医療

Q 当法人では残業は、所属長による許可制としていますが、課長や主任により対応がまちまちでルールが形骸化しています。運用面でどのように改善していけば良いでしょうか。

A 労働時間管理は「時間外労働の管理」といっても過言ではありません。各部署の所属長が残業の必要性を判断し、適切時間を指示するなど、管理職の役割は重要です。職員、個々に勤務時間内に仕事を終える意識をいかにもたせるかが重要です。

一方、始業時刻=出勤時刻、終業時刻=退勤時刻 という認識で時間管理を行っている事業もいまだ多くあります。このような事業所には、労働時間の定義についてまずは指導教育する必要があります。つまり始業終業時刻と出退勤時刻は違うという認識をまずは持っていただくことです。労働時間に関する意味を理解することで、その時間管理意識を持って業務を遂行していくことは、今後、さらに重要なポイントになります。そのためには、まず指導いただきたいのは、時間外労働の「許可制」です。当然ながら業務は所定時間内に行うのが前提ですが、事情により残業になりそうな場合には、その理由と終業時刻を明記し、許可制とする必要があります。それにより、所定外労働割増をつける時間が明確になりますし、何より大切なことは各職員の時間管理意識を高めることができます。ただし、残業の許可制を規定に定めていても、許可を受けない残業のすべてが無効になるかというとかならずしもそうではありません。通常の業務をこなすうえで,所定時間内終わらないような業務量を要求したならば、残業時間に対して、黙示の承認があったということになり、残業時間に該当するという判断になりますので、適宜の指導が必要になります。

 

ただ、残業を所属長の許可制にしていても、申請された残業内容をよく理解せずに全部承認していたり、逆に、明らかに残業が必要な業務量にも関わらず許可をしなかったりと、所属長により対処の仕方はまちまちになりがちです。本当に必要な残業かどうか、どの程度の時間が必要かなどを判断して、適切な許可を与える必要があります。

 

残業許可制運用のポイント

  • 残業の理由を明確にさせる

 「何のために残業をするのか」「なぜ、その業務が残ってしまったのか」を確認します。例えば、許可申請の残業理由に「介護記録作成の為」とだけ記入させるのではなく、「なぜ

介護記録作成業務が残ってしまったのか」を記入させます。そうすることで、原因を本人と上司が確認しあうことで改善に繋げることができます。残業理由が本人の能力の問題であれば、個別指導や業務の標準化を進める必要があります。

  • 残業内容の緊急性・必要性を判断する

その業務が「要当日処理」か「翌日処理で可」なのかをメリハリをつけて確認します。

またその業務は、「あなたがやらなければならない業務」なのか「次の交代勤務者で対応できる業務」なのかを確認します。

  • 業務の上限時間(目安)を指示する

「その業務は30分で終えて」と目標時間を指示します。業務内容応じて適切な時間を指示することは必要です。但し、このことは「30分以上の残業は認めない」と上限設定をすることではありません。上限を超えて残業していても、事実上、黙認している状況であれば

それは「黙示の承認」に該当します。

 

  • 職員の健康状態にも配慮する

休憩はきちんととれたか、体調にお問題はないか、などを確認します。こうしたことは、日頃の部下とのコミュニケーションで行っておきたいところです。

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「プール熱」は過去の呼称に 厚労省が説明を変更

子どもを中心に高熱やのどの炎症といった症状が出る咽頭結膜熱について、厚生労働省は「プール熱と呼ばれることもあった」とした上で、近年ではタオルの共用が減ったなどの理由から「プール利用における集団感染の報告は見られなくなってきている」との考え方を示している。

日本水泳連盟など3団体からの要望を踏まえた対応で、ホームページ上での咽頭結膜熱に関する説明を一部修正した。それまでは、「プール熱と呼ばれることもある」としていた。

 

 咽頭結膜熱を巡っては、日本水泳連盟と日本スイミングクラブ協会、日本マスターズ水泳協会の各代表者が11月28日、咽頭結膜熱の俗称の「プール熱」が誤解や偏見を招く表現だとして、そのような呼称を使わないよう求める要望書を厚労省に提出した。

 

 3団体は、プールは感染経路の1つにとどまり、感染の可能性は生活圏全体の中にあると指摘。その上で、今後は別の呼称として「アデノウイルス感染症」や「アデノウイルス熱(アデノ熱)」などを使用するよう提案している。

 

 咽頭結膜熱は、アデノウイルスの感染により38-39度程度の発熱、のどの痛み、結膜炎といった症状が出る小児に多い病気。厚労省によると、主な感染経路は飛沫感染や接触感染で、感染すれば高熱が比較的長く(5日前後)続くことがある。ただ、特別な治療法がなく、ほとんどは自然に治る。吐き気や強い頭痛、激しいせきなどの症状が出た時は医療機関に早めに相談するよう呼び掛けている。出典:医療CBニュース

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「モノ」より「経験」にお金をかける  ~経験を買うとかけがえのない人とのつながりが生まれる~

最近、ここ10年ぐらいは、生活費以外のほとんどのお金は「経験」に使ったといっていいかもしれません。もちろんお金をかけなくてもできる経験はありますが、お金を掛けなければできない経験もたくさんあります。旅行をしたり、おいしいものを食べたり、音楽を聴いたり、一流の仕事人の話をきいたり、本を読んだり、映画をみたり・・・。

経験は、それ自体が夢中になる「遊び」であるとともに。「成長」のチャンスでもあります。

人やモノや社会を理解したり、自分で稼いだり、人のために何かできたり、幸せを感じたり、

・・・より豊かな人生を送るベースになっているような気がいたします。

 高価なバッグや服を買っても、その価値は下がる一方です。貯金を数百万しても、無職になると、数年でなくなる金額です。

 しかし経験を買うと、失敗を含めてその価値はどんどん生きてきます。経験から得たことは自分自身を作る一部にもなります。様々な経験をすることで、行きたい方向も明確になります。いまでも、人生を豊かにするために「経験」に、出し惜しみをしません。

お金をある程度自由に使えるようになったことの喜びは、好奇心を満たしてくれる「経験」にお金を使える事のような気がします。

 

 また、経験することで得られる大きな価値があります。それは人とのつながりが生まれることです。家族や友人とのかけがえのない経験は、思い出として、繰り返し語ることが出来ます。新しい経験をすることで、新しい出会いがあったり、同じ経験をした人と意気投合したり、そこから人生の師を得られたりするかもしれません。経験を買うことで、人とのつながりや愛情が積み重なり、人間関係を広げ、世界を広げることが出来るのです。

 幸福度がいちばん上がるお金の使い方は、「モノ」より「経験」を買うことでだと私は確信しています。

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Q 時間外の計算は1分単位なのか、15分や30分単位でもいいのか

A 1分単位が原則です。ただし、端数を切り上げる場合には15分単位、30分単位でも構いません。

 

切り上げにしないと給料未払いに給与計算上、よくある質問ですが、基本は1分単位です。例えば、17時までの就業時間で1742分まで働いた場合、12分カットして30分の残業代を支払った場合、12分の就業に関する支払いは未払いになってしまいます。

 

休養計算上は楽だということで15分単位の取り入れている事業所はよくあります。もし15分単位とするなら切り上げでなければいけません。つまり17時までの就業時間で1742分まで働いた場合には45分間の残業代を支払うことになります。管理の手間と数分プラスになる賃金のどちらをとるかの判断になります。

 

例外として、1か月の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計に1時間未満の端数がある場合には30分未満の端数の切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるといった端数処理は認められます。つまり月のトータル残業時間が3時間20分であった場合には3時間として、3時間40分であった場合を4時間とすることは可能です。

未払い残業は行政指導の対象に残業代を未払いのまま労基署の監査が行われると「是正勧告書」「指導票」により行政指導が行われます。例えば3か月分の未払い残業の「遡及支払い」を命じられた場合、未払いとなっている時間数及び給料の額を3か月間さかのぼって計算し、当該スタッフへの不足額を支払うなど、まずは行政書道に従い原則対応することになります。

 

適切な時間管理とは厚労省から平成13年に出された「労働時間の適正な把握のため講ずべき措置」では以下のように定められています。

 

  • 労働日ごとに、何時から仕事を開始して、何時まで仕事をしたか、確認し記録すること。
  • 使用者が自ら確認し記録するか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を、適性に申告するように十分に説明すること。必要に応じて実態調査をすること。
  • 労働時間の記録に関する書類は3年間保存すること。

 

労働時間の上限を設定して、上限を超える時間を切り捨てたり、そもそも労働時間の記録がないため「時間外労働がない」としたりしている場合には法律違反になります。

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固定残業代として定額を支給する際には慎重に固定残業代を設定すると仮に残業代が発生しない月があっても残業代を支払わなければなりません。しかも実際に行われた残業が想定された10時間を超えると、別途残業代の支払い義務が発生します。そのため実態を確認した上で「何時間分を固定で支払うか」を決めなければなりません。固定残業手当を適切に運用するためには次の三つが要件とされています。

  • 基本給と割り増し賃金部分が明確に区分されていること
  • 割増賃金部分には何時間分の残業が含まれているかが明確であること
  • 上記②を超過した場合には、別途割増残業が支給されること

 

この方法は、残業が大体同じ時間発生している場合には適している方法ですが、月によって残業時間が大きく変動したり、人によってばらばらであったりする場合には、かえって管理が煩雑になる場合があります。導入によりメリットとデメリットをよく検討して慎重に判断する必要があります。

プラスの言葉で表現する~幸せか不幸かは自分で決められる~

 

デーサービスに行っている90代の母親が、こんなことを言っていました。「老人たちの話題は、ここが痛い、どこどこの具合が悪いって、病気の話ばかり。こっちの気がめいってくるわ。でも一人だけいつも面白いことをいうご婦人がいて、この前も誰かが「膝が痛い」と言ったら、「あら、それは、まだ生きてるってことね。お互い生きててよかったね」だって。みんな大笑いよ」なるほど、そんな言い方があるんだと感心しました。

 一見、マイナスの事象のことでも、必ずプラスのことが隠れています。マイナスとプラスは表裏で、どちらを見ようとするかでその意味はまったく変わってきます。

 例えば仕事が忙しかったとき「働きすぎて今日もぐったりという」というのと「今日は仕事がはかどってよかった」というのとは、どちらが元気になれるでしょう?

 職場に厳しい先輩がいるとき「あの人がいると職場の空気がピリピリして緊張する」というのと「あの人がいるから空気が引き締まる」というのとでは、どちらがいい気分ですごせるでしょう?

 現実が変わらないのならば、プラスの言葉を使うことで、その現実に対する「意味づけ」を変えるのです。すると物事はいい方向に進んでいくもの。愚痴や不満ばかり言っていても、いやな気持になって、さらに良くない方向に進んでいきます。幸せか、不幸かは自分で決めることができるのです。あなたが毎日の生活をご機嫌なものにしたいなら、プラスの言葉だけを使うよう心掛けてください。言葉を変えれば、人生は変わりますから。

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『採用面接で応募者に尋ねるべきでないこと』

Q

新たに職員の募集をしています。複数人の採用面接をしたのですが、不採用とした 1 名から、「面接の中で尊敬する人を聞かれたのですが、不適切ではありませんか?」と指摘を受けました。他意はなく、身近な話題の一つとして尋ねたのですが、問題があるのでしょうか。

A

「尊敬する人」は、応募者本人の思想・信条に関わる内容であり、働く上での適性や能力には関係ないことです。質問への回答が、応募者の合否に関係なかったとしても、就職差別をされたとして問題になる可能性もあります。採用面接をする際には、尋ねるべきでないことを事前に押さえ、話題としないようにするこ
とが求められます。

詳細解説:
1.求められる公正な採用選考日本の法制度において解雇は、かなりハードルが高いといわれていますが、採用する職員の選定は、医院の裁量に委ねられています。そのため、採用の段階では、適性検査や能力を確認するための筆記試験をしたり、数回の面接を実施したりすることもあります。厚生労働省は、このような採用選考の過程において、基本的人権を尊重し、適性・能力に基づいた公正な採用選考を行うよう強く求めています。公正な採用選考とは、応募者に広く門戸を開き、適性・能力に基づいた採用基準により、採否を判断することです。応募者の適性・能力とは関係のない事項について質問等をすることは、それを採用基準としていない場合でも、把握したことで結果として合否に影響を与え、就職差別につながるとの指摘を受けることがあります。


2.面接で尋ねるべきでない内容
公正な採用選考を意識していたとしても、特に面接では、緊張している応募者を和ませるといった目的から、応募者の身近な話題について触れることもありますが、その際には以下のような内容を避ける必要があります。


① 応募者本人に責任のない事項
 本籍・出生地に関すること
 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
② 本来自由であるべき事項(思想・信条に関わること)
 宗教に関すること
 支持政党に関すること
 尊敬する人物に関すること
 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

当然ながら、これらの事項が把握できるような作文や小論文の執筆を求めることも避ける必要があります。尊敬する人物や愛読書などは、アイスブレイクの一環として聞いてしまうこともあると思いますので、特に注意しましょう

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Q 評価はするも、結果をフィードバックしていないので、職員は何がどう評価されたかわからない

A,

人事評価でもっとも大切なキーワードは何でしょうか。それは「透明性」と「納得感」です。透明性とは、人事評価でいえば、どういう評価項目で、だれがどのようなプロセスで評価をしているのかが明確であること。また「納得感」とは、なぜその評価結果になったのか被評価者が理解し、納得することです。しかしながらこの納得感が生まれるのはそう簡単にはいきません。なぜなら多くの職員は、自分は一所懸命仕事をし、それなりに仕事で貢献していると思っているからです。しかしながら、上司の評価がそのようなものでない場合には、だれしも心穏やかでは、いられないはずです。半ばあきらめて、表面的に納得したフリをしている場合も多いのではないでしょうか。それでは納得感を醸成するにはどうすればいいのか。まず、絶対に必要なのが、フィードバック面談です。面談では、自己評価と上司評価が明らかに違っている項目に着目し、その評価にした根拠を具体的に話し合うことで、お互いの視点や期待レベルを知ることができ、初めて「納得感」が醸成されてくるものです。

⇒①医療分野キャリアパス

 クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

 保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

現場の士気を左右する!?「クリニックの福利厚生」スタッフから“好評な制度・不評な制度” カテゴリー 輝く組織

“きっと喜んでくれるだろう”で大失敗…福利厚生導入時のポイント

たとえ、どれだけ素晴らしい福利厚生を導入したとしても、スタッフがその福利厚生を利用しなければ意味がありません。経費がかさむだけで、本末転倒になってしまいます。

失敗例1.バスや電車、ホテルの割引

以前、「バスや電車、ホテルが一般料金よりも安く利用できる」という民間企業の福利厚生サービスを導入したことがあります。旅行好きな筆者としては、このサービスを導入すればスタッフたちも、たくさん旅行に行くようになり、きっと喜んでくれるだろうと考えたのです。しかし実際には、全くといっていいほど活用されませんでした。

失敗例2.企業型確定拠出年金

メディアなどで「老後2,000万円問題」が騒がれ始めたころ、当院でもスタッフに正しい金融知識を身につけ将来に備えて欲しいという想いから「企業型確定拠出年金」を導入しました。個人型とは違い、事務費用負担と加入手続きを法人が担うことから、個人型よりも加入ハードルが下がると考えたのです。

「資産を預金だけで持つべきではない」と企業型確定拠出年金を行う重要性を伝え、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフにお願いして複数回、節税方法などをレクチャーしてもらいましたが、いまいち浸透しておらず、加入者の割合は少ないままです。

「よかれと思って」がうまくいかなかった原因

このように、よかれと思って導入した福利厚生サービスですが、あまりうまくいかなかった原因は「院長目線」で導入したことにあります。

新しい福利厚生を導入する際には、事前にスタッフのニーズをしっかり把握することが重要です。導入する院長や経営者目線ではなく、サービスを享受するスタッフ目線に立つことで、双方の満足度を高めることができます。

【導入してよかった! スタッフの満足度が高い福利厚生3選】
成功例1.検診費用の補助

上記の失敗から、筆者は当院のスタッフにどんな福利厚生があったら嬉しいか、ヒアリングを行いました。

すると、「子宮頸がん・乳がん検診を受診する際に補助を出して欲しい」という声が上がりました。女性特有の疾患である子宮頸がん・乳がんですが、クリニックで働くスタッフというのは現状、女性が大半です。導入すれば助かる人が多いのは間違いありません。

要望を受け、筆者は早速「検診時半額を補助する」という福利厚生を導入しました。活用するスタッフは多く、満足度も高いようです。「ニーズを聞く」ことの重要性がよくわかった経験でした。

成功例2.置き型社食

仕事が忙しくつい外食やコンビニ弁当が多い人や、少しでも帰宅してからの家事を時短で済ませたい人に向けて、「置き型社食」を導入しました。

置き型社食とは、民間企業が提供する福利厚生サービスのひとつです。社員食堂を新たに設置するのが難しい中小企業などに向けて、「コストを抑えられ、手軽に導入でき、満足度が高い」として注目されています。

導入する側は、冷蔵庫が置けるスペースを確保し、サービスに申し込むだけで利用できます。社食専用の冷蔵庫が設置され、そこに毎月栄養バランスのとれた惣菜が届くのです。

当院が導入している置き型社食は、利用時に1品につき100円を支払うシステムです。電子レンジで温めるだけで食べることができるので、手間がかかりません。惣菜は持ち帰ることもできるため、忙しく働くスタッフに高い評価を得ています。

導入にあたってはスタッフを含めて試食を行い、アンケートの結果ニーズが高いことを把握したうえで実施に踏み切りました。

また当院では、「医療従事者である我々が健康であるからこそ、病気の患者さんに元気を与えられる」という考えのもと診療を行っており、筆者としてもスタッフにはできるだけ栄養価の高いものを食べてもらいたいという想いがあります。

そのため、国産原料が優先的に使用され、不要な添加物の入っていない「置き型社食」は、導入してよかったサービスのひとつです。

成功例3.自社農園で作った無農薬野菜の配付

上記の考えから、当院では某所に畑を借り、無農薬野菜の栽培を始めました。そこで収穫した玉ねぎ・さつまいも・トマト・レタスなどの無農薬野菜は、スタッフに無料で配っています。

スーパーなどで買うと割高な無農薬野菜を無料でもらえると、スタッフに好評です。野菜の配付を通じて、健康経営に繋げたいと考えています。

行政に頼るのもひとつの手!

市町村などが中小企業向けに提供している「福祉共済」は、個々の企業では導入しにくい充実した福利厚生サービスを提供しています。月々の会費が比較的安いわりに、サービス内容が手厚いものが多いのが特徴です。

たとえば、結婚・出産・子どもの入学時のための祝金や傷病時・災害時の見舞金、弔慰金、退職慰労金などの給付事業、舞台の観劇チケットやスポーツ観戦チケットが安く購入できる余暇支援といったサービスがあります。

当院でも、市の福祉共済に加入。筆者の経営するクリニックは球場が近いため、この余暇支援を利用して割引チケットを手に入れ、筆者とスタッフ、そのご家族を交えて野球チームの応援に行くなど、法人内のコミュニケーションの活性化に役立てていました。

残念なことに、現在は市の福祉共済事業が終了してしまったため、祝金や見舞金といった給付事業については内製化し、継続して福利厚生サービスを提供しています。

まとめ

充実した福利厚生制度を整えることで、スタッフとその家族の生活が豊かになり、モチベーションの向上につながります。また、新たなスタッフがクリニックで働く動機のひとつになるでしょう。

当院でも、これからもスタッフの満足度を高める福利厚生制度を考え、積極的に導入していきたいと考えています。(出典:医療法人梅華会理事長 梅岡 比俊氏)

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パワハラと指導教育の違い

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしましたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れようとしません。注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われてしまうようでは、上司としては、注意すること自体出来なくなってしまいます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

 

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、裁判例によると、「合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えた、いわゆるパワーハラスメント」(名古屋高裁H191031)「人格、存在自体を否定するもの」(東京地裁H191015)といった要素が挙げられています。

また厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(H24130日)は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

 また、ご質問のように、パワハラのとらえ方としてよくあるものが「相手がパワハラと感じたらパワハラ行為になる」などと、あたかも相手の感じ方でパワハラ行為か否かが決まってしまうといったような誤った認識があります。このような認識が原因で、必要に応じて部下を強く指導・教育する必要があっても、それを躊躇してしまうようなこともあるのではないかと思います。重要なことは、「相手がその行為をどう感じたかではなく」、その行為自体に「社会通念上、許容される範囲を超える」ところがあったか否か、ということになります。

 

さて、御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 また、最近はスマホなどを使用し、指導教育の内容を「無断録音」されているようなケースも多いのではないかと思います。この場合、当然ながら「言った、言わない」という話にはならないわけで録音された発言が、それに該当するか否かが判断されるわけです。このことを踏まえると、いつも録音されているという認識をもつことで、自身の言動の抑止力にもなり、冷静な態度で指導教育が行われるのではないでしょうか。

                                   以上

 

【医師が解説】スタッフの“ちょっとした投稿”で大炎上…クリニックの「適切なSNS活用法」とは

近年、インターネット・スマートフォンの普及により、多くの人がSNSを使っています。SNSの活用はクリニックの運営にプラスの側面がある一方、「炎上」と隣り合わせの諸刃の剣です。そこで今回、高座渋谷つばさクリニック院長の武井智昭氏がクリニックにおけるSNSの活用法と「炎上」を回避するためのノウハウを解説します。

「SNS炎上」医療機関も例外ではない

2023年現在、FacebookやX(旧:Twitter)、InstagramといったSNSを通じて、誰もが気軽に今の気持ちや現況などの情報を発信できる社会となりました。事故現場や公共交通機関の遅延・運休の様子を投稿するなど、現況をよりリアルに客観的に伝えることが可能となり、情報化社会のメリットを実感することも多いです。

一方で、ジャンルを問わず不適切な発言・問題行動を撮影した静止画や動画などは、あっという間にインターネット上で拡散してしまい「炎上」するケースも増加しています。

これは医療機関も例外ではありません。実際、過去に「炎上」したクリニックの話も耳にします。

医療機関は、個人情報をはじめとした秘匿性の高い情報を多数取り扱う組織です。このセキュリティが甘くなってしまい、院長を含めたスタッフがSNSを通じて個人情報をインターネット上に漏洩してしまうと、個人情報保護法や刑法に抵触するレベルになってしまいます。

クリニック名義のSNSを利用する場合、基本的には新たな診療を行う、あるいは休診のお知らせ(臨時を含めて)などに留めておいたほうが無難です。治療効果などの写真は医療法に抵触する場合もあります。

これに加えて、スタッフによる患者個人またはクリニック管理への不平不満・愚痴の書き込みによっても、画像などからクリニックが判明して、負のイメージが強くなる恐れもあります。そして、こうしたSNSの書き込みを完全に消去をすることは困難です。

非難が高まるにつれて、評判の低下によるクリニックへのダメージは大きくなるでしょう。そして最悪の場合、患者数減少やスタッフの離職・採用難が続き、収拾がつかない事態となることもあるのです。

スタッフの書きこみによる炎上…どう防ぐか

スタッフがSNSに書き込む背景として最も多いものが、管理者やクリニックの体制・人間関係への不満です。精神的なストレスの発散や、自身の事や考えを他人に知ってほしいという承認欲求が元凶となります。

クリニックへの不平不満の書き込みを防ぐには、定期的なミーティングなどを通して、院長などの管理者がしっかりとリーダーシップをとって、クリニックのビジョンをぶれることなく繰り返し伝達していくことが重要です。

ミーティングを通して、小さなことでも良いので、スタッフの不満(改善してほしい点がある)をくみ取りましょう。汲み取った不満を無下にしないでレスポンスする環境を整えることが重要です。

なかには、SNSに書き込むことで独自の正義感を貫くという考えの人もいます。

一方で、自分自身の発言や行動が、勤務先やクリニックにマイナスの影響を及ぼすということを想像できない、相手の気持ちを汲み取ることができないタイプもいます。このような人は、自身の行動がそもそも悪いと思っておらず、SNSが自分の身内だけのコミュニケーションツールと思いこんでいる場合が多いです。

こちらに関しても自分の言動が自身の仕事(給与・待遇)にブーメランとして返ってくることを認識してもらう必要があります。

就業規則内でSNSの利用ルールを明示しよう

前述したように、クリニックは機密性の高い個人情報を取り扱うことが多いです。このため、業務中の個人のスマートフォンの持ち込みに関しての取り決めを行い、就業規則に盛り込むべきでしょう。

スマートフォンを完全に禁止する医療機関も多いですが、近年では家族(子供や介護を要する親)からの連絡など、一部の例外は許可をするクリニックもあります。しかし、どこまで就業規則に盛り込んだとしてもプライベートでのSNSの利用を禁止することは不可能です。

そこで就業規則で情報漏えい・個人情報保護などに対する規定を設けることに加えて、SNSを利用する際に注意すべき点をまとめた「SNS利用ガイドライン」を設け、倫理面から不用意な投稿を控えるように促すとよいでしょう。特に、クリニックの名前でSNSを発信する場合には、院長など管理職の許可を要するといった規制を設けることが重要です。

例としては、
◎患者のレントゲン所見・心電図・顔写真を原則として投稿しない。
◎匿名であっても医療職として公序良俗に反した投稿はしない。
◎勤務先が判明してしまう写真(建物や外観)を投稿しない。
◎不適切な投稿を発見した場合には削除を求める。
などが挙げられます。

クリニックの品位を保つためにも、入職時の説明などを通して理解してもらうことが重要です。入職時には職員として勤務するために秘密保持を宣誓しますが、改めて文書で伝達するなどの工夫も欠かさず行いましょう。

著者:
武井 智昭/高座渋谷つばさクリニック 院長
小児科医・内科医・アレルギー科医。2002年、慶応義塾大学医学部卒業。
多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。
(編集:株式会社幻冬舎ゴールドオンライン)
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

 

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