介護

【介護】人材育成・ブログ・2018年10月

人材育成のスタートは「理念」から


多くの法人には理念(「社是」「使命」などと呼ばれている法人もありますが)が制定されているのに、日々の仕事とかけ離れた存在として扱われていることが多いのが実態です。中には「理念で飯が食えるか」といわれる経営者もいることがそれを象徴しています。
しかし、こうは言えます。「理念を覚えて唱和するだけでは何も生まれないが、理念の持つ役割を正しく理解すれば、働く職員が主体的に責務を遂行するようになり、結果として
(経営の本質でもある)環境適応のプロフェッショナルになれる」のです。


「理念とは経営の軸」
理念も数多くの学者によって研究され定義されていますが、共通して言えることは「法人設立の意図や存在意義を示し、経営の目的・方向性を組織や職員に示していくもの」だということです。
理念には変えてはならないもの(伝統)」と「時代に合わせて積極的に対応していくもの(革新)」をきちんと分けて経営に反映させる「ぶれない軸」だと説明しましたが、まさに個人でいう価値観・常識が法人の理念だと考えればわかりやすいでしょう。言い換えれば人にはその人の個性を形成する基盤となる価値観や常識があるように、法人にもその法人の独自性の基盤となるものが「理念」なのです。もし理念が共有されていなければ、働く人は自分の価値観や常識で行動するようになります。ところが価値観や常識は人によって異なるわけですから、それぞれがバラバラの行動をとり、組織として成果が上がることはないのです。
ところで、医療、社会福祉法人は専門性が高く、資格をもった多くの人々で構成せれています。ということは、自分の知識を価値観や常識の共通の基盤とする傾向にあるため部門の壁が生まれやすいことはよくお聞きします。自分の知識で目の前の状況を判断するときに理念のもとで「働くことの意義」や「仕事を行う意味」を徹底的に共有する必要があるからです、理念とは、組織を動かす共通の価値観・常識であるとともに、経営の目的を職員全員に示し、全員の方向性を一つにする役割を果たすものなのです。価値観を共有する際、忘れていけないことがあります。


経営理念をお飾りにしない浸透法
なぜ、経営理念は浸透しないのでしょうか。経営者の方が従業員の立場で考えるのは難しいかもしれませんので、学生時代を思い出してみてください。どこの学校でも「校訓」や「スローガン」などが廊下に掲示されていたはずです。当時、その内容まで覚えていた方はほとんどいないはずです。残念ながら経営理念も同じような扱いになっているのです。つまりほとんどの人にとって「見ている(目に入っている)が気には留めない」対象なのです。素晴らしい内容で本当は共感できるものであったとしても、理念は掲げるだけでは浸透しません。経営理念を浸透させるためには、そのための「工夫、仕掛け」が不可欠なのです。

・・・・次回に続く

選択的介護(=混合介護)の次年度の動向

東京・豊島区における「選択式介護(=混合介護)」の進捗状況
国家戦略特区として「選択式介護(=混合介護)」モデル事業に取り組んでいる東京都豊島区。平成30年度のモデル事業実施テーマについては既に2018年8月より周知が開始されており、3つのテーマ領域「居宅内のサービス(=訪問介護サービスと生活援助を中心とした自費サービスを柔軟に組み合わせて、日常生活を支援するサービス)」「居宅外のサービス(=訪問介護サービスと、外出支援の自費サービスを組み合わせることで、利用者の意向に合わせた外出を支援するサービス)」「見守り等のサービス(=居室に設置したカメラやセンサーで24時間見守りを行い、必要に応じてヘルパーが電話による連絡や訪問を行うサービス)」各々について現在、トライアルが開始されている状況です。

一方、2018年9月14日に同区内で開催された「第6回選択的介護モデル事業に関する有識者会議」の中では既に次年度の実施テーマ案の絞り込みが行われており、中には興味深い新たなテーマも選択肢として挙がってきている状況です。多くの事業者が高い関心を持たれているであろう「選択式介護」、今回のニュースレターでは2019年度に向けた最新情報のポイントを皆様にお伝えさせていただきます。

「選択式介護(=混合介護)」次年度の有望テーマ案とは

【1】デイサービスにおける多様なサービス提供
デイサービスにおける利用者の個別ニーズに対応したさまざまな保険外サービスを組み合わせての提供について検討する。現行の規制・ルールでは難しいと想定されるデイサービスの場での服薬指導や個別の栄養指導・商品提案等を含む。
【2】デイサービスの送迎における途中下車・立ち寄り、車両の有効活用
デイサービスの送迎に関して、途中下車・乗車、立ち寄り等を可能とすることを検討する。加えて、保有されている福祉車両を有効活用したサービスについても検討する(日中の時間帯において別サービスでの活用等を想定)

【3】デイサービスの送迎における途中下車・立ち寄り、車両の有効活用
・デイサービスの送迎の途中における下車や立ち寄りを有償(全額自費)で提供。
・事業者の保有する資源(福祉車両)が空いている時間帯に、地域の交通事業者等向けに有償で貸与。
【4】デイサービスにおける多様なサービスの提供
•デイサービスにおいて、利用者を対象に、個別的なニーズに応じた多様なサービスを組み合わせて提供。
•ニーズはあるが現行の規制・ルールの下では実施が難しいサービス(例:薬の受け渡しや服薬指導、個別的継続的な栄養指導など)の提供を想定。
【5】ICTデバイスやロボット活用による柔軟なサービス提供※30年度モデルよりも踏み込んだ内容
・30年度モデルの想定よりもさらに多様で柔軟なサービス提供を実現。
• 例えば、デイサービスにおけるICTデバイスやロボットを活用した個別的なプログラムの提供、訪問介護における利用者ニーズに合わせた適時・適切な短時間頻回訪問介護の提供、ケアマネジメントにおけるモニタリングの充実などを想定。

【6】通所介護における利用者の混在
要介護認定が外れた方や認定外の方等も同じプログラムに自費で参加可能とすることを検討する。
【7】指名制、価格弾力化
訪問介護における指名や指名料徴収、繁忙期の割増料金の設定等を検討する。
【8】上乗せ特定事業所の指定
利用者にとって付加価値の高い取組を実施している事業所について、特定事業所加算を超えた上乗せを設定することを検討する(複数事業者の協働、ホームヘルプでのリハ職活用等を想定)。

早目の準備を

以上、2018年9月14日の同会議資料より情報を抜粋してお伝えさせていただきました。未だ全ての情報に“案”という文字が付いていることを含め、確定情報でないことには注意が必要ですが、ここまでの議論の成熟度合を勘案するに、主に上記3つの内容が次年度以降のモデル事業として設定・実施され、またそれらの検証結果が次回の法改正に一定の影響を及ぼす可能性は高い、とみておいて差し支えないのではないでしょうか。介護経営者・幹部の皆様におかれましては、「もし上記内容が正式に法律で認められた場合、自社ではどのようなサービス展開が考えられるか?」について事前に頭を働かせておかれることを是非、おススメする次第です。我々も今後、更に有益な情報が入り次第、迅速に皆様へお伝えしてまいります。

 

介護職員処遇改善加算の今後について(2018年9月)

 

社会保障審議会介護給付費分科会開催報告

今回は処遇改善加算のあり方について多くの委員から発言がなされた。

 

全老健の東憲太郎会長からは、介護現場では給与よりも、
現場での理念や運営の在り方への不満や業務に関連する心身の不調
がしめており、介護福祉士の仕事の在り方自体に問題ではないか。
離職しないような、介護福祉士が夢や、やりがいを持てるようにすべき。

また、処遇改善加算についは、介護助手にも使えるようにしてほしい。
あるいは、リハやSW,看護職にもこれを認めてほしい。
もちろん、介護職の処遇改善なので、基本はこれに重きを置いてほしいが、
柔軟性を持たせてほしいと意見した。

他の委員の中にも、同じように、介護施設は多職種で支え合っており、
    

そういう意味でも処遇改善加算は多職種が活用できるようにしてほしいという声が上がった。

日本医師会の江澤和彦氏は、処遇改善の柔軟な運用について示唆。
介護職員は賃金だけでは離職しない。別の離職要因があり、
賃金やキャリアアップ以外、働きやすい環境への配慮も必要とまとめる。

更に、医療現場における介護人材確保も重要な課題で、それをどう考えるか?
医療現場の介護職員の処遇についても考えたほうが良いとの別の意見も出された。

詳細は、添付資料をご参照ください。⇒今後の処遇改善について

参考ページ 

介護事業所向け「人事制度・キャリアパス要件」作成支援コンサルティング

 

 

 

 

 

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