医療
A, 週三日のパート職員からフルタイムの常勤に変更する場合、変更した直後の基準日の勤務日数によります。16時間拘束の夜勤を行う場合の付与日数は、1勤務について2日分付与します。
詳解
有給休暇の権利は6か月継続勤務した時点で発生します。この日を「基準日」と言います(4月1日入社なら10月1日)。短時間勤務のパート職員がフルタイムの常勤に雇用形態を変更する場合、有給休暇の付与日数について下記の通達があります。
「年次有給休暇の権利は、基準日に発生するので、基準日に予定されている労働日数の年次有給休暇が付与されなければならない。従って、入社時に比例付与の対象者(短時間労働者)であったとしても6か月経過後に比例付与の対象者でなくなっていたとしたら、10日の年次有給休暇を付与しなければならない」昭和63、3、14発150号)
従って、勤務日数の少ないパート職員がフルタイムの常勤に登用されて雇用形態が変わったときは、有給休暇が新たに発生する日(フルタイムになった直後の基準日)の勤務形態に応じた有給休暇を付与します。また仮に、年度途中で所定労働日数が変わったとしても、その時点で付与日数を増やすのではなく、直後の基準日においてフルタイム勤務に応じた日数の付与となります。フルタイムから短時間労働に変更する場合も同じ考え方です。
また、病棟勤務看護職の16時間拘束の夜勤1勤務に対して有給休暇の付与日数は「2日」となります。行政通達の内容は下記となります。
「休日は原則として暦日休日制
(午前0時から午後12時)をとっています。1勤務16時間隔日勤務など、1勤務が2暦日にわたる場合も原則通り暦日制が適用されて、年次有給休暇の付与についても当該1勤務(16時間夜勤)の免除が2労働日の年次有給休暇の付与とされます。尚、この場合の手当(年次有給休暇の賃金)については、2労働日分の平均賃金などを支給しなければなりませんが、これは結局1勤務分(16時間夜勤分)に相当します。
厚生労働省は、サイバー攻撃を受けた場合の事業継続計画(BCP)を策定する上で記載すべき
項目をまとめた確認表を作り、医療団体に 6 日付で通知した。確認表の項目ごとに解説を加え
た手引きとBCPのひな形も作成し、医療機関に活用を呼び掛けている。
BCP 策定の確認表では、▽平時(非常時に備えたサイバーセキュリティーの体制整備)▽検
知(システム障害が見受けられる場合の対応)▽初動対応(サイバー攻撃による被害の拡大防
止)▽復旧処理(復旧計画に基づく対応)▽事後対応(復旧結果の報告を踏まえた再発防止策
の検討)-の5つのステップごとに確認すべき項目をまとめた。
ステップ 1 の「平時」では、非常時を想定して院内の情報機器の全体を網羅するネットワー
クの「構成図」を作成し、院内のサーバ・端末・ネットワーク機器の状況を把握できているか
を確認する。
確認表の手引きでは、サーバや端末のОS(基本ソフト)、IP アドレス、脆弱性への対応状況、
ウイルス対策ソフトの稼働状況の一覧を整備するよう呼び掛けている。
さらに、非常時を想定したサイバーセキュリティー体制の整備では、サイバー攻撃のリスク
を検知するための情報収集の体制を整備できているかどうかや、バックアップと復旧の手順を
確認できているかなどをチェックする。
ステップ 3 のサイバー攻撃を受けた際の「初動対応」では、電源系統・ブレーカー・ハード
ウェア・ソフトウェアなどの原因調査を行えるかどうかや、調査を事業者に依頼できる体制に
なっているかを確認する。また、サイバー攻撃の兆候があったらネットワークを遮断するなど、
被害の拡大を防ぐための対応が可能かどうかも確認する。
ステップ 4 の「復旧処理」では、経営層からの指示に基づき復旧計画を実施できるかをチェ
ックする。
手引きでは、BCP を策定する際の留意点としてあらかじめリスク分析を行う重要性を強調し、
院内だけでなく事業者やほかの関係者と情報交換を行うなど「リスクコミュニケーション」の
実践を呼び掛けた。また、BCPの定期的な見直しや更新も求めた。
先週末の7日、
“Q&A(Vol.7)”
が公表されていたようですね。
科学的介護推進体制加算についてであったり、
協力医療機関連携加算等についての補釈等が盛り込まれているようです。
関心をお持ちの皆様は、下記をご確認下さいませ。
衆議院・厚生労働委員会では5日、介護や障害福祉の現場を支える職員の処遇改善の検討を政府に求める決議が全会一致で可決された.
今年度の報酬改定の影響を速やかに検証し、その結果に基づいて必要な措置を講じるよう訴える内容。検証を行う際は、基本報酬を引き下げられた訪問介護の事業者らの意見も聞くべきとクギを刺した。
武見敬三厚労相はこうした決議について、「趣旨を十分に尊重して努力していく」と述べた。
決議は自民党、立憲民主党、日本維新の会、公明党、日本共産党、国民民主党、有志の会などが共同で提案したもの。物価の上昇が続いていること、他業界で大幅な賃上げが実現していることなどを踏まえた動きで、もともと給与水準が低い介護・福祉業界の人材不足が加速するという懸念が共有された形だ。(介護ニュースより)
厚生労働省の「医療施設動態調査」(3 月末概数)によると、全国の一般診療所の数は同月末
現在で10 万5,280 カ所だった。前月からは 12 カ所の増。新型コロナウイルス感染症の感染が
拡大する前の19年同月比では3,078カ所増加していた。
24 年3月末現在の10万5,280カ所の内訳は、無床が9万9,715カ所(前月比40カ所増)、有
床が5,565 カ所(28 カ所減)。5 年前の19 年同月末から無床は4,287カ所増加したが、有床は
1,209 カ所減った。
一般診療所の増減を都道府県別に見ると、19年同月比で増えたのが26都道府県で、増加幅が
最も大きかったのは東京の11.2%だった。次いで、神奈川6.4%、愛知5.6%、大阪5.3%、埼
玉5.2%のいずれも増。一方、21県では減少し、減少幅が最も大きかったのは高知の7.2%だっ
た。ほかは、愛媛が 6.4%、徳島が 5.9%、長崎が 5.3%、山口が 4.9%のいずれも減で、西日
本で減少が目立った。一般病院は24年3月末現在、全国に7,039カ所あり、前月から12カ所
の減、19年同月からは248カ所減少した。精神科を含む病院全体では24年3月末が8,097カ所
で、前月から13カ所、19年同月から245カ所減少した。(厚労省発表)
- 時季変更権の判断をする時間的余裕もなく、翌日の正常な運営を妨げる場合には、必ずしもその日に与える必要はありません。
時季変更権の行使
事業主には「事業の正常な運用を妨げる」場合には従業員から申請のあった有給の取得時期を変更できるという権利があります。しかし、前日の有給を申請された場合、「事業の運営を妨げるかどうか」を判断する時間的な余裕がなく、また翌日の代替え要因の確保も難しい状況だともいます。結局、時季変更権を行使するか、別の日に変更してほしいとお願いする可能性が高いと思われます。
そのようなために就業規則に「シフトを作成する前月末までに申し出ること」などのルールを設定しておくことをお勧めします。原則的な取り扱いとして事前申請期限を指定することは合理的な範囲内において認められると考えられています。ただし、「3か月前に申し出ること」などあまり長い設定は、有給の取得を抑制するとみなされますので避ける必要があります。
一方、前月末とルールを決めていても、その期限を過ぎて申請してくる場合もあります。有給は権利性の強い性質がありますので、申請期限を切っているという理由だけで、直ちに年休を与えないということはできません。この場合でも必要に応じてその日に認めるか、別の日にしてもらうかを判断する必要があるでしょう。
申し出ルールを設けたときの注意点
シフト作成した後でも、身内に不幸があったった場合や、急に入院する場合とか、このような場合、申し出の時期にかかわらず認めてあげてもいいでしょう。ただ、その場合は、理由をきちんと把握して、やむを得ない事情に限り認めるなど言っての判断基準は必要と思います。
シフト作成後の申し出による変更が慣例的になり、風邪をひいて休む場合当然のように有給扱いするとなるとルールが形骸化してしまうので原則と例外の扱いを決めておくといいでしょう。
厚生労働省は、医療・介護・保育の 3 分野で有料職業紹介を行う 1,152 事業所の 62.2%が
2023 年8月から24年5月にかけて職業安定法などに違反していたことを明らかにした。
厚労省が23年8月-24年5月に3分野の有料職業紹介事業者への集中指導監督を実施したと
ころ、対象となった1,152事業所のうち716事業所で職業安定法や関連の指針に違反していた。
23 年2月-24年3月に寄せられた相談では、早期に離職した場合の手数料の負担に関する指
摘や返戻金に関するものがあった。また、「紹介手数料の一部が求職者への支度金等として使わ
れている」などの指摘もあった。
医療など 3 分野の職業紹介を巡っては、医療機関や介護施設・事業所などが従事者を採用す
るために紹介事業者を利用した場合、紹介手数料などでトラブルになるケースが指摘されてい
る。
そのため、厚労省では優良な紹介事業者を育成するほか、都道府県労働局に特別相談窓口を
設置して職業紹介サービスに関する法令違反の疑いがある場合などへの相談体制の構築などを
進めてきた。しかし、こうしたトラブルなどが引き続き生じているとの指摘も踏まえ、都道府
県労働局が紹介実績のある紹介事業者に集中的な指導監督を実施した。紹介事業の適正な運営
につなげたい考えだ。
今年度の居宅介護支援の報酬改定で実施された基本報酬の逓減制の更なる緩和について、全国の介護職でつくる労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が公表した最新の調査結果では、多くのケアマネジャーが「評価できない」と答えたと報告されている。
「評価できない」が64.9%、「どちらとも言えない」が29.8%。「評価できる」は4.8%にとどまった。
「評価できない」の理由としては、
◯ 利用者としっかり向き合うことができなくなる
◯ 困難事例の利用者が増えているため件数を増やせない
◯ 事務作業が減っても相談内容は少なくならない
などがあった。
この調査は、NCCUの組合員が働く事業所を対象として4月、5月に行われたもの。641名のケアマネジャー、主任ケアマネジャーから回答を得ている。
居宅介護支援の逓減制の緩和は、ケアマネジャーの不足が顕在化してきたこと、ICTの活用が以前より進んだことなどを踏まえた施策。貴重な人材の有効活用に加えて、事業所の経営状況の改善、ケアマネの処遇改善につなげる狙いがある。
NCCUの調査結果によると、逓減制の緩和を「評価できる」とした理由では、
◯ 利用者の増加を考えると1人あたりの件数を増やすしかない
◯ 仕方がない
◯ 件数を増やせば収入が増える
などの声があった。
Q 当事業所では人員が不足しており、有給休暇の取得が困難な状況です。消化できず消滅する
職員も多数いますが、ある職員から、消化しきれなかった有給休暇を買い取ってほしい
との要望がありました。どのような対応をすべきでしょうか?
A, 2年に時効により消滅した未消化有休、退職による請求不可能になる残余有休の2つの場合に限り、買い取ることを認められています。但し、買取のルール化をするのは避けておいた方が良いでしょう。
まず、年次有給休暇の買い上げについて行政解釈をみると、
「年次有給休暇の買い上げの予約をし、これに基づいて法39条の規定により請求しうる
年次有給休暇の日数を減じないし請求された日数を与えないことは、法39条の違反である」
つまり、買い上げを認めてしまうと、買い上げることを理由に職員からの有休休暇の請求を拒んだり、金銭目当てに有給休暇をあえて取得しないということが起こり得るからです。しかしいかなる場合にも認めないかというとそうではなく限定的に買い上げが認められています。それは次の2つの場合です。
1,時効により消滅した未消化年休
2,退職や解雇により請求不可能となる残余年休。
退職日までの未消化の有休をすべて請求されてしまうと「他の日にしてくれ」という時季変更権を行使する余地がなく、原則申請されたものを与えるしかありません。買い上げる場合でも、退職時あるいは退職後に有給休暇の残日数に応じて金銭が支払われるものであれば違反とはなりません。
2025 年 4 月に施行される「かかりつけ医機能報告制度」の枠組みを議論する厚生労働省の分
科会が24日開かれ、同省は、新たな制度の具体案を示した。医療機関の負担を軽減するため、
年度ごとの定期報告は「医療機能情報提供制度」に基づく報告と併せて1-3月に行う。
定期報告は、特定機能病院と歯科の医療機関を除く全国の病院と診療所が年度ごとに行う。
厚労省では、地域医療支援病院や紹介受診重点医療機関が、紹介患者の診療と併せて「かかり
つけ医機能」を担うケースも想定している。ただ、診療を行わない健診専門の診療所などにま
で報告を求めるのは「非現実的だ」(今村知明・奈良県立医科大教授)という意見があり、厚労
省の担当者は「(報告制度の)対象から除外する医療機関を明確にできるかどうかを含めて考え
る必要がある」と応じ、取り扱いを検討する方針を示した。
新たな報告制度を作るのは、時間外診療などの「かかりつけ医機能」を地域ごとに底上げし
て、地域の患者が医療機関を適切に選択できるようにするのが狙い。病院や診療所は、「日常的
な診療を総合的・継続的に行う機能」(1 号機能)を整備しているかを都道府県に年度ごとに報
告する。
「1 号機能」を整備していると報告した病院・診療所は、診療時間外の診療のほか「入退院
時の支援」「在宅医療の提供」「介護と連携した医療提供」などの機能(2 号機能)も報告する。
都道府県は、病院・診療所から報告があった「2 号機能」の体制が整備されているかを必要
に応じて確認する。
都道府県への定期報告を求める病院・診療所の範囲や、「1 号機能」と「2 号機能」に関する
具体的な報告の内容などは、厚労省の「かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分
科会」が夏ごろ取りまとめることになっていて、同省がこの日具体案を示した。
「1 号機能」の報告に関しては、▽「かかりつけ医機能」に関する研修の修了者か 総合診療
専門医がいるかどうか▽皮膚・形成外科や神経・脳血管、精神科・神経科など17の診療領域ご
との一次診療に対応できるか-などを組み合わせた 3 つの案を示し、引き続き検討することに
なった。
病院や診療所からの「かかりつけ医機能」の報告データは地域ごとの「協議の場」で共有し、
足りない機能の底上げや病院・診療所による役割分担を議論する。
厚労省は、「時間外診療」「在宅医療」「介護との連携」などは市町村単位で、「入退院時の支
援」などは二次医療圏単位でそれぞれ協議して、都道府県単位で全体を統合・調整するなど
「協議の場」を重層的に設定することを提案した。
病院や診療所が報告した「かかりつけ医機能」のうち、地域の患者が受診先を選択するのに
役立つものは医療機能情報提供制度(ナビイ)の報告事項に盛り込む。厚労省が次回以降の分
科会で具体案を示す。 CBニュースより