保育
はじめに|なぜ今、人材紹介会社の使い方が重要なのか
保育士不足が慢性化する中、「求人を出しても全く応募が来ない」「ハローワークや求人サイトでは限界」という理由から、人材紹介会社(有料職業紹介)を利用する保育園が増えています。
確かに、人材紹介会社は即戦力となる保育士と出会える可能性が高い一方で、
-
採用コストが高い
-
早期離職リスクがある
-
契約内容をよく理解せずにトラブルになる
といった相談も、保育園専門社労士として数多く受けてきました。
本記事では、
「人材紹介会社を使う前に必ず押さえるべき留意点」
を、労務・法務・実務の観点からわかりやすく解説します。
人材紹介会社を使うメリット・デメリットを正しく理解する
人材紹介会社の主なメリット
まずはメリットから整理しましょう。
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自園では出会えない潜在層(転職を迷っている保育士)にアプローチできる
-
採用までのスピードが早い
-
書類選考や日程調整などの工数が削減できる
特に、急な欠員補充や年度途中の採用では、有効な手段となります。
一方で見落とされがちなデメリット
一方、次のようなデメリットも存在します。
-
採用成功報酬が高額(年収の20〜30%が相場)
-
採用のミスマッチが起きやすい
-
園の採用力が育たない
「とにかく人が欲しい」という焦りから安易に利用すると、
結果的にコストだけが膨らみ、定着しないという悪循環に陥りがちです。
留意点① 紹介手数料と契約条件を必ず確認する
紹介手数料の相場と注意点
人材紹介会社の手数料は、一般的に以下のような水準です。
-
正社員:理論年収の20〜30%
-
パート:一律〇万円、または月給×〇か月分
重要なのは、**「いくらかかるか」だけでなく「いつ・どんな条件で支払うのか」**です。
よくある契約トラブル例
保育園で実際に多いのが、次のようなケースです。
-
試用期間中に退職したのに全額請求された
-
返金規定(返戻金)が契約書に明記されていなかった
-
分割返金だと思っていたら一切返金なしだった
👉 契約書の返戻金規定(返金条件・期間)は必ず書面で確認してください。
留意点② 「早期離職=返金される」ではない
返金規定は会社ごとに全く違う
多くの園長先生が誤解しがちなのが、
「すぐ辞めたら返金されるはず」という思い込みです。
実際には、
-
1か月以内:全額返金
-
3か月以内:50%返金
-
6か月以内:返金なし
など、返金条件は紹介会社ごとにバラバラです。
労務設計が弱い園ほど早期離職リスクが高い
社労士として見ていると、
-
就業規則が実態と合っていない
-
雇用条件通知書の説明不足
-
配置・人間関係の配慮不足
こうした園ほど、紹介採用でも早期離職が起こりやすい傾向があります。
👉 「返金があるから安心」ではなく、「辞めさせない体制づくり」こそ重要です。
留意点③ 紹介会社任せにしない採用面接が重要
面接を丸投げするとミスマッチが起きる
人材紹介会社が間に入ると、
「紹介会社がスクリーニングしているから大丈夫」と思いがちです。
しかし、紹介会社が重視するのは、
**「とりあえず内定が出るかどうか」**であり、
園の文化や方針との相性までは見きれていないことも多いのが実情です。
園側が必ず確認すべきポイント
面接では、以下を必ず園長・主任が確認しましょう。
-
保育観・価値観(安全重視か、自由保育か 等)
-
チーム保育への適応力
-
過去の退職理由(人間関係・業務量など)
👉 紹介会社+園のダブルチェック体制がミスマッチ防止の鍵です。
留意点④ 同一候補者の「二重紹介」に注意
複数の人材紹介会社を利用していると、
同じ保育士が別会社から紹介されるケースがあります。
この場合、
-
どちらの会社に手数料を支払うのか
-
先に接触したのはどちらか
といったトラブルに発展することも。
👉 候補者管理表を作成し、
👉 「どの紹介会社経由か」を必ず記録する
このひと手間が、無駄なコストを防ぎます。
留意点⑤ 人材紹介は「最終手段」と位置づける
紹介依存の採用は危険
人材紹介に頼りすぎると、
-
採用コストが慢性化する
-
園の魅力が言語化されない
-
職員定着率が改善しない
という構造に陥ります。
社労士が勧める理想的な採用戦略
理想は、
-
自園採用(HP・SNS・直接応募)
- 現在の職員などの紹介(リファラル採用)
-
ハローワーク・求人媒体
-
どうしても必要な場合のみ人材紹介
という段階的な活用です。
そのためには、
-
労働条件の整理
-
就業規則・評価制度の整備
-
職員が紹介したくなる職場づくり
といった労務設計の見直しが欠かせません。
まとめ|人材紹介会社は「使い方次第」で成果が変わる
保育士採用において、人材紹介会社は確かに有効な手段です。
しかし、
-
契約内容を確認せず
-
面接を任せきりにし
-
定着の仕組みを整えない
まま利用すると、高い採用コストだけが残る結果になりかねません。
保育園専門社労士としてお伝えしたいのは、
👉 **採用は「点」ではなく「仕組み」**だということ。
人材紹介を「最後の一手」として活かすためにも、
ぜひ一度、園の労務体制・採用戦略を見直してみてください。
はじめに
介護事業所、保育園、クリニックにおいて、「有給休暇の管理が煩雑で困っている」「職員ごとに付与日がバラバラで把握できない」といった相談は非常に多く寄せられます。
その解決策としてよく検討されるのが、有給休暇の付与日を全職員で統一する運用です。
確かに、付与日を統一すれば管理は楽になります。しかし、制度設計を誤ると労働基準法違反になるリスクもあるため注意が必要です。
本コラムでは、介護・保育・クリニックに特化した社労士の視点から、有給休暇の付与日統一のメリットと注意点を、できるだけわかりやすく解説します。
有給休暇の基本ルール(おさらい)
まず前提として、年次有給休暇は労働基準法第39条により、以下の要件を満たす労働者に付与する義務があります。
-
雇入れ日から 6か月継続勤務
-
その期間の 出勤率が8割以上
この要件を満たした時点で、最低10日の年次有給休暇を付与しなければなりません。
重要なのは、「この付与日は原則として個々の職員ごとに発生する」という点です。
有給休暇の付与日を統一するとは?
「付与日を統一する」とは、本来は入社日ごとに異なる有給休暇の付与日を、
例えば以下のように 特定の日にまとめて付与する運用を指します。
-
毎年4月1日に全職員へ一斉付与
-
毎年10月1日に統一付与
-
半期ごとに区切って付与 など
介護・保育・クリニックでは、人員入替が多いため、管理負担軽減を目的に導入されるケースが増えています。
付与日統一のメリット
① 有給管理が圧倒的に楽になる
シフト制が多い介護・保育、非常勤職員が多いクリニックでは、有給付与日がバラバラだと管理が煩雑です。
付与日を統一することで、残日数管理・5日取得義務の管理が一気に楽になります。
② 職員への説明がシンプル
「あなたの有給は〇年〇月〇日からです」という個別説明が不要になり、
職員側も制度を理解しやすいというメリットがあります。
ここが重要!付与日統一の5つの注意点
注意点① 法定基準を下回らないこと
最も重要なのは、法定基準を下回らないことです。
たとえば、
-
本来6か月経過で10日付与される職員に対し
-
統一付与の都合で「まだ付与しない」
これは 明確な労基法違反となります。
➡ 統一付与は「前倒し」はOK、後ろ倒しはNG
これが大原則です。
注意点② 中途入社職員への配慮が必須
介護・保育・クリニックでは中途採用が多いため、特に注意が必要です。
よくある誤りが、
「4月1日一斉付与だから、途中入社の人は次の4月まで有給なし」
これは完全アウトです。
実務では、
-
入社から6か月経過時点で比例付与(前倒し付与)
-
次回の統一付与日に本付与
という 二段階設計が安全です。
注意点③ パート・非常勤も対象になる
「パートだから有給は少しでいい」「付与日は別扱い」という運用も要注意です。
所定労働日数が少ない場合は、比例付与にはなりますが、
付与義務そのものは正社員と同じです。
特に保育園や介護事業所では、
-
短時間職員
-
曜日固定勤務
が多いため、比例付与日数の設計を誤らないよう注意が必要です。
注意点④ 就業規則への明記が必須
有給休暇の付与日を統一する場合、
就業規則に明確なルールとして記載することが必須です。
記載がないまま運用だけ変えてしまうと、
-
職員とのトラブル
-
労基署是正指導
につながるリスクがあります。
特にクリニックでは「昔からの慣習」で運用しているケースが多く、要注意ポイントです。
注意点⑤ 5日取得義務との関係
2019年から義務化された「年5日の有給取得義務」も忘れてはいけません。
付与日を統一すると、
-
付与日
-
取得管理期間
が明確になる一方、管理を怠ると一斉に未取得が発生します。
➡ 統一付与を行う場合は、
計画的付与や取得促進ルールとセットで設計することが重要です。
介護・保育・クリニック特有の実務ポイント
これらの業界では、
-
シフト制
-
人手不足
-
急な欠勤
が日常的に発生します。
有給付与日を統一するだけでなく、
-
時季変更権の適切な使い方
-
有給取得ルールの見える化
まで含めて設計しないと、**「制度はあるが使えない有給」**になってしまいます。
有給休暇の付与日を全職員で統一する場合のQ&A
Q1.有給休暇の付与日を全職員で同じ日にしても、法律上問題ありませんか?
A.一定の条件を満たせば問題ありません。
労働基準法では、有給休暇は「雇入れから6か月後」に発生するのが原則ですが、それより前に付与する(前倒し付与)ことは禁止されていません。
そのため、法定基準を下回らない形であれば、付与日を統一することは可能です。
Q2.「4月1日一斉付与」にしたいのですが、途中入社の職員はどうすればいいですか?
A.途中入社職員への配慮が不可欠です。
「次の4月1日まで有給なし」という運用は違法になります。
実務では、
-
入社6か月経過時点で先行付与
-
次の統一付与日に本付与へ切替
という二段階設計が安全です。
Q3.パート職員や非常勤職員も同じ付与日にしなければなりませんか?
A.はい、基本的には同様に考える必要があります。
所定労働日数が少ない場合は比例付与になりますが、
「パートだから対象外」「付与日は別」という扱いはできません。
特に保育園・介護事業所では短時間勤務者が多いため、注意が必要です。
Q4.付与日を統一すると、有給日数はどう計算すればいいですか?
A.勤続年数に応じた日数を基準にします。
たとえば4月1日一斉付与の場合、
-
勤続6か月以上1年6か月未満:10日
-
1年6か月以上:11日
といったように、勤続年数別に付与日数を整理します。
ここを曖昧にすると、トラブルの元になります。
Q5.有給付与日を統一すると、職員に不利になることはありませんか?
A.設計次第で不利にも有利にもなります。
前倒し付与を行えば、職員にとっては「早く有給がもらえる」メリットになります。
一方で、後ろ倒しになる設計は違法かつ職員不信につながるためNGです。
Q6.就業規則にはどこまで書く必要がありますか?
A.付与日・付与方法・日数は必ず明記してください。
最低限、
-
有給休暇の付与日
-
勤続年数別の付与日数
-
中途入社者の取扱い
は就業規則に記載が必要です。
「慣例でやっている」は通用しません。
Q7.口頭説明だけで運用しても大丈夫ですか?
A.おすすめできません。
労基署調査や職員トラブル時には、就業規則の記載内容が判断基準になります。
特にクリニックでは、院長が善意で運用していても、書面がないことで是正指導を受けるケースがあります。
Q8.有給の「年5日取得義務」との関係はどうなりますか?
A.統一付与とセットで管理が必要です。
付与日を統一すると、全職員の取得期限も同時に管理することになります。
そのため、
-
取得状況の定期確認
-
計画的付与の活用
をしないと、一斉未取得リスクが高まります。
Q9.忙しくて有給を取らせられない場合はどうすればいいですか?
A.「忙しい」は取得拒否の理由になりません。
ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には時季変更権の行使が可能です。
介護・保育・医療現場では、
「取得時期を調整する」運用設計が重要になります。
Q10.有給を使わずに退職した職員にはどう対応すればいいですか?
A.原則として買い取り義務はありません。
ただし、退職時に残っている有給を消化させることは可能です。
「統一付与にした結果、有給が残りやすくなった」という相談も多いため、退職時の取扱いも事前にルール化しておきましょう。
Q11.派遣職員や契約社員も対象になりますか?
A.雇用主が誰かで判断します。
自法人と雇用契約がある職員であれば、雇用形態に関わらず有給付与義務があります。
派遣職員の場合は、派遣元が付与主体になります。
Q12.付与日を年度途中で変更しても問題ありませんか?
A.慎重な対応が必要です。
不利益変更にならないこと、職員への十分な説明、就業規則改定が必須です。
特に保育園・介護事業所では、監査時に説明できる状態が求められます。
Q13.労基署から指摘されやすいポイントは何ですか?
A.次の3点が特に多いです。
-
中途入社職員への付与漏れ
-
パート職員の比例付与ミス
-
就業規則と実態の不一致
付与日統一は「管理が楽」になる反面、ミスが一斉に発生する点に注意が必要です。
Q14.小規模なクリニックでも付与日統一はした方がいいですか?
A.人数が少ないほど、ルール明確化の効果は高いです。
院長の頭の中で管理できていた時代は終わっています。
トラブル予防の観点からも、制度として整理する価値は十分にあります。
Q15.専門家に相談するタイミングはいつがベストですか?
A.「問題が起きる前」がベストです。
有給休暇は、退職・労基署調査・職員不満の引き金になりやすいテーマです。
付与日統一を検討する段階で、介護・保育・医療に詳しい社労士に相談することが、結果的にコストとリスクを下げます。
まとめ(社労士コメント)
有給休暇の付与日統一は、
正しく設計すれば、管理効率・職員満足度の両方を高める制度です。
一方で、設計を誤ると一気に法令違反リスクを抱えることになります。
介護・保育・クリニックという人手不足業界だからこそ、
「楽にするための統一」ではなく、
**「安心して働けるための制度設計」**が重要です。
Q) 体調不良で欠勤を繰り返している職員がいます。ここ1ヶ月間に何日も欠勤しており、業務への支障も大きくなっています。施設としては、急な欠勤は人員配
置の面で問題が多く、また職員本人の健康のためにも療養に専念し、場合によっては退職してもらった方がよいのではないかと考えていますが、どのように対応
したらよいでしょうか?
A) 就業規則などで私傷病に係る休職制度を設けている場合は、すぐに退職してもらうことはできません。施設は職員に対して療養のための休職を命じることにな
ります。その後、休職期間を経過しても復職が難しいのであれば、退職となります。まずは体調不良が続くようであれば、医療機関への受診を促しましょう。
詳細解説:
1.欠勤とは
一般的に「欠勤」とは、職員が本来出勤しなければならない日に、個人的な事情で出勤しないことを指します。労働契約では、職員は所定労働日・所定労働時間に労務を提供する義務を負っており、一方で施設は、労務提供に対し職員に賃金を支払う義務を負っています。職員が私傷病によって一定期間、労務を提供できない場合には、労働契約に基づく労務提
供義務を果たせないことになり、施設は、労働契約の債務不履行として、契約解除を検討することになります。
2.私傷病による休職制度
多くの施設では、職員が病気やケガ、またはその他の事由により、労務提供が困難になった場合、すぐには解雇せず、職員との労働契約を維持したまま、一定期間の労務提供義務を
免除し、回復を待つための休職制度を設けています。休職制度は、解雇を留保とする「解雇の猶予措置」に位置付けられており、休職期間を経過しても復職できない場合には、就業規則の定めに則って退職となります。よって、休職制度は、職員の一定期間の雇用を保障しつつ、無用な退職トラブルを防ぐことにもつながります。
3.休職発令の重要性
休職制度は、職員が施設へ取得の申請をするものではなく、あらかじめ定められた一定の休職事由に該当したときに、施設が職員に命じるものです。休職期間が満了すると退職
となることから、休職期間満了時にトラブルが発生しがちです。このようなトラブルを防ぐために、休職を開始するときには、職員へ書面で通知を行うようにしましょう。
休職制度は、法律上義務付けられるものではなく、任意に制度の設計・運用を行うことができます。休職制度の有無の確認と、休職制度がある場合には、休職の期間や復職の取扱い
に問題ないかを見直すとよいでしょう。
はじめに|すべてを一度にやろうとしなくて大丈夫です
労務対策というと、
-
就業規則
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人事評価
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勤怠管理
-
ハラスメント
-
処遇改善加算
など、やることが多すぎて「結局何も進まない」園が少なくありません。
そこで重要なのが、
「労務リスクの大きさ × 今すぐ性」を基準にした優先順位付けです。
労務リスク優先順位マップ【全体像】
【最優先①】労働時間・残業管理(最も危険)
なぜ最優先か?
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未払い残業代請求に直結
-
労基署是正勧告の対象
-
退職後に一気に噴き出す
園長が今すぐ確認すべきポイント
-
開園前・閉園後の準備は労働時間か
-
行事準備・書類作成はどこで行っているか
-
「自主的」という言葉で処理していないか
👉 ここが曖昧な園は、他が整っていても一発アウトです
【最優先②】休憩が本当に取れているか
よくある誤解
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「休憩時間はシフトに入れているからOK」
→ ❌ 実態が取れていなければ違法
チェックポイント
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休憩中に子ども対応をしていないか
-
電話・呼び出しが常態化していないか
-
一斉休憩になっていないか
【次に対応③】就業規則が現場とズレている問題
危険な状態
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何年も見直していない
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法人用のひな型のまま
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園長自身が内容を把握していない
起こるトラブル
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退職時の揉め事
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問題職員への対応ができない
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園のルールが守られない
👉 就業規則は**「あるかどうか」ではなく「使えているか」**が重要です。
【次に対応④】ハラスメント・人間関係トラブル
最近増えている相談
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主任・ベテラン職員の強い指導
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感情的な叱責
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「保育のため」という名目の圧力
園長の盲点
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「悪気はないから大丈夫」
-
「保育業界はこういうもの」
👉 **ハラスメントは「受け手基準」**です。
【中長期⑤】人事評価制度(定着率に直結)
後回しにされがちだが重要
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評価基準がない
-
昇給理由が説明できない
-
園長の感覚評価になっている
効果
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定着率アップ
-
不満の見える化
-
園長の判断負担が激減
【中長期⑥】給与・処遇改善加算の説明不足
トラブル例
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「加算はどこに行ったの?」
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職員間で不信感が広がる
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退職理由として表面化しないが根深い
👉 支給している=納得している、ではありません
【余力が出たら⑦】キャリアパス・育成制度
これは「攻め」の労務対策です。
-
若手が将来像を描ける
-
中堅が辞めにくくなる
-
採用時のアピールにも使える
【保育園専門社労士のコメント】園長が全部背負う必要はありません
労務トラブルが多い園ほど、園長先生が一人で抱え込んでいます。
しかし、リスクの大半は「仕組み」で減らすことができます。
重要なのは、完璧を目指すことではなく、
「危ないところから順に手を打つ」ことです。
まとめ|労務リスク対策は「順番」が9割
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最初にやるべきは 労働時間・休憩
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次に 就業規則・ハラスメント
-
その後に 人事評価・処遇説明
この順番を間違えなければ、
労務トラブルは確実に減っていきます。
結論:保育園経営は「現場」だけでなく「バックオフィス改革」が鍵
保育園の人手不足が深刻化する中、「保育の質をどう守るか」「職員の負担をどう減らすか」は多くの園長先生の共通課題です。
その解決策の一つが、バックオフィス業務の合理化・省力化です。
給与計算、勤怠管理、各種申請業務など、保育以外の業務を効率化することで、職員が本来注力すべき「子どもと向き合う時間」を確保できます。
なぜ今、保育園のバックオフィス合理化が必要なのか
保育園のバックオフィス業務は、以下のような特徴があります。
-
少人数体制で業務が属人化しやすい
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法改正(労働法・処遇改善加算など)への対応が煩雑
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手書き・Excel管理が多くミスが起きやすい
これらを放置すると、
事務担当者の疲弊 → 離職 → 業務停滞 → 園全体のリスク増大
という悪循環に陥ります。
【具体案①】勤怠管理のデジタル化で毎月の集計業務を削減
まず着手しやすいのが勤怠管理の省力化です。
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タイムカード → クラウド勤怠管理へ移行
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シフト管理・残業時間の自動集計
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有給休暇の自動付与・残日数管理
これにより、
毎月数時間かかっていた集計作業が数分で完了するケースも少なくありません。
また、労基署対応や監査時の資料提出もスムーズになります。
【具体案②】給与計算のアウトソース・システム化
保育園の給与計算は、以下の理由で特に煩雑です。
-
処遇改善加算の反映
-
シフト制・短時間勤務職員が多い
-
手当が多く計算が複雑
給与計算ソフトの導入、または**外部専門家への委託(BPO)**により、
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計算ミス・支給漏れの防止
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担当者の精神的負担の軽減
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法改正への自動対応
といった効果が期待できます。
【具体案③】書類作成・申請業務の標準化・テンプレ化
保育園では、自治体提出書類・内部書類が非常に多くなりがちです。
-
雇用契約書
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就業規則・各種規程
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処遇改善計画書・実績報告書
これらをテンプレート化・電子管理することで、
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作成時間の短縮
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記載漏れ・誤記の防止
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担当者変更時の引き継ぎが容易
といった省力化が実現します。
【具体案④】業務の「属人化」を防ぐマニュアル整備
「〇〇さんしか分からない業務」がある園は要注意です。
業務フローを可視化し、簡単なマニュアルを作成するだけでも、
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急な退職・休職時のリスク軽減
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新人事務職員の早期戦力化
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園長の業務負担軽減
につながります。
完璧なマニュアルは不要で、「誰が見ても最低限分かる」レベルで十分です。
【具体案⑤】社労士・専門家の活用で“判断業務”を外出しする
バックオフィス業務には、「作業」だけでなく「判断」が必要な業務も多く存在します。
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問題職員への対応
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休職・復職の判断
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労基署・監査対応
これらを専門家に相談できる体制を整えることで、
園長先生が一人で悩む時間を大幅に減らすことができます。
Q&A:保育園バックオフィス合理化のよくある質問
Q. 小規模園でも合理化は必要ですか?
A. むしろ小規模園ほど効果が大きいです。限られた人員で運営するため、省力化の恩恵を強く受けます。
Q. ITが苦手でも導入できますか?
A. 最近のシステムは直感的で、サポートも充実しています。専門家の伴走支援を受けるのも一案です。
筆者コメント(実体験より)
私自身、保育園のバックオフィス支援に携わる中で、
「もっと早く合理化しておけばよかった」という声を何度も耳にしてきました。
バックオフィス改革は、単なるコスト削減ではなく、職員定着・保育の質向上への投資です。
まとめ:バックオフィス合理化は“攻めの経営”
保育園のバックオフィス合理化・省力化は、
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職員の働きやすさ向上
-
離職防止
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園長の負担軽減
を同時に実現する重要施策です。
まずは「一つだけ」改善することから、ぜひ始めてみてください。
⇒介護・医療業界の給与計算をサポートする社労士BPOサービス | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング
保育業界に特化した人材サービスを展開する株式会社アスカ(本社:群馬県高崎市、代表取締役会長:加藤秀明)が運営するスカウト型採用サービス「保育士スカウト」は、登録保育施設数が20,000件を突破いたしました。
これは、全国の保育園・幼稚園・認定こども園等の約半数にあたる施設が本サービスを利用していることを示しており、保育業界における採用手法の新たな選択肢として広く浸透しています。(注1)
(注1)こども家庭庁「保育所等関連状況とりまとめ(令和7年4月1日)」より 全国の保育所等数は39,975か所
深刻化する保育士不足と、採用のミスマッチという課題
少子化が進む一方、共働き世帯の増加などを背景に保育ニーズは高止まりしており、保育士不足は全国的な社会課題となっています。その中で、採用後のミスマッチや早期離職は、現場の負担増や保育の質低下につながる要因として長年課題視されてきました。
「保育士スカウト」は、こうした課題に向き合い、施設から保育士へ直接アプローチできるスカウト型の採用支援サービスとして誕生しました。
東京都福祉保健局の調査では、保育士の離職理由として「職場の人間関係」が最も多く報告されています。これに加え、業務量や給与、勤務時間といった労働条件のミスマッチも大きな要因です。こうした早期離職を防ぐためには、採用の段階で園と求職者が互いの理念や実態を深く理解し合い、納得感を持って入職することが不可欠といえます。
「人を待つ採用」から「想いを届ける採用」へ
本サービスでは、施設が保育方針や職場環境、想いをプロフィールとして発信し、それに共感した保育士と直接つながることができます。求人票だけでは伝わりにくい園の魅力を可視化できる点が特長で、条件面だけでなく価値観や働き方を重視したマッチングを実現し、事前に理解を深めることで入職後のミスマッチを防ぐことが可能です。
また、保育業界に精通した専任コーディネーターが、導入時の初期設定から効果的な運用までを一貫してサポートしており、スカウト型採用の経験がない施設でも、円滑かつ効果的に利用できるサポート体制を整えています。
利用拡大の背景にある、現場目線のサービス設計
登録施設数が20,000件を突破した背景には、
・保育に特化したサービス設計
・全国21拠点による地域密着型サポート
・採用後の定着まで見据えた伴走支援
・従来の3分の1以下の価格設定(※一般的な人材紹介との比較)
といった、現場目線を重視した取り組みがあります。
こうした姿勢が評価され、全国の多くの保育施設に選ばれています。
また、自治体からの依頼も年々増加しており、導入の手軽さや安定した人材確保の面で高い評価をいただいております。
株式会社アスカは今後も、保育士不足の解消と保育の質向上を目指し、採用支援にとどまらず、「人が定着し、選ばれる園づくり」を支える存在としてサービスの進化を続けてまいります。
サービス概要
サービス名:保育士スカウト
内容:保育業界に特化したスカウト型採用支援サービス
対象:保育園・幼稚園・認定こども園・療育施設 ほか
URL:https://www.hoikushiscout.com/
A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。
この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています
- 前等級における最低勤務年数
「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。 - 資格
- それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。
- 実務経験
「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。 - 人事評価
人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。
Q 当法人では新卒採用・中途採用ともの計画的に行っていますが、せっかく採用してもなかなか定着せず、早いと3か月未満で退職する人もいます。何とか定着をしていただくように取り組みを行っていますが、採用面接ではどのような点に気をつけたら良いでしょうか。
A,
「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。
どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。
「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員ではないでしょうか
それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。
現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。
候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。
一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。
下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。
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具体的な内容を質問する
漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。
・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか
具体的に言ってください」
・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」
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人間関係についてどう考えているか確認する。
人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。
・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」
・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」
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求職者からの質問を引き出す
面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。
Q 当施設の職員から、子どもの学校行事への参加や通院など、プライベートの事情に合わせて年次有給休暇を取得したいという希望が出ています。そこで、半日単位で年次有給休暇を取れるようにしたいと考えています。どのようなことに気をつけるとよいでしょうか?
A,労働基準法では、年次有給休暇(以下、年休)は1日単位で付与することが原則とされています。その上で、就業規則などで施設がルールを定めることで、年休を半日単位(以下、半休)で付与することができるとしています。その際、半休の区切りをどうするかなどの検討が必要です。
詳細解説:
年休の付与単位の原則年休とは、心身の疲労を回復させ、リフレッシュするための休暇です。 そのため、1日(午前0時からの24時間)単での付与が原則ですが、就業規則などで 施設がルールを定めることで、半休の制度を導入することが認められています。なお、半休を 導入することは施設の任意であり、義務ではありません。
1.半休導入時の区切り
半休を導入する上で、半日の単位(区切り方)を検討する必要があります。1日単位の年休が午前0時からの24時間であることを踏まえ、その半分である正午を区切りにすることが基
本的な考え方ですが、以下のような合理的な区切り方も考えられます。
① 1日の所定労働時間を2等分した時刻を区切りとする
② 昼休憩の時刻を区切りとする
午前の利用時間が9時から12時までの3時\間、午後の利用時間が13時から18時までの5 時間というように午前・午後と分かれている施設が多いことを考えると、選択肢②は職員にとって分かりやすく、運用や管理もしやすいかもしれません。ただし、午前休を取得するか、午後休を取得するかによって働く時間数が異なるため、職員の間での不公平感が出やすくなります。
2.所定労働時間が短い日の取扱い
施設の利用時間が午前のみの日に年休を取\得する場合、1日単位とすることが原則です。この場合、「せっかく休むのであれば、所定労働時間が長い日に取得しよう」という思いを持つ職員がいることから、利用時間が短いことを踏まえて、その日に年休を取得する場合は半休として取り扱うことも考えられます。半休を導入することで、職員が個々の事情に応じて柔軟かつ有効に年休を活用することができ、働きやすさにつながります。管理のしやすさや不公平感が出づらい制度の導入が重要となります
「人事評価は必要だと思うが、保育園に本当に合うのだろうか」
そう感じている園長先生は少なくありません。
しかし近年、人材不足・離職率の上昇という環境変化の中で、人事評価制度は保育園経営に欠かせない仕組みとなっています。
なぜ今、保育園で人事評価制度が求められているのか
保育業界では慢性的な人手不足が続き、「採用しても定着しない」という声を多く耳にします。
その背景には、「自分の頑張りが正しく評価されているかわからない」という職員の不安があります。
処遇改善加算による賃金改善は重要ですが、お金だけでは人は定着しません。
「どのような行動が評価されるのか」「将来どう成長できるのか」が見えない職場では、職員は将来像を描けず、転職を考えてしまいます。
園長先生が感じやすい人事評価の悩み・不安
園長先生からよく聞くのが、次のような悩みです。
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保育の仕事は数値化できず、評価基準が作れない
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評価が主観的になり、不満が出そうで怖い
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人事評価を導入すると職場の雰囲気が悪くなるのではないか
こうした不安はもっともですが、正しく設計された人事評価制度は、むしろトラブルを防ぐ役割を果たします。
保育園の人事評価制度で最も大切な考え方
人事評価制度の目的は、職員を管理・選別することではありません。
本来の目的は、職員を育て、園の保育方針を共有することです。
評価項目を通じて、
「この園ではどんな保育を大切にしているのか」
「どんな姿勢を評価するのか」
を言語化することで、園長と職員の認識のズレを減らすことができます。
人事評価がうまくいっている保育園の共通点
評価制度が機能している保育園には、共通する特徴があります。
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専門用語ではなく、現場で理解しやすい表現を使っている
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減点評価ではなく、「期待する姿」を示している
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評価結果を面談や育成計画に活かしている
評価制度を「書類」で終わらせず、日常のマネジメントに組み込んでいる点が大きな違いです。
テンプレートの人事評価制度が失敗しやすい理由
市販の評価シートや他園の制度をそのまま使うと、次のような問題が起こりがちです。
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園の規模や職員構成に合わない
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保育園特有の業務内容が反映されていない
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運用方法が決まっておらず形骸化する
人事評価制度は、園ごとのオーダーメイド設計が不可欠です。
保育園専門の人事評価コンサルができること
当社では、保育園に特化した人事・労務の専門家として、次のような支援を行っています。
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園長・主任へのヒアリングによる課題整理
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園の保育方針に沿った評価制度の設計
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職員向け説明資料・評価者研修の実施
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処遇改善加算・給与制度との整合性確認
「評価制度を作ること」だけでなく、現場で定着・活用できることを重視しています。
人事評価制度は保育園の未来を守る経営ツール
人事評価制度は、すぐに成果が出る魔法の仕組みではありません。
しかし、職員との対話が増え、信頼関係が深まり、数年後の定着率・組織力に大きな差が生まれます。
園長先生お一人で悩まず、専門家の力を活用しながら、
「この園で働き続けたい」と思われる職場づくりを進めていきましょう。
保育園の人事評価制度でお悩みの園長先生へ
人事評価制度は、園の課題や規模によって最適な形が異なります。
まずは現状を整理する無料相談から始めてみませんか?
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人事評価制度を導入すべきか迷っている
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今のやり方が正しいのか不安
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職員の不満・離職を減らしたい
このようなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
▶ 保育園専門・人事評価無料相談はこちら
保育特化型人事評価制度構築・運用コンサルティング - 東京都港区虎ノ門・福祉/医療専門の社労士





