介護
厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、感染症や自然災害を想定した業務継続計画(BCP)を策定していない介護施設・事業所に対する基本報酬の減算を導入する。
22日、社会保障審議会に具体策を諮問。「了承する」との答申を受け、これを正式に決定した。今年度内に告示する。
感染症と自然災害、どちらか一方のBCPを策定していない場合に減算を適用する。対象は福祉用具販売、居宅療養管理指導を除く全サービス。ただ、その減算幅と経過措置はサービスによって異なる。
減算幅は以下の通り。施設系、居住系サービスが相対的に高く設定された。
2024年度介護報酬改定|業務継続計画未実施減算《新設》
施設系・居住系サービス=所定単位数の3%
その他のサービス=所定単位数の1%
=要件=
下記の基準に適合していない場合。
◯ 感染症の発生を想定したBCP、自然災害の発生を想定したBCPを策定すること
◯ 策定したBCPに従って必要な措置を講じること
経過措置は来年度末(2025年3月31日)までの1年間。この期間中に限り、感染症の予防・まん延防止の指針の整備、自然災害に関する具体的計画の策定を行っていれば、減算は適用されない。これを行っていなくても、訪問系サービス、福祉用具貸与、 居宅介護支援は減算が適用されない(介護ニュースより)
⇒BCP(業務継続計画)作成研修(通所介護・訪問介護・居宅介護) | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
介護業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
来年度の介護報酬改定をめぐり、厚生労働省は新たな基本報酬や加算の単位数、算定要件など全容を決めた。
22日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)に提案し、大筋で了承を得た。今年度内に告示する。
既存の3加算(*)を一本化して新設する「介護職員等処遇改善加算」について、サービスごとの加算率を明らかにした。最大の課題の人手不足が緩和へ向かうよう、介護報酬のプラス改定の財源を使って現行より高く設定した。施行は6月1日。
* 既存の3加算=処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算を指す。
新たな加算率は以下の通り。働いている介護職員の人数などに基づいて設定されたもので、訪問系サービスが最も高くなっている。最大で24.5%。
厚生労働省は22日、来年度の介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)を開き、各サービスの新たな基本報酬を明らかにした。
審議会はこれを了承したが、複数の委員が訪問介護の基本報酬を引き下げることに異論を唱えた。
《関連記事》【介護報酬改定】厚労省、訪問介護の基本報酬を引き下げ 新たな単位数を発表
「驚くばかりだ。訪問介護は人材不足が最も深刻で、事業者の倒産や休廃業なども増えている。サービスが十分に使えないという悲鳴も聞こえてくる」
認知症の人と家族の会の鎌田松代代表理事は、こう懸念を表明。日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長は、「これから在宅介護を充実させていく必要があり、その中で訪問介護は非常に重要なサービスのはず。極めて遺憾」と不満を隠さなかった。
◆「処遇改善加算の拡充とセットで評価を」
厚労省は訪問介護の基本報酬を引き下げた理由について、「様々な要素を考慮してメリハリをきかせた」と説明。特に2点を明示的にあげた。
1つは経営状況。昨年11月に公表した直近の「経営実態調査」の結果を踏まえた。訪問介護の利益率は7.8%で、全サービス平均の2.4%を大きく上回っていた。
もう1つは、介護職員以外の職種の処遇改善を進める必要があることだ。訪問介護は一般的にほぼ介護職員のみで運営される。このため、基本報酬の引き上げに充てる限られた財源を配分する対象にならなかったという。
厚労省は会合で、介護職員の賃上げを具体化する処遇改善加算の一本化・拡充などにより、目下のホームヘルパーの不足に対応していくと強調。訪問介護の加算率(*)を最上位で24.5%まで高めるとし、「基本報酬だけでなく、処遇改善加算の一本化・拡充もあわせて評価して頂きたい。多くの事業所がこれを確実に算定できるよう後押ししていく」と理解を求めた。
* 訪問介護|一本化後の処遇改善加算の新たな加算率
介護職員等処遇改善加算(I)= 24.5%
介護職員等処遇改善加算(II)= 22.4%
介護職員等処遇改善加算(III)= 18.2%
介護職員等処遇改善加算(IV)= 14.5%
◆「訪問介護がなくなると破綻する」
これに対し、連合の小林司生活福祉局長は、「基本報酬を下げてサービスの持続可能性が担保されるのか心配だ。訪問介護の現場で働く人、これから目指そうとする人に誤ったメッセージを送ってしまう」と問題を提起した。
また、民間介護事業推進委員会の稲葉雅之代表委員は、集合住宅に併設されている事業所とそうでない地域の事業所とでは経営状況が大きく異なると指摘。「基本報酬の一律の引き下げは理解に苦しむ。より細かい分析に基づいて施策を講じるべきだ。撤退を余儀なくされる事業所が出てしまう」と主張した。
このほか、日本医師会の江澤和彦常任理事は、「今後、どのような影響が生じるかしっかりとみていく必要がある。在宅医療も訪問介護があって初めて継続できる。訪問介護がなくなると容易に破綻する」と危機感をあらわにした。(介護ニュースより)
⇒介護業界の経営 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
Q 職員の定着率が悪いなと感じていた時、辞めていくある職員が「私、Aさんが怖くてやめるんです」と教えてくれました。どうやらA職員は、利用者にいじめや嫌がらせをしていたようなのです。A職員の行動は一般職員にも有名らしいのですが、管理者には一切のその情報があがってきませんでした。辞める職員の密告であることがA職員にわかれば、辞めて後もその職員に何をしてくるかわからないので、内緒にしてほしいと言ってきています。でもそのままにしていたら、退職者が続出だけでなく施設の信用にも関わります。どのように指導したらよいでしょうか。
A、事実を確認したうえで、服務規律にそって指導や制裁を検討しましょう。
退職者が辞めるときの本音は「辞めるのだから自分はもう関係ない」とか「辞めるときには問題を起こしたくない」という心理状態が働きますので、黙って身を引く社員は多いものです。なかには今回のように、残される社員のために、とか自分にしか言えないことだから、ということで教えてくれる社員もいますので、これは大変ありがたいものです。
まずは、問題社員の行動が、退職者の言ったとおりなのかを確認する必要があります。一人だけの意見の場合にはどれだけ信ぴょう性あるかは、わかりません。ほかの社員からも聞き取りを行ったり、いつも以上に注意深く観察しておく必要があります。
確認したうえで、間違いなく問題を起こしている場合には、その社員を呼び出し、その程度によっては、指導しながら就業規則に定める制裁をあたえましょう。「制裁」という条文で、「利用者やその家族及び取引先などに不信招く応答など、対外的業務に誠実性を欠き、本法人の信用を傷つけた場合には罰則を与える」というような内容が定められていると思いますので、その条文を見せながら、具体的にどのような違反行為がおこなわれたのかを説明し、指導していく必要があります。いきなりの解雇ではなく、指導や始末書から初めて段階的に指導していきます。そしてその指導内容は記録に残しておくようにします。
規律が守れない社員には、管理者は指導をあきらめてしまいがちです。しかし、あきらめてしまったら、利用者や従業員の安全はどのように守られるのでしょうか。
また、職場風土として「密告」ではなくて、よりよいサービスを提供するために何が必要かを、いつでもだれでも発言できる職場環境を整えることで、事業所全体を高めあっていく風土を形成していきましょう。
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者(有期雇用労働者等)の非正規雇用労働者について、企業内のキャリアアップを促進するため、正社員化の取組みを実施する企業に対する助成金です。
先日成立した政府の補正予算においても、この助成金の拡充が案に組み込まれており、補正予算成立後に早速、助成額が拡充となる改正・施行が行われています。改正された内容は以下の通り全部で4つです。
1.正社員化のさらなる促進のための助成額を見直し
支給対象期間を6ヶ月から12ヶ月に拡充し、6ヶ月あたりの助成額が見直されました。中小企業で1人当たりの助成金が57万円から80万円(2期に分けて支給)に増額されました。
2.有期雇用期間が長期化している非正規雇用労働者に対する正社員化を支援するための支給要件の緩和
対象となる有期雇用労働者の雇用期間が、6ヶ月以上3年以内から6ヶ月以上に緩和されました。
3.正社員化に新たに取り組む事業主に対する支援を強化するため、正社員転換制度の導入に係る加算措置を新設
新たに正社員転換制度の導入に取り組む事業主に対し、中小企業において20万円の加算措置が新設されました。
4.多様な正社員の選択が可能となるよう、多様な正社員制度の導入に係る支援を拡充
多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間正社員)制度規定に関する加算額が、中小企業で9.5万円から40万円に増額されました。
■参考リンク
厚生労働省「キャリアアップ助成金
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは介護施設(特養、老健、介護医療院)の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
日頃から連携できる協力医療機関の指定の義務化が大きな柱。厚労省の狙いは、高まる医療ニーズに対応できる体制の構築につなげていくことだ。このほか、生産性向上を具体化する委員会の設置の義務化なども盛り込まれた。今回、老健と介護医療院に固有の見直しはない。改正内容は下記の通り。
2024年度介護報酬改定|介護施設の運営基準の見直し
◆ 施設系サービス共通
(1)協力医療機関との連携体制の構築
以下の要件を満たす協力医療機関を定めることを義務付ける。その際、3年の経過措置期間を設ける。複数の医療機関を定めることで要件を満たすことも差し支えない。
◯ 入所者が急変した場合などに、医師、または看護職員が相談対応にあたる体制を常時確保していること
◯ 診療の求めがあった場合に、診療を行う体制を常時確保していること
◯ 入所者が急変した場合などに、当該施設の医師、協力医療機関の医師らが診療を行い、入院を要すると認められた入所者の入院を、原則として受け入れる体制を確保していること
1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者が急変した場合などの対応を確認するとともに、協力医療機関の名称などについて、指定権者に届け出なければならないこととする。
また、入所者が協力医療機関などに入院した後に、病状が軽快して退院が可能となった場合は、速やかに再入所させられるように努めることとする。
(2)新興感染症の発生時などに対応する医療機関との連携
新興感染症の発生時に、施設内の感染者の診療などに迅速に対応できる体制を平時から構築するため、あらかじめ、感染者に対応する協定締結医療機関(第2種協定指定医療機関)との間で、発生時の対応を取り決めるよう努めることとする。
また、協力医療機関が第2種協定指定医療機関の場合は、その医療機関との間で、新興感染症の発生時などの対応について協議することを義務付ける。
(3)ユニットケアの質の向上に向けた体制の確保
ユニット型施設の管理者は、「ユニットケア施設管理者研修」を受講するよう努めなければならないこととする。
(4)生産性向上の方策を検討する委員会の設置の義務付け
介護現場の生産性向上の取り組みを推進する観点から、現場の課題を抽出・分析したうえで必要な対応を検討し、事業所全体で継続的に業務改善に取り組む環境を整備するため、利用者の安全、サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討する委員会の設置を義務付ける。その際、3年間の経過措置期間を設けることとする。
◆ 特別養護老人ホーム
(1)小規模特養の配置基準の緩和
離島や過疎地域の小規模特養の効率的な人員配置を可能とする観点から、以下の見直しを行う。
◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養にショートステイが併設されている場合、そのショートステイの医師について、特養の医師によって利用者の健康管理が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。
◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養に通所介護、地域密着型通所介護、ショートステイなどが併設されている場合、併設事業所の生活相談員、栄養士、管理栄養士、機能訓練指導員について、特養の生活相談員、栄養士、管理栄養士、機能訓練指導員によって利用者の処遇が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。
◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養に小規模多機能、看護小規模多機能が併設される場合、特養のケアマネジャーについて、小多機、看多機のケアマネによって利用者の処遇が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。
(2)緊急時などの対応方法の定期的な見直しの義務付け
特養があらかじめ定めることとされている緊急時などの対応方法について、配置医師、協力医療機関の協力を得て定めることとする。また、1年に1回以上、見直しを行うことを義務付ける。
◆ 全サービス共通
(1)管理者の兼務範囲の明確化
管理者の兼務について、一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認められるようになる。
現行の運営基準で管理者は、兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能とされている。
今回の改正では、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことがルール上明確になる。あわせて管理者の責務が、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義される。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようになる。
(2)「書面掲示」規制の見直し
運営規程の概要など、重要事項をウェブサイトで公表することが新たに義務付けられる。
現行では事業所内での書面掲示が求められるが、これに加えてネットでの情報提供も必須となる。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化が適用される。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などが想定されている。(介護ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは福祉用具貸与・販売の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
福祉用具を貸与で使うか、または販売で使うかを利用者が選べる「選択制」の導入に伴う見直しが目玉となっている。
選択制の対象となるのは、固定用スロープ、歩行器、単点杖(松葉杖を除く)、多点杖の4つ。事業者には今後、利用者の適切な選択を後押しする取り組みなどが求められていく。改正内容は下記の通り。
2024年度介護報酬改定|福祉用具貸与・販売の運営基準の見直し
◆ 福祉用具貸与と特定福祉用具販売の共通事項
(1)選択制の対象福祉用具に関する利用者への説明・提案
選択制の対象福祉用具の貸与・販売にあたり、福祉用具専門相談員が、貸与と販売のいずれかを選択できることについて、利用者へ十分に説明することを義務付ける。
あわせて、利用者の選択にあたって、必要な情報を提供するとともに、医師や専門職の意見、利用者の身体状況などを踏まえ、提案を行うことを義務付ける。
◆ 福祉用具貸与
(1)選択制の対象福祉用具を貸与した後の検討
選択制の対象福祉用具を貸与する際には、福祉用具専門相談員が、福祉用具の適時・適切な利用や利用者の安全の確保といった観点から、利用開始後6ヵ月以内に少なくとも1回はモニタリングを行い、貸与継続の必要性を検討することを義務付ける。
(2)貸与後のモニタリング実施時期の明確化
モニタリングを適切に実施してサービスの質を高める観点から、福祉用具貸与計画の記載事項にモニタリングの実施時期を追加する。
※ 選択制の対象福祉用具以外も含む
(3)モニタリング結果の記録とケアマネジャーへの報告
介護予防福祉用具貸与と同様に、福祉用具専門相談員がモニタリング結果を記録し、その記録を担当の居宅介護支援事業所へ報告することを義務付ける。
※ 選択制の対象福祉用具以外も含む
◆ 特定福祉用具販売
(1)選択制の対象福祉用具に関する計画の達成状況の確認
選択制の対象福祉用具を販売する際には、福祉用具専門相談員が、特定福祉用具販売計画の作成後、その目標の達成状況を確認することを義務付ける。
(2)選択制の対象福祉用具の販売後メンテナンス
選択制の対象福祉用具を販売する際には、福祉用具専門相談員が、利用者からの要請に応じて、販売した福祉用具の使用状況を確認するよう努めることとする。また必要な場合は使用方法の指導、修理など(メンテナンス)を行うよう努めることとする。
※ メンテナンスに要する費用は、個々の契約に基づき定められることになる。
◆ 全サービス共通
(1)管理者の兼務範囲の明確化
管理者の兼務について、一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認められるようになる。
現行の運営基準で管理者は、兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能とされている。
今回の改正では、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことがルール上明確になる。あわせて管理者の責務が、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義される。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようになる。
(2)身体拘束の適正化
身体拘束の原則禁止や記録の策定などが新たに義務付けられる。
福祉用具貸与・販売にも今後、特養や老健、グループホーム、介護付きホームと同様に、
◯ 利用者の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
◯ 身体拘束を行う場合は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
などが求められる。
(3)「書面掲示」規制の見直し
運営規程の概要など、重要事項をウェブサイトで公表することが新たに義務付けられる。
現行では事業所内での書面掲示が求められるが、これに加えてネットでの情報提供も必須となる。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化が適用される。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などが想定されている。(介護ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは居宅介護支援の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
居宅介護支援は今回、非常に幅広い見直しが実施されるサービスの1つとなった。改正点は固有のものが4つ、全サービス共通のものが3つ。事業所の経営に大きなインパクトを与え得るメニューも少なくない。内容は下記の通り。
2024年度介護報酬改定|居宅介護支援の運営基準の見直し
◆ サービス割合などの利用者への説明
厚労省は2021年度の介護報酬改定で、ケアマネジメントの公正中立性を確保するための措置として、以下の2点を利用者へ説明することを義務付けていた。今回、この義務を努力義務へ変更する。
◯ 前6ヵ月間に作成したケアプランの訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与の利用割合
◯ 前6ヵ月間に作成したケアプランの訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与それぞれについて、同一事業者によって提供されたサービスの割合
ケアマネジャーの負担軽減につなげることが狙い。厚労省は審議会で、「事務負担に比して公正中立性を確保する効果が薄い」と説明した。
◆ オンラインモニタリングの解禁
月1回の利用者宅でのモニタリングについて、厚労省はテレビ電話(ビデオ通話)などを活用したオンラインでの実施を始めて認める。守るべき要件は次の通り。
《オンラインモニタリングの実施要件》
(1)利用者の同意を得ること
(2)サービス担当者会議などで主治医、サービス事業者らから以下の合意が得られていること
◯ 主治医の所見も踏まえ、頻繁なケアプランの変更が想定されないなど、利用者の状態が安定していること
◯ 家族らのサポートがある場合も含め、利用者がテレビ電話などを介して意思表示できること
◯ テレビ電話などを活用したモニタリングでは収集できない情報について、他のサービス事業者との連携により収集すること(*)
* 情報連携シートなど一定の様式を用いた仕組みを想定
(3)居宅介護支援は少なくとも2ヵ月に1回、介護予防支援は少なくとも6ヵ月に1回は利用者の居宅を訪問すること
ケアマネの業務の効率化、負担の軽減などにつなげる狙いがある。厚労省は人材不足が深刻化していることも考慮した。引き続き月1回の訪問によるモニタリングを原則としつつ、思い切って条件付きのオンラインモニタリングの解禁に踏み切る。
◆ ケアマネジャー1人あたりの取り扱い件数
厚労省は基本報酬の逓減制を更に緩和する。これとの整合性を確保する観点から、事業所ごとに配置すべきケアマネの人数の基準を次のように見直す。
◯ 要介護者の数と要支援者の数に3分の1を乗じた数を足した数が44、またはその端数を増すごとに1とする
◯ 業務の効率化に向けて、事務職員を配置してケアプランデータ連携システムを活用している場合は、要介護者の数と要支援者の数に3分の1を乗じた数を足した数が49、またはその端数を増すごとに1とする
基本報酬の逓減制の緩和は、貴重な人材の有効活用につなげることが目的。事業所の経営状況の改善、ケアマネの処遇改善を図る狙いもある。
◆ 介護予防支援の指定を受ける際の基準
厚労省は来年度から、居宅介護支援事業所が市町村から介護予防支援の指定を直接受けられるようにする。その際の基準を次のように定める。
◯ 事業所ごとに1人以上のケアマネを置かなければならない
◯ 主任ケアマネの常勤の管理者を置かなければならない
◯ 管理者は、同じ事業所の他の職務に従事する場合や、管理上支障がない範囲で他の事業所の職務に従事する場合を除き、専らその職務に従事しなければならない
◯ 市町村が管内の要支援者の状況を適切に把握できるよう、市町村から情報提供の求めがあった場合は、介護予防サービス計画の実施状況などを提供することとする
居宅介護支援事業所が介護予防支援の指定を受けられるようにするのは、地域包括支援センターの業務負担の軽減が狙い。厚労省は昨年5月に成立した改正介護保険法の中に、こうした制度の見直しを盛り込んでいた。
◆ 管理者の兼務範囲の明確化(全サービス共通)
管理者の兼務について、厚労省は一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認めることにした。限られた人材の有効活用、より効率的なサービス提供体制の構築につなげる狙いがある。
現行の運営基準をみると、管理者は兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能となっている。
厚労省は今回、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことをルール上明確にする。あわせて管理者の責務について、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義する考え。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようにする。
◆ 身体拘束の適正化(全サービス共通)
厚労省は身体拘束の原則禁止や記録の策定などを新たに義務付ける。不当な身体拘束をなくし、高齢者の尊厳を守ることが狙いだ。
居宅介護支援には今後、特養や老健、グループホーム、介護付きホームと同様に、
(1)利用者の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
(2)身体拘束を行う場合は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
などが求められる。
◆「書面掲示」規制の見直し(全サービス共通)
厚労省は運営規程の概要などの重要事項をウェブサイトで公表することを新たに義務付ける。
現行では事業所内での書面掲示を求めているが、これに加えてネットでの情報提供も必須とする。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化を適用する方針。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などを想定している。(介護ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは訪問介護・通所介護の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
訪問介護・通所介護は共に固有の見直しがない。あるのは全サービス共通の改正点のみだ。その内容は次の3つ。
2024年度介護報酬改定|訪問介護・通所介護の運営基準の見直し(全サービス共通)
◆ 管理者の兼務範囲の明確化
管理者の兼務について、厚労省は一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認めることにした。限られた人材の有効活用、より効率的なサービス提供体制の構築につなげる狙いがある。
現行の運営基準をみると、管理者は兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能となっている。
厚労省は今回、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことをルール上明確にする。あわせて管理者の責務について、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義する考え。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようにする。
◆ 身体拘束の適正化
厚労省は身体拘束の原則禁止や記録の策定などを新たに義務付ける。不当な身体拘束をなくし、高齢者の尊厳を守ることが狙いだ。
通所介護や訪問介護には今後、特養や老健、グループホーム、介護付きホームと同様に、
(1)利用者の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
(2)身体拘束を行う場合は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
などが求められる。
◆「書面掲示」規制の見直し
厚労省は運営規程の概要などの重要事項をウェブサイトで公表することを新たに義務付ける。
現行では事業所内での書面掲示を求めているが、これに加えてネットでの情報提供も必須とする。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化を適用する方針。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などを想定している。(介護ニュースより)
世の中には、好きになろうと思ってもなかなか好きになれない、許そうと思っても
なかなか許しがたい、という人がいるものです。
その相手はあなたを傷つけようとするからです。たとえ、邪気が無かったとしても。
そんな相手を無理に好きになろうと頑張ることはありません。なんとか変わってくれるはずだと、相手を正そうとする必要もありません。合わない人は「合わないままでいい」というスタンスの方が気は楽でしょう。ただ、「あの人は、あれでも精一杯、頑張っているのだ」と思って眺めていればいいのです。
その人がそうなってしまったのは、それなりの事情があります。育ちのせいかもしれませんし、家族や大切な人とうまくいってないのかもしれません。
それぞれの事情がありますが、それは私には責任が無く、相手の責任。心の中で「お疲れ様」というほかはありません。
大切なのは、相手の「邪気」をまともに受け取らないようにすることです。相手の未熟さのために自分が傷つくことはないのです。傷つかない方法の一つは、苦手な相手の中から、たった一つでいいので「学べる事」を探すこと。
「以外に責任感はある」とか「整理整頓は素晴らしい」でもなんでもいい、まったくなかったら、「あんな風に振舞うと人に嫌われる」「ああならないようにしよう」と反面教師としてでもいいでしょう。学ぶことを探そうとすると、客観的に相手のことが見えてきて、嫌なとことはそれほど苦にならなくなってきます。
相手への感情を選んでいるのは自分自身。実は、自分を傷つけているのは、相手ではなく、自分の恐れの気持ちだったと実感するはずです。