医療

Q有給休暇の取得における、「原則付与」と「4月1日一斉付与」では、どのようなメリットデメリットがありますか?検討すべき留意点を教えてください。

A、有給休暇の付与の仕方には、主に2つのパターンがあります。一つは採用後6か月したら付与するという、法律通りの「原則付与」。もう一つは、採用時に付与し、その後毎年4月1日にすべての職員に付与するという「4月1日一斉付与」です。

 多くの園では、有給付与の仕方を、どちらかのパターンにしているケースが多いです園長先生からは「どちらのパターンが良か」と相談を頂くことがあります。どちらのパターンを選択するのかは、園長先生が有給休暇について「どうしたいか」によって異なるものと思います。例えば、「夏休みに有給休暇を取らせたい」「職員数が多いので管理はシンプルにしたい」という場合には「4月1日一斉付与」のメリットが大きいですが、採用後、直ぐにやめることになっても有休があるため、それを消化してから辞めるといったデメリットもあります。

 一方で、「法律通りに有休を管理したい」「採用後すぐにやめる人にまで有給を与えることは避けたい」という場合には、「原則付与」を採用すべきですが、職員毎に付与日が異なるので多少手間がかかります。

 また原則付与は、採用後6か月有休が付与されませんので、病気などの欠勤では減給となります。このような場合への対処として、例えば「正当な理由があり欠勤するときには、採用後6か月間に限って2日」と設定すれば、減給にはなりません。しかし、結果として有給休暇が2日増えたのと同じになります。また6か月限定なので、取得する職員としない職員の間で公平性を欠くという面もあります。

 それぞれの有休休暇の付与パターンの特徴を踏まえて、最適な選択をしていただければと思います。

先日、3 名の職員から「有給休暇を時間単位で取れるようにして欲しい」とい う要望が出てきました。確かに年次有給休暇(以下、年休)が時間単位で取れる と柔軟な働き方ができると思うのですが、職員が自由に取得して職場が混乱する ことを心配しています。どうすればよいのでしょうか。

A,   時間単位の年次有給休暇(以下、時間単位年休)の導入は義務ではなく、労使協定を締結することで 1 年に 5 日を上限として取得できるようになるものです。
まずは職員から時間単位年休の要望が出てきた背景を確認した上で、制度の導入を検討したいものです。

詳細解説:
1.時間単位年休の制度
年休は暦日(0 時~24 時)単位で取得することが原則であり、通達で半日単位での取得も認められています。今回のような時間単位年休は、労使協定を締結す
ることにより、1 年に 5 日を上限として取得することができます。時間単位年休を認める際の労使協定では、
①時間単位年休の対象となる職員の範囲、②時間単位年休の日数、③時間単位年休の 1 日の時間数、④1 時間以外の時間を単位とする場合はその時間数、の 4 項目について締結します。

2.導入前に確認しておきたい事項
今回、3 名の職員から時間単位年休の導入の要望が出ていることもあり、要望には何らかの背景があるかもしれません。例えば、育児や家族の介護のために、致し方なく遅刻や早退が発生したり、定期的な通院が必要となったりするなどして、その時間に充てたいといったものです。
時間単位年休の導入は法令で義務付けられているものではないため、個人的な事情にどこまで配慮するかは判断に迷うところですが、制度を導入することで、仕事と職員の個人的なやむをえない事情とを両立するための方策の一つになるかもしれません。
一方で、単に「寝坊による遅刻を時間単位年休で充てられると安心」というような、事業所が配慮すべきではない理由があるかもしれません。このようなケースでの取得が重なれば、職場が混乱する状況になります。
そのため、導入に当たっては要望の背景を確認しつつ、まずは 1 年間に 1 日や 2 日の時間単位年休を導入することが考えられます。労使協定では 1 年間の有効期限を設け、1 年経過した時点で時間単位年休の制度を廃止するのか、継続するのか、継続する場合には何日にするのかといった検討をすることも考えられます。
労働力人口が減少する中で、働きやすさは人材の定着や採用にも影響が出ます。事業所ができる範囲で、職員の個人的な事情への配慮を検討したいものです。

 

 

「人生は美しいことだけ覚えていればいい」

幅広い世代から支持を集める
作家の佐藤愛子さん。

『致知』2003年1月号より
……………………………………………………
「人生は美しいことだけ覚えていればいい」

 佐藤愛子(作家)
……………………………………………………


私の場合、言葉によって支えられたと
いうことはないですね。

言葉が先にあって、その言葉で力づけられ
自分の人生が決まったというのではなく、
自分の人生が先にあって、
人生観なり自分の気質なりに
ぴったり合う言葉を見つけた時に、
嬉しくなってそれが力杖になる、
ということだと思うんですね。

そういう意味で気に入った言葉の一つに、


「人生は美しいことだけ覚えていればいい」

という沢田美喜さんの言葉があります。

ご存じのように沢田美喜さんは
エリザベス・サンダース・ホームを創設し、
たくさんの戦災混血孤児を育てた方ですが、
私はテレビで沢田さんが
この言葉を言ってらっしゃるのを見て、
非常に感動したんです。

ホームで育った黒人の混血孤児なんですが、
成長して二十七、八歳の青年になって、
アメリカへ自分のお父さんに会いに行く。

ところがお父さんは喧嘩か何かして
監獄に入っているんですね。

胸が潰れるような思いでその青年は、
沢田さんが来るのをニューヨークの
公園のベンチに座って待っている。

沢田さんの姿が見えると青年は駆け寄って、
抱きついて、思わず泣くんです。

その時に沢田さんが英語でね、


「泣いてはいけない、
 人生は美しいことだけ覚えていればいい」


と言って、青年を励ますという場面が
あるんです。

長いこと生きてくると、
いろいろな経験をしてきますけど、
楽しいことよりも、美しいことのほうが
心に残るということが分かります。

美しい自然、人の美しい心。

そういう美しいことだけ覚えていれば、
人生捨てたものじゃない、というふうに
思えるわけでしてね。

さすがに沢田さんはいいことを
言われるなあと、感銘を受けましたね。


勤務医、迫る残業「24年問題」

勤務医の残業時間の上限を年960時間とする「2024年問題」が迫っている。働き方改革を促すのが狙いだが、地域医療機関への出向が多い大学病院では医師の3割で順守が難しい。過労を防ぎながら医療サービスを維持するには、業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)や病院の統合・再編による運営効率化がカギを握る。

 

 勤務医の残業規制は2019年施行の働き方改革関連法で導入された。過労死ラインとされる年960時間を上限とし、244月から実施する。月平均に換算すると80時間になる。地域医療や救急医療の担い手は特例措置として、35年度を期限に残業を年1860時間まで認める。特例は病院が都道府県に申請する。

 

 導入の背景にあるのは厳しい労働環境だ。厚生労働省の19年の調査によると、勤務医の約4割で残業が年960時間(月80時間)を超えた。研修医による過労自殺が起きたほか、疲弊が医療ミスにつながる恐れも懸念されている。

 

過疎地出向多く

 

 しかし規制が労働時間の短縮に直結するかは見通せない。文部科学省の調査によると、全国の81大学病院のうちほぼ全てが残業時間の上限を引き上げる特例申請を予定する。人数ベースでは全体の3割の約15000人に上る。夜間や休日の救急医療に従事するといった理由が多い。

 

 東北大学病院(仙台市)は勤務医約900人の6割を超える約600人について特例適用を申請した。同病院によると、東北地方は医師の足りない過疎地が多く、9割以上の勤務医が週末などに他の医療機関に出向しているためだ。

 

 総合外科助教の小沢洋平医師(41)は5月の日曜、仙台市内から車で約1時間半かけて宮城県女川町の地域医療センターに向かい、24時間の宿日直をこなした。前日夜は帰宅後に救急患者の対応が入り、未明まで内視鏡の処置に当たっていた。

 

 同病院は医師の負担を減らすため、一部の疾患の診察でオンラインを導入。人工知能(AI)も活用し医師の紹介状作成などを支援する方針だ。それでも外科部門の助教1人あたりの平均残業時間は、上限を超える年1095時間に上る。

 

 医師が出向する目的の一つは収入確保だ。全国医学部長病院長会議(東京・文京)が22年に調べた大学病院助教の平均年収は809万円で、1千万円を超える民間の医療法人や開業医より低い。亀井尚・副病院長は「出向には地域医療を支える役割もあり、どう維持するかという議論も必要だ」と指摘する。

 

 勤務医の働き方改革と地域医療の維持を両立させる上で参考となるのが兵庫県の取り組みだ。

 

統合で人員余裕

 

 神戸大学医学部付属病院(神戸市)は医師の少ない病院同士の再編を県に提案。13年度以降の10年間で、公立と私立を合わせた約20病院の統合が進み、10カ所の大規模病院が新たに誕生した。

 

 杉村和朗・元病院長によると、各病院の医師が増え人員に余裕が生まれ、過疎地への出向の負担が分散された。病院勤務の魅力も高まり、県内の勤務医は08年の約11600人から20年には約14500人と2割以上増えた。神戸大病院は特例措置の申請が必要で、残業時間が実際に年960時間を超える勤務医を全体の5%弱に当たる約40人に抑えられると見込む。

 

 厚労省の18年の報告によると、日本の病床100床あたりの臨床医師数は17.9人と、スウェーデン(165.2人)や英国(106.9人)、米国(90.9人)などと比べ少ない。中小の病院が多く医師が広く薄く配置されている状況も長時間労働の要因の一つとされる。

 

 特例措置も約10年で期限を迎え、医師の働き方改革を実現するために残された時間は多くない。診療データのデジタル管理といった業務効率化は喫緊の課題だ。城西大学の伊関友伸教授(福祉経営)は「人材を手厚くし働きやすい環境を整えるためにも都市部を中心に公的病院の再編が求められる」と強調する。(日本経済新聞 朝刊 総合12ページ)2023/7/26)

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しんどい状況にあえて飛び込む 回り道でも、その工程楽しむ

しんどいことがあるたびにどうして自分ばかり不運なのか、と底ことばかり考えて、もがき苦しみ、なにかに依存したり、やる気がでなかったり・・・・なかなか復活できずにいました。

でも、楽しんでしまうコツがわかってきたのです。

例えば自分が希望していないクレーム対応の仕事に回されたとしましょう。そんなとき、ただ、お客様を安心させることだけを考えます。余計なことを考えずに。どんな仕事でも

夢中になっていると、面白くなってくるもの。そうこうしているうちに対応の良さで表彰されたり、他の部署に引き抜かれたりと、思わぬ展開が待っています。また、お金がなくて困っているときには少ないお金でやりくりするなど、少ない生活費でやりくりすることが生きがいになったりします。失恋をしたときに、最初は何をしていてもついつい考えてしまうものですが、それも時間の問題。そのうち、一人の時でしかできない趣味などができたります。私の場合、一人旅や読書などでそのなかに入り込むことだけを考えていました。すると、そこから思いもよらぬアイディアが浮かんだり、チャンスがやってきたり、いい出会いがあったりするものです。

 目の前の状況から、ひとつ夢中になることを探し出し、生きがいにすると、前の良かった状況よりも、さらにいいことが起こるのは不思議です。

しんどい状況に腐らないことです。しんどいことから逃げないことです。自分を腐らせているのは、だれでもなく、自分自身だと気づくべきです。良くないことがあったら、次は何倍ものいいことが起きるチャンスだと気づくべきです。

 

 しんどう状況は、あなたを腐らせてしまうか、または成長させてくれるのか、そのどちらなのかを試されているときと思ってください。。しんどい状況に「それも結構」と、自分から飛び込んでいくことも時には必要。回り道に入り込んでしまったら、その工程を楽しみ、貴方が行きたかった場所にたどり着いたとき、そこにはあなたが想像していた以上に素晴らしい景色がひろがっているはずですから。

 

参考 有川真由美「上機嫌で生きる」

 

 

Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

A、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

①医療分野キャリアパス

 クリニック人事サポートパック(評価制度、賃金制度の作成) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

②介護分野キャリアパス

 処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

③保育園のキャリアパス

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【現役医師が解説】クリニックの顔「医療事務」採用時のポイント

クリニックで重要な役割を担う「医療事務」

「医療事務(クラーク)」は、診療所・病院などの医療施設や調剤薬局において、さまざまな仕事を行っています。来院された患者の受付対応はもちろんのこと、クリニックの案内、医師や看護師など他のスタッフとの連携から、診療費の計算や請求、売り上げや支払いなどの経理、診療報酬請求や公費医療請求の文書作成にいたるまで、その業務内容は多岐にわたります。

したがって、優秀な医療事務の存在は、クリニックの健全な運営に大きく影響します。全国の医療施設や調剤薬局では、その職場のルールをある程度早期に理解し「即戦力」として働ける医療事務スタッフが常に求められています。

今回は、筆者が採用面接時に重視しているポイントをお伝えします。

ポイント1.身だしなみ、挨拶などの「第一印象」

初めてのお店や場所を訪れる際、どういう雰囲気なのか、どういう店員やスタッフがいるのかわからず緊張することは至極当たり前のことです。このため、クリニックの“顔”となる医療事務スタッフの第一印象が、病院全体の評価や安心感につながるといえます。

この「第一印象」は、その多くが「非言語的コミュニケーション」によって成り立っています。

非言語的コミュニケーションとは言葉に頼らないコミュニケーションのことで、「話し方」や「表情・しぐさ」、「外見」、「態度」、「声のトーン、ボリューム・速度」などを指します。

この第一印象は「5~10秒ほど」でおおむね決まるといわれています。したがって、面接時に適切な服装であるか、身だしなみが整っているか、清潔感があるかなど、そのクリニックのイメージとマッチしているかが重要になってきます。また、入室時の第一声、つまり挨拶の仕方も気をつけたいところです。

医療現場は、他業種よりも衛生的な要素が多く求められるため、身だしなみについてはより気を遣う必要があるでしょう。くつやカバンなどの持ち物にも、汚れがひどくないかチェックしておく必要があります。

ポイント2.コミュニケーション能力

また、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も医療事務スタッフに求められるスキルです。

ご存知の通り、医療事務スタッフは医師や看護師などと協力をしながら医療機関を運営します。チームとして円滑に業務を遂行するうえで重要なポジションとなる医療事務スタッフには、このようなスキルが不可欠です。

ここでの「コミュニケーション能力」は、面接時にまず会話が成り立つかどうかということです。決してアナウンサーレベルの話術は必要ありませんが、質問に対してしっかりとした意思疎通ができるかどうかが見られます。

基本的には、こちらの質問に対しての返答が明確でその理由がわかりやすく、意図をしっかりと汲めているかを見ています。そうでないと、業務や他スタッフとの人間関係構築が困難な可能性があるなど、ネガティブな印象を持ってしまいます。

「プライベートの充実度」も重要

面接時、質問内容としては、筆者は以下のようなことを尋ねます。

  • 志望動機
  • 自分のキャリアを振り返って、どういうことに一生懸命取り組んできたか
  • 人に負けない自信があることはあるか
  • 座右の銘
  • 職歴で学んだことやインパクトがあったこと
  • これまでのキャリアプランと就職における意気込み

筆者は上記のような質問にしっかりと回答できる人を優先的に採用しています。面接時間も15分程度と短時間にして、先に簡潔に骨子・結論を述べてからその理由を肉付けし、最後に重要なことをまとめられるかどうか、わかりやすく要点を絞った話し方かどうかを見極めています。

また、受診患者に対して一様な話し方ではクリニック受付としては不十分です。このため、話し方も重要であり、あえてゆっくりと少し大きな声で、余力があれば緩急や声のトーンの大小を音楽の楽曲のようにつけてみることも、正しい日本語・敬語などの言葉遣いと同様に重視するポイントです。

また、筆者は

  • 学生時代の思い出
  • 自分の趣味で語れること
  • 自分の家族のこと
  • 最近話題になっているニュース
  • 前職の1日の過ごし方と休日の過ごし方
  • 医療以外の職種経験がある方はその強み

についても質問することが多いです。最終的に採用を検討する人にはクリニックを見学してもらい、いい点や改善点、疑問点などを聞きます。また、現在のスタッフとも会話してもらい、多角的に採否を判断します。

自分の趣味やこれまでの経験を具体的に語れる人は、組織のリーダーを任せられる傾向があり、人柄も良好であることが多いため、プライベートが充実しているかどうかも採用基準の1つの軸にしています。

また、育児や介護の問題を抱えながら勤務するスタッフも多いため、その部分もしっかりと把握していきます。急な欠勤の可能性があるか、その際にカバーができるかどうかなど、家族の状況なども重視し、もしこういった部分に難がある場合には、採用形態を変えることも検討します。こうした事情を聞かずにそのまま採用すると、数ヵ月以内に早期退職となってしまい、再び募集をかける必要が出るなど、採用コストと時間が水の泡となってしまうためです。

まとめ

以上、これまでの経験から筆者が医療スタッフの採用時に重視しているポイントを挙げてきました。どのような人材を必要としているかはクリニックによって異なると思いますが、採用時の参考にしていただければ幸いです。

著者:
高座渋谷つばさクリニック
院長 武井 智昭(たけい ともあき)
小児科医・内科医・アレルギー科医。2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

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協調性が欠如している職員への対応

Q, 職場の社員全員が行う片付けなどにも参加しない、交代勤務でしばしば遅刻し、相手に迷惑をかける、直前に勤務の交代を依頼するなど、協調性を欠く職員Aについて、ほかの職員から「Aとは一緒に働くことは出来ない」との相談が多く寄せられ、中にはAが原因で退職する職員も出始めている。このような場合に懲戒あるいは解雇することはできますか?また、職場で仲が悪い職員BCがいて、一日中話をしないために職場環境が悪くなっている、このような場合、BCを懲戒処分にすることはできますか?

 

A, 職場には多数の職員が就労しているわけですから、一人が勝手な行動をしていたのでは職場は成り立ちません。すなわち、職場秩序は多数の職員を擁する法人の存立、維持のために必要不可欠なものです。

さて、職員が職場で他の職員との協調性を欠く場合において、法人がとりうる措置としては、まず、懲戒処分が考えられます。裁判例においても、本人の執務態度、上司、同僚に関する無礼並びに協調性の欠如について、職場の規律を乱し、円滑な職務遂行を阻害しているということが懲戒事由解雇にあたると認めているものがあります(大阪地裁平成4年3・31)

ここでポイントになるのは、本人の協調性の欠如によりいかに企業秩序が阻害されているかです。仮に本人に協調性の欠如は認められるものの、企業秩序への影響が軽微な場合には懲戒処分を行うことは難しくなると思われます。その点、医療・福祉の現場をチームワークが業務遂行の上でとても重要な要素となりますので、協調性の欠如が懲戒処分の対象になることは十分に考えられます。

 次には懲戒解雇という措置も考えられます。裁判例には、就業規則に記載された解雇事由

「執務能力が著しく不良」(単なる勤務成績不良ではない)とは職場に適用する能力に欠ける場合に包含するもの解し、社会生活をして人間として常識に欠ける部分が多く、協調性に乏しく、職場に適用する能力に著しく欠いており、かつ将来の将来の改善に見込がないことから解雇を有効と認めたものがあります(東京高裁S421・24)。

 ご質問の前段ですが、退職者がでるほど職場環境が悪化し、職場秩序が相当に乱れていると思われますので、早急に関係者から事実確認(まずは被害を受けている同僚から)をし、職員において、設問のような言動が実際にあったならば、相当な事情が認められない限り厳重注意、懲戒処分、場合によっては解雇を検討すべきと考えます。また、これまで注意指導歴などから、本人の改善が認められない限り、もはや懲戒の問題ではなく、解雇措置も検討すべきと思います。また設問後段においてもBとCが一日中口を利かないことに対して、周りの職員も気遣い、あるいは不快に感じ、職場環境全体が悪化している考えられ、早急に手だてを講じるべきです。その際に、なぜBCの中が悪いのか、その原因を探る必要があります。率直に上司がそれぞれから事実確認をすべきです。そしてその原因から事態を収拾する方法を模索すべきと思います。たとえそれが個人的なことであっても職場にそのような関係を持ち込むことは、職場環境を乱し職場に支障のある行為であるということは重大のことです。それゆえ法人は、そのような職員に対し、してはいけない事項であることを諭し、両者に気づかせるべきです。

そのような注意指導をしたうえで、なお改善しないということであれば、就業規則に従い懲戒などを検討すべきでしょう。又場合によっては、両名を同じ職場ではなく、別の職場に配置することも検討すべきでしょう。

 

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コロナ新規入院患者が5週連続で増加 厚労省が第26週の取りまとめ公表

 

         

 新型コロナウイルス感染症の新規入院患者が5週連続で増加したことが、厚生労働省が公表した第26週(6月26日-7月2日)の取りまとめで分かった。ICU入院中の患者も増加傾向となっている。

 

 G-MIS(医療機関等情報支援システム)で集計した第26週の新規入院患者は5,320人で、前週と比べて569人増えた。

  

 第26週の「ICU入院中の患者数」の7日間平均は92人(前週88人)、「ECMOまたは人工呼吸器管理中の患者数」は51人(同52人)だった。

(医療介護CBニュースより)

     

    

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