医療
A 個人情報保護の誓約書を提出させておきましょう。
個人情報保護の誓約とは
そもそも労働者は労働契約を締結した時点で、特約がなくても、信義則上守秘義務を負い、
退職後も機密情報を漏洩してはならないという義務が認められるという考え方があります。
しかしながら、元スタッフが「患者さんの中に有名人の誰々がいた」などと軽率に友人や家族に話したりSNSに書き込んだりする人がいます。特に人間関係の悪化でやめていった場合には、腹いせで恋に内部情報や患者さん情報を漏洩されてしまうようなケースもあります。
退職後は労働者と使用の間には老契約関係は存在しませんので、退職時に「在職中に知りえたほかのスタッフや役員、患者さんに関する個人情報の開示をいたしません」という個人情報の誓約書をとっておくことが必要になります。
ただ誓約書といっても損害の程度と責任とを総合的に判断し損害倍書が請求できるという民事の範疇のものであり、法的拘束のあるものではありません。とはいえ、「行動抑止」にはつながることもありますので、退職時には誓約書を提出してもらいましょう。
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A 労働基準法41条の除外規定として、労基法上の管理監督者は深夜業務を除く、労働時間に関する規定は適用されないと定めています。まずは、労基法上の管理監督者とはどのよう方を指すのかを確認しておきたいと思います。ここでいう、「管理監督者」とは下記の要件を全て満たす方を指します。
1,人事権を持ち、事業経営にも参加している(ここでいう人事権とは、いわゆる異動を含む人事権で、人事評価しているだけでは不十分)
2,自分自身の勤務時間について自由裁量が認められている
3、一般社員と比べて、十分な報酬を得ている
これらの3点を、勤務の実態として適用されている必要があります。単に役職名では判断できません。つまり休日、時間外労働の規制をうけない「管理監督者」に該当するかどうかは、具体的な権限や給与、勤務実態で判断が必要ということになります。
例えば、多くの介護事業所ではシフト勤務で勤怠管理を行っていますが、常態として勤務シフトに入っている働き方をしているような管理者がいた場合、勤務時間の自由裁量がないと判断され、管理監督者ではなく、一般社員とみなされる可能性もあります。
先ほど、管理監督者に該当するか否かを判断するときに、単に役職名での判断ではなく、勤務の実態で判断しなければならないとしましたが、多くの介護事業では職責(役職)で、それを判断している場合が多い上に、介護保険制度における「管理者」と労基法における管理監督者を混同してしまうケースもあるので注意が必要です。一般的には、理事長、社長、施設長、事業所長、事務長くらいまでの立場の方がそれに該当するケースが多いと考えられます。もし、それ以下の役職の方(例えば、主任、副主任やリーダー等)を管理監督者の扱いにして残業代などを支給していない場合は、一度、その方の業務や給与の実態を確認してみる必要があると思います。その結果、管理監督職に該当しない方に、残業手当等を支給していない場合には、労基署からは残業代未払いの扱いとして、「3年間分を遡及して」支払うといった是正勧告を受けるリスクがあります。
2,また、管理監督者には残業代は支給されませんが、勤務時間管理自体は必要となります。これは、給与計算上の必要性ではなく、管理監督者の健康管理の問題によるものです。管理監督者はその責任の重さから、過重労働になってしまうケースは相変わらず多く、それが深刻化するとメンタル疾患につながる場合も見られます。従って、経営者や人事担当者は
管理監督者の労働時間には常に注意を払い、管理監督者の健康管理に十分注意することが重要です。
3,さて、今回ご質問のあった管理監督者における遅刻・早退・欠勤に関する給与の扱い
についてですが、その方が管理監督者に該当することを前提とした場合に、先述の要件
の「勤務時間の自由裁量」の点が問題になります。
つまり、管理監督者は勤務時間に裁量が認められていることから、始業時刻から遅れて
出社(遅刻)しても給与減額扱いにはなりませんし、また終業時刻より遅くなっても残
業手当はつかないことになります。
ただ、欠勤の扱いにつきましては、管理監督者であっても「就業義務」自体はありますので、その義務が果たされない場合に該当すると判断され、給与も欠勤控除として減額することになります。
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厚生労働省は12月5日の社会保障審議会医療部会に、オンライン診療の場所の拡大について、具体案の骨子を提示した。医療資源の少ないへき地などが対象の限定的な措置として、公民館等の身近な場所にオンライン診療のための医師が常駐しない診療所の開設を認める。委員から反対意見は出なかった。部会は今後も検討を継続し、年度内を目処に一定の結論を出す考え。
オンライン診療の指針では、仕事の忙しさなどから医療機関から足が遠のきがちな現役世代の受診機会を確保する観点から、医療の提供場所として医療法で規定されている医療機関、老人保健施設など以外に、患者の職場でのオンライン診療受診を認めている。この取扱いを踏まえ、政府の「規制改革実施計画」(2022年6月7日閣議決定)は、デジタルデバイスに明るくない高齢者向けに、新たに公民館や通所介護事業所といった身近な場での受診を可能にするための検討を行うよう厚労省に求めていた。
これを受けて部会は今年8月の会合でこのテーマについて議論。その際、過疎地や中山間地域といった医療資源が少ない地域では医療の機会確保の有効な手段となり得るとの意見が多く示されたことから、厚労省は今回、対象地域をへき地に限定する形で骨子をまとめ、部会に提示した。
■巡回診療の特例を基準に判断、基準を超える場合のみ診療所の開設届出が必要
具体的には、へき地等において公民館や郵便局等の身近な場所にオンライン診療のための医師が常駐しない診療所を開設できるようにする。その上で、既存の巡回診療の特例の基準を参考に、オンライン診療が定期的に反覆継続(おおむね毎週2回以上)して行われることのないもの、または一定の地点において継続(おおむね3日以上)して行われることのないものであれば巡回診療の特例を適用し、巡回診療の実施計画の届出を行えば診療所の開設は不要とする、特例の基準を超える場合は、医師が常駐しない診療所の開設を届け出る―と取扱を整理した。医師常駐不要の診療所の具体的な設置場所などについて、都道府県の関与を求める考えも示した。 (医療新報より)
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事業主等が雇用する労働者に対して、事前に作成した計画に沿って職務に関連した訓練を実施する場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
詳細は
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A、試用期間であったとしても、簡単に解雇することはできません。一般的には試用期間の解雇基準が、本採用スタッフに対する解雇基準よりやや穏やかであるとはいえ、能力不足により解雇が裁判上有効とされるケースはまれで、繰り返し指導をしても改善か見込めないなどの「改善可能性」な無いと判断されるような、やむを得ない理由が必要です。
1,試用期間とは
試用期間とはいわゆる見習の期間、つまり使用者と労働者がお互いのミスマッチを防ぐために設ける見極めの期間、として置く場合が多いと思われます。この規定は事業所の任意で設定するものであり、法律上の定義が特にありません。
過去の裁判例によれば、試用期間は「採用時には知ることが出来なかった事実が、後になって発覚することもあるから、最終決定を一時指し止めて使用者側の解約権が保持されている状態、いわゆる解雇権が留保されている期間と解されています。従って、一般の社員の解雇より解雇要件がやや緩やかにはなるものの、やはり合理的、社会通念上の相当性は求められます。
2,「業務への能力や適性に欠けている」「欠勤があまりに多い」などの理由の場合
事業所はスタッフの試用期間満了までに、業務への適性があるか、勤務態度や出勤状況は良好か、などを見極めると同時に、その都度、改善のための具体的指導・教育を尽くす義務があります。
また指導は1度や2度といった程度ではなく、度重なる指導・教育にも関わらず改善が盛られない、といった事実とそのエビデンスが必要になります。判例も「試用期間中のものに責められるべき事実があったとしても、それに対して直ちに解雇をもって臨むことなく会社には社会的見地から合理的範囲内で、その矯正・教育に尽くすべく義務がある」というものです(高橋ビルディング事件、大阪高裁)
3,一定の能力を持つ経験者を募集し、本人もその能力を保証していた場合
求人票の記載や採用時の面接で、事業所が求める耄碌や技能について応募者自ら「できます」とか「お役に立てます」と保証していたにも関わらず、実際には事業所の求める水準には達していなかった場合には、試用期間中の解雇は認められやすいといえます。
経験と能力を前提にしている採用であれば、その前提を記載した労働契約書を締結しておくことも有効な手段の一つです。例えばクリニックさんであれば、「レセプト業務の単独遂行」「○○検査の実施」などと具体的に明記し、その業務を前提にしたさいようであることがわかるようにしておくこともいいでしょう。
4,解雇は難しい
そもそも能力が低いからということで解雇は出来ません。多少能力が低い程度では改善可能性があると判断されることが多いのです。解雇が裁判上有効とされるには「何度も是正のために注意し、反省を促したにも関わらず改善されない」など今後の改善見込が無いレベルが要求されます。
「アナウンサーが2週間に2回寝坊をして遅刻、放送が二度流れなかった」事案でも結果として会社からの解雇は認められなかったのです。裁判所の判断は、「教育指導をしていけば改善可能性がある」というものでした。つまり、それだけ解雇は難しいということであり
一端採用したら粘り強く、指導していくことが必要です。
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A 「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。
どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。
それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。
現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。
一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。
下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。
- 具体的な内容を質問する
漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。
・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか
具体的に言ってください」
・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」
- 人間関係についてどう考えているか確認する。
人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。
・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」
・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」
- 求職者からの質問を引き出す
面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。
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財務省は7日、財政制度等審議会財政制度分科会に資料を提出しました。その中で、医療費は新型コロナウイルス感染拡大前の水準に回復しており「医療機関の経営は近年になく好調」との認識を表明しました。同省は、22年度の概算医療費が45.8兆円になると機械的に推計し、そのうち特例的な補助金や診療報酬が年間4兆円にのぼることから、早急に縮小・廃止すべきと主張しました。また、医療提供体制について「機能強化加算」の期待された算定と実態がまったく異なっていると指摘し、かかりつけ医機能制度の整備の必要性を強調しています。 |
財務省は11月7日の財政制度等審議会財政制度分科会に提出した資料で、医療費は新型コロナウイルス感染拡大前の水準に回復しており、コロナ関係の補助金収入や診療報酬上の特例などで「医療機関の経営は近年になく好調」との認識を表明。「特例的な補助金や診療報酬は、国民負担によって賄われることを踏まえれば、早急に縮小、廃止すべき」と主張した。分科会は2023年度の予算編成に関する議論を進めており、今月下旬にも建議をまとめる見通しだ。
財務省は概算医療費やコロナ関係補助金の直近の実績から、22年度の概算医療費は45.8兆円(うち、診療報酬上の特例分0.4兆円)、補助金見込額は3.5兆円、両者を合算した総額は49.3兆円になると機械的に推計。その上で、「既にコロナ前の報酬水準(医療費水準)を回復している医療機関に対し、補助金と診療報酬の特例で年間4兆円程度を支援することとなる見込み」と問題提起した。
個別施策では23年度の薬価の中間年改定について、物価高における国民負担軽減の観点から、全品目への対象拡大や実勢価改定に連動しないルールの適用などを含む、薬価改定の「完全実施」を要望。22年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋による医療費効率化効果の早急な検証も求めた。
■「機能強化加算」は本来の想定と「算定の実態がまったく異なっている」
医療提供体制では、かかりつけ医機能の制度整備の必要性を強調。ただ、かかりつけ医機能の診療報酬上の評価である「機能強化加算」については、健康保険組合連合会の調査で算定患者の6割で再診がなく、生活習慣病患者での算定割合が低いことが明らかになるなど、「本来は初診患者の中でもより継続的な管理が必要な疾患を有する患者への算定が期待されながらも、算定の実態がまったく異なっており、外来機能の分化につながっていない」と指摘した
(医事日報より)
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次の介護保険制度の改正が実施される2024年度から、全ての介護事業者に財務諸表の公表が義務付けられる可能性が高い。11月14日の審議会で厚生労働省が提案した。委員からの反対意見は特に出ていないと聞く。【小濱道博】
国は現在、社会福祉法人や障害福祉事業者には既に財務諸表の公表を課している。介護事業者にも財務諸表を公表させる方向は、以前から「骨太の方針2022」や財務省の審議会でも示されていた。今後は社会福祉法人と同様に、情報提供のための全国的な財務諸表開示システムが整備され、データベースが構築されていくだろう。
これまで厚労省は、介護事業所の決算データの収集を、3年ごとに実施される「経営実態調査」などを通じて行ってきた。
しかし、これは一部の事業所のみを対象とするサンプル調査。介護業界全体の財務状況を的確に把握しているとは言い難い。介護職員の「処遇改善加算」などの検証も同様だ。介護事業者の財務状況を網羅的にデータベース化することで、介護報酬改定や処遇改善などをめぐる議論のエビデンスの精度が高まり、より的確な政策をとれるようになるだろう。
問題は介護現場の事務負担だ。提出すべき決算データは、単に税務署に提出している決算書そのものではない。複数の拠点や併設サービスがある場合、その拠点ごと、サービスごとの損益計算書を、「会計の区分」に従って個別に作成して提出しなければならない。
「会計の区分」とは、国のルール(厚生省令37号などの解釈通知)に規定された運営基準の1つである。同一法人で複数のサービス拠点を運営している場合は、その拠点ごとに会計を分けなければならない。これを会計用語では「本支店会計」と言う。また、同一の拠点で複数のサービスを営んでいる場合は、それぞれを分けて会計処理を行う。これを「部門別会計」と言う。
会計を分けるとは、少なくとも決算書を作成する時点で、損益計算書をそれぞれ別々に作成するということである。収入だけでなく、給与や電気代、ガソリン代など全ての経費を拠点ごと、部門ごとに分けなければならない。これは、税務署に提出する決算書では求められていない作業である。
とはいえ、こうした作業は国のルールに規定された運営基準であるため、介護事業者は既に実施している必要がある。厚労省から見ると当初からの義務であり、介護現場の新たな負担増にはならないのだ。しかし、現実には実施している事業者は少なく、特に小規模法人での事務負担の増加が懸念される。
「会計の区分」は、先に記したとおり、新たに求められる作業ではなく、従来からの運営基準の1つである。ただ中小の事業者は、事務員を独自に雇用することは少なく、経営者自らが会計業務を担当していたり、会計事務所に記帳代行で丸投げしていたりするケースも少なくない。
しかし、会計事務所が行っているのは「税務会計」と言って、税金の計算のための会計である。「会計の区分」とは全く別物であり、この運営基準があることを多くの会計事務所はまだ知らない。
そのため「会計の区分」に対応できない可能性もあり、別に処理料金が発生するケースも想定される。介護事業者は、介護事業に精通している会計事務所を選ぶべきだろう。今回の財務諸表の公表義務化を機に、こうした点をしっかりと見極める必要がある。(介護ニュースより)
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2024年度に控える次の介護保険制度改正をめぐる議論が佳境に入った。
要介護1と2の高齢者に対する訪問介護、通所介護を市町村ごとの「総合事業」へ移管する構想について、今回は見送られるとの観測が強まっている。居宅介護支援のケアマネジメントで利用者負担を新たに徴収する案も、同様に見送られるという見方が広がっている。政府は年内に大枠の方針を決定する予定。
現場の関係者の抵抗が極めて強く、与党議員からも反対意見が噴出している。新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰などで利用者、事業者がともに苦しむなか、介護現場にとって厳しい制度改正は避けるべきという主張が多い。内閣支持率の低迷が影響を与えている、との指摘も少なくない。
厚生労働省もこれらを踏まえ、慎重に検討を進める姿勢をみせている。関係者の1人は、「(改正断行は)かなり難しい」と漏らす。28日の審議会でも、利用者、事業者の立場を代表する委員から強い反発の声が続出した。
自民党は29日朝の会合でこのテーマを俎上に載せた。幹部の1人は、「そろそろ党としての方針を決めなければいけない」と挨拶。調整にあたっている関係者は、「財務省はまだ諦めていない。最期まで油断できない」と話した。(介護ニュースより)
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介護保険制度改正知っておきたい8つのポイント①
介護保険制度改正知っておきたい8つのポイント②
A 通常は出来ませんが、あらかじめ労働条件の変更を視野に入れた労働契約を締結していれば可能です。
労働契約の途中で事業主側が一方的に条件を変更することは原則としてできません。労働条件を変更するときは労働者との合意が必要になります。
一方、雇用期間を定めた契約であれば、契約の更新時に契約が変更になることを説明し、「新たな契約を締結しなおす」ということになります。いわゆる契約職員としての雇用形態です。
クリニックで多いのは、試用期間相当期間を「機関の定め有り」で契約し、その後に「契約期間の定めなし」の契約に転換する流れになります。つまり試用期間を3カ月に設定しているクリニックでは、採用時に通常であれば期間の定めなしで契約するところを、あえて3カ月の有期契約を結ぶということになります。そうして3カ月後に想定していた働きぶりが悪かった場合には、それに見合った新たな契約条件を提示し、本人が合意した場合には契約を更新するということになります。
但し、期間を定めた契約は、採用したものの、入職辞退につながる可能性もあることを認識しておかなければなりません。なぜなら、この3カ月の雇用期間は不安定と感じる職員もいます。優秀な人材は他のクリニックでも内定が出ている可能性があるので、別のクリニックに流れる可能性は否定できません。そのため通常であれば、「期間の定めなし」の契約として、面接などで人柄やスキルに不安が残る場合のみ「期間の定め有り」の契約にするといった運用にされるところが多いように思います。
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