価に分かれます。ただ、どちらに
   しても、職員がその評価に納得できているか
   どうかがとても重要なのです。
   なぜなら、それが、次のステップへ向かおう
   とする前向きなモチベーションにつながるもの
   だからです。

(3)法人への信頼感が高まり、帰属意識が高まる。

(4)仕事に集中する環境が出来、「達成感」や
   モチベーションにつながる。

(5)採用時に人事制度を説明する事により、
   信頼できる法人であることをアピールできる。

(6)人材不足の時代に求人活動がしやすくなり、
   人材の確保が出来る。


 特に(5)(6)は最近の状況をみていますと、
 採用における「他社との差別化」として、効果が
 顕著なようです。
 各社の採用パンフレットにキャリアパスシステムを
 応募者にも、わかりやすく表現することがポイント
 のようです。

以上のように、人事制度の整備は「人材の確保と育成」に

つながる効果が期待できるものです。

それでは、その効果を発揮させるために必要な評価制度構築に

向けた考え方、評価制度の設計、さらには運用について

次回のメルマガからお伝えしていきたいと思います。

介護業界における人事評価制度とは

 特に最近の介護事業者様への支援内容を見ると、

処遇改善加算取得にキャリアパス要件が規定されたことから、

人事評価に関する相談が増えており、評価に関する制度面、

運用面に課題を抱えている事業所が、非常に多いことを実感

します。

ご参考までに人事評価に関する相談内容の一例を下記に紹介
いたします。

【経営者・管理者の方から】

 ・外部コンサルタントにお願いし、人事評価は作ったけれど・・・一般企業と
同じ評価内容になっているので、介護の職場にはなんとなく
しっくりこない。
・人事評価自体に信頼感がない
・人事評価が「給与を決める為の手段」という認識で評価の
 ための評価になっている。社員のヤル気やモチベーションを
 促進するものにはなっていない
・マイナス評価に該当する職員が本当はいた筈なのに、ほとんど
 マイナス評価は出ず、プラス評価の職員と現状維持職員ばかり
 になり、「横一線」から抜け出せない

【職員からの意見】

一方で、下記は職員側から見て現行実施している人事評価に
対し、どのように思っているかをヒアリングしたものです。
(社会福祉法人の職員に実施)
 
  ・頑張っても怠けていても同じ評価はおかしいのではないか
  ・自分の仕事が公平・公正に評価され給与に反映されて
   いないのではないか。
  ・評価の中身をおしえてほしい。
  ・いくら頑張っても認めてもらえないのでは。
  ・人を育成する仕組みになっていない
  ・評価のための評価になっていて意味がない、時間の無駄。

ところで、人事評価制度を導入する目的とは、いったい何でしょうか?経営者からは、処遇(給与)を決める為の物差し、処遇改善加算のキャリアパス要件を満たすため、達成感と働きがいのある職場を作る為、などの御意見をよく伺います。

もちろん、それらは大切な要素ではありますが、その先にある最終的な目的は「人材の確保と育成」にあると筆者は考えます。

特に介護業界においては、人材の「質」と「量」で、事業運営の全てが決まってしまう、といっても過言ではないほど重要な課題です。

法人幹部の方々には、まず、人事評価制度導入の目的を法人内で
共有していただきたいと思います。

なぜなら、それにより評価内容、方法、ツールのあり方など、
評価制度の中身が大きく変わってくるからです。
例えば「職員の優秀層の選抜」を目的に行う人事評価制度と、
「人材育成」を目的に行う人事評価では、その評価内容・方法は
大きく変わってくるはずです。経営陣、管理者層の方々は、
今一度、この視点で現状の評価制度を振り返ってみて頂きたいと
思います。

一方で、職員の目線から見てみると、自分の仕事に良し悪しの
判定基準が存在するのであれば、具体的に提示してほしいと
思うでしょう。少なくとも行っている職務は正しく認めてほしいし、
仮にそれが「未達」と判断される場合においても、客観的な
根拠に基づく指摘を受けたいものです。

さらに、今後どのような仕事の仕方や、技術、知識を身に
つければ良いのかを知り、習得の機会を得てそれが出来るように
なりたい。そして職務能力が向上し、期待される役割が上がって
いくに伴い、処遇も上がっていってほしい。

こうした職員の思いに応えるのが、「人を育てる」人事評価制度
なのです。

仕事を通じた人材育成


仕事で求めれられる能力について、社員が理解しやすい

形で提示されていますか?

社員個々人は、自分の能力水準が現在の仕事において

求めれる水準に比べてその段階にあるのか理解していますか?

ここで重要なのはその書き方。網羅的で硬い文章では

使いにくい。シンプルだけど具体的な事例が豊富なもの

にしたいものです。

そして本当に大事な部分がわかりやすい書き方が大切です。

人事評価では、その評価項目として、社員が行うべき「努力を

具体的に」示すことが大切です。

上司が部下にこう言ったとします。

「もっと仕事を効率的にしてもらわないと困るよ」。

すると部下は「わかりました、そうします。ところで

効率的に仕事をするってどうすればいいですか」と

聞き返してきました。この時の回答として「明日使う予定

の・・・」といったものであれば、効率的に行うコツが

わかるわけです。

どうすれば良い結果がでるのか、そのコツを着眼点として

明確に記載し、そのコツ、つまり努力をしたかどうかを

評価する仕組みとすれば、それは結果そのものではなく、

「良い結果を生むであろう行動と努力」を明確にすることに

より、職員の成長が期待出来ます。

つまり、評価制度で諦める職員をつくらない、なかなか良い

結果を生み出せない職員が「出来る職員」に育つ仕組みを

評価制度に盛り込むことが大切なのです。

国の考える人材確保政策の枠組みを理解する

 9月26日、福祉人材確保専門委員会において、

「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの
 実現に向けて」

 という報告書がまとめられましたね。

 国の考える人材確保政策の枠組みを理解する、という意味に
 おいて、重要な意味を持つ資料だと思います。

 ご関心をお持ちの方は是非、早めに目を通される
 ことをおススメします。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000178746.pdf

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