医療
厚生労働省は27日、地域共生社会の実現に向けた方策を話し合う新たな有識者会議(地域共生社会の在り方検討会議)の初会合を開催した。
介護、障害、子ども・子育て、生活困窮といった制度の狭間の問題をなくし、複雑化・複合化した支援ニーズにも対応していく取り組みの展開を目指す。既存事業の進捗や課題、成果を確認して今後のあり方を見出し、その具体化に向けた施策の立案を図る。身寄りのない高齢者の生活を支える仕組み、多分野の関係者が連携・協働するネットワークをどう作るか、なども重要なテーマとなる。
厚労省は今年度末に中間的な論点整理を公表する予定。来年夏を目途に会議としての意見を取りまとめ、その後の関係審議会での協議につなげていくとした。今後の議論の動向は、例えばケアマネジャーやヘルパー、看護師ら地域の介護・福祉職員の仕事、業務範囲などにも影響を与えそうだ。
厚労省社会・援護局の朝川知昭局長は会合で、「地域共生社会の文脈で取り組むべき社会課題は多様。災害と社会福祉との関係や孤独・孤立の問題、安心できる居場所を持てない若者の支援なども重要で、多岐にわたる論点について今後の方向性の検討をお願いしたい」と挨拶した。
会議の座長を務める中央大学の宮本太郎教授は、「生活基盤、つながり、自分らしさを取り戻そうとする人々の当たり前の気持ちや営みを尊び、寄り添いながら共に地域社会をつくっていけるようになれば」などと語った。(介護ニュースより)
2023年「老人福祉・介護事業者」新設法人調査
2023年に全国で新しく設立された法人のうち、「老人福祉・介護事業者」(以下、新設介護法人)は、3,203社(前年比6.1%増)だった。5年連続で前年を上回ったが、過去10年で最多の2014年(3,611社)には408社及ばなかった。新設介護法人は、介護報酬がプラス改定された2018年を境に増加をたどるが、2023年の増加率は全産業の新設法人の前年比7.8%増に1.7ポイント届かなかった。
介護事業者は人手不足に加え、物価高で運営コストが上昇するなか、介護報酬の伸び悩みなどで増加ペースは緩やかだ。過去10年間の新設介護法人は、2014年(3,611社)をピークに2018年(2,351社)まで4年連続で減少をたどった。2015年度の介護報酬のマイナス改定や恒常的な人手不足が影響したとみられ、一方で倒産や休廃業・解散は増加した。
2018年度のプラス改定後はコロナ禍もあったが、新設法人は緩やかに増加に転じ、2023年には3,203社まで増えた。新設法人数が減少すると、倒産や休廃業・解散が増加する相関関係にあったが、2018年以降は倒産・休廃業・解散ともに一進一退を繰り返しながら増加傾向にあり、新設法人の参入で市場競争は激化している。
今後、本格化する高齢化社会で、市場拡大をにらみ介護事業者の新規参入は増加が見込まれる。しかし、2024年1-5月の介護事業者の倒産は、すでに上半期(1-6月)の過去最多を大幅に上回り、苦境が続いている。拡大する市場で介護業界の経営が安定するには、人材確保、賃金上昇とそれを支える効率化が欠かせないだけに、政策支援と同時に介護事業者の自立的な経営革新も求められる。
※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象約400万社)から、2023年(1-12月)に全国で新しく設立された「老人福祉・介護事業」3,203社を分析した。調査対象期間は2011年から2023年。
新設法人数は5年連続で増加
2023年の新設介護法人数は、3,203社(前年比6.1%増)だった。一方、市場から退出した倒産は122社(同14.6%減)、休廃業・解散は510社(同3.0%増)で、伸び率は新設介護法人が上回った。単純計算の純増数(新設法人から倒産と休廃業・解散の合計を引いた数)は2,571社で、過去10年では2014年3,340社、2015年2,729社に次いで3番目に多かった。
2023年は新設介護法人数の伸びが寄与したが、2024年1-5月の介護事業者の倒産は過去最多の72社に達し、増勢を強めている。人手不足や物価高などの事業環境の悪化などで休廃業・解散が増えたことも影響したとみられる。倒産が増えている状況から、2024年は新設法人数の伸び次第で、純増数が落ち込む可能性も出てきた。
都道府県別 新設介護法人数は大阪府が最多、増加率トップは山梨県
新設介護法人の地区別は、最多は近畿の915社(構成比28.5%)で、関東の892社(同27.8%)を上回り、2年ぶりにトップへ返り咲いた。次いで、九州の451社(同14.0%)が続く。
都道府県別は、最多が大阪府の562社(構成比17.5%、前年比8.7%増)。次いで、東京都の279社(同8.7%、同9.4%増)、愛知県の207社(同6.4%、同5.0%減)、福岡県の174社(同5.4%、同1.1%減)、兵庫県の173社(同5.4%、同16.1%増)と、上位は人口の多い都市部に偏った。
一方、最も新設法人数が少なかったのは山形県の4社(同0.1%、同42.8%減)だった。
増加率は、山梨県が前年比266.6%増でトップ。次いで、山口県の同122.2%増、島根県の同100.0%増の順。減少率は、最大が福井県の同57.1%減。山形県の同42.8%減、栃木県の同32.4%減と続く。新設介護法人の減少は、将来の介護サービスへの影響が危惧される。(東京商工リサーチ記事より)
個人的な自己研鑽のため、という理由で、提示後も数時間残っている職員がいます。自己研鑽のためとはいえ、実際には利用者のケアにも入っており、仕事をしているのと変わりわないように思います。本人からは「仕事をしているわけでないので報酬はいらない」と言っていますが、この場合には払わなくていいのでしょうか?
A,
使用者が指揮命令をしていないのであれば、残業代を支払う義務はありません。ただし使用者が残業を明確に命令していなくても、残業代を支払う義務が生じるケースもあるので注意が必要です。これには、言葉や書面で明確に指示をしていなくても、実質的に指示があったと推定される場合があります。例えば、定時後に数時間残っている理由が、他の利用者をケアする職員が不足していた、あるいはいなかったなどの事情があった場合、使用者が残業指示をしていなくても黙示的な指示があったとみなされ残業代を支払う必要があります。
対策としては、残業する場合には、上司の許可を受け、かつその内容に関し職員から報告をうけるなど、職員が勝手に残業をすることのないよう制度として定着させることをお勧めいたします。
A 請求は可能ですが 全額を支払ってもらうことはできない可能性もあります。
どこまで請求できるのか
請求の是非は、スタッフの注意義務違反の程度によって判断されます。スタッフがちょっと気を付ければ避けることのできた損害については、使用者(クリニック)がこのような危機を回避することができなかったことから、スタッフは言っての責任を免れることはできません。また休憩時間や業務に全く関係ない場面で生じた破損に関しては、たとえ悪意がなくても本人の責任になります。例えば、喫煙禁止のクリニックのソファーを煙草で焦がしたら、間違いなく本人に弁償責任があります。
ただし、いくら過失とはいえ医療機器など高額なものに損害が出た場合、こうしたリスク回避や分散の措置を十分に講じなかった使用者側の責任もあること、またスタッフの経済面の影響を考慮し、使用者の損害賠償請求権は制限する必要があるとされています。
業務に関連するスタッフの不注意な破損であれば、満額請求は難しいでしょう。なお、判例でも、信義則上相当と認められる限度にその額は制限されるとの一般的な枠組みがあります。例えば、狭い通路で何かを運んでいて、ぶつけて壊した場合、構造的な問題や柱に緩衝材などをつけていなかった責任などが問われ、全額の請求は難しいと思われます。「使用者があらかじめ想定し、保険制度を通じて比較的容易にリスク分散し得るものであるから、使用者が基本的に責任を負担すべき」という考え方を取るということになります。
東京商工リサーチは25日、介護業界にフォーカスして法人の新設の動向をまとめたレポートを新たに公表した。
それによると、昨年1年間に新設された介護事業者の法人は3203社。5年連続で前年を上回った。訪問介護や通所介護などの展開を計画する事業者が多い。
政府は21日、今年の「高齢社会白書」を閣議決定した。特集の一環として、高齢者が人とコミュニケーションをとる頻度の調査を盛り込んでいる。
それによると、「人と毎日話す」と答えた高齢者は72.5%。5年前に行われた前回調査の90.2%から大幅に減っていた。
1人暮らしの高齢者に限ってみると、「人と毎日話す」としたのは38.9%。およそ3割の29.7%が1週間に1回以下で、14.7%は「週に1回未満・ほとんどしない」だった。
白書は、「望まない孤独・孤立を防ぐ施策を推進する必要がある」と指摘。「今後、1人暮らしの高齢者の増加が見込まれる中で、日常生活の支援を地域や社会がどう担っていくかが重要」と指摘した。
この調査は、内閣府が昨年10月から11月にかけて実施したもの。全国2677人の高齢者の回答を集計している。
高齢者が孤独・孤立を深めている要因について内閣府の担当者は、「コロナ禍の影響もあったのではないか」と分析。「国として必要な対策・支援は何か。また、それを必要としている人へどう届けるかを考えていきたい」と話した。(介護ニュースより)
厚労省は20日、
新たな処遇改善加算について解説する
“Q&A第3版”
を公表したようですね。
多くの方に関係するであろう本内容、
未だお読み出ない皆様は、下記をご確認下さいませ。
⇒
長く勤めたいと思っているスタッフにとって頑張れば給料を上げてもらえる」ということはモチベーションにつながります。反対に「どのくらい上がるかわからない」「そもそも
あがるかどうか すらわからない」という状況では、将来への不安を感じるスタッフもいるでしょう。もちろん、昇給はクリニックの経営状況で出来ないこともありますが、出来るだけ標準的な目安をつくり「大体、毎年これくらいは上がる」というメッセージ性を出していくということは、スタッフの勤務意欲を高める一定の効果があります。
昇給額はクリニックによって様々ですが、効果的な昇給基準を作りには以下2点を抑えるといいでしょう。
①長期間(10年以上)同等額で昇給し続けられるか
②昇給がスタッフの勤務意欲につながっているか
③地域の職種別の賃金相場と比べ、見劣りしないか
クリニックによっては、毎年1万円の昇給を行っているところがあります。ただ、毎年1万円の昇給は、10年で10万円の月給がアップすることになります。月給18万円であった方が28万円になるわけでです。因みにですが、一上場の大手企業でも平均昇給は7千円程度です。
また昇給する年としない年があると、昇給できなかった人は「私は評価されていない」「先生が認めてくれていない」と感じるスタッフが出ます。これでは、せっかく1万円昇給しても逆に、モチベーションの低下を招くこともあります。できるだけ、毎年昇給できる金額に設定しておくことがポイントです。
データによりますとクリニックの平均的な昇給額は2000円から4000円です。例えば毎年3000円昇給した場合、10年後は月給が3万円アップとなります。仮に月給20万円の事業所の場合、10年後の月給が23万円になります。経験10年の中堅スタッフとしては妥当な給与設定と言えるのではないでしょうか。参考までに職種別の全国平均昇給額を下記しますが、病院でも4200円程度です。この額からみても、クリニックで2000円から4000円の昇給であれば、妥当な額と言えるのではないでしょうか・
毎年昇給額を変えるのが面倒で、とりあえず一律3000円とする院長もいます。ただ、一律の昇給では、頑張っても 頑張らなくても同じ賃金がもらえるため、モチベーションを落とし方が出てきます。評価に応じた昇給額を設定し、働きぶりに応じた昇給額としてそれを本人にしっかりとフィードバックすることで、頑張りを認める風土を作っていくいくことが大切です。
例えば 医療事務 評価S:5,000円 A:4,000円 B:3,000円 C:2500円 ・・
また、人事評価を行う場合には、評価内容(評価シート)をスタッフに公開することwpお勧めします。そうでなければ、院長の思いとは逆の方向で頑張ることや、本人が頑張っているとおもっても、そのレベルに大きな差が出てしまうことがあります。院長の求める行動を可視化し「この方向にがんばってほしい」というメッセージを伝え、組織全体がその方向を向かって進むことが大切です。
厚生労働省は10日に開催した「医療等情報利活用ワーキンググループ」の会合で、標準規格
に対応した電子カルテ情報共有サービスのモデル事業を2025年1月から順次開始すると発表し
た。全国 9 地域の中核病院を中心に、連携する周辺の病院・診療所が参画し、同サービスの有
用性や機能を検証すると共に課題を収集する。
モデル事業の中核病院としては、▽日本海総合病院(山形県酒田市)▽水戸済生会総合病院
(水戸市)▽千葉大医学部附属病院(千葉市)▽浜松医科大医学部附属病院(静岡県浜松市)
▽藤田医科大病院(愛知県豊明市)▽三重大医学部附属病院(津市)▽南奈良総合医療センタ
ー(奈良県大淀町)-の参画が予定されている。そのほか、北海道では函館地区で、石川県で
は加賀市のデジタル田園健康特区でモデル事業の調整が進められている。
医療機関の間で電子カルテ情報を共有・交換可能にする電子カルテ情報共有サービスを巡っ
ては、データ形式をXMLとPDFに加工して管理することとされていた。
厚労省はこの日の会合で、活用の可能性をより広げるために加工前の電子カルテデータであ
る「HL7 FHIR」(医療情報を連携するための国際的な標準規格)の形式でも管理可能にすること
を提案した。
また、電子カルテ情報を格納する際にエラーチェックを行う「バリデーション」の運用案も
提示。電子カルテ情報共有サービスの運用側でバリデーションを行うことから、医療機関側で
はベンダ内で行うオフラインテストと接続検証環境下のテストを必須とし、本番運用時のバリ
デーションは任意とした。
この2つの提案について、構成員から異論はなかった。
山口育子構成員(認定NPO 法人ささえあい医療人権センターCOML 理事長)からは、電子カル
テ情報共有サービスの構想では患者もマイナポータルを通して療養計画や医師のアドバイスな
どが記された患者サマリーを閲覧できるとされていることから、「患者への効果についてもモデ
ル事業で検証予定か」という質問が出た。
これに対し厚労省は、「患者に対する効果についても検証予定であり、デジタル庁と調整を進
めている」と回答した。
評価制度の運用の改善やサポート業務で、ご相談を頂きますが、何にお悩みかというと いわゆる形骸化です。
形骸化とは「実質的な意味を失い、中身のない形式だけ残ること」です。
まさしく、「ただ やっているだけ」という状態と言っていいかもしれません。評価制度を導入して3年ぐらい経過するとこのような状況に陥るケースはとても多いように感じています。
なぜ、このようなことになってしまうのか。管理者やTOPの方にやる気が無いからでしょうか?それもあるかもしれませんが、それを考えてもなかなか改善にはつながらないので
もう少し構造的に考えてみたいと思います。
その視点で「重要度、緊急度のマトリックス」で考えてみると、人事評価のポジションは
「重要度は高い」が「緊急度は低い」ということになります。つまり、今やらなくても問題はない仕事となり、この結果「先延ばし」となり「緊急度の高い仕事」が終わったら取り組もうと思っているうちに、気が付いたら期末になってしまう。このようなことを繰り返しているうちに、評価制度は「形骸化」へまっしぐらとなります。誰が悪いわけではなく、そのような構造になっているのが評価制度の運用というわけです。
そのうえで、評価制度の形骸化にどうすれば
歯止めがかけられるか
- 評価制度の評価内容を毎年見直す
評価項目のブラッシュアップ、とりわけ評価項目が今の時代に即しているか、人の成長に合わせてよりレベルアップしていく項目に変わってきているかを毎年実施する重要なイベントごととして、必ず行っていただきたいと思います。
もちろん、見直した結果として、前年と同じでいこう、という結論であればそれもOK
です。
- 本人評価と上司評価(一次評価)を別々に行う
良き聞く声で、「どうしても本人評価に引っ張られてしまう」という相談があります。
その場合のアドバイスは、本人評価とは別シートで一次評価を行うことです。そのメリットとして、今まで以上に評価への真剣度が変わります。そもそも本人評価は評価エラーも多く、スキルを持っている人は少ないので、あまりアテにしない方がいいと思いおます。いずれにしてもこの変更は評価者にとっては大きな変更なので、異論はありますが、実際におこなった事業所に例を見ると、評価に対する真剣度は変わり、形骸化にはなりません
- 運用委員会などを作り機能させる
人事制度は構造上、「緊急度は低い」業務であることは、事業所のTOPや管理者でも同じです。そこでTOPも含めて、評価制度全体をマネジメントする「担当者」や委員会をつくることをお勧めしています。年間のスケジュールを決めたり、いつまでに●●を実施してくださいというように指示手配する役割と責任をもった委員会などがあることで全体が機能するようになります。
- 期初に、一年間のスケジュールに付を入れて決めておく
事業計画の発表日や、社内的なイベントの日付を決めるのと同じように、評価制度の運用を重要なイベントとして、評価実施期間、評価者ミーティング、フィードバック面談等をあらかじめ1年間の日付を確定させておきます。そして、これは会社の最重要イベントということで、他の予定が入っても、この予定を最優先すると決めて通知をするぐらい徹底したいものです。
以上、過去の事例に基づき、代表的な方法を挙げましたが、
対策の必要があれば、出来ることから始めて行くことをお勧めします。