医療

Q, ある職員から「勤務終了後に夜間に、他の事業所でも働いてみたいのですが、問題ありませんか?」という質問がありました。金銭的な理由ということなので、現業に支障のないようにしてもらえれば副業を認めていきたいと思いますが、認めるにあたり留意点などあれば教えてください。

A,

厚労省の「副業、兼業に関するガイドライン」によると副業は、新技術開発や第2の人生の準備として有効であると書かれています。人口減少期を迎え 労働力の減少が叫ばれている我が国において、副業の推進により国は労働力の確保や生産性の向上を期待しているものと思われます。

では事業所としては副業を認めなければいけないのでしょうか。法律上、副業禁止の可否に定めはありませんが、過去の判例でみると「労働時間以上の時間をどのように利用するかは、労働者の自由」との考え方に立っていて、副業を認めることが基本的な対応と考えられます。

しかし、副業を解禁していく場合の注意点もあります。

まず、職員から副業を始めたいという申し出があった場合、事業所として、まずは本業に影響がないことを確認する必要があります。たとえば、深夜業に従事して、寝不足になり本来の業務がおろそかになってはいけません。他には他の事業所で勤務するとなると、当事業所の情報が漏れるリスクもあります。従って、事業所として申し出があった場合に許可することを前提にしつつも、いつ、どのような業務に従事するのかをきちんと確認し、内容を精査する必要があるでしょう。また、就業規則にもその点を下記の内容にて表現することがあります。

 

○○条 法人は職員が副業兼業に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止または制限することが出来る。

①労務提供上の支障がある場合

②企業秘密が漏洩する場合

③会社の名誉や信頼を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

④競業により事業の利益を害する場合

 

また、残業代の計算にあたっても注意が必要です。複数の事業所で勤務する場合、労働時間を合算して1日8時間、1週で40時間を超えることも想定されます。労基法ではその場合、合算した労働時間として超過時間があれば残業代を支払う必要があります。この場合、支払う側は、後から雇用契約を締結した方、もしくは法定労働時間を超えて働く原因を作った方に支払の義務が生じます。

 

次に社会保険関係ですが、雇用保険については、たとえ複数の勤務先でそれぞれ週20時間以上勤務していたとしても、主たる勤務先(原則、収入が多い方)でしか加入できません。

 

健康保険と厚生年金金保険については、複数の勤務先それぞれ加入条件を満たした場合、どちらで加入するかは本人が選ぶことになります。そのうえで、例えば、加入する先での勤務先給与が月20万円、加入しない方が月10万円だとすると合計額30万円に基づいて社会保険が計算されます。つまり、それぞれの勤務先の給与額に応じて按分計算され、両方の勤務先から毎月の社会保険料が控除されることになります。因みに健康保険証は、加入する勤務先の保険者のみから発行されます。

 

最後に、副業兼業を認めていく流れにはあるものと思いますが、一方で、副業は長時間労働につながりやすい等懸念点も指摘されています。本業副業を問わず、他でも働いている職員がいる場合には、もう一方の勤務先の労働時間を意識して、法令順守と健康管理に配慮していくことが必要になります。

【現役医師が解説】クリニックの顔「医療事務」採用時のポイント

クリニックで重要な役割を担う「医療事務」

「医療事務(クラーク)」は、診療所・病院などの医療施設や調剤薬局において、さまざまな仕事を行っています。来院された患者の受付対応はもちろんのこと、クリニックの案内、医師や看護師など他のスタッフとの連携から、診療費の計算や請求、売り上げや支払いなどの経理、診療報酬請求や公費医療請求の文書作成にいたるまで、その業務内容は多岐にわたります。

したがって、優秀な医療事務の存在は、クリニックの健全な運営に大きく影響します。全国の医療施設や調剤薬局では、その職場のルールをある程度早期に理解し「即戦力」として働ける医療事務スタッフが常に求められています。

今回は、筆者が採用面接時に重視しているポイントをお伝えします。

ポイント1.身だしなみ、挨拶などの「第一印象」

初めてのお店や場所を訪れる際、どういう雰囲気なのか、どういう店員やスタッフがいるのかわからず緊張することは至極当たり前のことです。このため、クリニックの“顔”となる医療事務スタッフの第一印象が、病院全体の評価や安心感につながるといえます。

この「第一印象」は、その多くが「非言語的コミュニケーション」によって成り立っています。

非言語的コミュニケーションとは言葉に頼らないコミュニケーションのことで、「話し方」や「表情・しぐさ」、「外見」、「態度」、「声のトーン、ボリューム・速度」などを指します。

この第一印象は「5~10秒ほど」でおおむね決まるといわれています。したがって、面接時に適切な服装であるか、身だしなみが整っているか、清潔感があるかなど、そのクリニックのイメージとマッチしているかが重要になってきます。また、入室時の第一声、つまり挨拶の仕方も気をつけたいところです。

医療現場は、他業種よりも衛生的な要素が多く求められるため、身だしなみについてはより気を遣う必要があるでしょう。くつやカバンなどの持ち物にも、汚れがひどくないかチェックしておく必要があります。

ポイント2.コミュニケーション能力

また、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も医療事務スタッフに求められるスキルです。

ご存知の通り、医療事務スタッフは医師や看護師などと協力をしながら医療機関を運営します。チームとして円滑に業務を遂行するうえで重要なポジションとなる医療事務スタッフには、このようなスキルが不可欠です。

ここでの「コミュニケーション能力」は、面接時にまず会話が成り立つかどうかということです。決してアナウンサーレベルの話術は必要ありませんが、質問に対してしっかりとした意思疎通ができるかどうかが見られます。

基本的には、こちらの質問に対しての返答が明確でその理由がわかりやすく、意図をしっかりと汲めているかを見ています。そうでないと、業務や他スタッフとの人間関係構築が困難な可能性があるなど、ネガティブな印象を持ってしまいます。

プライベートの充実度」も重要

面接時、質問内容としては、筆者は以下のようなことを尋ねます。

  • 志望動機
  • 自分のキャリアを振り返って、どういうことに一生懸命取り組んできたか
  • 人に負けない自信があることはあるか
  • 座右の銘
  • 職歴で学んだことやインパクトがあったこと
  • これまでのキャリアプランと就職における意気込み

筆者は上記のような質問にしっかりと回答できる人を優先的に採用しています。面接時間も15分程度と短時間にして、先に簡潔に骨子・結論を述べてからその理由を肉付けし、最後に重要なことをまとめられるかどうか、わかりやすく要点を絞った話し方かどうかを見極めています。

また、受診患者に対して一様な話し方ではクリニック受付としては不十分です。このため、話し方も重要であり、あえてゆっくりと少し大きな声で、余力があれば緩急や声のトーンの大小を音楽の楽曲のようにつけてみることも、正しい日本語・敬語などの言葉遣いと同様に重視するポイントです。

また、筆者は

  • 学生時代の思い出
  • 自分の趣味で語れること
  • 自分の家族のこと
  • 最近話題になっているニュース
  • 前職の1日の過ごし方と休日の過ごし方
  • 医療以外の職種経験がある方はその強み

についても質問することが多いです。最終的に採用を検討する人にはクリニックを見学してもらい、いい点や改善点、疑問点などを聞きます。また、現在のスタッフとも会話してもらい、多角的に採否を判断します。

自分の趣味やこれまでの経験を具体的に語れる人は、組織のリーダーを任せられる傾向があり、人柄も良好であることが多いため、プライベートが充実しているかどうかも採用基準の1つの軸にしています。

また、育児や介護の問題を抱えながら勤務するスタッフも多いため、その部分もしっかりと把握していきます。急な欠勤の可能性があるか、その際にカバーができるかどうかなど、家族の状況なども重視し、もしこういった部分に難がある場合には、採用形態を変えることも検討します。こうした事情を聞かずにそのまま採用すると、数ヵ月以内に早期退職となってしまい、再び募集をかける必要が出るなど、採用コストと時間が水の泡となってしまうためです。

まとめ

以上、これまでの

経験から筆者が医療スタッフの採用時に重視しているポイントを挙げてきました。どのような人材を必要としているかはクリニックによって異なると思いますが、採用時の参考にしていただければ幸いです。

出典:Medical LIVES 高座渋谷つばさクリニック

いつも数パーセントは疑う 裏切られてもしょうがないという覚悟が信頼関係を生む

「疑うよりも、信じなさい」・・・平和な環境の証明でしょうか。そんな安心神話が、いまもこの国の中には根付いているようです。

人間関係や社会の中では、人を信じることが「善」であり、疑うことは「悪」のように思われがちです。

 でもそんなふうに信じた結果、「信じていたのに」「まさか、こんなことになるなんて」ということは少なくありません。

 小さい人間関係から、会社の経営方針、商品のラベル表示、過大な広告、政治家のもっともらしいコメント、頻繁におきている「詐欺事件」、一方的な側面から伝えるニュースなど、相手の言うことを鵜呑みにして振り回されること、ミスや間違いに「ひどい!」と被害者になって、過剰反応することってあるのではないでしょうか?

 海外では、安全な先進国であっても、なかなか相手を信用しません。注意深く相手を観察した上で、信頼関係を築こうとします。例えば、東南アジアの大都市に生きる人々は「そんなの、初めから信じる方がおかしい!」と相手にそれほど期待していません。

 いいとか、悪いとかではなく、信じるだけではあまりにも無防備なのです。私たちは、簡単にかわいそうな被害者になってはいけない。それには最初は疑ってもいいのです。いえ、少しぐらい疑った方が良い。

 考えてみれば、100%信じるということは相手に対して「あなたは絶対に間違ってはいけない。100%こちらの信頼にこたえるべきだ」と押し付ける傲慢さが潜んでいます。

一見ピュアな「信じる」という心の下にあるのは「関心をもつこと」「自分で考える事」への放棄とも言えます。

 人は間違うこともあるのです。自分だって間違うのですから、相手に対して、完璧な情報を伝えろ、ということは出来ないはず。どうやら我々も「少しは疑うこと」をトレーニングする時期に来ているようです。数パーセントまたは数十パーセント疑ってみて、相手が間違っていた時に、「ああ、そんなこともあるだろうなと思った」と許す寛大さ、リスクや対策を考えておく賢明さが必要な気がします。

「疑うこと」と「信じること」は反対のことではありません。「疑うこと」と「信じること」は表裏一体。信じるものを見つけるために疑うことも必要。そして、100%でなくても

「信頼できるもの」を見極める目を持つことです。万が一裏切られたらしょうがないという覚悟で向き合っていくことが、お互いの信頼関係を築いていくと思うのです。(「上機嫌に生きる」より)

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れない、注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われると上司は注意する出来ないのではないかと思ってしまうケースも散見されます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、厚生労働省は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 

悩みは「解決できる問題」と「解決できない問題」に仕分けする      ~変えられることだけに集中する~

悩みがあるとき、そのほとんどは問題と感情がごちゃごちゃに 絡み合って、解決しづらくなっているものです。例えば、仕事のミスが多くて、落ち込みさらにミスが起こるという悪循環。仕事は終わらないし、上司からは嫌味を言われる・・・というとき。

 

「私って、経験を積んだはずなのにどうしてミスがおおいのだろう」「でも私ばっかり仕事がおおいんだもの」「上司って私のことがきらいなのかしら」など余計なことを考えて、モヤモヤ、イライラが募ってきます。

 しかし、むやみに考えていると小さな問題も大きくなりがち、憂鬱な感情にひきずられて

他のことも楽しめなくなってしまうでしょう。

 ここで、「悔しい」「悲しい」「落ち込む」「腹が立つ」など不毛な感情をいったん切り離して、問題を「解決できる問題」「解決できない問題」仕分けをすることをお勧めします。

 

「他人の事」「過去のこと」は解決できない問題になります。

人間関係のことあれこれや、過去の後悔などは、どれだけ考えてもしょうがない。さっさと気持ちを切り替え前に進む事が賢明です。

「自分のこと」「未来のこと」は解決できる問題です。いまよりももっと良くするためには、できる事はあるはずです。「解決できる問題」なら「今自分になにができるか」をシンプルに考えればいいのです。

 ここで起こっているのは「ミスが多い」という現状の問題。「なぜミスしてしまうのか」原因と対策を考えると、最後の確認を怠らない、一度いわれたことは二度と繰り返さないなど、自分の変革を見つけ行動も変えられるはずです。小さな目標を決めて成功体験を積み重ねていくうち、不安や怒り、モヤモヤは薄らいできて、自身も取り戻せます。

 このような「解決できる問題」「解決できない問題」に仕分けする癖ができると、ストレスは軽減して、毎日を積極的にたのしめるようになります。

 

医師等 働き方改革助成金の新設

令和6年4月1日から、医業に従事する医師にも、時間外労働の上限規制が適用されます。
このコースは、生産性を向上させ、労働時間の削減や勤務間インターバル制度の導入、医師の
働き方改革の推進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主の皆さまを支援します。ぜひご
活用ください。

 

医師働き方改革助成金

 

初対面でも、相手の名前を呼ぶ ~最も心地よくこころに響くのは自分の名前~

ホテルについたときに、玄関のベルマンの方に「○○様、お待ちしていました」といわれると、何か特別扱いをされたようで、とてもうれしく思うのは私だけではないと思います。

このホテルの支配人にお話しをお伺いしたとき、このような挨拶をホテルマン教育の一つとして取り入れていらっしゃるとのことでした。名前で呼ばれるとお客様との距離を縮めることができるからだそうです。

普段の生活の中でも、名前で呼ばれるだけで、親近感は覚えるものです。

初対面の時は、名刺の交換をしたり、お互いの話をすることに夢中だったり、名前を呼ぶことにちょっと抵抗があったりして、あとて「あれ?名前は何だっけ?」となることが少なくありません。

そうならないように、会話の中でさりげなく名前を入れてしまうといいかもしれません。

「○○さん、珍しいお名前ですが、ご出身は?」「〇〇さん、今日の天気見ました?今夜は雨かな?」とかなんとか。名前というのは、今まで一番聞いていて、一番心地よく響く言葉。人はだれでも名前を呼んでもらいたいと欲求を持っています。名前で呼ばれることには、「自分を認めてもらっている」「大切にされている」という特別感があるからです。名前を呼んでくれる人には、好印象を持ちやすくなり、信頼関係も築きやすくなります。

初対面の人だけではなく、なんとなく雑談をしたり、頼み事をしたりするとき、名前を呼ばなくても会話は成立するので、あえて名前をよばないこともあります。でも・・・・

「どう、思う?」というより「〇〇さんは、どう思う?」

「これ、お願い」というより「〇〇にお願いしたいんだけど」。名前をちりばめる方が、相手もちゃんと応えようとしてくれます。相手の大切にしているものに敬意を表して言葉にする。名前を呼ぶことは、お互いの心を開くカギといってもいいかもしれません。

 

遠隔診療の推進に向けた基本方針案を大筋で了承―社保審医療部会

社会保障審議会の医療部会は5月12日、「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針(案)」を大筋で了承した。遠隔診療を推進するため都道府県や市町村に積極的な関与を求め、対応の方向性を記載した。厚生労働省は今後、必要な修文を加えた上で、医療機関向けの事例集とともに来月にも事務連絡を発出し、関係者に周知する考え。

  

基本方針案は、遠隔医療を「オンライン診療等(医師と患者間での遠隔医療)」と「医師等医療従事者間での遠隔医療」の2つの類型に大別し、現状の課題や各関係者が取り組むべき施策を整理。

  

このうちオンライン診療等は、「患者向けに診療、診断、診断結果の伝達、処方、医療機関への受診勧奨などをリアルタイムで行う行為」と定義。現状の課題には、(1)オンライン診療に関する医療機関の職員のリテラシーの向上、(2)オンライン診療等に用いるシステムの導入・運用、(3)オンライン診療等に関する患者の理解促進―などを挙げた。

     

■都道府県・市町村に住民がオンライン診療対応施設を把握しやすい工夫を要請

   

これら課題への対応策では、国に対して、医療機関が導入時に参考にできるよう、①事例集(利用した医師や患者の意見、利用した情報通信機器等)、②手引き書(オンライン診療等の利用手順、処方薬の受渡し方法等)③チェックリスト(オンライン診療指針遵守の確認、オンライン診療の実施の際に患者に対して説明すべき内容等)―の作成を要請。都道府県と市町村に対しては、地域でオンライン診療を実施している医療機関を住民が把握しやすいように工夫することなどを求めた。

  

一方、医師等医療従事者間の遠隔医療には、遠隔放射線画像診断、遠隔病理画像診断、遠隔コンサルテーション、遠隔カンファレンス、遠隔救急支援、12誘導心電図伝送、遠隔ICU、遠隔手術指導などが含まれることを示した。その推進にあたっては、遠隔にいる医師(医療従事者等)の役割と責任の範囲の明確化や、個人情報保護法制に沿った患者の医療情報の共有などが課題になることを指摘。

   

対応策ではオンライン診療等と同様、国に対し、医療機関向けの事例集や手引きの作成を要請するとともに、都道府県・市町村には、地域における遠隔医療の先行事例を把握し、導入検討中の医療機関に導入済み医療機関を紹介するなど、医療機関間の連携関係構築を支援することを求めた。(WEB医事新報)

 

会話のなかで「私たち」と呼びかける ~同じことを共有すれば、人間関係は自然と和らぐ~

ときどきセミナーで「二人組になってお互いの共通点をみつけましょう」というワークショップをやることがあります。これをすると、一気にセミナーが楽しい雰囲気になり盛り上がるという、講師としての目論見があるのですが・・・ただそれだけでなく、思わぬ共通点を見つけると、それをきっかけに仲良くなっていいご縁に発展することもあるからです。人は、見つけようとすれば、結構ニッチな、ローカルな?共通点は見つかるものです。どんな相手であっても、なにかしら共通するものがあると、それが「共感」「親近感」になり、「仲間意識」になっていきます。

 私は、共通点を見つけると「私たち」という言葉で、仲間にしてしまいます。職場の中で苦手な人がいても、対立する人がいても、同じ会社で働いていて、同じ目的を共有しています。「私たちは、ここを注意した方がいいですね」「私たちがやってきたことの成果は、ちゃんと現れていますね」というように「私たち」という言葉をつかうと、人間関係が不思議にも和らいでいきます。

 近しい人にも「私たち、いい経験したね」「私たちって、そういうところあるよね」などと言って、同じことを共有していることで、かけがえのない相手に感じられます。また相手に「~してほしい」という要求するよりも「私たちがやるべきことは~だよね」というに

一緒に解決しようとする姿勢の方が相手もすんなりと受け入れられるでしょう。

 ただし、「わたしたち」という共通性と同じくらいに大切なことは「それぞれが違う点もある」というように双方の「違い」も尊重することです。「私たち」と「それぞれ」を使い分けて、いい距離感をもつことが、いい人間関係をつくるコツのようです。

福祉・医療人材の人間力向上研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしましたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れようとしません。注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われてしまうようでは、上司としては、注意すること自体出来なくなってしまいます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

 

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、裁判例によると、「合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えた、いわゆるパワーハラスメント」(名古屋高裁H191031)「人格、存在自体を否定するもの」(東京地裁H191015)といった要素が挙げられています。

また厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(H24130日)は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

 また、ご質問のように、パワハラのとらえ方としてよくあるものが「相手がパワハラと感じたらパワハラ行為になる」などと、あたかも相手の感じ方でパワハラ行為か否かが決まってしまうといったような誤った認識があります。このような認識が原因で、必要に応じて部下を強く指導・教育する必要があっても、それを躊躇してしまうようなこともあるのではないかと思います。重要なことは、「相手がその行為をどう感じたかではなく」、その行為自体に「社会通念上、許容される範囲を超える」ところがあったか否か、ということになります。

 

さて、御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 また、最近はスマホなどを使用し、指導教育の内容を「無断録音」されているようなケースも多いのではないかと思います。この場合、当然ながら「言った、言わない」という話にはならないわけで録音された発言が、それに該当するか否かが判断されるわけです。このことを踏まえると、いつも録音されているという認識をもつことで、自身の言動の抑止力にもなり、冷静な態度で指導教育が行われるのではないでしょうか。

                                   以上

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