介護
10年後にサービス運営の中核を担っていく人材の適任の候補はいるか?
介護事業所・施設にそう尋ねたところ、全体の4分の1を超える27.0%が「いない」と答えたことが国の調査で分かった。
「いない」が最も多かったのは訪問介護。33.9%と全体の3分の1にのぼった。
今後の人材確保の見通しがたっていない介護事業所・施設が少なくない実態が、改めて浮き彫りになった格好。サービス類型ごとの結果は以下の通りだ。
このGWのさなかに、“Q&A第5弾”
が公表されました。
既にご確認されていらっしゃる方も多いとは思いますが、
もし未だの方は下記をご確認下さいませ。
A,「キャリアパス規定」もしくは「人事評価規定」として、社内規定として文書化したり、また全職員へのキャリアパスの「見える化」にも工夫をしている。
社内規定の一つとして「人事評価規定」を文書化されることをお勧めしています。「評価制度が、いつの間にか運用しなくなってしまった」などということが無いように、キャリアパスや人事評価の運用は、社内監査等の対象として定期的にその運用が適切になされているかどうかチェックされなければなりません。つまり法人のガバナンス機能として、運用を継続していくためにも、それが文書化されルールに従った運用がなされているかが確認されなくてはなりません。下記の文書化の事例(抜粋)をご紹介いたします。
- 規程趣旨
この規程は、法人職員に対するキャリアパスの実施を通じて職員の資質向上を図り、もって人事管理の適正化、組織の活性化、地域貢献に資することを目的とする。
2 キャリアパスの定義
この規程においてキャリアパスとは、法人が職員に対し職業人として必要な能力と処遇について具体的な内容を職能等級、職位、職層、求められる能力を示すことにより、職員が自らの目標を設定し努力するための道筋を示したものと定義する。
3 キャリアパスの意義
キャリアパスを整備する意義は、法人が人材育成を何よりも重要であると認識し、働く人の成長を願い目標を設定し努力を重ねることができる環境整備の一つとすることにある。運用にあたって、資格等級制度、人事評価制度、研修制度との連動を図ることによりキャリアパスを法人経営の重要なツールとして定着させる。これにより、職員が自らの将来像を描きながら日々の業務に邁進できる環境を実現させる。
4 主管部門・担当部門・監査部門
キャリアパスを実施するにあたり、以下の通り、主管部門・担当部門・監査部門を定める。
主管部門 法人本部に「法人本部キャリアパス運営委員会」を組織する。
担当部門 各事業所に、事業所責任者を中心とした「○○事業所キャリアパス運営委員会」を組織する。
監査部門 「キャリアパス制度運営監査委員会」を第三者委員会として組織する。委員会は、人事考課制度等に専門知識を有した者、被評価者代表、評価者代表、法人本部代表者などから構成する。
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また、キャリアパスの「見える化」ですが、本来の「見える化」とは「問題点の可視化」という意味ですが、ここでは「理解を深めるためのビジュアル表現」という意味で使用しています。つまり、キャリアパスをよりわかりやすく表現することで、求職者に対してアピールできるほか、在職している職員のモチベーションを高める効果もあります。さらに言うと、「退職したくなったが、少し我慢すれば次のステップに進めるので、もう少しだけ辛抱しよう」という、離職防止効果までを期待できます。
Q 当施設では、中途採用にも試用期間を設けています。過去の経験を見込んで採用した職員でも結果として適正に欠いていたという経験がある為ですが、能力に問題のある職員の本採用を拒否する際にどんな点に注意すべきでしょうか。
A 経験のある職員を中途採用したはいいが、予想外に能力が低くて困ったという話はよく聞きます。複数の施設を渡り歩く問題児でも転職したばかりのころはおとなしく、職場の水に慣れてきたところに少しづつ牙をむき出してくるようなケースもよくあります。
中途採用に関しては、新卒学卒者に比べれば期待値が高いため、そのものの能力や勤務態度等の評価をめぐるトラブルは多いものです。したがって中途採用者であっても、使用期間を設けることは大切です。ただし、トラブル防止のためにも就業規則の規定に基づいて規定を設けること、本採用を拒否する場合があることなどを雇用契約締結の際にきちんと説明しておくべきでしょう。
試用期間満了での本採用拒否は解雇に相当する
試用期間途中の解雇については、採用後14日間を超えて就労した職員には解雇予告が必要です。この場合、少なくとも30日前に解雇を予告するか、即日解雇の場合には30日以上の平均賃金を解雇予告手当として支払う必要があります。
また、試用期間中はいつでも「解雇」が許されると思い込んでいる経営者の方もいらっしゃいます。これは誤りで、試用期間であろうと解雇については一般の職員と同様、入職後14日を超えれば予告手当が必要ですし、安易に解雇が認められないのは一般職員と同様です。ただ、本採用に拒否(事実上の解雇)事由が就業規則に明記されていて、採用時の「面接などでは予見できなかった事実」として該当すれば、それは認められるケースもあります。ここで大切な事は、「本採用拒否」の事由を就業規則に記載しておくことです。本採用拒否が認められる具体的な基準については、裁判例などから、「勤務態度不良」「勤務成績不良」「業務遂行能力の不足」「協調性にかける」「経歴詐称」などは具体的な理由として挙げられます。問題は、能力が不足しているということをどのように説明するかということです。
・「本採用拒否」に関する就業規則の記載例
一 遅刻、早退、欠勤が複数回あり、出勤状況が不良の場合
二 上司の指示に従わない、同僚との協調性が乏しい、誠実に勤務する姿勢が乏しい等の勤務態度が不良の場合
三 必要な教育を施したものの法人が求める能力に足りず、改善の見込みが薄い場合
四 経歴を偽り、その他不正な方法を用いて採用された場合
五 反社会的勢力若しくはそれに準ずる団体や個人と関係があることが判明した場合
六 督促しても必要書類を提出しない場合
七 健康状態が思わしくなく、今後の業務に耐えられないと認められる場合
八 法人の事業に職員として採用することがふさわしくないと認められる場合
九 懲戒解雇などの解雇事由に該当する場合
問われるのは注意指導したプロセスと記録
試用期間の解約権にもとづく解雇であっても、本採用拒否が有効と求められるための重要なポイントは、能力と適性が欠如している職員に対して「繰り返し注意・指導をしたけども改善の見込みがなかった」という事実とプロセスです。これは、通常の解雇の有効性が問われるプロセスと同様です。また、このような注意・指導を行ったという記録を残しておく必要もあります。
実務上は「退職勧奨」が一般的
本採用を拒否する場合、実務上は就業規則に基づいて退職勧奨をおこなうのが一般的です。試用期間中の評価をきちんと説明すれば、本人も「試用期間だからしかたない」と退職勧奨に応じるケースが多いように思います。そのためにも、就業規則には具体的な本採用基準を規定しておくことで、退職勧奨の説得材料にもなるわけです。
東京都は26日、介護支援専門員の法定研修の見直しを国に求める緊急提言を発表した。
特に更新研修の負担が受講料も含めて大きいと指摘。「人材確保の支障となる」と踏み込み、ケアマネジャーの負担を軽減する措置を講じるよう要請した。
介護ニーズが拡大していく一方で、ケアマネの人数は十分に増えていない現状を踏まえた主張。このままでは人材不足が加速し、高齢者が必要なサービスを速やかに受けられない問題が深刻化するという危機感がある。
東京都は緊急提言の中で、「とりわけ資格の更新時に、実務に従事しながら長時間の研修を受講することは、高額な受講料とともに大きな負担」と問題を提起。「高齢者の在宅生活を支えるうえで中核的な役割を担う介護支援専門員を確保していくためにも、研修制度の見直しは喫緊の課題」と訴えた。
加えて、「同じ内容の研修の繰り返しについて見直しが必要との声が上がっている」とも指摘。「質の担保と負担軽減が両立した研修制度となるよう見直しを。特に実務に従事する受講者の負担に配慮した見直しとすること」と呼びかけた。(介護ニュースより)
厚生労働省は介護事業所・施設に対するDX支援の一層の拡充を図る。
25日、ヘルスケア領域のスタートアップへの支援策を検討するプロジェクトチームが中間提言を公表。その中に具体策の1つとして方針を盛り込んだ。
今年6月には最終的な提言をまとめ、施策の本格化に取りかかる予定。競争力の高い成長産業を生み出していくとともに、医療・介護サービスの質の向上や持続可能性の確保、職員の負担軽減などにつなげる狙いがある。
厚労省は中間提言で介護分野について、生産性向上に寄与するテクノロジーの導入が十分に進んでいないと指摘。ブレークスルーを起こすにはスタートアップ支援も欠かせないと強調した。
具体策のメニューは多いが、その中で介護事業所・施設に対する支援も取り上げた。
DX支援補助金など関連予算の対象拡大を含め、支援規模の拡充を図ると説明。全ての都道府県にワンストップの相談窓口を置き、補助金活用の助言などを一括して行う体制を整える意向も示した。
このほか、介護テック製品の介護保険上の評価を見直すことにも言及。福祉用具評価検討会の開催頻度の増加、介護テック領域の委員の追加などを検討するとした。(介護ニュースより)
訪問介護の「認知症専門ケア加算」の要件や算定ルールが見直され、以前と比べてかなり取得しやすくなった。
厚生労働省は18日、新年度の介護報酬改定の留意事項通知を改正。介護保険最新情報のVol.1254で広く周知した。事業所にとってより取り組みやすい仕組みとする狙いがある。
新たに見直されたのは、例えば「日常生活自立度II以上が50%以上」など、認知症の利用者の割合を計算する方法についての規定。従来は「前3ヵ月の利用者数の平均で計算する」とされていたが、今回で「前3ヵ月のうち、いずれかの月の利用者数で計算する」へ変更された。訪問入浴介護や夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応サービスなども同様だ。
訪問介護などの「認知症専門ケア加算」は、認知症介護実践リーダー研修の修了者の配置、認知症ケアに関する会議の定期的な開催、認知症の利用者の割合などが要件。基本報酬の引き下げ分を補填する施策の1つとしても有力だ。
以前はハードルがもっと高く、「日常生活自立度III以上が50%以上」などが必要とされていたが、厚労省は新年度の介護報酬改定でこれを緩和。加算が取得しやすくなるよう、「日常生活自立度II以上が50%以上」などへ改めた。
18日に公表した介護報酬改定の新たなQ&A(Vol.4)では、今回の計算方法の見直しについて詳しく解説。昨年度末に出したこれまでのQ&Aでも、事業所の取り組みを後押しする要件の解釈などを明らかにしている。(介護ニュースより)
A 評価者研修やフィードバック面談研修を受講し、方法論を学び実践で活用している。
人事評価を行うことは、上司にとってかなりの負担で、ましてやその結果を部下に説明するフィードバック面談等は大変重荷、などと言うご意見は、評価者の方々からよく伺います。ただ、それは、「評価」という言葉の印象にとらわれている結果であって、実際には評価の仕方を具体的に理解していないがゆえに誤解されているケースがとても多いのです。
評価者として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を理解し、それを実践すれば、だれでも評価を行うことができます。
A 1分単位が原則です。ただし、端数を切り上げる場合には15分単位、30分単位でも
構いません。
切り上げにしないと給料未払いに
給与計算上、よくある質問ですが、基本は1分単位です。例えば、17時までの就業時間で17時42分まで働いた場合、12分カットして30分の残業代を支払った場合、12分の就業に関する支払いは未払いになってしまいます。
休養計算上は楽だということで15分単位の取り入れている事業所はよくあります。もし15分単位とするなら切り上げでなければいけません。つまり17時までの就業時間で17時42分まで働いた場合には45分間の残業代を支払うことになります。管理の手間と数分プラスになる賃金のどちらをとるかの判断になります。
例外として、1か月の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計に1時間未満の端数が
ある場合には30分未満の端数の切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるといった端数処理は認められます。つまり月のトータル残業時間が3時間20分であった場合には3時間として、3時間40分であった場合を4時間とすることは可能です。
未払い残業は行政指導の対象に
残業代を未払いのまま労基署の監査が行われると「是正勧告書」「指導票」により行政指導が行われます。例えば3か月分の未払い残業の「遡及支払い」を命じられた場合、未払いとなっている時間数及び給料の額を3か月間さかのぼって計算し、当該スタッフへの不足額を支払うなど、まずは行政書道に従い原則対応することになります。
適切な時間管理とは
厚労省から平成13年に出された「労働時間の適正な把握のため講ずべき措置」では以下のように定められています。
- 労働日ごとに、何時から仕事を開始して、何時まで仕事をしたか、確認し記録すること。
- 使用者が自ら確認し記録するか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を、適性に申告するように十分に説明すること。必要に応じて実態調査をすること。
- 労働時間の記録に関する書類は3年間保存すること。
労働時間の上限を設定して、上限を超える時間を切り捨てたり、そもそも労働時間の記録がないため「時間外労働がない」としたりしている場合には法律違反になります。
固定残業代として定額を支給する際には慎重に
固定残業代を設定すると仮に残業代が発生しない月があっても残業代を支払わなければなりません。しかも実際に行われた残業が想定された10時間を超えると、別途残業代の支払い義務が発生します。そのため実態を確認した上で「何時間分を固定で支払うか」を決めなければなりません。固定残業手当を適切に運用するためには次の三つが要件とされています。
- 基本給と割り増し賃金部分が明確に区分されていること
- 割増賃金部分には何時間分の残業が含まれているかが明確であること
- 上記②を超過した場合には、別途割増残業が支給されること
この方法は、残業が大体同じ時間発生している場合には適している方法ですが、月によって残業時間が大きく変動したり、人によってばらばらであったりする場合には、かえって管理が煩雑になる場合があります。導入によりメリットとデメリットをよく検討して慎重に判断する必要があります。
厚生労働省は18日、新年度の介護報酬改定を解説するQ&Aの第4弾を公表した。
介護保険最新情報のVol.1256を発出し、現場の関係者らに広く周知している。
今回は訪問系サービスに関する内容。掲載された問答は4つで、いずれも加算の取り組みを進めやすくしたり、事務負担を軽減したりすることが趣旨となっている。
例えば訪問介護計画書の記載方法。「担当する訪問介護員の氏名の記載が求められるが、必ず担当者1名を定めて記載する必要があるか」との質問に、厚労省は次のように答えた。
「異動や休暇取得による交代などの事情により複数の訪問介護員で対応する場合、必ずしも担当者1名を定めて記載する必要はなく、利用者に説明したうえで、担当を予定する複数の訪問介護員の氏名を記載しておくことで差し支えない」
※ 上記解釈は定期巡回・随時対応型訪問介護看護計画書、夜間対応型訪問介護計画書も同じ。
厚労省は新年度の報酬改定で要件を緩和した「認知症専門ケア加算」にも言及。日常生活自立度II以上の利用者らの割合を計算する方法について、新しい解釈を示した。これまでは「前3月間の利用者数で算定する」としていたが、今回で「前3月間のいずれかの月の利用者数で算定する」へ改めた。
このほか、訪問介護の「緊急時訪問介護加算」の要件も取り上げた。「ケアプランに位置付けられていない訪問介護」の考え方について、次のように明確化を図った。
「利用者・家族から訪問介護(身体介護中心)の要請を受けた時点で、第3表や第6表に具体の時間帯として記載されていない訪問介護のこと。単に、ケアプランに位置付けられていない訪問介護を行う可能性がある旨が、サービス提供の時間帯を明示せずケアプランに記載されている場合も算定可能」
厚労省の新たな解釈の詳細はQ&Aで確認できる。(介護ニュースより)