「人を大切する経営」に学ぶ
皆さん、こんにちは!!先週、法政大学大学院 坂本光司研究室
で、広島県の「八天堂」様に訪問いたしました。
皆様方とは、業過は異なるかもしれませんが
「良い会社」の重要なポイントの一つに、
「経営理念」へのこだわり、そして
社員一人一人へ理念の浸透を
とても大切にしている、
という共通項があります。
まさに、今回の八天堂様は、それを非常に
大切にされ、逆境を追い風にされた会社の
一つです。今回は、社長と従業員の方々
にお話を伺いました。その内容を皆様に
ご紹介いたします。
ご存じの方も多いとは思いますが、あの
「クリームパン」で有名な八天堂です。
広島県
三原市に本社を置き、昭和8年創業、81年の
歴史がある老舗です。
お伺いした質問の中のいくつかを抜粋して
ご紹介いたします。
ますは「働く幸せ」についての質問では、
社員のほぼ全員が、「この会社で働く幸せ」を
感じている結果で、「継続してこの会社
(またはこの部署)で働きたい」と感じています。
社長である森光孝雅氏は、「風通しの良い組織」
をまず 第一に考えられ、経営理念実現の土台に
あるものは「人間関係」と、クレドでも明確に
されています。そのため社員との距離感をとても
大切にし、ほぼ毎日何らかのコミュニケーション
をとっていらっしゃる。
特に印象に残ったのは、目立たない社員を意識的に
大切されており、「彼らの下支え」に感謝すること
を忘れない点でした。
それは、社員の方へのインタビューでも
「些細なことを褒めてくれる、それが自信につながっている」
「工場長が全員の名前をフルネームで覚えてくれている」等
のお話を伺い、その信頼関係の強さがうかがわれます。
また、公式の面談も月次で行われているとのことでした。
また、「働きがいの仕組み」についての質問では、
90%以上の社員が人事評価や給与に納得していると
いう結果でした。一般的に社員は、人事評価や給与
には少なからず不満を持っているものですが、まさに
驚きの結果です。普段のコミュニケーションを充実させる
ことで、日々、自分の課題を上司と共有できているので、
評価にも納得出来ている事が、社員の方のインタビューから
も伺えました。
最後に、障碍者雇用に関する質問。
今年から初めて、障碍者を2名採用される予定。
逆にいうと、今までは雇用されていないことになるが、
社長いわく、「義務で雇用を考えるより、障碍者の方が
、本当に喜んで働けるような、組織風土を作りを
優先し、今まで尽力してきた。その組織風土が出来
上がってきたので 今後は、積極的に障碍者雇用を
行っていく、と明言されていたのもまた印象的でした。
最後に「パン業界で職場環境日本一」を目指していきたい、
と熱く語られた森光社長。パン業界は往々にして、労働環境が
厳しい会社が多い中で、その常識を破りたい。
商品数は絞るが、八天堂ならではの「味わいの深さ」を
大切にしていくことで、社員に仕事への誇りを持ってもらい、
最高に商品をお客様に提供していく。
その中で、社員のモチベーションも高まり、
最高の職場環境を作り出していきたいと
語られていました。
これからも、さらに「良い会社」を目指し、
発展(八天?)される期待感で一杯になった
視察でした。
視察の帰路、店舗に寄りましたが、既に完売で
お店にシャッターが閉まった状態。
たまたま、通りかかった社員の方が、
私たちの為にお店を開けてくれ、メインのクリームパンは
売り切れでしたが、まだ在庫のある商品を
売ってくださいました、
そんな所にも、「社長の理念が浸透しているなー」
と感じながら、東京への帰路につきました。
みなさん、こんにちは!!
今日は、法政大学大学院坂本研究会にて視察させて
頂いた、石川県金沢市の「芝寿司」さんの感動的な
朝礼をご紹介させていただきたいと思います。
芝寿司さんでの視察スタートは、「朝礼」から始まりました。
職場のコミュニケーションと理念、方針の浸透を目的に
毎週月曜日に朝礼を行っているそうです。
所謂、「良い会社」は特徴的な朝礼を行っている会社が
多いのですが、芝寿司さんの朝礼はまさに、素晴らしい
ものでした。
まずは従業員同士の「握手」から始まり、「先週で嬉しかった
出来事」を相互に話し合う時間へと続きます。
次に 社長、専務からの講和があり、社内各部署からの報連相を
行った後の「先週のいい人探し」では、社内での感動的な
出来事を褒めたたえ合う、最後に行動規範である「7つの心得」
、経営理念の唱和で終了するものでした。
TOPの想い、重要事項共有化、従業員同士のプラスの
ストローク、そして 気持ちが良いぐらいにテンポの良い進行。
すべてにおいて理想の朝礼のように思えました。
この根底にある思想は「人に光を当てる経営」にあると
いわれます。「社長の仕事はスポットライト担当」と言われる
ように「社員一人一人が主人公」であり、それを支えるのが
経営者の仕事、ということに徹しているそうです。
同社では、毎年新入社員に会社の重要な社内イベントの
企画・運営を任せるそうですが、
あえて難しい課題を与え、それを乗り越えることで
「成功体験」を作らせる事を目的としています。
また、月1回の成果発表会では自分の立てた目標に関して、
その実践状況を全員の前に発表する機会が与えられます。
またパートさんからは「もし自分がお客だったら、
いくらだったらこの商品を買うか、」などの意見を引きだすこと
で、従業員全員の経営参画意識を醸成されています
これにより、各社員の存在に「光を当て」ひとりひとりが
重要なんだというメッセージで、モチベーションを高められて
いる。まさに「人を大切にする経営」という経営者の志によって、
いい社風が見事に作り上げられているように感じました。
そして2代目社長から3代目へ事業承継も計画的に着々と
進められています。経営理念は確実に受け継がれており、
また、市場環境の変化に向けた経営資源の投資も着実に
行われていました(来年には新工場の稼働が予定されています)。
今回の企業視察、「百聞は一見にしかず」といいますが、
まさに経営に関する深い学びと感動を頂いた素晴らしい
時間でした。月曜日の午前中という、非常な貴重な時間
をご提供いただいた 芝寿司さんには改めまして感謝
もうしあげたいと思います。