介護

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしましたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れようとしません。注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われてしまうようでは、上司としては、注意すること自体出来なくなってしまいます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

 

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、裁判例によると、「合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えた、いわゆるパワーハラスメント」(名古屋高裁H19・10・31)「人格、存在自体を否定するもの」(東京地裁H19・10・15)といった要素が挙げられています。

また厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(H24年1月30日)は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

 また、ご質問のように、パワハラのとらえ方としてよくあるものが「相手がパワハラと感じたらパワハラ行為になる」などと、あたかも相手の感じ方でパワハラ行為か否かが決まってしまうといったような誤った認識があります。このような認識が原因で、必要に応じて部下を強く指導・教育する必要があっても、それを躊躇してしまうようなこともあるのではないかと思います。重要なことは、「相手がその行為をどう感じたかではなく」、その行為自体に「社会通念上、許容される範囲を超える」ところがあったか否か、ということになります。

 

さて、御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 また、最近はスマホなどを使用し、指導教育の内容を「無断録音」されているようなケースも多いのではないかと思います。この場合、当然ながら「言った、言わない」という話にはならないわけで録音された発言が、それに該当するか否かが判断されるわけです。このことを踏まえると、いつも録音されているという認識をもつことで、自身の言動の抑止力にもなり、冷静な態度で指導教育が行われるのではないでしょうか。

Q キャリアパスの説明を受けても、実際にどうすれば上位等級に昇格できるのかがよくわからない(職員からの質問で多いもの)

A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、

キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。

この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています

  • 前等級における最低勤務年数
    「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。
  • 資格
    それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。
  • 実務経験
    「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。
  • 人事評価
    人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。

年収の壁解消へ1人あたり50万円助成(キャリアアップ助成金)

一定の年収を超えると社会保険料などの負担が生じて手取りが減る「年収の壁」の問題で、政府は雇用保険料を財源に1人最大50万円の企業向け助成金を新設する。3年程度の時限措置で社会保険料に充当して手取りの減少を防ぐ。壁を意識せず希望の時間だけ働ける抜本改革にも着手する。

 

 現行制度は101人以上の企業で月収8万8000円(年収換算で約106万円)以上の場合、社会保険料の負担が生じる。手取りが減るケースがあるため、月収がそれを超えないよう働く時間を調整する人がいる。手取りの減少を防ぐには年収を125万円程度に増やす必要がある。

 

 政府は新たに発生する社会保険料を補てんする仕組みをつくる。雇用保険制度のうち企業が保険料を負担する「キャリアアップ助成金」関連の省令を改正し、企業に助成金を配れるようにする。

 

 1週間の所定労働時間を増やし、基本給をあげることなどを支給条件とする方針。助成額は1人あたり最大50万円を軸に検討する。1週間の労働時間を3時間以上延ばして基本給を3%以上上げた場合などを想定する。

 

 助成金制度は早ければ23年度中に始め、3年程度の時限措置とする。給付額は計約200億円となる見通しだ。政府は会社員の配偶者が入る社会保険の扶養対象から外れて保険料の支払いが発生する「130万円の壁」の対応も検討する。(日本経済新聞記事より)

 

 

介護施設で週休3日制 多様な働き方を後押し

介護に当たる週休3日の職員

 介護施設で働く職員の働き方の見直しを支援する福井県のモデル事業に参加した特別養護老人ホーム2施設が、今年度から選択的週休3日制度を本格導入した。県は今年度も同様のモデル事業を実施し、多様な働き方の整備を引き続き後押ししていく。  介護職員の確保や離職防止に向け、県は社会保険労務士らの協力の下、働き方改革を進めてもらうモデル事業を昨年度始めた。コンサルタント経費の3分の1(上限110万円)を補助。モデル施設に選ばれた特養「大野和光園」(社会福祉法人大野和光園、大野市)と、特養「あさくら苑」(社会福祉法人一乗谷友愛会、福井市)は週休3日制の導入に向けて検討を重ねてきた。  大野和光園は今年度から、正職員に限り、1日8時間勤務の週休2日か、1日10時間勤務の週休3日のどちらかを選択できるようにした。  どちらも週の総労働時間は変わらず、給与は同じ。ただ、週休3日の場合、1日の勤務時間が2時間長くなるため、体力面での負担が増大することも想定され、3カ月ごとに週休3日と週休2日を切り替えられるようにした。  現在、特養大野和光園(定員100人)の正職員40人のうち介護職員5人、地域密着型介護老人福祉施設「大野和光園和らぎの里」(定員29人)の正職員22人のうち介護職員ら4人の計9人が週休3日で働いている。  独身の20、30代が中心で、休日に友人と出掛けたり、スキルアップの勉強をしたりとプライベートが充実、心身ともにリフレッシュした状態で仕事に臨めるようになっているという。また、1日の勤務時間が伸びた結果、朝夕の食事介助など繁忙時の人手が増え、利用者と週休2日の職員にも良い影響を及ぼしている。  ただ、週休3日を希望する職員が増えすぎると、シフトが組めなくなり、現場が回らなくなってしまう。そのため、施設ごとに取得できる人数の上限を設けている。例えば、介護職員は特養で8人、地域密着型で4人までとしている。  清水啓司・常務理事は「採用活動は依然厳しいが、多様な働き方ができる就労環境をアピールして職員の確保につなげたい。職員体制が充実すれば、働き方の選択肢を一層増やすことにもつながる」と話す。(2023年06月14日福祉新聞より)

Q、 評価はするも、結果をフィードバックしていないので、職員は何がどう評価されたかわからない、アドバイスをお願いします。

 

A 評価フィードバックを年2回実施し、さらに個別面談(毎月)にて課題解決のフォローを行っている。

 

人事評価でもっとも大切なキーワードは何でしょうか。それは「透明性」と「納得感」です。透明性とは、人事評価でいえば、どういう評価項目で、だれがどのようなプロセスで評価をしているのかが明確であること。また「納得感」とは、なぜその評価結果になったのか被評価者が理解し、納得することです。しかしながらこの納得感が生まれるのはそう簡単にはいきません。なぜなら多くの職員は、自分は一所懸命仕事をし、それなりに仕事で貢献していると思っているからです。しかしながら、上司の評価がそのようなものでない場合には、だれしも心穏やかでは、いられないはずです。半ばあきらめて、表面的に納得したフリをしている場合も多いのではないでしょうか。それでは納得感を醸成するにはどうすればいいのか。まず、絶対に必要なのが、フィードバック面談です。面談では、自己評価と上司評価が明らかに違っている項目に着目し、その評価にした根拠を具体的に話し合うことで、お互いの視点や期待レベルを知ることができ、初めて「納得感」が醸成されてくるものです。

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Q、何をどうすれば、良い評価が得られるのかが、わからないので、評価自体が評価のための評価になり、マンネリになっている

A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。

弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。

  • 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。

評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。

  • 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
  • はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。

評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。

その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。

 

Q, ある職員から「勤務終了後に夜間に、他の事業所でも働いてみたいのですが、問題ありませんか?」という質問がありました。金銭的な理由ということなので、現業に支障のないようにしてもらえれば副業を認めていきたいと思いますが、認めるにあたり留意点などあれば教えてください。

A,

厚労省の「副業、兼業に関するガイドライン」によると副業は、新技術開発や第2の人生の準備として有効であると書かれています。人口減少期を迎え 労働力の減少が叫ばれている我が国において、副業の推進により国は労働力の確保や生産性の向上を期待しているものと思われます。

では事業所としては副業を認めなければいけないのでしょうか。法律上、副業禁止の可否に定めはありませんが、過去の判例でみると「労働時間以上の時間をどのように利用するかは、労働者の自由」との考え方に立っていて、副業を認めることが基本的な対応と考えられます。

しかし、副業を解禁していく場合の注意点もあります。

まず、職員から副業を始めたいという申し出があった場合、事業所として、まずは本業に影響がないことを確認する必要があります。たとえば、深夜業に従事して、寝不足になり本来の業務がおろそかになってはいけません。他には他の事業所で勤務するとなると、当事業所の情報が漏れるリスクもあります。従って、事業所として申し出があった場合に許可することを前提にしつつも、いつ、どのような業務に従事するのかをきちんと確認し、内容を精査する必要があるでしょう。また、就業規則にもその点を下記の内容にて表現することがあります。

 

○○条 法人は職員が副業兼業に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止または制限することが出来る。

①労務提供上の支障がある場合

②企業秘密が漏洩する場合

③会社の名誉や信頼を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

④競業により事業の利益を害する場合

 

また、残業代の計算にあたっても注意が必要です。複数の事業所で勤務する場合、労働時間を合算して1日8時間、1週で40時間を超えることも想定されます。労基法ではその場合、合算した労働時間として超過時間があれば残業代を支払う必要があります。この場合、支払う側は、後から雇用契約を締結した方、もしくは法定労働時間を超えて働く原因を作った方に支払の義務が生じます。

 

次に社会保険関係ですが、雇用保険については、たとえ複数の勤務先でそれぞれ週20時間以上勤務していたとしても、主たる勤務先(原則、収入が多い方)でしか加入できません。

 

健康保険と厚生年金金保険については、複数の勤務先それぞれ加入条件を満たした場合、どちらで加入するかは本人が選ぶことになります。そのうえで、例えば、加入する先での勤務先給与が月20万円、加入しない方が月10万円だとすると合計額30万円に基づいて社会保険が計算されます。つまり、それぞれの勤務先の給与額に応じて按分計算され、両方の勤務先から毎月の社会保険料が控除されることになります。因みに健康保険証は、加入する勤務先の保険者のみから発行されます。

 

最後に、副業兼業を認めていく流れにはあるものと思いますが、一方で、副業は長時間労働につながりやすい等懸念点も指摘されています。本業副業を問わず、他でも働いている職員がいる場合には、もう一方の勤務先の労働時間を意識して、法令順守と健康管理に配慮していくことが必要になります。

いつも数パーセントは疑う 裏切られてもしょうがないという覚悟が信頼関係を生む

「疑うよりも、信じなさい」・・・平和な環境の証明でしょうか。そんな安心神話が、いまもこの国の中には根付いているようです。

人間関係や社会の中では、人を信じることが「善」であり、疑うことは「悪」のように思われがちです。

 でもそんなふうに信じた結果、「信じていたのに」「まさか、こんなことになるなんて」ということは少なくありません。

 小さい人間関係から、会社の経営方針、商品のラベル表示、過大な広告、政治家のもっともらしいコメント、頻繁におきている「詐欺事件」、一方的な側面から伝えるニュースなど、相手の言うことを鵜呑みにして振り回されること、ミスや間違いに「ひどい!」と被害者になって、過剰反応することってあるのではないでしょうか?

 海外では、安全な先進国であっても、なかなか相手を信用しません。注意深く相手を観察した上で、信頼関係を築こうとします。例えば、東南アジアの大都市に生きる人々は「そんなの、初めから信じる方がおかしい!」と相手にそれほど期待していません。

 いいとか、悪いとかではなく、信じるだけではあまりにも無防備なのです。私たちは、簡単にかわいそうな被害者になってはいけない。それには最初は疑ってもいいのです。いえ、少しぐらい疑った方が良い。

 考えてみれば、100%信じるということは相手に対して「あなたは絶対に間違ってはいけない。100%こちらの信頼にこたえるべきだ」と押し付ける傲慢さが潜んでいます。

一見ピュアな「信じる」という心の下にあるのは「関心をもつこと」「自分で考える事」への放棄とも言えます。

 人は間違うこともあるのです。自分だって間違うのですから、相手に対して、完璧な情報を伝えろ、ということは出来ないはず。どうやら我々も「少しは疑うこと」をトレーニングする時期に来ているようです。数パーセントまたは数十パーセント疑ってみて、相手が間違っていた時に、「ああ、そんなこともあるだろうなと思った」と許す寛大さ、リスクや対策を考えておく賢明さが必要な気がします。

「疑うこと」と「信じること」は反対のことではありません。「疑うこと」と「信じること」は表裏一体。信じるものを見つけるために疑うことも必要。そして、100%でなくても

「信頼できるもの」を見極める目を持つことです。万が一裏切られたらしょうがないという覚悟で向き合っていくことが、お互いの信頼関係を築いていくと思うのです。(「上機嫌に生きる」より)

Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れない、注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?

A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われると上司は注意する出来ないのではないかと思ってしまうケースも散見されます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。

パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、厚生労働省は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。

つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。

御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。

 

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