介護経営情報

「区分支給限度額」についての議論(介護給付費分科会)


「区分限度支給額」について、議論されている内容を理解しておきましょう


9月の介護給付費分科会は、事業者団体との議論・意見交換に終始
各サービスの課題や検討すべき論点を整理する「第1ラウンド」を8月に終え、いよいよサービスごとに改廃すべき基準や加算要件等を具体的に話し合う「第2ラウンド」へと移行する段階に差し掛かってきている、介護給付費分科会。9月は事業者団体との議論・意見交換が中心であったため、本会の内容についてこの場で採り上げることは特段必要ないかとは思います。そこで、今月のニュースレターでは前回、紙面の都合上触れることが出来なかった「区分限度支給額」の議論内容のポイントについて、念のため、確認してまいりたいと思います。

「区分限度支給額」に関する論点(抜粋)とは
では、早速、中身を確認してまいりましょう。「区分限度支給額」に関する論点としては、下記が挙げられていました。

【論点】
区分支給限度基準額の現状等を踏まえ、そのあり方や適用対象外となる加算等についてどのように考えるか。特に、訪問系サービスについて、集合住宅に係る減算の適用を受けている者と、当該減算を受けていない者との公平性の観点から、当該減算と区分支給限度基準額との関係についてどのように考えるか。

※2017年8月23日 介護給付費分科会資料より抜粋
この論点のテーマは、大別すると、「訪問系以外のサービスに関するあり方」と「訪問系サービスに関するあり方」に分けることが出来ると思われます。ちなみに、前者の「訪問系以外のサービスに関する内容」については、2人の委員から次のような発言が会の中で為されていました(以下、介護給付費分科会議事録から抜粋)。

【主な発言】
○田部井康夫・公益社団法人認知症の人と家族の会理事による発言:
「認知症の人と家族の会」では、従来から要介護4、5の在宅で暮らす人について、限度額をオーバーした分につきましては、できれば同じ1割負担ないし2割負担で利用できるようにしてほしいという要望をしております。
実際の利用は平均しますと要介護4、5でも61%~65%ということで、全体としては節度のある利用がなされているのではないかと考えられます。何らかの条件が必要だと思いますけれども、今すぐではなくても、ぜひそれを検討していただくようにお願いをしたいと思います。
この問題だけ見れば、これによって負担もふえるのかもしれませんけれども、例えば、限度額をオーバーしても、1割で利用することによって、まだそれだったら経済的に家で頑張れるというようなことが当然考えられると思います。そうしますと、施設に入るということが先送りといいますか、そこを選択しなくても済むという意味でも、全体としての支出の軽減ということも考えられると思いますので、単にまた支出がふえるということだけではない視点で考えていただけるとありがたいなと考えておりますので、今後の課題としてもぜひよろしく御検討をお願いしたいと思います。

○折茂賢一郎氏(東憲太郎・公益社団法人全国老人保健施設協会会長の代理)による発言:

在宅医療の継続という点で、今後、緊急ショートステイというのが医療と介護の連携の中ではとても重要になってくると考えております。例えば、突然、ケアプランに入っていないものを、いろいろなアクシデントで緊急ショートを受けたいといったときに、区分支給限度基準額を超えてしまう事例が出てきております。
緊急ショートステイというのは、今度の同時改定のときにもとても重要なファクターだと思いますので、緊急ショートについては区分支給限度基準額の適用除外ということにしたほうが良いと思います。これは提案させていただきたいと思います。

※2017年8月23日 介護給付費分科会議事録より抜粋

上記2点の実現の成否については冒頭の通り、第2ラウンドの議論を待つことになりますが、特に前者については実情として大変よく理解出来るものの、どこで条件・線引きをするのか、その基準づくりが難しいように感じるのは、恐らく皆様も同様ではないでしょうか。
次に後者の「訪問系サービスに関するあり方」についての

内容確認に移ります。これについては「訪問系サービスについて、集合住宅に係る減算の適用を受けている者と、当該減算を受けていない者との公平性の観点から、当該減算と区分支給限度基準額との関係についてどのように考えるか。」という具体的な論点が示されています。

訪問系サービスについては、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内の建物(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)等に居住する利用者に対して訪問する場合に、報酬を10%減算する仕組みが存在する一方、区分支給限度基準額に係る費用の算定に際しては減算後の単位数により判定されることから、「集合住宅に係る減算が適用される者が、減算が適用されない者よりも多くの介護サービスを利用できる現状となっている」ことが問題視されています。この論点に関する各委員の発言は次の通りでした(発言者全員が同意見という珍しい事態となっていますが、その事実を直視すべく、敢えて全員の発言をそのまま抜粋・列挙させていただきます)。

【主な発言】
○鈴木邦彦・公益社団法人日本医師会常任理事の発言:
訪問系サービスにおける同一建物での減算については、平成28年度の診療報酬改定で実施された評価の精緻化との整合性を図るとともに、事業者が減算に伴う減収を回数増で補うことができないように、給付管理の際には減算前の単位数で計算するようにさせることが必要であると考えます。

○本多伸行・健康保険組合連合会理事の発言:
集合住宅における減算の適用を受けている人が減算を受けていない人より多くの介護サービスが利用できる状況になっているという矛盾については、公平性の観点からも解消するための措置を講ずるべきだと思います。

○小林剛・全国健康保険協会理事長の発言:
集合住宅での訪問系サービスの減算を受けている方とそれ以外の方との公平性の問題についてはもう既に各委員から御意見がありましたように、ぜひこの機会に見直しを図るべきだと思います。例えば、集合住宅で訪問系サービスの減算を受けている方については、区分支給限度基準額の算定上は、当該減算前の報酬で計算するなどの方法が考えられるのではないかと思います。

○瀬戸雅嗣・公益社団法人全国老人福祉施設協議会理事・統括幹事の発言:
同一建物減算と区分支給限度基準額の関係ですけれども、ほかの委員がおっしゃられているとおり、不公平是正の観点から、やはり減算前の単位で計算するということが必要なのではないかと思います。

○井上隆・一般社団法人日本経済団体連合会常務理事の発言:
集合住宅の減算につきましては、皆様と同じです。公平性の観点から、減算前の単位数を用いるべきだと思います。

○及川ゆりこ・公益社団法人日本介護福祉士会副会長の発言:
ほかの委員と同じように、私どもも、この論点の当該減算と区分支給限度基準額との関係でございますが、健全な制度運営の視点から考えれば、減算の対象となるサービスを利用した場合の区分支給限度基準額も下げるなどの対応を検討する必要があると考えます。

○小原秀和・一般社団法人日本介護支援専門員協会副会長の発言:
私もほかの委員と同じ考えなのですけれども、ただ、集合住宅に入居する要介護者等につきましては、そもそも相当量の介護サービス等の利用が必要なケースもありますので、利用者さんの立場になれば、必要以上に限度額が引き下げられることによる問題も生じかねないと思いますので、個別の配慮だとか、軽度者、重度者に分けて考える等の配慮は必要かと思います。
※2017年8月23日 介護給付費分科会議事録より抜粋
上記各々の発言を見ても、この論点についてはほぼ結論が見えている(=給付管理の際には減算前の単位数で計算するように変更)ように思われます。
議論のプロセスから関心を持って情報を追いかけておくことが大切
以上、今回は区分限度支給額に関する論点について確認させていただきました。
特に後段の論点については、対象事業者にとっては経営上、大きな打撃になる可能性が高いように思われます。
「もし上記が実行された場合、自社にはどのような影響が出てくるか?」「それら想定される影響に対し、どのような対応を行う事が最適なのか?」幹部育成の視点も含め、そのような議論を社内で始めていかれる事を是非、おススメする次第です。
私たちも今後、有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。

最高の社風の作り方 3

『コミュニケーションによる人材育成』

人が人を育てるのと仕事が人を育てるのは双方同じくらい
大切です。

人からの教育で最も大切なのがコミュニケーション。

幹部管理職は、社員と個別にコミュニケーションをする機会を

十分にもっていますか?社員個々人のキャリアについての

考えや悩みを上司がきちんと把握していますか?

毎月、全職員に一回30分の面談をしている事業所があります。

ここも最初は面談ではなく、声掛けだけでした。

「おい大丈夫か?うまくいっているか」「大丈夫です」あと

で見たら全然大丈夫でなかったというケースがよくあった

そうです。「なんでこんな大事なことを早く相談にこないの」

「こんな些細なことで悩んでいたのか、

早く言ってくれればいいのに」「どうして、ここで悩まないんだ、
 
ここだろ悩むところは」このような事が結構あったので

声がけを、面談に切り替えたそうです。つまり、よく話を

聞いてみないとわからないとという事でしょう。


毎月1回面談しているところと、期末の評価だけで面談して

いるところを比べると評価のフィードバックの納得感が

まるで違う。部下も、上司が仕事をいつも見ていてくれている

という信頼感を改めて感じるようになったという。


「大丈夫 きみならできる」

「それくらいの失敗は俺もしたことある。 心配するな」

といった支援が大事です。部下に自分は見守られている

という安心感を与えること。

「見る」と「見守る」とは全く違います。

「見る」は単に見ていればいい、見守るとは見守られる方が、

見守られているという認識しない限り何の意味もない。

見守らていると部下が思うようなコミュニケ―ションを

大切にしたいものです。

最高の社風をもっている四国のある企業では

下記にような取り組みを行っています。

ご参考までに紹介いたします。


●「私の一週間」

一週間の仕事の内容や出来事、気づき 悩みを作文のように

書いてリーダーに提出する。そして、リーダーが返事を書く。

リーダーはこのレポートをしっかり読み、個々の指導や育成に

役立てる。その中で素晴らしいものは社内のイントラネット

で共有する。


●「8人コンパ」

 ユニットごと8人に分けて、社長がそのメンバーと食事を

しながら語り合う場。社長とのコミュニケーションの場である。

社長に対して思っていること、社長がみんなに対して思って

いること直接ぶつけあう。一人一人としっかりと向き合って

いきたいと思う社長の行動の表れ。



何かのご参考になれば幸いです。


職員のやりがいを育む3つの要素

みなさん、こんにちは!

事業主であれば、だれでも

大切にしたいと思うもの

それは職員の「やりがい」

や「仕事に向かうモチベーション」

ですよね。

しかし、それをどのようにして

創り上げていくのか。事業主の日々の

積み重ね、と言ってしまえばそれまで

ですが、どうもそこには職員のやる気を

引き起こすための「スイッチの押し方」

があるようです。

今日はその「スイッチの押し方」について

自らの体験に基づき、とてもわかりやすく

書かれた記事をご紹介いたします。


※『致知』2016年8月号【最新号】
※特集「思いを伝承する」P48 より





★ 社員のやりがいを育む3つの要素 ★

橋本 明元(王宮 道頓堀ホテル専務)

───────────────────

そのためには大きく3つのことが
大事ではないかなと思いましてね。

一つは自分たちの意見を
聞いてくれる土壌があるかどうか。


当時、ある女性社員から

「女性化粧室に姿見を置いてほしい」

と言われたんですよ。


男性の私からすると、
そんなの要るのかなと
思ったんですけど、買ったんです。

そうしたら、その鏡を誰に
言われることもなく綺麗に
拭くようになったんですよ。

で、同僚や後輩に「これ私の意見やで」
と言っているのを聞いて、
社員さんは自分の意見を聞いてほしい、
会社に貢献したいと思っているんだなと。


それで、改善提案制度を導入し、
目安箱に自由に意見を書いて
放り込めるようにしました。

一切強制はしないのに、
もう改善提案の嵐ですね(笑)。


最近は、改善提案したことに対して
後でいちいち上役の許可を
取るのもどうかなと思って、
一回あたり20万円以内であれば
自由に使っていいことにしています。


──社員に決裁権を与えていると。


いわゆる経営者ですよね。

自分で責任を持って
お金を使うことによって
経営感覚が身につくし、
会社への愛着も湧くと思います。


二つ目が、会社や経営者が
自分のことを大事にしてくれている
という実感があるかどうか。


例えば福利厚生の面では、
病院代は全額無料ですし、
本人だけではなく、
家族にも適用しています。

入院しても手術しても、
会社がすべて負担すると。


それ以外には、
社員さんの誕生日はもちろん、
その配偶者の方の誕生日にも
プレゼントを贈っています。

そこに手紙も添えて、
旦那さんや奥さんの
会社での活躍ぶりを綴り、
それはご家族の支えのおかげですよ、
と心からの感謝を伝える。

そうすると、しんどい時があっても
ご家族が味方になってくれて、
踏ん張れると思うんです。


──社員のみならず、その家族も
  大事にされているのですね。


そして三つ目が使命感。

自分の仕事が社会の役に立っている

実感があるかどうか。
弊社の使命は「世界中の人に日本の文化・おもてなしを

体験 体感していただき
心に残る思い出づくりのお手伝いをします。

そして一人でも多くの方が日本を好きに
なってくれるよう努力します」というものです。
みんなが「日本をすきになってもらうんや」と

イキイキしながらイベントの企画
や運営まですべてをやっています。
社会の役に立つというと、ついボランティアとか

寄付にいきがちですよね。たしかに
それも大事なことで、わたしたちも毎日ホテル周辺の

清掃活動を主体的にやっています。

でもそれ以上に大事なのは普段の仕事そのもの

が社会の役に立っているという実感を

もつことではないでしょうか。

───────────────────

いかがでしょうか。

皆様が職員1人1人に向き合う上での、何かヒントに

になれば幸いでございます。

やりがいを生み出す仕組み
処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング

「かわさき健幸福寿プロジェクト」


みなさん、こんにちは!

今日、来年の制度改定に向けて

注目されている「自立支援介護」

について、川崎市の事例をご紹介

いたします。


介護サービス利用者の要介護度などが

改善した事業所に報奨金(約5万円程度)

を出し、

介護給付費の伸びを抑えることを目指す、

神奈川県川崎市の

“かわさき健幸福寿プロジェクト”。

第1期(2016年7月~17年6月)においては、

市内の介護サービス事業所の約1割に当たる

246事業所・214名(対象高齢者数)が参加し、

そのうち、延べ87事業所・34人で要介護度の

改善がみられたそうです。

ちなみに第2期は17年7月からスタート。

今月18日時点で313事業所・463人が参加申請
を行っているそうです。

下記をご参照下さいませ。

http://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000077/77282/annaisiryou.pdf

「自立支援に資する介護とは」(介護給付費分化会から)

自立支援に資する介護 
 
~介護給付費分科会~


 自立支援に資する介護を行っている事業者への

インセンティブ付与の検討が求められているが、

「自立」には▼心身機能・身体構造▼活動・参加—の

両面からのアプロ―チが必要で、「要介護度の改善」のみ

を指標としたインセンティブ付与などは好ましくない—。

 23日に開催された社会保障審議会・介護給付費分科会で、

委員の意見はこうした点で概ね一致しています。

もっとも、2018年度の次期介護報酬改定において

「自立支援に資する介護」をどのように評価するのか、

具体化にはまだまだ議論が必要な状況です。

ここがポイント!
1 「要介護度改善=自立支援に資する」との短絡的な考え
  には与しない
2 「自立支援に資する」かどうかの判断を、どういった指標
  で行うべきか
3 一部自治体では「要介護度改善」に奨励金を支給

4 自立支援に向けて、事業者・利用者双方の意識改革も重要課題


介護保険では「自立支援」を理念の1つに置いています。

この点に関連して、今年(2017年)6月に閣議決定された
未来投資戦略2017では「次期介護報酬改定(2018年度改定)で
、効果のある自立支援について評価を行う」方針が示され、
骨太方針2017(経済財政運営と改革の基本方針2017)でも
「自立支援に向けた介護サービス事業者に対する
インセンティブ付与のための『アウトカム等に応じた
介護報酬のメリハリ付け』を検討し、2018年度介護報酬改定で
対応する」こととされました。

では、骨太方針2017などで指示されている「介護報酬への

反映」などに向けて、どのような仕組みを考えていくべきで
しょうか。

仕組みの構築に向けては、(1)評価指標をどう考えるか(どういった指標で『自立に資する介護サービス』と判断するのか)(2)インセンティブは介護報酬で付与すべきか、他の仕組みを考慮すべきか—と、大きく分けて2つの論点があります。


まず(1)については、厚労省や委員の見解を踏まえ、「
身体機能だけでなく、「社会参加」や「活動」、さらには「利用者・入所者のQOL」をも加味するとなると、評価は相当
難しくなります。
 
この点について齋藤訓子委員(日本看護協会副会長)らは

「排泄の自立や、褥瘡の状況などについて、入所時・サービス時

からどれだけ改善したか、などのアウトカムに着目すべき」と

具体的に提案。また前述のようにクリームスキミングの発生

を防止するために、アウトカムだけでなく「プロセス」

(どういった介護を行ったのか)と「ストラクチャー」

(どういった体制を構築しているのか)をも加味した総合的な

評価を行うべきとの意見も出されています。

このように評価指標が設定されたうえで、自立支援に

資するサービスを行っている事業所について「介護報酬で

評価を行うのか」、あるいは「介護報酬以外で評価を行うのか」

というのが(2)の論点です。

前者であれば、「加算の新設」「基本報酬での評価」などが

考えられ、後者であれば、例えば自治体が独自に行っている

補助(例えば東京都品川区では、要介護度が改善した場合

、介護報酬の軽減を補填するために、1段階改善当たり2万円

の奨励金を支給)の全国展開などが考えられます。

介護給付費分科会には後者を選択する権能はありませんが、

鈴木委員や瀬戸委員らは後者の「自治体事業」が好ましいと

の見解を示しています。

なお、こうした議論をする際に、「現在の介護報酬体系では、

要介護度が改善すれば報酬(つまり事業所の収入)が

低くなりディスインセンティブが生じている」と指摘される

ことがあります。
この点について武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は


検査・投薬などが必要で診療報酬が高い(収入が多い)が、

徐々に回復し診療報酬は減っていく(収入も減る)。

しかし、こうした時に『収入が減るので困るな』という医師

はいない。介護でも同様に考えるべきではないか」とコメント

しています。例えば要介護度に着目すれば、改善は

「事業者にとっても、利用者にとっても喜ばしい」ことの

はずですが、事業者は「報酬が減ってしまう」、

在宅の利用者は「区部支給限度基準額が下がってしまう」と

逆に考えることを武久委員は従前から問題視しており、

事業者・利用者双方の「意識の改善」も重要なテーマと

なりそうです。

今後の動きに注目です。


最高の社風の作り方 2

以前に引き続き、今日は「組織の風土」について
です。

良い組織風土を作り上げるには、どのような方法が

あるのか。

もちろん、絶対的な回答などはありません。

例えば、所謂「良い会社」をベンチマークし、その

会社のやり方を導入すればうまくいくか、というと

そんなことはありません。なぜなら、その会社で

その方法が活きているのは、その方法を受け入れる

ことが出来る、素地というか背景があったからこそ

成功したわけで、

単なる「真似」では、導入は出来たとしても、「浸透」

までは、なかなかいかないというのが現実では

ないでしょうか。

ただ、良い組織風土を作った組織に、共通点があると

したら、良い組織風土は決して、「自然」に出来上

がったものではないということ。

多くの場合は、経営者(創業者)の強い想いがあり、

それを職場で具現化する経営者の「信念や志」があります。

さらに重要なことは、職場でそれを実践する

マネジメント側の想いが重なり、そして長年かけて

続けてながら、徐々に醸成していくもののような

気がいたしします。

そして、継続して、実践するためには、その

組織にあった「仕組み」や「制度」に落とし

込んでいくこともまた重要なのです。


ここでは、重要な取り組みのいくつかを紹介して

いきたいと思います。

1、 組織ビジョンと人材像の明確化

どういう会社になりたいのかは、そこで活躍する人の

イメージを規定することです。

法人のあるべき姿を描き、期待される人物像、行動規範を

明確に定義することから始めたらいかがでしょうか。

どういう社員に、顧客に対して、どういう付加価値を

提供してもらいたいのか。

具体的な行動規範の明確化は出来ていますか?

よく見かける人材要件書にはいわゆる「死んだ文章」が

多ような気がします。使えない、具体性が見えない。

「どう生きたいのかという人生観をしっかり持っている人、

どういう価値感で仕事に取り組むのかをしっかり持っている人」

「自分の家族にしてほしいというサービスを提供することが

 できる人」

「素直である、物事をありのままに見る、事実にきちんと

 向き合える人」

など 簡単な文章だが、言いたいことがストレートに伝わる

ように人材像を明確化することが、第一ステップのような

気がいたします。そして、それが、「人材」の採用そして

育成の関する基軸になってくるものと思います。

今日はここまでといたします。

続きは次回に。


介護リーダー(=介護主任)に必要なマネジメント力とは

介護リーダー(=介護主任)に必要なマネジメント力とは


いつも何かに追われているのが介護リーダーではないでしょうか?とにかく忙しい。

介護リーダーの方々に、その役割を聞いてみると、様々なご意見を聞くことできます。

「スタッフの不安や不満を聞く役割」
「全体をまとめて引っ張る役割」
「介護職のまとめ役」
「上からも下からも不満をぶつけられる役目(板挟み)」
「休んだ現場スタッフの代わりの現場にはいる役割」
「看護師(他職種)との連携係。連携というより調整業務」
など等。

介護主任や介護リーダーは、業務量が多く、一方では仕事に対する充足感や満足感を得ている人は少ないように思われます。また、自分が介護リーダーに向いていると、自信を持って言える人もなかなかいません。多くの介護リーダーが 現状の課題に向き合う中で、日々悩み葛藤し、ご利用者の方々と接しているのが現状ではないでしょうか?

では、そもそも、介護リーダーに期待される本当の役割とは何なのでしょうか?
チームを引っ張る?
スタッフをまとめる?
上司と部下のパイプ役?
では、これらは具体的に、どのような行動を言うのでしょうか?多くのリーダーや主任が、そんなイメージに縛られて見えない 虚像と戦っているように思えてなりません。

一方、求められる介護もユニットケアや小規模ケアが主流になるなか、ケアシステム自体も大きく変化してきています。その変化に対応するためには、期待される介護スタッフのあり方も、また変化しています。ご利用者の為に、今自分ができる事、すべきことは何なのかを、自分の頭で考え、行動ができるスタッフが求められるのです。そのために必要なものはスタッフ一人一人の「自律」です。まさにこれからのリーダーに期待される本当の役割は、「スタッフ一人一人が自律を目指すチーム作り」なのです。

それは、例えば、リーダーからの「責任と権限の移譲」や「目標設定と実践に向けた取り組みと評価制度」であり、また職場内で、それぞれのスタッフの意見が尊重される風土作り、といった「職場環境づくり」です。

そのような職場作りのために必要な「リーダーの心構えと行動」ついて研修では皆さんと共に考えていきたいと思います。

介護リーダーに必要な「人間力とは」


「うちの部下は、上司に報連相が無いんだよね」とこぼすリーダーに限って、ご自身は部下に対し指示をしているだけで、部下への報連相はしていないものです。逆に、「うちの部下の笑顔は素晴らしいよ」とおっしゃるリーダーは、ご自身もいつもニコニコしています。

笑顔のリーダーのもとでは、笑顔の部下が育ち、しかめ面のリーダーのもとではしかめ面の部下が育つ。「子は親の映し鏡」といいますが、「部下はリーダーの映し鏡」なのです。このようにリーダーの働く姿は必ず部下にも影響を与えていきます。

また、リーダーは部下にとって「あこがれの存在」であってほしいものです。部下にとって、最も身近で力強いモチベーションになるのはあこがれの先輩の存在です。では、あこがれのリーダーとは、どんなリーダーでしょう?
•「だれよりも笑顔でイキイキと仕事をしているリーダー」
•「情熱と強い想いのあるリーダー」
•「部下の話を徹底的に聴いてくれるリーダー」
•「本気で部下を指導・育成するリーダー」

・・・どうですか?特別すごいことをしているわけではありませんよね。ここで大切なことは、「あこがれのリーダー」=「すごい能力のあるリーダー」ではないということです。リーダーの能力ではなく、リーダーの努力と情熱にこそ部下はついてくるのです。そんなリーダーがそばにいると、部下たちは、この人のために頑張ろう、先輩のようになりたい、とモチベーションを高めていきます。部下に「ああしろ、こうしろ」と言う前に、まず、自分が全力を尽くしている様を見せる。その背中を見た部下は、黙って見ていることはできません。行動に移そうとします。

部下を「笑顔」にしたければ、まず自分が「笑顔」になること
部下に「きちんとした挨拶」をしてほしければ、まず自分から先に「きちんとした挨拶」をすること
部下に、仕事に「誇り」をもってほしければ、まず自分が仕事に「誇り」を持つこと

みんな「あたりまえの行動」ですよね。この当たり行動を、リーダーが率先して行う事。これが、リーダーとして「人間力」を高める事につながるのです。

詳しくは
職場リーダー(主任)の職場実践力&人間力向上研修

経営者のコミュニケ―ションで大切なこと

とある訪問介護事業所のサ責の方と話を
していた時に、

大変示唆に富んだ言葉をいただきました。

「経営者の人には申し訳ないけれど(笑)、

社長の話を聞いて心から感動する従業員って、

いなくはないけど、

実はけっこう少ないんです(笑)。

でも、社長に1対1で話を聞いてもらえたら、

間違いなく私たち社員は感動します。」

・・・・・・・・・・・・

如何でしょう?

なるほど、と思える話ですよね。

ことわっておきますが、

“社長が社員に話をする必要がない”

ということでは決してありません。

ただ、認識しておくべきこととして、

経営者はよかれと思い、

社員にも是非理解してもらいたいと思って
一生懸命話をするけれど、

残念ながら、社長の意図はおろか、

話の意味すらしっかり伝わっていない
可能性が高い、

いや、

そう思って話をしなければならない、

ということでしょう。

「何でうちの社員は俺の言っていることが理解
出来ないんだ」

そう言って自嘲気味に苦笑いする経営者に
私はしょっちゅう出会います。
(幹部の方は、社員の部分を「部下」と
置き換えて読んでいただいてもOKです)

そんな時、私はよく、こんな喩えを使って
話をします。

「お気持ちはよ~く分かります(笑)。

でも、社長、こんな風に考えてみては如何
でしょう?

喩えて言うなら、社長は、

山で言うと、頂上にいる存在です。

山の頂上にいる社長と山の五合目や七合目に
位置している社員は、

見える景色が違って当然ですよね。

頂上から下を見下ろして、

もしくは、頂上から見える景色について、

ああだ、こうだ、と話をしても、

残念ながら頂上より下にいるメンバーには
社長の言っていることがさっぱり理解出来ないし、

イメージがつきません。

このギャップを埋めるには、

社長と社員の間を

“つなぐ”

存在をおくか、

もしくは社長やリーダーが部下のいる位置を
確認し、

そこから

“シェルパ(=山の案内人)”

役を務めていくしか方法がないと思いますが、

如何でしょう?」

至極当たり前のような話ですが、

私も含め、

実際の経営現場ではなかなか実現できていない
ことだと思います。

でも、

そんな姿勢で社員とのコミュニケーションの

“質”

を重視し、

その想いの体現として、

“社員の話を聞く”

ことを意識する中で、

それが、このサ責の方がおっしゃるところの

“感動”

につながり、

成長の機会になるのであれば、、、、

皆さんはどう思われますか?

日頃のコミュニケーションの中で、

少し頭に置いてみてもいいかもしれませんね^^

介護給付費分科会 速報

みなさんこんにちは。

今日は、

一昨日の介護給付費分科会についての

速報をお届けいたします。


“質の評価・自立支援に向けた事業者への
インセンティブ”

“介護人材確保対策”

等に関する議論が行われたようです。

関心をお持ちの方は、こちらをご確認下さい。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000175125.html

介護経営と人材育成2 「企業は人なり」と言いますが・・

「企業は人なり」とは昔から言い伝えられてきた言葉です。

この言葉は、非常にシンプルでかつ的を得た的確な言葉である

と改めて思います。

経営資源の中で、すべてを生み出す力であり、その源泉と

なるものは「人材」であるからです。このこと自体を

否定する経営者はおそらく いないでしょう。

しかしながら、それをいつ、いかなる時でも、どんな

状況下においても、その意識をぶれずに持ち続け、

経営のあらゆる局面で「人材第一主義」「人本経営」を

実践できている経営者は少ないものと思います。

 かく言う、私自身も、ともすると自分に都合のいい言い訳を

見つけて納得させたりする局面も多々あるように思います。

 例えば、人事評価の仕組みづくりにおいてこのような場面に

遭遇することがあります。

 人事評価の目的は、「給与を決めるため」なのではなく、

長期的な視点での「人材の育成」であり、「モチベーション

アップ」がその目的であると声高に言う経営者は多く、

実際その通りですし、給与の決定は「目的」でなく、あくまでも

「手段」です。

 もし人材育成が目的であるならば、S評価やA評価の職員が多い

という事は喜ばしいこと(もちろん公正な評価がなされている

前提ではあるが)なのに、人件費のことがちらつきはじめ、

結果として平均が「B」評価となるように調整したりすることは

ありませんか。

 このようなケースは、「経営的な観点=人件費を抑える」と

判断軸が優先されていないでしょうか。

つまり、人材育成という「想い」と事業収支という「仕組み」

が、ともに成り立つことを考えることが、本当の「経営」と

いえるのではないでしょうか。

今後とも、このような視点から、引く続き皆様方と一緒に

考えていきたいと思います。


今日はここまでといたします。

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