医療

外来・在宅ベア評価料Ⅰ、病院9割超が届け出  福祉医療機構

福祉医療機構の調査によると、外来か在宅医療を行う医科の医療機関向けに2024年度の診療
報酬改定で新設された「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」について全322病院の90.4%に
当たる 291 病院が届け出ていた。そのうちの 290 病院は「入院ベースアップ評価料」の届け出
も済ませていた。
同評価料(Ⅰ)の届け出病院の割合を種類別で見ると、一般病院(205 カ所)が 92.7%で、
療養型病院(101カ所)は84.2%、精神科病院(16カ所)は100%だった。
医療関係職種の賃上げについて、国は診療報酬改定や賃上げ促進税制の活用などで24年度に
2.5%、25年度に2.0%のベースアップを目指すとしている。
調査では、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)を届け出ている病院に今後のベースアップ
を確認したところ、162病院が24年度に2.5%、73病院は25年度に2.1%(共に中央値)の賃
上げを予定していた。ほかは未定だった。福祉医療機構は、「おおむね(国の)目標値と一致し
た結果となった」と指摘。ただ、24年春闘の全産業平均の賃上げ率が5.10%だったのを踏まえ
ると、「賃金格差は広がっている」との考えも示している。

調査は、福祉医療機構の貸付先のうち、高度急性期の病棟・病床や急性期一般入院基本料、
療養病棟入院基本料、地域包括医療病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料、
回復期リハビリテーション病棟入院料・入院医療管理料などのいずれかを届け出ている病院を
運営する1,466法人を対象にウェブ上で実施。24年9月9日から10月11日にかけて298法人
(322病院)から回答を得た。
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届け出を予定している病院(11 病院)と届け出済み
の291病院を合わせると、300病院を超えた。
一方、20病院(6.2%)は届け出の予定なしと回答。その理由として、最多は「資金に余裕が
ない」(35.0%)。次いで、「次回診療報酬改定以降の見通しが立たない」「コスト・手間が加算
額に見合わない」(共に 25.0%)で、「昨年度に既に賃金の改善を実施した」(5.0%)という病
院もあった。(メディカルウェーブ記事より)

人間力を高める「良い習慣」を身に着けるコツとその効果

私は、いつからかは忘れましたが「朝起きたときにベッドを整える」という習慣を毎朝、繰り返しています。基本的のずぼらな人間で、ときどき「面倒だな、今日は放置でいいか」と思うこともありますが、何となく自分の中でルールにしているので、体が動いてしまうもの。なまけ心が出てきそうな時こそ、やってしまえば気分が良いものです。「ひとつ終わった。さて、動き出しましょう」とばかり少しの清々しさで一日を始められるます。そんな些細なことが、一日を作り、自分を作っていくと実感するのです。

 不思議なもので、良い習慣が一つ身に着くと、他の動きも変わっていきます。自分が少しばかり、ちゃんとした人、余裕のある人になったような気がして、無意識にそんな行動をとるようになるのです。習慣の力は、ドミノ式に良い結果をもたらしてくれることがあります。一発逆転でなくとも、その時々、明るい方向に進もうとすることで、明るい現実がゆっくり、でも確実に近づいてくるのです。

「習慣にするためのコツ」は次の三つと言われています。

  • 今すぐにできるカンタンなことから、ひとつづつやってみる。
  • 「気分がいいこと」をしっかりと味わう
  • どんなとき、何をきっかけにするかを決める

続けるためには、一度にたくさんやらないことです。そして、「ああ、すっきり」とか「気分がラクになった」とかいい気分をしっかりと味わうことです。

もうひとつ、習慣化のために大事なのは、いつ、どこで、なにをきっかけにするかを決める事。「朝、起きた時」「人に会ったとき」「イラっとしたとき」「食事をするとき」「歯を磨くとき」など「このときにこうしよう」と自分なりのルールを決めると、それが自分を変えていく小さな「仕掛け」になります。

はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人を作っていくのです。

Q、現場での仕事が好きで、管理者にはなりたくない(なれない)職員には、 キャリアアップの仕組みを適用できない?

A、キャリアパスは個人の能力・適正に応じて、「指導・監督層」になるコースとは別に「専門職」コースを準備し、専門職のキャリアステップと昇給制度で運用しています。

現場では、「優秀な職員ほど役職にはつきたがらない」とか、「知識・技術面でわからないことについて、皆が教えてもらえる職員は決まっており、しかもその職員は役職者ではない」、といった話がよく聞かれます。そこで考えるべきなのが、キャリアパスにおける「複線化」です。つまり、キャリアパスに描かれた昇格ラインによらずに、役職にはつかずに専ら専門性を高め、組織に貢献するキャリアパスを作ることです。この階層を「専門職」として、上級介護職の水準を超える水準をもって処遇します。この場合、当該職員はマネジメント業務を行わず、専ら好きな介護の道を追い続けても、相応の処遇が保障されることになります。専門性の高さを認められてこその処遇なので、職員のプライドも充足することができます。

また、優秀な人材を滞留させては離職につながりかねません。中小企業の中には職員が自らポストの数を読んで、諦めムードが漂っているようなケースも散見されますが、「専任職」を設けて、「当法人は、管理上の役職だけがポストではない。専任職というスキル面のリーダーもあり、相応に処遇する」と周知すれば閉塞感が一気に変わるはずです。

Q&A  採用面接で質問してほしい3つのポイント

Q 当法人では新卒採用・中途採用ともの計画的に行っていますが、せっかく採用しても

 なかなか定着せず、早いと3か月未満で退職する人もいます。何とか定着をしていただくように取り組みを行っていますが、採用面接ではどのような点に気をつけたら良いでしょうか。

 

A 「採用での失敗は、育成でカバーすることは難しい」とも言われます。

どのような人を採用するか、これは言うまでもなく、事業運営の中で最も重要な事項といっても過言ではないでしょう。社員の定着のためには「定着するような人材を採用する」といった方が現実的かもしれません。しかし、実際には人手不足の際には、「応募してくれた方は、多少気になる点があってもほとんど採用する」という状況は、決してめずらしいことではありません。このようなことを繰り替えしていると「すぐに辞めるような人」を採用していることになりかねません。

それでは「辞めない人材」とはいったいどんな人材なのでしょうか。それは法人理念に共感できる職員を選ぶことです。理念に共感できるとは、法人として「大切にしたい価値観」の共有ができる方と言ってもいいかもしれません。

 現場が人手不足の状況なので、ついつい早く人を「補充」したいという考えから、候補者の過去の経験、職務のスキル、資格などを重視した基準で採用を決定する場合も多いと思います。ただ、結果として、このような情報は、意外とあてにならないという経験をされた経営者も多いのではないかと思います。そこで、重要なのは「その方の価値感が法人の価値観や考え方に合うかどうか」ということになるのですが、問題はそれをどのように見極めるか、ということになります。もちろん、価値観が垣間見れるような質問内容を、事前にしっかり準備しておく必要がありますし、その結果を面接官複数の目で見て、客観的な指標にまで落とし込んでいくことをお勧めしています。

 

一方、候補者もそれなりに準備をして面接に臨みますので、なかなかホンネの部分までは見極めるのは難しいものです。ある法人の理事長は、法人創設の経緯や経営理念をできる限りわかりやすく、そして何度も何度もしつこいぐらいに伝え(これが重要ということです)、それを聞いている表情や反応で、十分判断できるということをおっしゃいます。また、ある施設長は、事前に施設見学(かなり細部にわたる現場見学)を行っていただき、そこで感じた内容を、どれだけ自分の言葉で伝えられるかをみている、と言います。このような方法ですと、事前の準備ではなく、過去の経験が本人の言葉で出てくることが多く、その方の現在の感じ方や価値観が、よりリアルに伝わってくるといいます。

下記に面接のときの質問の留意点をお伝えいたしますのでご参考にしてください。

 

  • 具体的な内容を質問する

 漠然とした回答ではなく、具体的な回答を聞くことで本音を見出します。

 ・「なぜこの仕事を選んだのか、人の役に立つとはということは、どういうことなのか

  具体的に言ってください」

 ・「採用された場合、あなたの能力をどういった仕事に活かしたいですか。具体的にこたえてください」

  • 人間関係についてどう考えているか確認する。

 人間関係の関する質問は、入職後のトラブル回避にためにも非常に重要です。

 ・「入職後、法人とあなたの方向性や想いが異なる時、あなたはどのようにしますか?」

 ・「同僚との意見が食い違う場合、あなたは意見を通しますか、黙りますか、また通すとしたらどんな方法で?」

  • 求職者からの質問を引き出す

 面接試験で一通り質問が終わったら、必ず求職者に対して質問がないか確認します。面接が終わったという安心感から本音が見え隠れすることがあり、人間性を確認できることもあるようです。求職者が質問する内容は、採用された場合のことを想定していることが多いため、「どの部分に興味を示しているか=本当の志望動機」がわかることも多いように思います。

職種別給与の報告義務化検討へ 閣僚折衝で合意 厚労、財務両省

2025 年度予算案の編成を巡り、福岡資麿厚生労働相は25日、加藤勝信財務相と折衝を行い、
医療法人の経営情報データベース(MCDB)で現在は任意とされている職種別の給与や人数の報
告を義務付けることを視野に検討することで合意した。政府は、検討結果を踏まえて「必要な
対応」を実施する方針。
また、より効率的な医療提供体制の構築に活用するため、医療法人の経営情報とそれ以外の
設置主体の経営情報を連携させ、データの分析や公表の在り方を検討していくことでも合意し
た。
政府は、25年度予算案の27日の閣議決定を目指す。
23 年8月に施行されたMCDBでは、原則全ての医療法人が病院・診療所ごとの収支などのデー
タを都道府県に報告。国は都道府県からの情報提供を取りまとめ、地域別や医療機関の規模別
などに経営状況を分析する。ただ、医師や薬剤師、看護職員など職種別の給与(給料・賞与)
や人数の報告は任意とされている。
25 年度予算案の編成を巡る閣僚折衝で、職種別の給与や人数の報告状況や内容を精査した上
で、報告の義務化を含めて情報の提出方法や内容を検討し、必要な対応を行うことで合意した。
医療法人の経営情報のさらなる「見える化」が狙い。

この日の閣僚折衝では、診療報酬の「期中改定」を25年度に行い、入院時の食費の基準額を
1 食当たり20 円引き上げることでも合意した。食材費の高騰などを踏まえた対応だが、低所得
者の負担は所得区分などに応じて一定の配慮を行う。
また、現行の高額療養費制度を見直し、患者の自己負担の限度額を25年8月から27年8月
にかけて段階的に引き上げる。
平均的な所得区分「年収約370万-約770万円」の場合、70歳未満の限度額を25年8月から
約8,100 円増の約8万8,200円とする。さらに所得区分を細かくした上で、26年8月と27年8
月にも順次引き上げる方針。
医療費が高額になった患者の自己負担を一定額に抑える高額療養費は、物価や賃金の上昇な
ど経済環境が変化する中でも、自己負担の限度額が実質的に維持されてきた。

現役世代の保険料負担の軽減を図るため、厚労省は患者の所得区分を細分化した上で、限度
額を一定程度引き上げる。併せて、70 歳以上に設けられている外来の自己負担限度額(外来特
例)も見直す。ただ、高額療養費制度のセーフティーネットとしての役割は維持する。(メディカルウェーブ記事より)

「ま、いっか」で肩の荷を下ろすことも・・・

「ま、いっか」で肩の荷を下ろすことも・・・

腹が立つこと、不安なこと、後悔することなど、受け入れがたいことに突き当たったとき、気を楽にしてくれる言葉があります。

それは「ま、いっか」。

友人の夫婦はお互い頑固で「それは違うでしょう」「あなたは間違っている」と意見がいつも平行線で、喧嘩が絶えなかったと言いますが、妻が「ま、いっか、それよりもせっかくの休日だから楽しく過ごしましょうよ」等と気持ちを切り替えることで、夫も「それもそうだね」と態度を軟化してきたとか。

相手の為に「許す」というより、「ま、いいか」で自分が楽になるのです。「気に入らないことはあるけれど、それはそれとして、前に進みましょう」という意味です。

「正しい、間違っている」を口に出し始めたら、イライラしたり、相手を攻撃したりして戦闘態勢になっている証拠。「こうじゃないといけない」と決めつけているから納得が出来ないのです。「ま、いっか」はそんな執着心から、心を自由にしてくれる言葉です。嫌なことを我慢する、問題を避けて事なかれ主義でになる、というのではありません。「他人のこと」や「過去のこと」などどうしようもないことを考えても、自分を傷つけるだけ。「ま、いっか」と言うだけで、自分も周りも肩の荷を下ろせるのです。

自分の過ちを責めてしまう時は「ま、いっか、その時はそうしたかったから」。同僚にイライラする人がいるときは「ま、いっか、そんな人だからしょうがない」。人生で深刻になることは、それほど多くはないものです。

「ま、いっか」は意外と人生をかえてくれる言葉かもしれません。

Q 自主的に始業時間前に出勤してくるスタッフに、その時間給の給料を支払う必要はありますか?

A、命令がなく、業務とは無関係な早めの出勤については、給料を支払う必要はありません。

 

労働時間とは

 労働時間とは原則として「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことを言います。つまり、院長の指示命令がないのもかかわらず勝手に出勤している時間というのは労働時間ではありません。

業務命令はなくとも業務上必要な時間は労働時間

しかし、始業時間830分からでも「815分に出勤して、これとこれをやっておかなければ、診察の受付時間である830分には開始できない」という場合があります。このことを院長がわかっていながらスタッフの善意に頼ったままで積極的な対策を講じない場合、

この15分は黙示の業務命令の下行った業務として業務時間として扱われます。命令がなくとも15分前出勤が常態化しているのであれば、業務上必要な時間であり、それは労働時間になる可能性が高いといえます。

 そもそもクリニックの始業時案は、診療受付までの準備を要する時間を見積もったうえで設定されますから830分の受付開始時間と同時に労働時間がスタートするといったところは聞いたことがありません。つまり、準備時間を15分と見積もるなら、815分が始業時間になるわけです。

掃除などをしてくれる場合には

質問のポイントは 例えば830分からの勤務時間開始でよいにも関わらず、8時からきて作業をしている場合にはどうするか」という点にあります。指示していないけれど、何かやっている、そしてタイムカードをおしている、するとこの時間に対価を支払うべきであるか、という疑問が出てくるであろうと思います。

 しかし冒頭に述べたように、あくまで労働時間は指揮命令下にある時間です。自主的に作業をしていることに対して原則、給与の支払いは必要ありません。

職場の人間関係にも配慮する

また「830分始業なのに、一番の先輩社員が8時に出勤しているため他のスタッフが全員8時に出勤している」といったケースもあります。そうすると新しく入ったスタッフから「事実上強制的に出社させられているのになぜ給料がでないの」といった文句が出てきます。そのような場合に、早く出勤するスタッフに「ほかのスタッフが影響を受けるので、あまり早く出勤しないように配慮してほしいこと」もしくは「早く出勤するのは構わないが、他のスタッフに同時の時間に出勤することを強制しないように」と伝える必要があります。

自主的に早く出勤するスタッフにも、それぞれの理由があるのでしょう。準備をしっかりとしてから仕事を始めたいというプロ意識から早く出勤するスタッフもいるでしょう。仕事の喜び、積極性、職場への貢献やチームワークといった仕事観を否定することのないよう、伝え方には十分配慮する必要があると思います。

 

タイムカードの管理

タイムカードの打刻時間は原則としてクリニックに入った時間と出た時間を示しており、必ずしもそのすべてが労働時間になるわけではありません。業務がおわりスタッフ間でおしゃべりをして帰る場合などその時間まで給料を支払う必要はないのです。

 ただし注意しなければならないのは、おしゃべりの時間わからないと、タイムカードの出勤時間から退勤時間までの時間がそのまま労働時間とみなされてしまう可能性があるということです。そのため「時間外労働は、院長の指示で行うものでおこなうものである」と周知しておくとともに、院長が承認しなかった時間がある場合にはその都度記載しておくなど、適切に把握しておくことが必要です。よくあるのは、タイムカードと時間外労働申請を並行して取り入れているケースです。例えば、17時間までの勤務の人が17時半にタイムカードが押されているような場合、時間外申請が「患者対応のため15分残業」となっていれば15分の残業代を支払えばよいということになります。このように時間外労働の管理があれば、タイムカードを押していたとしても、その分の給料をすべて支払う必要はないということになります。

電カル情報共有、医療機関はシステム改修費など負担 医療保険部会

 

厚生労働省は12 日、2025 年度に本格稼働する電子カルテ情報共有サービスの費用について
国・医療機関・保険者等のそれぞれが一定程度負担する仕組みとする案を社会保障審議会の医
療保険部会に示し、了承された。この共有サービスに参加する医療機関は、電子カルテシステ
ムの改修や運用保守の費用のほか、「3文書6情報」を登録するための費用を負担する。


ただ、病院が電子カルテシステムを改修した場合、費用の2分の 1を医療情報化支援基金か
ら補助する。また、電子カルテを導入していない医療機関に対して国が標準型電子カルテの導
入を進め、遅くとも30年にはおおむね全ての医療機関が電子カルテを導入している状態となる
ことを目指す。


電子カルテ情報共有サービスについて、システムやデータベースなどの開発・改修や、電子
カルテシステムの改修への財政補助といった立ち上げに必要な費用を国が負担する。一方、電
子カルテ情報共有サービスの仕組みが一定程度確立した後、保険者等がシステムやデータベー
スなどの運用費を負担。その費用として、厚労省は年間で18億円程度、医療保険の加入者1人
当たりでは月1.25円程度になると見込んでいる。
電子カルテ情報共有サービスは、医療機関などの間で電子的な情報共有により安全で質の高
い医療を効率的に提供していくための基盤。25年1月から全国10地域でモデル事業が始まり、
同年度中に本格稼働する。その共有サービスにより、患者(被保険者)や医療機関、保険者、
国が一定のメリットを受けることから、サービス全体に必要な費用をそれぞれが一定程度負担
する。ただ、関連のシステムやデータベースは、「3文書6情報」の共有を開始した後も、必要
な機能の追加に伴う開発が一定期間継続する見込み。また、共有サービスが一定程度普及する
までには、ある程度の期間が必要となる。そのため、国は共有サービスが速やかに普及するよ
う、あらゆる方策を講じていくとしている。(メディカルウェーブより)

Q、何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている。どうした良いでしょうか?

A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

  • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

  • 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
  • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

甘い点をつけるのは優しい上司?

「あの上司はやさしいから、評価はいつも甘いんだよね」

このような話を良き聞きますが、はたしてこのように甘い点を津得る上司は本当に優しい上司でしょうか?

私は評価者研修などでよくこのような問いかけをします。そして少し辛辣な意見になるかもしれませんが、こういいます。「それは優しいからではなく。自分がよく見られたいからです。本当に優しい上司であれば、出来ていない点に良い点数はつけないはずです。問題があることをそのままにすれば、その場では部下から「良い点をつけていただきありがとうございます」と感謝されるかもしれません。でも課題は課題のままスルーされているのです。

 課題の改善はいつまでもできないまま、年月を重ね、その上司の元では気づかれないかもしれませんが、上司がかわったりしたとき新しい上司になった人から

「なんで、この人はこの年齢なのにこれができないままなの?」と言われてしまうのです。本当に優しい上司であれば、早めにそれを指摘し、指導教育し頑張るように促すのではないでしょうか。

甘い点を付けるのは、部下の為ではなく、部下からよく見られたい、気に入られたい、低い評価をして社長から説明を求められたりするなど面倒なことは先送りしたい、といった自分自身のためにしているのではないでしょうか。

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