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保育事業所様向け情報(労務)5月号④

高年齢雇用継続給付の縮小等、順次施行される労働保険の改正

2020年3月31日、「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が国会で成立し、同日に公布されました。この改正法には、雇用保険法の他にも、高年齢者雇用安定法、労働者災害補償保険法(労災保険法)、労働施策総合推進法等、全部で8つの法律の改正が盛り込まれ、一括で成立しました。今回は、それらのうち、雇用保険法と労災保険法の主な改正点を確認しておきます。

1.高年齢雇用継続給付の縮小・廃止

高年齢雇用継続給付とは、従業員が60歳に達したときと比較して、それ以降の給与が一定額以上引き下がった場合に、従業員に支給される給付金であり、高年齢者の就業意欲を維持、喚起し、65歳までの雇用の継続を援助、促進することを目的としてきました。

しかし、社会情勢の変化により、原原則65歳までの雇用の義務化が浸透し、更には70歳までの就業機会の確保が努力義務として求められるようになったこともあり、高年齢雇用継続給付の役割は薄れてきました。そこで、2025年度より給付率の上限を15%から10%に引き下げることとなりました。

2.複数就業者の保護

働き方改革では、副業を促進する動きがみられました。実際に副業を積極的に認める企業もあり、複数の事業所に勤務する労働者(複数就業者)は増加傾向にあります。

一方で、複数就業者のセーフティーネットは弱く、その整備の重要性が高まったことから、以下の法改正が行われました。

  1. 労災保険による給付が行われるときは、複数の就業先から支払われた賃金に基づき、給付基礎日額の算定を行ったり、給付の対象範囲の拡充等を行う。
  2. 複数の就業先で勤務する65歳以上の労働者について、いずれの就業先でも雇用保険の加入要件を満たさないような労働時間数での勤務であっても、2つの就業先での週の所定労働時間の合計が20時間以上であれば雇用保険に加入できるようにする。
  3. 勤務日数が少ない雇用保険の被保険者でも、失業時に適切に雇用保険の給付が受けられるようにするため、離職証明書を作成する際の被保険者期間について、日数だけでなく労働時間による基準も補完的に設定する。

これらの施行日は、a.が今後政令で決定され、b.は2022年1月、c.は2020年8月となります。

今回の改正ですぐに大きな影響が出る従業員は多くないと考えられますが、実務上、対象者が発生した場合に対応が求められます。今後、詳細の情報が厚生労働省等から案内されますので、内容をしっかり押さえておきましょう。

(来月に続く)

保育事業所様向け情報(労務)5月号③

賃金債権の消滅時効まずは3年へ延長

民法が120年振りの大改正となり、2020年4月1日に施行されました。今回の民法改正では、契約に基づく債権の消滅時効の期間の原則5年への統一が行われており、これに合わせて、賃金債権の時効を定める労働基準法も改正されました。今回はその改正内容と実務上の影響についてとり上げます。

1.改正内容

改正前の民法では、月またはこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権の消滅時効(賃金債権の時効)の期間は、1年と定められていました。しかし、それでは労働者保護に欠くという理由から、特別法である労働基準法により2年に延長していました。

今回、改正民法の施行に伴い、労働基準法の規定を民法が上回ったことが課題とされ、労働基準法も改正されています。

2.改正労働基準法の内容

改正労働基準法では、以下の3つの項目について、すべて民法に合わせて5年と規定したうえで、企業への影響を考慮し、当分の間3年という経過措置を設けています。

①賃金請求権の消滅時効期間
②付加金の請求期間
③賃金台帳等の書類保存義

時効が3年となる部分は、改正労働基準法

施行日である2020年4月1日以降に支払日のある給与からであり、2020年3月31日以前に支払日があるものは対象になりません。

なお、5年への時効の延長は、改正労働基準法の施行から5年経過後の状況を勘案して検討し、必要があるときは措置を講じるとされています。そのため、少なくとも2020年4月1日から5年間は、3年の経過措置が続くと予想されます。

3.実務上の影響

今回、賃金債権の消滅時効期間が延長となることで、未払い残業等が発生したときに、最大3年分を遡って支払う可能性が出てきます。

また、給与計算の誤り等により、本来、従業員に支給すべき手当が支給されていなかったようなケースでは、同様に最大3年分を遡って支払うことになるでしょう。これに伴い、未払い残業代請求などを支援するビジネスがより活性化し、結果的にはトラブルも増加することが予想されます。

2018年度に労働基準監督署が監督指導を行い、時間外労働に対する割増賃金を支払っていない企業に対して、労働基準法違反で是正指導した結果、支払われた割増賃金合計額は124億4,883万円、労働者1人当たりの割増賃金の平均額は10万円となっています。今後は最大3年分となることから、この金額の1.5倍に相当する額を支払う可能性も考えられます。

今回の法改正は、そもそも未払い賃金がなければ、実務上影響は少ない話です。改めて、適正な労働時間の把握と、正しい賃金計算を行うと共に、問題となりやすい管理監督者の範囲や固定残業制度の運用などについてもチェックを行っておきましょう。

(次号に続く)

保育事業所様向け情報(労務)5月号②

非正規社員を雇入れた際に求められる説明義務

このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:

2020年4月より、大企業を対象に正社員と、契約社員(有期雇用労働者)やパートタイマー(パートタイム労働者)といった非正規社員の間での不合理な待遇差が禁止されます。それに伴い、正社員と非正規社員に待遇差があるときは、その内容・理由の説明が必要となりますが、このほかにも雇入れ時に、説明義務があるという話を聞きました。これはどのようなことでしょうか?

社労士:

この説明義務はパートタイム労働者を対象としたものとして以前から求められていたものですが、今回、有期雇用労働者が対象に追加されました。その結果、大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月より非正規社員に対して、雇入れ時に以下の5項目の説明が必要になります。
①不合理な待遇の禁止・差別的取扱いの禁止
②賃金の決定方法
③教育訓練の実施
④福利厚生施設の利用
⑤通常の労働者への転換を推進するための措置

総務部長:

具体的にどのようなことを、どのような方法で説明すればよいのでしょうか。

社労士:

説明内容は、賃金制度はどのようになっているのか、どのような教育訓練があるのか等です。説明方法は、対象者一人ひとり個別に行う方法がありますが、雇入れ時の説明会で、対象者に一斉に行っても差し支えないとされています。

総務部長:

説明する際、資料は必要ですか?また資料を渡す必要がありますか?

社労士:

対象者が理解しやすいように、資料を活用し口頭で行うことが原則であり、資料を用意したり、渡す必要まではありません。その他の方法として、説明するべき事項をすべて記載した資料を交付する等の方法でも差し支えないとされています。

総務部長:

なるほど。基本的には、就業規則に記載しているので、就業規則を見てほしいと考えていますが、問題ありますか?

社労士:

単純に「就業規則があるので、そちらを見ておいてください」という説明では不十分でしょう。少なくとも就業規則を確認しながら説明することが求められます。
またできれば説明すべき事項をすべて記載し、対象者が簡単に理解できる内容の資料を用意できれば更によいでしょう。ただ、その時にも質問があれば丁寧に答える必要があります。また、この説明は最初に雇入れたときだけでなく、労働契約の更新時も必要になります。

総務部長:

なるほど。更新の都度、説明する必要があるのですね。

【ワンポイントアドバイス】

  1.  2020年4月よりパートタイム労働者に加え、有期雇用労働者についても雇入れの際、雇用管理上の措置の内容についての説明が必要となる。
  2.  雇入れ時の説明は、対象者からの求めの有無に関わらず行う必要がある。
  3.  最初に雇入れたときだけでなく、労働契約の更新時も説明する必要がある。

(次号に続く)

保育事業所様向け情報(労務)5月号①

拡充される新型コロナウイルス感染症に関連した助成金

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が止まらない状況となり、経済活動への影響も甚大となっています。政府も雇用対策を重要課題の一つとして位置づけ、助成金の特例措置として、支給要件の緩和や期間延長が行われました。

1.雇用調整助成金

雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた企業が、雇用の維持を図るため、従業員に支払う休業手当として要した費用の一部を助成する制度です。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い数回に亘り、特例措置が講じられてきましたが、改めて2020年4月1日から6月30日までを「緊急対応期間」と位置づけ、以下のような更なる特例措置(主なもの)を設けました。

① 生産指標要件の緩和

原則:3ヶ月10%以上低下→1ヶ月5%以上低下

② 休業規模要件の緩和

中小企業 1/20、大企業 1/15以上→中小企業 1/40、大企業 1/30以上

③ 助成率の変更

中小企業 2/3、大企業 1/2→中小企業 4/5、大企業 2/3
※解雇等を行わない場合
中小企業 9/10、大企業 3/4

④ 計画届の提出

原則:事前提出→2020年1月24日から6月30日までの休業について事後提出を認める

⑤ 支給限度日数

原則:1年100日→1年100日+緊急対応期間

なお、これらとあわせて、短時間一斉休業の要件緩和、残業相殺の停止、支給迅速化のため事務処理体制の強化、手続きの簡素化なども行われます。

2.小学校休業等対応助成金

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止を目的とし、小学校等を臨時休業とする対応が行われています。これに伴い、小学校休業等対応助成金が創設されました。

この助成金は、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの保護者である従業員が勤務できない場合の所得の減少に対応するため、年次有給休暇とは別に、有給休暇を取得させた企業に対し助成が行われるものです。

当初の助成対象期間は、2020年2月27日から3月31日までの臨時休業等でしたが、この期間が2020年6月30日まで延長されます。

また、2020年4月1日以降は、「医療的ケアが日常的に必要な子ども又は新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患等を有する子ども」が小学校等を休む際の有給休暇も助成金の対象に加わりました。

いずれの助成金も細かな要件が設けられており、特に雇用調整助成金については、休業等の計画の作成および計画届の提出が前提となり、その上で休業等を実施し、休業等の結果に応じて支給申請を行うという流れが原則となっています。計画届の提出に特例措置が設けられているものの、かなり煩雑な手続きになりますので、お困りごとがありましたら、厚生労働省が設けているコールセンターや労働局、または当事務所までお気軽にご相談ください。

※2020年4月10日現在の情報です。

(次号に続く)

【緊急配信 コロナ感染した場合の労災認定】

「介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、

業務外で感染したことが明らかである場合を除き、

原則として労災保険給付の対象となる」

・・・・

4月28日に公表された厚生労働省の
ホームページ(Q&A)からの抜粋です。

労災補償

問1 労働者が新型コロナウイルスに感染した場合、労災保険給付の対象となりますか。
業務に起因して感染したものであると認められる場合には労災保険給付の対象となります。
請求の手続等については、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。

 

問2 医師、看護師などの医療従事者や介護従事者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか。
患者の診療若しくは看護の業務又は介護の業務等に従事する医師、看護師、介護従事者等が新型コロナウイルスに感染した場合には、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象となります。

 

問3 医療従事者や介護従事者以外の労働者が、新型コロナウイルスに感染した場合の取扱いはどのようになりますか。
新型コロナウイルス感染症についても、他の疾病と同様、個別の事案ごとに業務の実情を調査の上、業務との関連性(業務起因性)が認められる場合には、労災保険給付の対象となります。
感染経路が判明し、感染が業務によるものである場合については、労災保険給付の対象となります。 感染経路が判明しない場合であっても、労働基準監督署において、個別の事案ごとに調査し、労災保険給付の対象となるか否かを判断することとなります。

 

問4 感染経路が判明しない場合、どのように判断するのですか。
感染経路が判明しない場合であっても、感染リスクが高いと考えられる次のような業務に従事していた場合は、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。

(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務
(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務

 

問5 「複数の感染者が確認された労働環境下」とは、具体的にどのようなケースを想定しているのでしょうか。
請求人を含め、2人以上の感染が確認された場合をいい、請求人以外の他の労働者が感染している場合のほか、例えば、施設利用者が感染している場合等を想定しています。
なお、同一事業場内で、複数の労働者の感染があっても、お互いに近接や接触の機会がなく、業務での関係もないような場合は、これに当たらないと考えられます。

 

問6 「顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下での業務」として想定しているのは、どのような業務でしょうか。
小売業の販売業務、バス・タクシー等の運送業務、育児サービス業務等を想定しています。

 

問7 上記答4の(例1)、(例2)以外で示した業務以外の業務は、対象とならないのでしょうか。
他の業務でも、感染リスクが高いと考えられる労働環境下の業務に従事していた場合には、潜伏期間内の業務従事状況や一般生活状況を調査し、個別に業務との関連性(業務起因性)を判断します。

 

【コロナ対応 助成金】

○持続化給付金の申請受付開始について

5月1日(金)より、申請受付を開始しました。

https://www.jizokuka-kyufu.jp/

持続化給付金事業 コールセンター
受付時間:8時30分~19時00分
(5月・6月(毎日)、7月から12月(土曜日を除く)
直通番号:0120-115-570、IP電話専用回線:03-6831-0613

【緊急配信 コロナ対応助成金】

4月28日発表された新型コロナ対策助成金の速報です。

今回は「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」です。

 

●対象事業主
 新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する 中小企業事業主
 (※試行的に導入している事業主も対象となります)

●助成対象の取組
・テレワーク用通信機器の導入・運用
・就業規則・労使協定等の作成・変更等

※シンクライアント端末(パソコン等)の購入費用は対象となりますが、シンクライアント
 以外のパソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象となりません。
 ただし、レンタルやリースについては、5月31 日までに利用し、支払った経費については対象
 となります。

●主な要件
事業実施期間中に
・助成対象の取組を行うこと
・テレワークを実施した労働者が1人以上いること

●助成の対象となる事業の実施期間
令和2年2月17日~5月31日
計画の事後提出を可能にし、
2 月 17 日以降の取組で交付決定より
前のものも助成対象とします。

●支給額
補助率:1/21企業当たりの上限額:
100 万円

 

詳細は下記まで
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000625750.pdf

 

【介護・保育】人材定着ブログ4月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは⑩」

【介護・保育】人材定着ブログ3月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは⑨」

の続きです。

2、能力評価(職能評価)について

 

 介護施設の人事評価を構築していく上で大切なことは、「サービスの質向上」の基となる能力とは何かを、まず具体的に明示することです。

その能力がわからないままでは、能力を基準とした評価、育成、処遇のしくみづくりは完結しません。それを形にして、「見える化」したものが「職務基準・職能要件書」ということになります。

 尚、能力評価(職能評価)の方法については、多くの考え方や手法があります。どの方法が正しいという事より、それぞれに長所・短所がありますので、各事業所に適した方法をご検討いただければと思います。下記の内容は弊社が介護事業所に特化し展開している能力評価の方法ということでご理解ください。

(1)職務基準・職能要件書(職種別)

従事する職種及び等級ごとに、法人が求める職能(業務スキル)を職能要件書において定めています。職能評価では、その達成度を定期的に評価し、その結果を昇給時の処遇及び等級の決定・見直しに使用するものとします。

職員が業務を遂行する時の「業務スキル」が、法人が期待する内容となるように、その内容を明確にし、かつ定期的に行動・努力を評価します。この評価によって、職員自らが課題を具体的に把握するとともに、上司とともに課題解決の目標設定を行うことができます。

事例Ⅰに示したものは、施設系介護事業所における介護職の職種別能力要件書の

事例です。

 

事例1

①能力要件としての表現
業務を職種別に「大項目」「中項目」「小項目」「チェック項目」に分類し、必要な業務を具体的にかつ分かりやすく表現します。これには事前に業務洗い出し作業が必要になります。また介護職については厚生労働省が作成している「キャリア段位制度」のチェック項目を参考にして作成することをお勧め致します。

②求められる業務の「質」・期待レベルの表現
 「資格等級フレーム」で定義した資格等級に対応させ、「この仕事は何等級の人にして欲

しいのか」「どの程度の出来映えを期待し、要求するのか」、その仕事内容と期待レベルを

明らかにする作業です。 例えば事例1では

 △:指導を受ければできる

  ○:自分ひとりでできる

  ◎:指導をすることができる 

等の表示で簡易的に明示しています。

③職務基準・職能要件書(職種別)の作成方法

 この基準書は当然、人事部門だけで作成してもなかなか賛同が得られないので、現場を巻き込む必要があります。作成に当たっては、次のような点に留意する必要があります。

  (ア)責任者を決めてと取り組む

   作成全体の進捗管理と、統一的な見方ができる管理職クラスの責任者を決める(専門家、コンサルに委託した場合には、その専門家が責任者になる)

  (イ)現場の中堅クラスに具体的な仕事の洗い出し作業をしてもらう。

    現場の中堅クラス(その仕事を一番知っていると思われる監督者クラス)を選びその人に作業をしてもらう。

  (ウ)作業メンバーは一つの職種に2名選定する。

    一人だと考えこんでなかなか進まないが、二人で話し合いながら行うと早く進む。

    5から6人になると決めるのに時間がかかってしまう。

  (エ)作業が完成するごとに責任者がチェックする。

    具体的な仕事に洗い出しが終了して評価基準の作成が終了した時点、上記アの責任者が「具体的仕事の数」「仕事の種類の数」「評価基準の表現方法」を職種間である程度統一する(あまりに差がある場合には修正する)特に具体的な仕事の数や仕事の種類の数は完成してから修正すると時間がかかってしまうので、その時点でしっかりとチェックしておく。

  (オ)作成手順

    職務基準・職能要件書(職種別)の概略の流れは下記の通りとなります」。

    職務基準を作成する職種を決定する⇒「業務洗い出し表」を作成する⇒洗い出した具体的仕事を種類ごとにまとめる⇒まとめた「具体的仕事」ごと「仕事の種類」名を決める⇒職場で社員に当てはめて(現実的かどうか)チェックする。⇒具体的仕事ごとに「評価基準」を書き出す⇒具体的仕事ごとに「求められる能力水準」を評価して「記号」で入れる、となります。

  ③ 職務基準・職能要件書(職種別)の運用

各等級に求められる仕事の内容(チェック項目)について、自己評価を行います。評価頻度は半年もしくは1年に1回。昇給、昇格に反映させるケースが多いようです。
また、法人が決める等級任用要件としても職能評価を活用します。例えば、「2等級の要求項目を90%以上クリアできれば、昇格することができる」という規定にしている事業所もあります。上司評価終了後は、必ず部下にフィードバック面談を行い、上司の見方を伝えるとともに、今後の改善課題を明確にして、部下と共有化をします。また評価結果が劣る職員については確実にフォローを実施し、また職員自身にも、

ある意味の「危機感」を持たせながら、改善を図っていただく指導が必要になります。 

 

以上が能力評価になります。次回は「行動評価」についてお伝えいたします。

 

【緊急配信 コロナ対応 助成金情報】

多くの皆様からお問い合わせを頂いております、コロナ対応の助成金について説明した資料を、

ブログでも公開させて頂きますので、申請の際のご参考になさってください。

【内容】

・コロナ対応の助成金概要

・コロナ特例の緊急措置とは

・申請上の注意点 など

下記のURLよりアクセス頂き、資料を開いてください。

コロナ対応助成金セミナー4

保育事業所様向け情報(労務)4月号④

支援が強化される就職氷河期世代の雇用

現在、30代半ばから40代半ばとなっている、いわゆる就職氷河期世代は、雇用環境が厳しい時期に就職活動を行っており、希望する就職ができず、不本意ながら不安定な仕事に就いている人や、職に就いていない人が他の世代よりも多いと捉えられています。そこで、就職氷河期世代を支援する取り組みが政府主導で行われています。

1.求人募集・採用時の年齢制限

従業員の募集および採用については、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされており、年齢制限を設けることが原則として禁止されています。

今回、一定の条件を満たした場合、就職氷河期世代(35歳以上55歳未満)に限り、年齢制限を設けて募集や採用することができるようになりました。

これは、不安定な就労をしている人や仕事をしていない人を対象に、雇用期間を定めない労働契約を締結することを目的としており、職業に就いた経験があることを求人の条件にしない場合に限られます。

また、ハローワークに求人を出すことも条件となっており、ハローワークに求人を出した場合には、ホームページでの直接募集や、求人広告、民間職業紹介事業者への求人の申込み等でも就職氷河期世代に限定した求人が可能となります。

2.助成金の改正

1と併せて、特定求職者雇用開発助成金が改正され、「安定雇用実現コース」が「就職氷河期世代安定雇用実現コース」となりました。

雇入れ日において以下の①~④のいずれにも当てはまる人を、ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等(以下、「ハローワーク等」という)の紹介で正社員として新たに雇用する事業主に対し支給されるものであり、中小企業であれば、採用1人につき、総額60万円が支給されます。

  1. 雇入れ日時点の満年齢が35歳以上55歳未満
  2. 雇入れの日の前日から起算して過去5年間に正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れの日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない
  3. ハローワーク等の紹介の時点で失業しているまたは非正規雇用労働者でありかつ、ハローワーク等において、個別支援等の就労に向けた支援を受けている
  4. 正規雇用労働者として雇用されることを希望している

就職氷河期世代では、正社員の雇用に恵まれなかった人の他、結婚や妊娠、出産を機に退職をせざるをえなかった女性も多くいると想像されます。人材不足感が強い状況下で、正社員の経験はないといった背景はあるものの、この世代の雇用を積極的に考えているときには、年齢を限定した採用や、助成金の活用を考えてもよいでしょう。

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