医療
《 田村憲久厚労相 28日 》
田村憲久厚生労働相は28日の閣議後会見で、介護報酬を0.1%上乗せしているコロナ禍の特例措置が今月末で打ち切りとなることについて、来月以降の代替措置を発表した。
介護現場の感染症対策に必要な"かかり増し経費"を、都道府県ごとに設置している基金(地域医療介護総合確保基金)を使った補助金で支援していく。
サービスを問わず、申請のあった全ての介護施設・事業所へ支払う。10月1日から12月31日までに生じる"かかり増し経費"を対象とし、サービスごとに補助上限額を設定する。
昨年度の第2次補正予算で実施された「緊急包括支援事業」の交付金のようなイメージ。厚労省は今回、平均的な規模の介護施設の補助上限額が6万円になると説明した。
障害福祉サービスについても同様に補助金を支払う。こちらの補助上限額は、平均的な規模の入所施設で3万円になるという。
田村厚労相は会見で、「補助金によって"かかりまし経費"の支援を継続する。申請手続きはできる限り簡素化していく」と理解を求めた。老健局は決まり次第ディテールを通知する予定。「まずは感染症対策の継続に係る領収書の保存をお願いします」と呼びかけている。
現行の特例措置は、介護保険の全サービスの基本報酬を0.1%上乗せするもので、今年4月から導入された。9月末までという期限付きだったため、介護関係団体などが支援の継続を求めていた経緯がある。(介護ニュースより)
《 田村憲久厚生労働相 》
コロナ禍を踏まえ各サービスの介護報酬を0.1%上乗せしている現行の特例措置について、田村憲久厚生労働相は24日の閣議後会見で、「実費補助の形へ切り替えていく」との方針を表明した。
介護現場の感染防止策に要するかかり増し経費などを、補助金で補填する形が想定されている。事業所からの申請が必要となる見通し。
補助金の規模を含めた詳細は、厚労省と財務省が詰めの調整を行っている。近く公表される予定。
この特例措置は、コロナ禍で以前より出費が増えている介護現場などを支えるためのもの。今年4月、介護報酬改定の際に9月末までという期限付きで導入された。厳しい状況の解消が見通せないなか、介護関係団体などが10月以降も続けて欲しいと求めていた経緯がある。(介護ニュースより)
来月から導入する新しいケアプラン検証の制度について、厚生労働省は22日、詳しい運用の方法や留意点などを明らかにする通知を発出した。介護保険最新情報のVol.1009で広く周知している。
対象となる事業所に対し、市町村が要介護度別に1件ずつ以上のケアプランを指定し、第1表、第2表、第3表などの届け出を依頼することと記載。依頼を受けた事業所は、指定されたケアプランに訪問介護が必要な理由などを書き込んだうえで、市町村へ届け出ることとしている。
介護保険最新情報Vol.1009
新しいケアプラン検証の制度は、
“区分支給限度基準額の利用割合が高く、サービスの大部分を訪問介護が占めるケアプランを策定している居宅介護支援を、事業所単位で抽出していく”
というもの。具体的には、以下の要件を満たす事業所がターゲットになる決まりとされた。適用は10月1日から。全体のおよそ3%の事業所がこれに該当するとみられている。
要件:事業所単位でみて、サービス費の総額が限度額に占める割合が7割以上で、その6割以上が訪問介護。
注)計画単位数を基に計算。市町村が地域の実情に応じて検証範囲を広げることも可能。
厚労省は今回の通知で、こうした新しいケアプラン検証の制度の趣旨を改めて明記。以下のように理解を求めた。
◯ サービスの利用制限を目的とするものではない。
◯ より利用者の意向や状態に合った訪問介護の提供につなげられるケアプランの作成に資することを目的とし、ケアマネジャーの視点だけでなく、多職種協働による検討を行い、必要に応じてケアプランの内容の再検討を促すためのもの。
厚労省はそのうえで、事業所の抽出、ケアプランの届け出、その検証といったステップごとに留意点などを提示した。ポイントは以下の通りだ。
1. 対象事業所の抽出
◯ 要件に該当している事業所、ケアプランの抽出が、国保連のシステムにより自動で行われる。この一覧表はサービス提供月ごとにまとめられ、少なくとも3ヵ月に1度の頻度で市町村へ送付される。
◯ 最初の送付は来年2月頃となる見通し。今年10月から12月のデータに基づく一覧表が作成される。
2. 届け出の依頼
◯ 市町村は抽出された事業所のケアプランのうち、上記の要件を満たしているものを個別に指定し、第1表、第2表、第3表、アセスメントシートなどの届け出を依頼する。
◯ ケアプランの個別指定は、最も訪問介護の利用割合が高いものなどを対象とし、要介護度別に1件以上ずつ行う。特定の要介護度の利用者がいない場合、その要介護度の届け出は不要。既に頻回生活援助の検証対象となっているものも除外される。
3. ケアプランの届け出
◯ 依頼を受けた事業所は、指定されたケアプランの妥当性を改めて検討し、そのケアプランに訪問介護が必要な理由などを記載したうえで、市町村へ届け出る。
◯ 訪問介護が必要な理由は、第2表の「サービス内容」に記載しても差し支えない。
4. ケアプランの検証
◯ 届け出を受けた市町村は、地域ケア会議などを活用し、多職種の視点でケアプランの内容を議論する。
◯ 検証方法は地域ケア会議だけでなく、市町村の職員やリハビリテーション専門職を派遣して開催する会議(サービス担当者会議の前後に行うものを含む)でも可。
5. ケアプランの再検討
◯ ケアプランの見直しが必要と指摘された事業所は、検証結果を踏まえて内容の再検討を行う。事業所内の同様・類似のケアプランについても再検討する。
◯ 適切な再検討、見直しが行われない場合、その事業所は再検証の対象となり得る。
◯ ケアプランの変更には利用者の同意が不可欠で、変更を強制することはできない。ケアマネや市町村は本人へ十分に説明しなければいけない。
※ 通知ではこのほか、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに併設する事業所などのケアプラン検証の詳細についても記されているが、そちらは
別記事でお伝え致します。(介護ニュースより)
政府内で検討が進められている新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種について、河野太郎行政改革担当相は21日の会見で、「高齢者は年明けになる。各自治体には3回目に向けた準備をお願いすることになる」と述べた。
「接種記録のデータを活用し、対象者を抽出して接種券を送ることになるだろう」との見通しも示した。介護現場の関係者らも支援に追われることになりそうだ。河野担当相は、「円滑に進むような仕組みを自治体と検討していく。なるべく接種する人の負担にならないような方法を考えて3回目に臨んでいきたい」と語った。
3回目の接種は、2回目の完了から概ね8ヵ月以上経過した人が対象となる。国内では今年2月下旬から医療従事者の先行接種が始まり、高齢者の接種が本格化したのはGW明けだった。年明けから多くの高齢者が8ヵ月以上の要件を満たしていくことになる。
厚生労働省は現在、具体的な対象者の範囲やワクチンの種類などを検討中だ。田村憲久厚労相は21日の会見で、「どういう方を対象とするか。全員とするのか。引き続き専門家とともに議論していく」と説明した。(介護ニュース)
医療機関でみられる人事労務Q&A
『懲戒処分を行う際の注意点』
Q
当院の資料を外へ持ち出して紛失した職員がいます。本人は自宅に資料が置いてあるはずと言っていますが、無断で資料を外に持ち出すことは、当院や患者の情報漏洩のリスクもあるため、懲戒処分を考えています。今まで懲戒処分を行ったことがないのですが、どのように進めたらよいでしょうか?
A
まずは、就業規則で規定する服務規律等において、外へ資料を持ち出すことを禁止しているか確認しましょう。もし禁止行為に該当するときは、どのような懲戒処分が妥当であるかを検討し、懲戒処分を行う流れになります。
詳細解説
1.懲戒処分の根拠
懲戒処分の内容や基準に関する法令の定めはありませんが、懲戒処分を行う場合は、処分の対象となる行為、処分の内容をあらかじめ就業規則に規定し、職員に周知する必要があります。例えば、服務規律で、医院の資料を外へ持ち出すことを禁止していて、この内容に違反した職員を懲戒処分することが定められているのであれば、懲戒処分を行うことができます。その際、処分の対象となった行為が、どの懲戒処分の内容に当てはまるかを確認します。
2.懲戒処分の手続き
たとえ、懲戒処分の内容に当てはまる場合であっても、その行為が起きた経緯、酌量の余地等の事情に照らし、処分の対象となった行為と処分の度合いが妥当であるかどうかを考える必要があります。今回の事例であれば、次の項目をもとに状況を整理し、軽い処分から当てはめて検討していきます。
[職員本人]
・ 外へ持ち出した資料を、紛失したかどうか
・ 持ち出した資料はどのような内容のものか
・ なぜ、外へ資料を持ち出したのか
・ 外への持ち出しは、何回目か
・ 紛失していた場合、何回目か
・ 紛失していた場合、どのような影響があるのか
[職場]
・外への資料の持ち出しについて、普段から院長や上司はどのように指導していたか
・ 外への資料の持ち出しについて、どのようなルールがあるのか
・ 誰でも無断で外へ資料の持ち出しができる状況にあったのか
懲戒処分は、就業規則に規定する内容に当てはまり、処分の内容が妥当であれば行うことができますが、それ以前にこのような事態を発生させないために、職員に遵守してもらいたい事項を規定し周知するなど、労務管理を徹底することが重要です。
厚生労働省は15日、全国の高齢者施設でこれまでに発生した新型コロナウイルスのクラスターの発生件数が、9月13日0時の時点で計1953件にのぼったと明らかにした。
前週から34件増えた。デルタ株の影響などで一時は増加傾向が鮮明となったが、この2週はほぼ横ばいで推移。介護現場はリソースも乏しいなか必死の感染防止策を長く続けており、速やかな支援策の拡充が求められている。
田村憲久厚労相は15日の衆院・厚労委員会の閉会中審査で、「新規感染者数は全国的にかなりのスピードで減ってきているが、今後の動向を注視しなければいけない。冬場になるとより換気しずらいとなったが、この2週はほぼ横ばいで推移。介護現場はリソースも乏しいなか必死の感染防止策を長く続けており、速やかな支援策の拡充が求められている。(介護ニュース)
医療機関等における 2021 年の賃金改定状況
今年 7 月に厚生労働省から、最低賃金改定の参考資料として、「令和 3 年賃金改定状況調査結果」※が発表されました。ここではこの結果から、医療機関等(以下、医療,福祉)の今年の賃金改定状況をみていきます。
6 割近くが賃上げを実施
上記調査結果から、医療,福祉の賃金改定状況をまとめると、表 1 のとおりです。
2021 年の 1~6 月に賃金引上げを実施した事業所(以下、賃上げ実施事業所)の割合は59.8%で、2020 年に比べ 3.1 ポイント上昇しました。全体の結果である産業計と比べると、23.5 ポイントも高い状況です。
同じく 1~6 月に賃金引下げを実施した事業所(以下、賃下げ実施事業所)の割合は 0.8%でした。2020 年より 1.0 ポイント低下し、産業計よりも低い水準となりました。
なお、7 月以降も賃金改定を実施しない事業所の割合は 28.5%で、2020 年より 0.7 ポイント上昇しました。ただし、産業計より 20 ポイント程度低い水準です。
また、7 月以降に賃金改定を実施する予定の事業所の割合が 10.8%あることから、医療,福祉の賃上げ実施事業所割合は、70%近くになるものと思われます。
賃上げ事業所の改定率は 2.8%に
医療,福祉の賃金改定率をまとめると、表 2のとおりです。
2021 年の医療,福祉の賃上げ実施事業所の平均賃金改定率は 2.8%で、2020 年から 0.4ポイント上昇しました。ただし 2 年とも、産業計よりも若干低い水準となっています。
一方、賃下げ実施事業所の改定率はマイナス 23.9%で、2020 年より 10 ポイント以上低下しました。産業計と比べても、10 ポイント程度低くなっています。
一般労働者は 1,436 円/時間
医療,福祉の 2021 年の 1 時間当たりの賃金額は、一般労働者が 1,436 円(上昇率 1.2%)、パート労働者が 1,265 円(上昇率 0.3%)でした。
医療,福祉の事業所はコロナ禍においても、賃上げ実施事業所の割合が産業計よりも高い水準にあることがわかりました。貴院の状況はいかがでしょうか。
※厚生労働省「令和 3 年賃金改定状況調査結果」
令和 3 年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会の資料として公表された、一定の基準で抽出した全国の事業所規模 30 人未満の 15,641 事業所を対象にした調査(回収率は 31.9%)です。表のデータは四捨五入の関係で合計が 100 にならない場合があります。詳細は次の URL
のページから確認いただけます。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19605.html なお、1 時間当たりの賃金額は「賃金改定状況調査結果の訂正について」https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000802035.pdf によります。
エイジフレンドリー補助金 10 月末まで
60 歳以上の高年齢労働者にとって働きやすい職場環境を整備することを支援する制度(エイジフレンドリー補助金)の申請受付が始まっています。この制度は医療・福祉業務にも活用できる補助金で、感染予防の費用も対象です。
対象となる事業者
次の要件すべてを満たす中小企業事業者が対象です。
①60 歳以上の労働者を常時 1 名以上雇用
②労働保険に加入
③一定規模以下
③の規模は、医療・福祉では、常時使用する労働者数が法人全体で 100 人以下か、資本金又は出資の総額が 5,000 万円以下の事業者が該当します(資本金や出資金のない場合は、常時使用する労働者数により判断)。
補助金額と対象となる経費
高年齢労働者のための職場環境改善※に要した経費(物品の購入、工事の施工等)の 2 分の1 が補助されます。上限額は 100 万円(消費税を含む)です。
※補助対象となる職場環境改善策
・ 働く高齢者の新型コロナウイルス感染予防
・ 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
・ 健康や体力状況等の把握
・ 安全衛生教育の実施
空気清浄機は対象?
医療機関等における新型コロナウイルス感染予防のための換気の不足を補うための空気清浄機(一定の要件を満たすもの)の導入は対象
電動ベッドは対象?
介助者の腰痛防止効果はあるものの、被介助者側の負担軽減等が主目的のため、対象外
車いすは対象?
原則は対象外
スライディングボード使用時に片ひじが外せる等、高年齢労働者の身体的負担軽減に効果がある機能を有する車いすは対象
段差の解消や床の滑り止め対策は対象?
高年齢労働者が利用する通路の段差解消や手すりの設置、防滑靴の支給等は対象
床の滑り止め工事は対象外
令和 3 年度の申請受付は 10 月末日まで。詳細は以下のホームページでご確認ください。
《 厚労省 》
厚生労働省は8日、全国の福祉施設でこれまでに発生した新型コロナウイルスのクラスターの件数が3000件を超えたと発表した。
8日0時の時点で3107件。2955件だった前週から152件増えた。この4週間で約500件(497件)増加している。
福祉施設の中で最も多いのは高齢者福祉施設の1919件。全体の62%を占めている。このほか、障害者福祉施設が330件(11%)、児童福祉施設が858件(28%)となっている。
福祉施設のクラスターは、現場を支える職員の懸命の努力もあって一時は低水準に抑えられていた。ただ、感染力の強いデルタ株が猛威を振るう今回の第5波で再び状況が悪化。高齢者福祉施設で増加に転じたほか、児童福祉施設での発生が目立つことも最近の特徴と言える。前週からの増加幅をみると、高齢者福祉施設が35件、障害者福祉施設が20件、児童福祉施設が97件となっている。
専門家で構成する厚生労働省のアドバイザリーボードは8日の会合で、「ほぼ全ての地域で感染者の減少が続いているが、引き続き災害レベルの状況にあるとの認識での対応が必要」と指摘。「冬に向けて更に厳しい感染状況が生じる可能性もある」と改めて警戒を呼びかけた。(介護ニュースより)
政府は9日の新型コロナウイルス対策本部で、今後の日常生活の回復に向けた考え方を決定した。ワクチンの接種と検査での陰性を組み合わせて行動制限を緩和していく内容だが、介護現場の取り扱いはどうなっているのか。
今回の政府の決定には、介護施設の入所や面会などをどう考えるかという記載がない。9日夜に取材対応にあたった内閣官房の担当者は、「これからの議論だということ」と説明。その特性を考慮して更に検討を深めていく構えをみせた。
専門家らが今月3日にまとめた提言には、介護施設の入所や面会などに「ワクチン・検査パッケージ」を活用する案が盛り込まれていた。
西村康稔経済再生担当相は9日夜の会見で、「どんな場面で『ワクチン・検査パッケージ』を使えばいいのか。幅広い理解と協力を得なければいけない。国民的な議論を経て具体化していきたい」と説明。「介護施設でワクチンを2回接種した高齢者が感染する例も少し出始めている」とも述べた。
会見に同席した政府分科会の尾身茂会長は、「色々な選択肢があるが、まずは国民の共感や納得を得られなければうまく機能しない。政府が一方的に進めるようなことは避けるべき」と注文した。
政府は全ての希望者が2回のワクチン接種を終える11月頃から、「ワクチン・検査パッケージ」の運用を始めたい考え。今回の決定には、「ワクチンを接種していない人が不利益を被ることの無いよう十分に配慮する必要がある」と明記した。(介護ニュースより)