医療

【介護報酬改定】リハ職による訪問看護、新たな減算のルールまとめ

今年度の介護報酬改定は一部のサービスが6月施行とされた。


現場の事務負担の軽減などが目的。医療の診療報酬改定の動きに合わせて、厚生労働省は従来の4月施行から2ヵ月後ろ倒しにする判断を下した。

6月施行のサービスの1つが訪問看護。ステーション、病院、診療所、いずれも基本報酬が少しずつ引き上げられ、加算の新設・拡充も複数実施される


ただ、基本報酬の減算も新たに適用される。リハビリテーション専門職によるサービスの評価だ。ここではその要件や詳しいルールを、厚労省がこれまでに発出した通知などを基にまとめていく。

※ 訪問看護にはこのほか、BCP(業務継続計画)が未策定の事業所や虐待防止措置が未実施の事業所に対する減算も導入される。BCP未策定の減算には経過措置があり、来年3月31日まで適用されない。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるサービスの減算が新たに適用されるのは、以下の要件に該当する事業所だ。

リハ職によるサービスの減算の要件


次のいずれかに該当する場合に減算が適用される。


(1)前年度のPT、OT、STによる訪問回数が、看護職員による訪問回数を超えている場合。


(2)緊急時訪問看護加算、特別管理加算、看護体制強化加算をいずれも算定していない場合。

報酬改定のQ&Aでは、前年度のリハ職による訪問回数の計算方法などを具体的に解説。次のような解釈を明らかにした。


報酬改定のQ&A(Vol.1)

問28|前年度のリハ職による訪問回数は、連続して2回の訪問看護を行った場合、どのように数えるのか。


答|リハ職による訪問看護の減算に係る訪問回数については、リハ職が連続して2回の訪問を行った場合、1回と数える。例えば、理学療法士が3月1日と3月3日にそれぞれ2回ずつ訪問を実施した場合、算定回数は4回であるが、訪問回数は2回となる。また、リハ職が3月5日の午前に1回、午後に連続して2回訪問した場合は、算定回数が3回、訪問回数が2回となる。

問29|前年度のリハ職による訪問回数はどのように算出するのか。


答|居宅サービス計画書、訪問看護報告書、訪問看護記録書などを参照し、訪問回数を確認すること。

問30|前年度のリハ職による訪問回数には、連携型の定期巡回・随時対応サービスによる訪問回数は含まれるか。


答|含まれる。

報酬改定のQ&A(Vol.5)

問1|減算の要件の訪問回数は、訪問看護費と介護予防訪問看護費で別々に数えるのか。それとも合算して数えるのか。


答|訪問看護と介護予防訪問看護の指定を合わせて受け、一体的に運営されている場合は合算して数える。(介護ニュースより)

介護サービス提供体制の「中長期ビジョン」策定を 諮問会議で民間議員が提言 人材不足に強い危機感

 

《 23日の諮問会議|画像出典:首相官邸HP 》

政府は23日に経済財政諮問会議を開き、6月に予定する今年度の「骨太の方針」の策定に向けて社会保障制度を議論した

民間議員はこの中で、介護サービス提供体制の中長期ビジョンの策定を提言。AIやセンサーといったテクノロジーの活用、事業所・施設の経営の大規模化、保険外サービス事業者との連携などを含め、今後の介護ニーズに応えていく方策を検討するよう要請した。


介護現場の人手不足が顕著で、介護ニーズが更に拡大する今後の人材確保は非常に難しい、という認識がベースにある。


国の推計によると、医療・介護・福祉分野で働く人の就業者全体に占める割合は2018年時点で12%超。このまま2040年になると、就業者全体の18%から20%程度にまで引き上げる必要があり、実現可能性に大きな疑問符がつく。


介護は特に労働需要の伸びが大きい分野。より効率的なサービス提供体制への転換は不可避、というのが民間議員の問題意識だ。


政府関係者は、「介護分野は人材不足がかなり深刻化する。テクノロジーの活用などでどこまで対応できるのか、より中長期的に考えていくべき」と話した。

同様の提言は今月21日に財務省の審議会がまとめた建議にも盛り込まれている。


財務省はテクノロジーをフル活用して介護サービスの人員配置基準を緩和すべきと主張。事業所・施設の経営の大規模化、保険外サービスのより柔軟な運用なども促した。政府は今年度の「骨太の方針」に、こうした方向で介護保険改革を検討していく考えを記す構えだ。(介護ニュースより)

フリーランスの介護士 新しい働き方がもつ可能性とは(NHK WEBニュースより)

 

「今が一番、理想の働き方です」

そう話すのは、介護に関わる仕事をして18年のベテランの介護士です。これまでさまざまな現場で働いてきましたが、仕事内容などのミスマッチから心身の調子を崩して、おととし、離職しました。

心と体に余裕をもって、高齢者と向き合いたい。

今は、「フリーランス」の介護士として働いています。その働き方を支えているのは、介護業界で注目されている「マッチングサービス」です。

マッチングで出会ったふたり

「これきょうのメインのおかず。(おいしいか)正直に言っていいよ~」

そっと口にスプーンで食事を運ぶのは、大野眞粧美さんです。
介護福祉士の資格を持ち、18年間介護士として働いてきました。1年半前から、「フリーランス」の介護士としてマッチングサービスに登録しています。
介護士の大野眞粧美さんと利用者の林田弘子さん
この日は、名古屋市に暮らす89歳の林田弘子さんから指名をうけて、訪問介護に訪れていました。

口腔ケアや食事の介助を行ったあと、お風呂の介助、テレビを見ながら話し相手になったりして、あっという間に3時間。失語症により言葉を出しにくくなった弘子さんに対し、大野さんは表情やしぐさからも気持ちをくみ取ります。

なかなか食事が進まない弘子さんの様子を見て、大野さんは代わりにおしるこの提供を提案しました。そのとたん、弘子さんの表情がぱっと明るくなったのが印象的でした。
公的な介護保険サービスでは気に入った人を指名することは難しいですが、この民間のサービスは介護保険サービスの「適用外」なので、継続利用する場合に指名できる仕組みです。

8か月前にマッチングして以来、弘子さんは介護の質だけでなく人柄も気に入り、継続して大野さんを指名し、公的な介護保険サービスと組み合わせて利用しています。
弘子さんの息子・祐介さん
「母は、『大野さんがいい、大野さんがいい』って。母が元気にしゃべる量だったり、笑顔だったり、何かしてもらってうれしいなと思う感じは期待以上でした。明るくてモチベーションも高くて、誇り持ってやっている方だなって」

マッチングでの新しい働き方

介護サービスを提供する人と、受ける人をつなぐ「マッチングサービス」。

大野さんが仕事探しに利用しているのが、スマートフォンのマッチングサービス専用アプリです。
登録したきっかけは、2年前、勤め先の介護施設を退職したことでした。

施設では人手不足で忙しく、一人一人の利用者と向き合う時間をとることができなくなっていました。

さらに調理担当の募集に人が集まらず、介護ではなく調理担当に回されることになりました。朝早くからひとりで40人分の朝食を準備する日々に、次第に介護士としてのやりがいを見いだせなくなったといいます。
施設で働いていた頃の大野さん
「介護の仕事は好きで続けたい」と考えていたところ、マッチングサービスを知り、利用を始めました。一覧で表示される募集中の仕事の中から、自宅に近く、利用者とじっくり向き合える仕事を選んでいるといいます。

利用者の依頼はさまざまで、弘子さんのようにマッチングのあと、指名を受けて定期的に入る仕事もあれば、単発で入る仕事もあります。

最近は、1週間に定期の利用3件、スポットで2件の仕事を入れ、働くのは週5日、1回3時間ほどで、労働時間は以前の半分に減りましたが、収入はこれまでとほとんど変わっていません。
介護士 大野眞粧美さん
「自分らしい介護ができて、いまとてもやりがいがあり、ライフワークバランスも取れているので、自分に合っていると思います。お会いして『この方だったら良いな』とか言っていただけるのは、本当にすごくありがたいですし、いままでで一番いい働き方を見つけたなと思っています」

感覚ではなく“数値”でマッチング

このマッチングサービスを開発したのは都内のベンチャー企業です。

代表を務める水野友喜さんは、自身も介護士だった経験から、多様な働き方を作りたいと2019年にこのサービスを始めました。
介護マッチングサービス会社 水野友喜代表
「介護の仕事にやりがいを持っていたのに、働く環境が要因でしかたなく離れることになってしまった人たちを見てきました。やはり新しい働き方をどんどん模索していかなければと感じていました」
通常、介護士は介護事業所などに所属し、利用者に対し介護を行っています。

一方、マッチングサービスは、フリーランスの介護士と利用者とをネット上でつなぎ、介護の認定を受けた人が利用できる介護保険サービスの「適用外」で介護が行われる仕組みです。
このサービスで力を入れているのが、ミスマッチを防ぐ仕組みです。

専門家の監修のもと、介護士の適性試験を独自に開発。「マニュアルにない仕事に対応できる」や「他人が言いにくい事でも伝えられる」など、全部で80問以上の質問に回答することで、介護士の能力や性格の傾向を数値化します。

これにより登録された介護士と利用者の相性について、感覚に左右されずに客観的に評価しマッチングできるといいます。
水野友喜代表
「自宅に人を呼んで、しかも身体に触れる介護を依頼するときには、一歩踏み込んだ相性が合うかというところは、とても重要視されるものです。手配する介護士を深く理解することをしなければ、安心・安全の介護の仕組みはつくることができないと思います」
例えば、重度の介護が必要で、作業の内容について具体的に要望を聞きながら進めてほしいという利用者の場合は、介護スキルや「協調性」「対人調和力」などの数値を比較し、最適な介護士をマッチングします。
登録を希望する介護士は、フリーランスとして会社と業務委託契約を結びます。

会社では、介護士を守るために保険にも加入していて、誤って利用者の自宅で茶碗を割ってしまったり、介護士本人がけがをしてしまったりした場合などは補償しています。

増える“ビジネスケアラー”が背景に

このマッチングサービスが始まって3年半で、「フリーランス」の介護士の登録は5000人以上。サービスの利用者は3倍に増加しています。

ニーズの高まりの背景にあるのは、働きながら親の介護をする“ビジネスケアラー”が増えていることです。

「2030年には家族を介護する人のうち4割にあたる318万人がビジネスケアラーになる」と、経済産業省が去年(2023年)試算しています。
介護の認定を受けた人が利用できる介護保険サービスは利用料が一部負担にとどまりますが、介護保険の「適用外」のサービスは、全額自己負担。

公的な介護保険サービスではカバーできない、さまざまな要望に対し柔軟に応えてもらうことができます。働きながらだと対応が難しい、外出の付き添いや、早朝・夜間の在宅介護、ペットの世話など多岐にわたります。
マッチングサービスでは利用者の要望は多岐に渡る
今回取材したマッチングサービスの会社の利用料は、1時間あたりおよそ3000円からと決して安くありません。しかし、家族が仕事と両立するため、介護保険のサービスの隙間をうめる形でこうしたサービスの利用が広がっているといいます。

一方で、介護保険の「適用外」のサービスを利用する際に注意したほうがいいこともあります。

まずは、費用の面です。事業者が自由に価格設定できるので、不当な内容で契約してしまうリスクも指摘されています。保険外サービスであることを理解し、本当に必要なサービスなのかどうか丁寧に説明を聞くことが必要です。

国はこうした介護保険サービス以外の民間サービスの利用が今後、さらに広がるとみていて、民間事業者がガイドラインの策定や認証制度をつくる動きを後押ししています。

介護人材にも多様な働き方を

今、介護職の人手不足は深刻です。

国の調査では、2022年の介護分野からの『離職者』が新しく介護分野に就職した『入職者』をおよそ6万3000人上回っています。

今回取材したマッチングサービスを利用して働く介護士に聞くと、「自分のペースで働きたい」、「副業として隙間時間を活用している」など多様な働き方が見えてきました。
◎東京都 49歳女性
フリーランスの仕事のみ 週5日程度マッチング
訪問介護などの介護事業所で正社員として30年ほど働いてきたが、中間管理職になり、調整などの業務が中心に。現場で介護をする時間が少なくなった上、人手不足で希望通りに休めず、自分の時間が持てなかった。今、久しぶりに1対1でその利用者のための介護ができているし、自分のペースで働くことができるので、趣味とも両立できるようになった。

◎神奈川県 37歳女性
介護事業所でパート勤務しながら副業 週に1・2回マッチング
3人の子どもを育てながら、週に3回程度、パートタイマーとしてデイサービスで働いている。介護の仕事が楽しくて資格も取得したが、経験の幅を広げたく、デイサービスの仕事がない日などの隙間時間に副業としてマッチングサービスを利用している。デイサービスでは経験できない様々な現場があり、スキルアップに繋がっていると感じている。
介護業界にこうした多様な働き方が広がることは、介護人材不足の解決の一助になるのでしょうか。

介護政策に詳しい専門家は次のように指摘しています。
淑徳大学 結城康博教授
「多様な働き方があることで、いったん離職した介護職が現場に戻りやすくなる面はある。ただ、介護保険の『適用外』のサービスは、保険サービスの補完的な位置づけであるため、介護保険の現場で働く介護士の処遇改善など、抜本的な取り組みが欠かせない」

介護士の処遇を改善するために

今年度、国は介護職員の給与に影響する「介護報酬」を見直しました。特に人材確保が厳しい「訪問介護」については、加算率を高く設定し、処遇改善で人手不足の解消につなげたいという狙いがあります。

ただ、加算を除いた基本報酬は引き下げられたため、業界団体からは人手不足や処遇の改善につながらないなどと批判も出ています。

現状の保険制度では、介護士の給与を引き上げて離職を減らそうとするならば、私たちが支払っている保険料の引き上げなどの議論をする必要があります。

介護する側も受ける側も満足できる仕組みをどう社会全体で作っていくのか、制度のあり方についても考えていく必要があると感じました。

(5月8日「おはよう日本」で放送)

Q キャリアパスの説明を受けても、実際にどうすれば上位等級に昇格できるのかがよくわからない(職員からの質問で多いもの)

A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、

キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。

この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています

  • 前等級における最低勤務年数
    「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。
  • 資格
    それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。
  • 実務経験
    「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。
  • 人事評価
    人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。

,週三日勤務のパート看護職がフルタイムの常勤に変わるとき、逆にフルタイムの常勤職員が、育児などを理由に週3日勤務のパート職員に変わるときの有休休暇の付与に日数について教えてください。また夜勤専従の看護師の有休休暇についてはどの様に考えればいいでしょうか?

A, 週三日のパート職員からフルタイムの常勤に変更する場合、変更した直後の基準日の勤務日数によります。16時間拘束の夜勤を行う場合の付与日数は、1勤務について2日分付与します。

 

詳解

 

 有給休暇の権利は6か月継続勤務した時点で発生します。この日を「基準日」と言います(4月1日入社なら10月1日)。短時間勤務のパート職員がフルタイムの常勤に雇用形態を変更する場合、有給休暇の付与日数について下記の通達があります。

 

 「年次有給休暇の権利は、基準日に発生するので、基準日に予定されている労働日数の年次有給休暇が付与されなければならない。従って、入社時に比例付与の対象者(短時間労働者)であったとしても6か月経過後に比例付与の対象者でなくなっていたとしたら、10日の年次有給休暇を付与しなければならない」昭和63、3、14発150号)

 

従って、勤務日数の少ないパート職員がフルタイムの常勤に登用されて雇用形態が変わったときは、有給休暇が新たに発生する日(フルタイムになった直後の基準日)の勤務形態に応じた有給休暇を付与します。また仮に、年度途中で所定労働日数が変わったとしても、その時点で付与日数を増やすのではなく、直後の基準日においてフルタイム勤務に応じた日数の付与となります。フルタイムから短時間労働に変更する場合も同じ考え方です。

 

 また、病棟勤務看護職の16時間拘束の夜勤1勤務に対して有給休暇の付与日数は「2日」となります。行政通達の内容は下記となります。

「休日は原則として暦日休日制

(午前0時から午後12時)をとっています。1勤務16時間隔日勤務など、1勤務が2暦日にわたる場合も原則通り暦日制が適用されて、年次有給休暇の付与についても当該1勤務(16時間夜勤)の免除が2労働日の年次有給休暇の付与とされます。尚、この場合の手当(年次有給休暇の賃金)については、2労働日分の平均賃金などを支給しなければなりませんが、これは結局1勤務分(16時間夜勤分)に相当します。

「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」の届出期限を特例的に延長―厚労省

厚生労働省は5月20日、2024年度診療報酬改定で新設する「ベースアップ評価料」の施設基準の届出について特例的対応を行うと事務連絡した。新点数等を6月1日から算定する場合の地方厚生局への届出期限は6月3日だが、医科では「外来・在宅ベースアップ評価料(I)」と「訪問看護ベースアップ評価料(I)」の届出期限のみ、6月21日までに延長する。「入院ベースアップ評価料」と「外来・在宅ベースアップ評価料(II)」の届出期限に変更はなく、これまで通り6月3日とする。

 

届出期限の延長は、厚労省が同日開催した「ベースアップ評価料」の届出などに関するオンラインセミナーでも取り上げられた。対談形式で医療現場からのよくある質問に回答した、日本医師会の長島公之常任理事と(株)川原経営総合センター人事コンサルティング部の薄井和人課長は、「外来・在宅ベースアップ評価料」の(I)と(II)で6月1日から算定するための届出期限が異なる点について、注意を喚起した。

 

「外来・在宅ベースアップ評価料(II)」は、「評価料(I)」による賃金増率が1.2%未満の無床診療所が算定する。だが、自院が「評価料(II)」の対象になるかどうかは、実際に届出様式を記入してみないと判定できない。このため長島常任理事は無床診に対し、「まずは届出の記入を進め、賃金増率が1.2%未満にならないかの確認をしていただきたい」と要請。薄井課長は、「6月から『評価料(I)』を算定し、7月から改めて『評価料(II)』を算定することも選択肢になり得る」とアドバイスした。

 

■基本給等連動部分が持ち出しにならないよう注意を―長島日医常任理事

 

賃金改善計画書策定時の留意点も解説した。「ベースアップ評価料」を原資とした賃金改善分に含めることができるのは、(1)基本給等(決まって毎月支払われる手当を含む)、(2)賞与と法定福利費の事業主負担分のうち(1)の基本給等に連動して引き上がる部分―とされている。

 

セミナーで長島常任理事は、「『ベースアップ評価料』の財源を全部(1)の引き上げに使ってしまうと(2)の基本給等に連動して引き上げる部分が医療機関の持ち出しになってしまう」と指摘。(2)の部分も念頭に入れて賃金改善計画を立てる必要性を強調した。(WEB医事新報より)

Q、人事評価の項目は「一般的」「抽象的」な評価項目が多いため、評価が難しく、どうしても評価者の主観で評価してしまい、職員の納得が得られない。

A、評価項目を具体的な「行動表現」にすることで、評価がより客観的になり、また職員の課題を具体的に指導できる。

評価することは非常に難しく、評価者訓練を受けないと評価は出来ないと言われています。しかしそれは、評価項目が抽象的で何を評価すればいいのかわからないという原因が考えられます。

評価を行う難しさには、①人によって評価が変わる ②評価項目が不明確なので評価する人も、される人もわかりにくい、さらに③誤評価の原因(ハロー効果、偏り傾向、寛大化など)評価するということに困難さが付きまとっています。例えば「協調性」という表現で終わってしまう評価項目の場合、何が協調性なのか評価者が判断しなければなりません。抽象的な表現は職員をいろいろな視点から評価できることになり有用ですが、評価の公平性や客観性からみるとかなり深い問題が含まれています。具体的な行動表現にすることで、だれでも同じ理解とすることが大切です。

 

【具体的行動表現の実例】ご参考

評価項目:「感謝の気持ちをもってご利用者、職員に接する」

を具体的な評価項目にした場合に、例えば下記のような例となります。

例1:ご利用者や職場の仲間に感謝の気持ちで接することが出来、「○○さんのおかげです」や「ありがとう」が素直に笑顔で言える。

例2:ご家族様や見学、来訪者の目を見て、笑顔でお名前を添えて「ありがとうございます」と伝えている。

例3:他部署等の協力や理解があって自分が仕事ができる事に感謝して、相手の状態を配慮し、「お手伝いしましょうか」「何か私にできる事はないですか」と声掛けしている。

ご参考になれば幸いです。

残業申請の運用ルールについて

Q 当法人では残業は、所属長による許可制としていますが、課長や主任により対応がまちまちでルールが形骸化しています。運用面でどのように改善していけば良いでしょうか。

 

A 労働時間管理は「時間外労働の管理」といっても過言ではありません。各部署の所属長が残業の必要性を判断し、適切時間を指示するなど、管理職の役割は重要です。職員、個々に勤務時間内に仕事を終える意識をいかにもたせるかが重要です。

一方、始業時刻=出勤時刻、終業時刻=退勤時刻 という認識で時間管理を行っている事業もいまだ多くあります。このような事業所には、労働時間の定義についてまずは指導教育する必要があります。つまり始業終業時刻と出退勤時刻は違うという認識をまずは持っていただくことです。労働時間に関する意味を理解することで、その時間管理意識を持って業務を遂行していくことは、今後、さらに重要なポイントになります。そのためには、まず指導いただきたいのは、時間外労働の「許可制」です。当然ながら業務は所定時間内に行うのが前提ですが、事情により残業になりそうな場合には、その理由と終業時刻を明記し、許可制とする必要があります。それにより、所定外労働割増をつける時間が明確になりますし、何より大切なことは各職員の時間管理意識を高めることができます。ただし、残業の許可制を規定に定めていても、許可を受けない残業のすべてが無効になるかというとかならずしもそうではありません。通常の業務をこなすうえで,所定時間内終わらないような業務量を要求したならば、残業時間に対して、黙示の承認があったということになり、残業時間に該当するという判断になりますので、適宜の指導が必要になります。

 

ただ、残業を所属長の許可制にしていても、申請された残業内容をよく理解せずに全部承認していたり、逆に、明らかに残業が必要な業務量にも関わらず許可をしなかったりと、所属長により対処の仕方はまちまちになりがちです。本当に必要な残業かどうか、どの程度の時間が必要かなどを判断して、適切な許可を与える必要があります。

 

残業許可制運用のポイント

  • 残業の理由を明確にさせる

 「何のために残業をするのか」「なぜ、その業務が残ってしまったのか」を確認します。例えば、許可申請の残業理由に「介護記録作成の為」とだけ記入させるのではなく、「なぜ

介護記録作成業務が残ってしまったのか」を記入させます。そうすることで、原因を本人と上司が確認しあうことで改善に繋げることができます。残業理由が本人の能力の問題であれば、個別指導や業務の標準化を進める必要があります。

  • 残業内容の緊急性・必要性を判断する

その業務が「要当日処理」か「翌日処理で可」なのかをメリハリをつけて確認します。

またその業務は、「あなたがやらなければならない業務」なのか「次の交代勤務者で対応できる業務」なのかを確認します。

  • 業務の上限時間(目安)を指示する

「その業務は30分で終えて」と目標時間を指示します。業務内容応じて適切な時間を指示することは必要です。但し、このことは「30分以上の残業は認めない」と上限設定をすることではありません。上限を超えて残業していても、事実上、黙認している状況であれば

それは「黙示の承認」に該当します。

 ・職員の健康状態にも配慮する

休憩はきちんととれたか、体調にお問題はないか、などを確認します。こうしたことは、日頃の部下とのコミュニケーションで行っておきたいところです。

10年後を担う中核人材が「いない」、介護事業所の4分の1が回答 国調査

10年後にサービス運営の中核を担っていく人材の適任の候補はいるか?


介護事業所・施設にそう尋ねたところ、全体の4分の1を超える27.0%が「いない」と答えたことが国の調査で分かった。

「いない」が最も多かったのは訪問介護。33.9%と全体の3分の1にのぼった。


今後の人材確保の見通しがたっていない介護事業所・施設が少なくない実態が、改めて浮き彫りになった格好。サービス類型ごとの結果は以下の通りだ。

介護報酬改定 “Q&A第5弾”

このGWのさなかに、“Q&A5弾”

 

が公表されました。

 

既にご確認されていらっしゃる方も多いとは思いますが、

 

もし未だの方は下記をご確認下さいませ。

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