ブログ
皆さん、こんにちは!!先週、法政大学大学院 坂本光司研究室
で、広島県の「八天堂」様に訪問いたしました。
皆様方とは、業過は異なるかもしれませんが
「良い会社」の重要なポイントの一つに、
「経営理念」へのこだわり、そして
社員一人一人へ理念の浸透を
とても大切にしている、
という共通項があります。
まさに、今回の八天堂様は、それを非常に
大切にされ、逆境を追い風にされた会社の
一つです。今回は、社長と従業員の方々
にお話を伺いました。その内容を皆様に
ご紹介いたします。
ご存じの方も多いとは思いますが、あの
「クリームパン」で有名な八天堂です。
広島県
三原市に本社を置き、昭和8年創業、81年の
歴史がある老舗です。
お伺いした質問の中のいくつかを抜粋して
ご紹介いたします。
ますは「働く幸せ」についての質問では、
社員のほぼ全員が、「この会社で働く幸せ」を
感じている結果で、「継続してこの会社
(またはこの部署)で働きたい」と感じています。
社長である森光孝雅氏は、「風通しの良い組織」
をまず 第一に考えられ、経営理念実現の土台に
あるものは「人間関係」と、クレドでも明確に
されています。そのため社員との距離感をとても
大切にし、ほぼ毎日何らかのコミュニケーション
をとっていらっしゃる。
特に印象に残ったのは、目立たない社員を意識的に
大切されており、「彼らの下支え」に感謝すること
を忘れない点でした。
それは、社員の方へのインタビューでも
「些細なことを褒めてくれる、それが自信につながっている」
「工場長が全員の名前をフルネームで覚えてくれている」等
のお話を伺い、その信頼関係の強さがうかがわれます。
また、公式の面談も月次で行われているとのことでした。
また、「働きがいの仕組み」についての質問では、
90%以上の社員が人事評価や給与に納得していると
いう結果でした。一般的に社員は、人事評価や給与
には少なからず不満を持っているものですが、まさに
驚きの結果です。普段のコミュニケーションを充実させる
ことで、日々、自分の課題を上司と共有できているので、
評価にも納得出来ている事が、社員の方のインタビューから
も伺えました。
最後に、障碍者雇用に関する質問。
今年から初めて、障碍者を2名採用される予定。
逆にいうと、今までは雇用されていないことになるが、
社長いわく、「義務で雇用を考えるより、障碍者の方が
、本当に喜んで働けるような、組織風土を作りを
優先し、今まで尽力してきた。その組織風土が出来
上がってきたので 今後は、積極的に障碍者雇用を
行っていく、と明言されていたのもまた印象的でした。
最後に「パン業界で職場環境日本一」を目指していきたい、
と熱く語られた森光社長。パン業界は往々にして、労働環境が
厳しい会社が多い中で、その常識を破りたい。
商品数は絞るが、八天堂ならではの「味わいの深さ」を
大切にしていくことで、社員に仕事への誇りを持ってもらい、
最高に商品をお客様に提供していく。
その中で、社員のモチベーションも高まり、
最高の職場環境を作り出していきたいと
語られていました。
これからも、さらに「良い会社」を目指し、
発展(八天?)される期待感で一杯になった
視察でした。
視察の帰路、店舗に寄りましたが、既に完売で
お店にシャッターが閉まった状態。
たまたま、通りかかった社員の方が、
私たちの為にお店を開けてくれ、メインのクリームパンは
売り切れでしたが、まだ在庫のある商品を
売ってくださいました、
そんな所にも、「社長の理念が浸透しているなー」
と感じながら、東京への帰路につきました。
みなさん、こんにちは!!
今日は、久々に助成金のご紹介
を致します。
良い助成金がでました・・・
といいたいところなのですが、
来年度の助成金はまだ未発表
でして・・・・すみません
御期待に沿えずに・・・
今日は、以前から運用されている
助成金で、比較的お問い合わせの
多い助成金をご案内いたします。
■特定求職者雇用開発助成金(高年齢者雇用開発特別奨励金)
〔厚生労働省〕
━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━
1.概要
雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者を
ハローワークまたは一定の有料・無料職業
紹介事業者の紹介により、1週間の
所定労働時間が20時間以上の労働者として
雇入れた事業主
(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る)
に助成するもの。
2.主な受給要件
【1】雇用保険の適用事業主であること
【2】雇入れ日における満年齢が満65歳以上の者であること
【3】ハローワーク等の紹介で雇入れた者であること
【4】紹介日及び雇入れ日現在で高年齢継続被保険者又は
短期雇用特例被保険者でないこと
【5】対象労働者の雇入れの日の前後6か月間に解雇等
(事業主都合の勧奨退職を含む)したことが
ないこと
【6】雇用保険の被保険者資格を喪失した離職の日の
翌日から3年以内に雇入れられたもの
【7】1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として
雇い入れ、1年以上雇用することが確実であると
認められること
【8】雇入れに関わる事業主以外の事業主と1週間の
所定労働時間が20時間以上の雇用関係にないかた
【9】ハローワーク等からの紹介以前に雇用の内定の
あった労働者を雇入れたものでないこと、
その他
※助成金の支給対象期間中に対象労働者を解雇・
勧奨退職等させた場合は助成 金は受給できません。
3.給付内容
対象労働者(雇入日時点で65歳以上の者)
≪短時間労働者以外≫
〇大企業 50万円 〇中小企業 90万円
≪短時間労働者≫
〇大企業 30万円 〇中小企業 60万円
※短時間労働者以外の者とは1週間の所定労働時間が
30時間以上の者いう。
※短時間労働者とは1週間の所定労働時間が20時間以上
30時間未満の者をいう。
◆ご注意
支給要件や期限等が変更される場合がありますので、
都道府県労働局又はハローワークにご確認下さい。
☆ワンポイントアドバイス
雇用保険からの助成金は、通常は65歳までの人を
対象としますが、本助成金は65歳以上の人を
助成対象としているので見落としがちですのでご注意を。
☆詳細は下記サイトにてご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_kounenrei.html
みなさん、こんにちは!!
今日は、CBTAGの原田氏
ブログに、今後の高齢化社会に
向けた興味深い記事がございましたので
引用させて頂きたいと思います。
ご存じのとおり、全国的に進む
超高齢化社会の中で、特に首都圏では
そのスピードが速く、課題山積の
状態です。
特に首都圏の「土地が高い、もしくは
不足している」そして「介護人材が
集まらない」という課題。
それらの課題に対し、とても興味深い
記事なので、皆様にもご紹介させて頂きます。
以下は引用記事です。
新聞やテレビが大きく報道したが、
入居者の中に退去を求める人が一人も
いないという。
この事実は重要である。
「虐待の事実が明るみに出たのに」
と第三者は不審に思うだろうが、
「では、ここと同じような低家賃の施設が
あるのか」
と反論されれば言葉に詰まってしまうだろう。
介護保険制度の趣旨に沿えば、
保険者である市町村自治体は介護サービスの
メニューをすべて揃える義務を課されている。
40歳以上の住民からほぼ強制的に保険料を
徴収しているのだから、
その対価として選択できるほどの十分なサービスを
提供するのは当然のこと。
だが、事実は異なる。
特養に入居したくてもできない待機者は、
昨年3月時点で全国に52万4000人。
都道府県別で最も多いのは東京都で4万3000人
もいる。
多くは自宅介護を続けているが、
それが難しくなると住宅型有料老人ホームやデイ
サービスでの長期宿泊(お泊りデイ)に頼らざるを
得ない。
介護付き有料老人ホーム(介護保険の特定施設)は、
一時入居金が高額で低所得者には手が届かない。
認知症に特化した入居施設のグループホームは
絶対数が少なく、
特養並みの順番待ちの状態である。
やはり、特養の増設が最も近い解決法にならざるを
得ない。
厚労省が唱える
「地域包括ケアシステム」
が十分整備されていれば自宅介護が最善策であろう。
だが、その柱となる在宅サービスの24時間の
定期巡回随時対応訪問介護看護や小規模多機能型
居宅介護、
複合型サービスなどは普及が遅れていて、
何処でも誰でもが利用できる状況ではない。
では、特養の増設がなぜ進まないのか。
事業者から上がる理由は2つ。
地価と人件費が地方に比べれば圧倒的に
高いことと、
建設地がほとんどないことだ。
地価と人件費については、
介護報酬がそれに連動させて都心部が
高ければ問題はないはずだが、
そうなっていない。
まず、3年ごとに改定される介護報酬は、
この4月が改訂期。
厚労省が決めた新たな介護報酬で地域差が
どのように反映されているか。
「地域区分」
と言われ、
公務員の地域手当に合わせて全国の市町村
ごとに加算する仕組みだ。
地域ごとに支払われている公務員給与に
準じた算出法である。
全国の市町村を8区分して、
第1級地から第7級地、
それにその他とし、
それぞれ介護報酬への上乗せ率を決めた。
第1級地は東京都の23区で上乗せ率は前期より
2ポイント上げて20%になり、
第2級地は東京都狛江市、同多摩市と川崎市、
横浜市、大阪市で1ポイント上がって
16%とした。
一方で地域の人件費格差を見る時に、
指標となるのが都道府県別の1時間当たりの
最低賃金である。
すべての働く現場で守らねばならない。
昨秋に最新版が決まり、
最高額は東京都の888円。
沖縄、宮崎、熊本、大分県など6県は最低額で
677円。
大きな開きがある。
これが、現実の人件費の地域差である。
介護サービス事業は、
基本的に人手に頼るものである。
経費の大半は人件費。
それが地域の実態に合っているのか、
介護保険の地域区分と突き合わせてみる。
東京23区を含む東京都の最低賃金は、
最低賃金県6県より211円高い。
すなわち最低県から31.2%も
「加算」
されている。
地域区分の
「その他」
地域は加算ゼロで、
最低賃賃金県の沖縄、宮崎、熊本、高知、大分の
各県の全域が該当する。
第1級地の東京23区はこれらの県より
20%上回るだけだ。
つまり、現実の人件費格差は31%あるのに対し、
介護報酬では20%しか認められていない。
これでは、東京23区の事業者は事業運営が苦しく、
施設の新増設に前向きになれないのも頷ける。
これ以上に苦境なのが東京都の23区外の各市で
ある。
八王子、武蔵野、町田、調布など11市は地域区分が
3級地に指定された。
3級地の加算は、23区より5ポイントも低いわずか
15%。
最低賃金は最低県より31%も高いのに、
介護報酬の加算はその半分に達しない。
首をひねってしまうのは、
神奈川県の湘南地域。
茅ヶ崎、逗子、平塚の各市は5級地となり、
加算はほんの10%。
同県の最低賃金は東京都より1円少ないだけの
887円。
最低県より31.1%上回っているのに、
介護報酬はその3分の1という評価だ。
どう見ても「過酷」としか言いようがない。
これで従業員に地域相場の賃金を払える
のだろうか。
こうした、地域差を反映しない報酬体系が、
首都圏での低い賃金をもたらし、
人手不足に拍車をかけている。
抜本的な是正が必要だろう。
もう一つの理由として特養建設の立地難が
よく言われる。
その解消策は、
簡単な算数の問題を解けばいいだけだ。
答えは小中学校の敷地にある。
高齢者が増えて、
小中学生が減少している。
かつて同一学年で270万人を数えた団塊世代の
入学時に建設された小中学校は、
いまやガラガラ。
今の生徒は同一学年が110万人ほどしかいない
のだから当然である。
各学年1クラス、それも40人弱の生徒。
それが現在の多くの学校。
既に統廃合されたり、
その俎上に乗っているという所は数多い。
その敷地を急増している高齢者のために使えば
いい。
極めてやさしい算数であろう。
ただ、抵抗勢力を押しのけるだけの自治体首長の
力技が必要である。
「空き教室」
の表現を嫌い権益保持に懸命な文科省、
卒業校消滅にただ反対する地元有力者、
少人数教育に拘る教育関係者など抵抗勢力を
説得しなければならない。
公有地を無駄使いしていることに反論の余地は
ないはず。
同じ公有地の利用者を、
小中学生から要介護高齢者に替えるだけのこと。
社会の必要性に応じて利用目的を替えるのは
当然だろう。
いかがでしょうか。
双方に視点共に、今後の対応策としては
現実味を帯びてくるのでは、ないか、
そんな気がしております。
(引用:福祉ジャーナリスト浅川澄一氏記事より)
みなさん、こんにちは!!
さて、今、多くの施設で行っている
介護人間力向上研修は社員の「こころ」
を育てる研修の一つです。
研修では「報恩感謝のこころ」
「自喜喜他のこころ」
「自己反省のこころ」
それぞれの「心」が、どんな意味を持っており
そして、人が暮らしていくうえで、いかに
その「心」が大切であるかを、ご自身で
「気づいて」頂く研修にしています。
ところで、さてみなさん、
社員の「こころ」を育てる研修として、
他にも とてもユニークな
研修を行っている会社をご存知ですか?
それは、高知県にある、ネッツトヨタ南国株式会社
が行っている、
“バリアフリーお遍路の旅”
です。
(有名な研修なので、ご存知の方も中には
いらっしゃるかもしれませんね)
社員の採用・育成に様々なこだわりを持つ
同社ですが、中でも教育研修として
“一風変わっている”と評判なのは、
新入社員研修の締めとして、4泊5日で
行われるこの企画です。
これは、新入社員が全国の視覚等に障がい
を持たれている方とペアを組み、
四国八十八箇所霊場を案内してまわる、
というものです。
通常、
若い新入社員の方々は、
目の不自由な方や車イスの方、
ご高齢の方々と一緒に生活する機会
などほとんどなく、
最初は戸惑いが隠せないそうです。
(当然ですよね)
そんな中、
とにかく一生懸命になって、ケガのない
ように、手取り足取りお世話をしようと
するのですが、同行される方々は決して
そうしたことを求めている訳ではありません。
「自分はこの目で何十年も生きてきました。
目が見えなくなったときには本当に辛かった。
生きることが苦しくて、
毎日を過ごすのがやっとだった。
だけど、そんな中だからこそ生まれた
家族との絆もあった。
応援してくれる人との出会いもあった。
そして時には、目が見えなことに感謝出来る
気持にすらなることもできた。
一生懸命、気遣ってくれて本当にありがとう。
でも、私にあれもこれもとしなくていいんですよ。
あなたが、私が不自由そうだな、と感じることが
あれば、そのことだけ、少しだけ力を貸してくれればいい
んですよ。。。」
旅行の道中、お風呂で背中を流したり、
寝る前にお話をする中で、
時にはそんなお話をしていただける障がいの
方もいらっしゃったりするそうです。
この、貴重な体験を終えた新入社員たちは、
「バリアフリーという言葉の意味が理解
できました。
相手の方が求めていることは何か。
それを感じ取り、実践する為には、
先入観・固定概念という、
自分自身の心のバリアを捨てることが
大切だと気付きました。
これから真心でお客様や仲間、
家族と触れ合い、生きていこうと
思います。」
と涙を流しながら、
研修で感じた事を報告してくるそうです。
これらを体験した新入社員、
人間としてひとまわりもふたまわりも
成長することは言うまでもありません。
さて、このアイデア、
何か我々の業界にも活かすことが出来る
のではないでしょうか?
介護職にとって、
介護技術を磨くことと同様、
或いはそれ以上に、
“心”
を耕すことが不可欠であることは
言うまでもありません。
是非、この話のエッセンスを取り込み、
どんな工夫が出来るか、
具体的に考えてみてもいいかも
しれませんね。
⇒福祉人材の人間力向上研修
みなさんこんにちは!!
今日は、小さな思いやりや気遣いが
ひとを幸せにするエピソードを皆さんに
ご紹介させていただきたいと思います。
「乗ることが幸せになるタクシー会社」
そのお婆ちゃんは、左足が不自由で
自分で動かすことができませんでした。
それでも毎日、病院に行かなければなりません。
家からタクシーを利用するのですが、
お婆ちゃんはタクシーに乗るのがとても嫌でした。
タクシーに乗る時。
お婆ちゃんは杖をつき、まず右足で乗りこみ、
次に不自由な左足を手で支えて・・・。
どうしても時間がかかってしまうのです。
何故、嫌になるのかというと、
タクシーの人が苛立っているのがわかるから・・
ひどい人になると
「早くしろよ」と、舌打ちをする人もいて、
毎朝、お婆ちゃんは
「今日はちゃんと乗ろう」と気合いを
入れなければならなかったそうです。
そんなお婆ちゃんが病院でその話をしていると、
その人があるタクシー会社を紹介してくれました。
タクシーに嫌気がさしていたお婆ちゃん
ダメもとで、そのタクシーを呼ぶことに・・・
来てくれた運転手さんは、
いつものタクシーとはまったく違う対応を
してくれました。
車から降りると、
運転手さんは、お婆ちゃんの手を取り、
車に乗る手伝いをしてくるだけでなく、
降りる時も介助してくれて、
病院の受付まで連れていってくれたそうです。
いつも気を使い、嫌な思いをしていたそのお婆ちゃん。
天国にいるような気持ちになったそうです。
嬉しくて、不自由な手で
そのタクシー会社に手紙を書きました。
「おたくのタクシーに乗る時がいちばん幸せ」
お客様の人生を大切にするタクシー会社。
こんな会社が日本にあること。
本当に私たちの誇りですね。
こんなコラムを見つけ、なんとなく
読んでいる私も心が
暖かくなり、皆さんにご紹介させて
頂きました。
介護のお仕事だけでなく、どんな
仕事でも、「心づかいや気遣い」で
人を幸せにできるのですね。
⇒福祉人材の人間力向上研修
みなさん、こんにちは!!
2015年2月6日の介護給付費分科会において、
遂に2015年4月の報酬改定情報が開示されました。
病院・診療所からの訪問看護以外のサービスは実施的に
減収。中でも小規模デイは約10%、特養の多床室はそれ以上
の基礎報酬がダウンする等、事業者によっては経営の根幹
から見直しを迫られる状況になっています。
先ずは現時点においてどれぐらいの減収になるかを冷静に
分析し、具体的な数値としてとらえることが何より重要です。
その上で、それらをリカバリーするための対策をキッチリ
と練らなければなりません。厳しい状況ですが、しっかり
と向き合っていくしか道はありません。
是非、乗り越えていただきたいと思います。
今日は、今回の報酬改定の中でも大きな変化となった
「処遇改善加算」についてみておきたいと思います。
今回は新たに加算(1)が新設され、従来の加算(1)は
(2)に位置づけられましたが、注目すべきはその加算率です。
従来の加算(1)(=今回の加算(2))のままでも
加算率は20%程度上昇していますが、新設された加算(1)
は、従来の加算(1)と比較すると、なんと、倍以上の
加算率設定となっています。
加算(1)を取得するための要件は、キャリアパス要件
(=キャリアパスと賃金規定の策定)と
(=よりがたい場合として、研修計画の策定や
資格取得の支援を行うこと)の両方を同時に満たすこと、
です。今までは そのいずれかを
満たせば最も高い加算率を選択することが出来、
結果、大半の事業者が従来の加算(1)を取得することで、
いわゆる「横並び(=事業者によって賃金格差が生まれない)」
の状況となっていました。
しかし、これからは、そうは行きません。
新設された加算(1)を取得する事業者と、
現状のままのスライドとして加算(2)
(=従来の加算(1))を取得する事業者とでは
加算報酬に大きな差が生まれ、職員の待遇にも
大きな違いが出てくる可能性があります。
それらは人材募集の広告記事の中で「時給の違い」
「基本給の違い」として表れてくることも十分に
考えられるでしょう。そうなると、新設の加算(1)を
取る事業者にとって有利な環境が生まれてくることは
言うまでもありません。
以前からお話させていただいてきた通り、
正に国の意向を理解して「頑張る会社」と
「頑張らない(or頑張れない)会社」との間で差を
つけていくことにより、「もっと頑張らなければ」
というインセンティブを高める事、逆に言うと
「頑張らない(頑張れない)会社」は報酬ダウンだけでは
なく人員確保の面においてもますます厳しい環境に
置かれる可能性が高い、ということを、この段階に
おいて事業経営者は冷静に認識しておく必要があると
言えるでしょう。
ただ、キャリアパスや賃金規定は、組織の根幹である
大切仕組みであることを考えれば、拙速に、加算を
取る為に、仕組みを作るというのではなく、現状の課題を
良く分析されたうえで、その対応として、やはり
必要と考えるならば、
早めに動き出されることをお勧めいたします。
みなさん、こんにちは!!
昨日は、新宿で介護経営の講演会
を行いました。
講演タイトルは
「キャリア段位制度にも対応、介護経営新時代を生き抜く!
「人材育成型人事評価制度と業績連動型賃金制度」
セミナーの内容は・・・
(1)法改正後の処遇改善加算の要件としての「キャリアパス」
(2)人材育成に成果を上げている「人事評価とキャリアパス」
を具体的事例から検証
(3)業績連動型賃金制度の事例を紹介
(4)介護保険報酬改定の解説
以上の4点で、約3時間お伝えしました。
今回の改正における国からの大切なメッセージ
の一つは「経営マネジメント力」の向上と言われます。
それは、変化に対応できる経営基盤を作る事、
つまり、人材の育成力強化と経営効率の向上
です。
今回のセミナーその2点に絞り、実際に
先進介護事業所が行っている事例を、人事評価
賃金制度を多数ご紹介し、
そのメリットや課題を具体的にお伝えしました。
皆様方の今後の、経営のヒントになれば
幸いでございます。
遠方からお見え頂いた多くの介護事業者の
方々、ご参加を頂き本当にありがとう
ございました。
みなさん、こんにちは!
ご存じのように、今回発表された
介護保険法改正の大きな論点の
一つに「生活行為力向上訓練機能」
というキーワードが入ってきましたよね。
今までの機能訓練を、さらに一歩進めて
その方の在宅における生活行為力、
例えば、一人でお風呂にはいれる
トイレに行ける、等の生活機能を
回復させることに重点がおかれる
べき、という国の方針が明確になりました。
そんな中、重度の障害を持つ方に
「驚異のリハビリ」をおこなっている
リハビリ医である、酒向正春氏の記事を
見つけましたの、皆様に
ご紹介したいと思います。
└───────────────────────┘
「人間が持つ最高の能力」
酒向正春(世田谷記念病院副院長)
※『致知』2015年3月号より
└───────────────────────┘
――酒向先生のリハビリ治療の特徴はどのようなものですか。
私が脳外科医、脳治療のプロとしてこれまでに
診断してきた脳の画像は10万例に及びます。
患者さんが入院されると、最初に麻痺や感覚障害の重さ、
言語・嚥下障害、視力・視野障害、精神障害の有無や
高次脳機能障害の程度などを細かく評価し、機能予後
予測を行います。
そこからスタッフとともに回復に向けた目標を立てて、
患者さんが能力を最大限向上させられるよう、
リハビリチームで全力を尽くすんです。
私のリハビリを見て奇跡だとかマジックだとかおっしゃる方
もいますが、
しっかりとした病態生理学的な根拠があるわけです。
――脳の状態を正しく知れば可能性が開けることも多いわけですね。
例えば、重症で動けないという方が入院してこられますね。
だけど、画像を見ると脳にはあまり損傷がない。
「何でこれで動けないんだろうか」
というのが私の感覚なんです。
現役で仕事をされていた61歳の男性の患者さんもそうでした。
単身赴任先で脳出血で倒れ、手術後は右の片麻痺と失語症が
残って、私たちの病院に入院された時は既に3か月間
寝たきりの状態が続いていたんです。
脳の画像を見て思ったのは「なぜ寝たきりなのか」という
疑問でした。
確かに脳の損傷はあるが、寝たきりになるほどでは
ないだろう、と。
そこで、まずは歩行自立という目標を定めて、
皆で戦略を錬り、入院日から立たせました。
すると2週間ほどで踵がつきはじめ、下肢装具を装着しての
100メートルの介助歩行が可能になりました。
2か月を超えた頃には短い下肢装具をつけて
屋外の坂道を歩けるようになられたんです。
つまり、廃用症候群による医原的な寝たきりだったわけです。
しかし、それを治せない現実があります。
――驚くような効果ですね。
例えば、お年寄りが転倒して動けなくなったような場合は、
脳に損傷がない場合は骨折を適切に治療すれば、
よくなるのが当たり前です。
すなわち、手術翌日から立たせて動かすという時間感覚、
スピード感でリハビリできれば、簡単に回復します。
――年をとって転倒したらおしまい、というのは
勝手な思い込みということなのでしょうか。
そうです。ただ、90代の方だと2週間寝たままに
しておいたら厳しいと思います。
でも、実際には無理に動かして悪くなるのを恐れて、
医者も家族もじっと寝かせたままにしておくケースが
一般的なんです。
これだと負のサイクルがどんどん回り始めることになります。
それをいかに元に戻していくかというのが、
私たちの攻めのリハビリでもあるわけです。
そういえば、私たちがリハビリで歩かせるようになった
患者さんの中には、102歳のおばあちゃんも
いらっしゃいますよ。
これはリハビリにも人材育成にも、
すべてに共通して言えることだと思うのですが、
諦めない力、これは人間が持つ最高の能力だと思うんです。
└───────────────────────┘
いかがでしょうか。
大切なのは、その方の可能性を信じた 「諦めない力」
という酒向先生。
おそらく、そこには「執念」にも似た戦いがあるのでは
ないかと推察いたします。
「人間の持つ力」を信じる、これは全てに共通した
最も大切な力なんですね。改めて、そんなことを
感じさせて頂きました。
何かのご参考になれば幸いです。 みなさん、こんにちは!
さて、今日は人事制度・キャリアパスについてお伝え
したいと思います。
来年度からの報酬改定で大きく変わる
処遇改善加算。その必要要件になったのが
「キャリアパス」です。
今求められるキャリアパスについては、
弊社のセミナーでじっくりお話させて
頂くとして(笑)、今日は最近、ある
関係者から聞いたお話をご紹介
致します。
みなさん、最近、医療職員や介護職員の
引き抜き合戦がはじまっているのは
ご存知でしょうか?
介護職員の人手不足もここまで
きたかぁ、といった感じです。
「今の給与に月額で2,3万高く出せる」
と言われ、さらに「君なら4万円かな」
そういわれて転職して1年後に、
「失敗した」と思う人もいる。
そこで、振り返って頂きたいのは
自分が上司だったとして、本人から
そんな状況を打ち明けられたとき、
「月額の給与が2~3万円増えるだけで
転職して大丈夫か?よく考えてみろよ」
と言えるかどうか、ではないでしょうか?
とかく、人間は目先のお金に目がいって
しまう事はよくあります。でも
良く考えてみると賞与は?年収は?
研修制度は?有給は?キャリアパスは?
評価制度は?育児休暇は? などなど、
トータルで比較したら
やっぱり、と踏みとどまらせるような
ものを具体的に提示できなければ
目先に流されてしまう方も多いと
ようです。
まさに、それを示せるものがキャリアパス
であり、人事制度なのです。
そして、それを、きちんと管理者が部下に
説明できるようにしておくことが、いざという
いうときに、離職を止める有効な手段にも
なるうるものと思います。
もちろん、人事制度の目的は、「人材育成」
であり「能力開発」であり、さらには「働き甲斐」
を与えるプロセス、そのものです。
このような事態を想定して、そのために作る、
といったものではないことは当然ですが、
しかし、最近の人手不足の状況を反映して
こんなことが起こってくるような事態になると
直接的に離職を止める有効な手段にも
なることを、皆様にもお伝えしたいと
思いました。
皆様も一度、自社の状況を振り返って
みられてはいかがでしょうか?
何かのヒントになれば、幸いです。
⇒処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング
みなさん、こんにちは!!
今日は、介護経営コンサルタント
の原田匡氏のメルマガから・・・
あるメディアに掲載された
コラムをご紹介いたします。
以下をご覧ください。
【人口高齢化が一段と進んでいる首都・東京。
介護施設に入居したいという老人が数多く
待機しているにもかかわらず、
一部の介護サービス提供事業者は業務を縮小
している。
足立区では4000人が介護施設への入居を待って
いるが、
ベット数100で昨年オープンした特別養護老人
ホームでは、
空室率が30%に上る。
何が問題なのか。
介護士不足の深刻化と介護報酬が引き下げられる
ことが背景だ。
全人口の4分の1が65歳以上の日本にとって、
介護施設の必要性は一段と高まっている。
高齢者が最も大きく増えようとしているのが
東京だ。
東京都社会福祉協議会の田中雅英総務委員長は
「都市部ほど核家族、共働き、一人暮らしが多く、
介護力がないので、
施設サービスが受けられないと自宅介護に
しわ寄せがいく。
介護退職や、高齢者虐待、ネグレクトの増加に
つながる可能性がある」
と指摘する。
20年に及ぶデフレと闘う安倍晋三政権は
民間企業に賃上げを促す一方で、
公的な介護報酬の圧縮を図っている。
巨額の債務を抱える日本では労働人口が減り、
公的介護制度を支える納税者が少なくなる
ためだ。
こうした状況の中での介護報酬引き下げに
ついて、
キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘
研究主幹は、
「経営能力のない中小の特養がギブアップし、
合併するようなことにもなるだろう。
それはサービスの効率化につながり、
プラスであるし、
職員の給与を上げようと思えば上げる余裕が
出てくる。
また職員からしても、
給与経営が安定し、
キャリアアップのイメージができてくる」
との見方を示す。
東京都社会福祉協議会が昨年12月に実施
した調査によれば、
公的な財務支援を受けている都内の老人
ホームのほぼ半数で職員が不足。
305施設のうち9%が高齢者のための行事を
取りやめたり縮小した。
9施設が新規受け入れを停止し、
2施設が短期受け入れを中止している。
常設ベット60、短期滞在用ベット4の特別養護
老人ホーム
「文京大塚みどりの郷」
は昨年9月、
新規入居者の受け入れを中止、
短期受け入れも同年11月にやめた。
2013年末に数人の職員が辞めた後、
残った職員の負担が増え、
さらに10人ほどが退職した。
奈良高志施設長は
「これからますます介護が必要な高齢者が
増加するのに、
どうして事業を縮小しなければいけない
のか?
という思いがある。
非常に複雑だ」
と語った。
“ブルームバーグ”より】
いかがでしょうか?
程度の差はあれ、多くの施設に
共通の悩みが含まれて記事のような
気がいたします。
しかしながら、一方では、職員が集まり
離職も少なく、職員の質も確保出来て
いる施設も多数あることも事実です。
いまこそ、人材確保、育成を含めた
「経営力」こそが、これからの介護施設に
必要になってきているものと思います。
まさに「ピンチはチャンス」です。
目の前の課題を、「自責」と捉え
着実に改善していける施設が、今後も
さらに発展していけるものと確信します。
その意味では、今回の制度改正や報酬改定
も、経営のあり方を考えなおす、切っ掛け
にする事もできるのではないでしょうか?
ご参考になれば幸いです。