介護
2月16日に開催された「全世代型社会保障構築本部」で、厚生労働省は現在3種類となっている処遇改善関連加算の一本化に向けた検討を進める方針を発表しました。
具体的には、「生産性向上に向けた処遇改善加算の見直し」として、
○ 事務手続きや添付書類の簡素化を進める
○ 加算制度の一本化について検討を進める
○ 取得要件の「職場環境等要件」について、生産性の観点から見直しを検討する
○ 加算の着実な取得率の向上を図る
などの考えを示しています。一本化の内容の検討は、来年以降、社会保障審議会・介護給付費分科会で議論されることとなります。
◆ 異なる3加算、どう統合?
ご承知の通り、現在、処遇改善関連加算は「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3種類となっています。これらが職員の処遇改善に大きく寄与していることは確かであり、現場にとって大変ありがたい加算ではあります。
ただ、その算定にあたり提出する計画書や実績報告書の作成も3種類にわたっており、かつ複雑な計算式に基づいた数字を算出しなければならず、現場の事務負担は大変大きなものと言わざるを得ません。更には、制度や計算式が複雑なため職員に改善額を正しく伝えることが難しく、結果として職員の改善実感が乏しくなってしまっているなど、いくつもの課題が長年指摘され続けていました。
厚労省による方針発表の通りに加算の一本化が実現されれば、介護現場の事務負担の大幅な軽減へと繋がり、かつ職員の改善実感値も高まることが期待されます。
しかしながら、加算の一本化に向けた道筋は決して平坦ではありません。
「処遇改善加算」は制度導入から10年以上の期間を経ており、職員の入退職が繰り返され、事業者もどのように配分を進めてきたのか、正確には分からなくなってしまっているケースも想定されます。また、「特定処遇改善加算」と「ベースアップ等支援加算」は、加算の目的も制度の立て付けも異なることから、統合には様々な課題が生じます。
◆ 期待される様式の簡素化
加えてもう1つ、来年早々に結論が示される朗報があります。
厚労省は12月20日に発出した「介護保険最新情報Vol.1119」で、来年度の処遇改善関連加算の計画書について、提出期限を2ヵ月ほど後ろ倒しにするとアナウンスしました。様式の簡素化に取り組んでいることが理由で、新たな様式は来年2月末を目途に通知するとしています。
加算の一本化もさることながら、現在の計画書・実績報告書の複雑さが解消されることとなれば、一定の課題解決にもつながります。
現状の様式で指摘されている課題は、例えば、
○ 計画書と実績報告書とで取りまとめる月のずれが生じている(計画書は1月から12月。実績報告書は4月から3月)
○ 計画書について、前年度賃金総額と今年度賃金総額の比較の必要性
○ 実績報告書について、事業所ごとの詳細な改善報告の必要性
などがあげられます。
これらが新書式で改善されるのであれば、現場の負担軽減の観点で大変意義深いものとなるでしょう。年明け2月末の様式例の中身にも、大いに注目していきたいと思います。(介護ニュースより)
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A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われてしまうようでは、上司としては、注意すること自体出来なくなってしまいます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。
パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、裁判例によると、「合理的理由のない、単なる厳しい指導の範疇を超えた、いわゆるパワーハラスメント」(名古屋高裁H19・10・31)「人格、存在自体を否定するもの」(東京地裁H19・10・15)といった要素が挙げられています。
また厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」(H24年1月30日)は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。
つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。
また、ご質問のように、パワハラのとらえ方としてよくあるものが「相手がパワハラと感じたらパワハラ行為になる」などと、あたかも相手の感じ方でパワハラ行為か否かが決まってしまうといったような誤った認識があります。このような認識が原因で、必要に応じて部下を強く指導・教育する必要があっても、それを躊躇してしまうようなこともあるのではないかと思います。重要なことは、「相手がその行為をどう感じたかではなく」、その行為自体に「社会通念上、許容される範囲を超える」ところがあったか否か、ということになります。
さて、御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。
また、最近はスマホなどを使用し、指導教育の内容を「無断録音」されているようなケースも多いのではないかと思います。この場合、当然ながら「言った、言わない」という話にはならないわけで録音された発言が、それに該当するか否かが判断されるわけです。このことを踏まえると、いつも録音されているという認識をもつことで、自身の言動の抑止力にもなり、冷静な態度で指導教育が行われるのではないでしょうか。
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以上
政府は早ければ今週中にも、「全世代型社会保障構築本部」で今後の改革の方向性を描く報告書をまとめる。
焦点となっている介護保険の利用者負担の引き上げ(2割負担の対象拡大)については、結論を来年の年央へ先送りする。物価高騰が国民生活を直撃するなか、医療分野でも高齢者の支払い能力に応じた負担増を行う方針を既に決めているため、年明け以降も影響を見極める必要があると判断した。
14日の「全世代型社会保障構築会議」で報告書案を提示。清家篤座長(日本赤十字社社長)への一任、という形で大枠の内容を固めた。詰めの調整を経て16日にも正式決定する。
今月7日に公表した報告書の素案では、介護保険の利用者負担の引き上げ(2割負担の対象拡大)をめぐり、「来年の『骨太の方針』に向けて検討を進める」と記載していた。この文言について、政府関係者は「残す方向。素案から大きく変わらない」と述べた。(介護ニュースより)
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政府は7日、今後の社会保障改革の方向性を話し合う「全世代型社会保障構築会議」を開き、年内にまとめる報告書の素案を公表した。
2024年度に控える次の介護保険改正にも触れている。
利用者負担の引き上げ(2割負担の対象拡大)など、制度を将来に渡って存続させていくための“給付と負担のあり方”について、「来年の『骨太の方針』に向けて検討を進める」と説明。年内の具体策の取りまとめを見送り、年をまたいで継続的に検討していく意向を示した。近く報告書を正式決定する予定。
ただ、委員を担う有識者からは異論が噴出している。慶應義塾大学の土居丈朗教授は踏み込み不足だと訴え、「見送りは許されない」と強調。「この会議が果たすべき使命から逃げていると言われかねない」と問題を提起した。
政府は今回の素案に、「制度の持続可能性を確保するため、給付と負担の見直しは喫緊の課題」と明記。政府関係者は会合後、「まだ調整の段階。最終的にどんな方針になるかは今後の検討次第」と念を押した(介護ニュースより)
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A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、
キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。
この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています
- 前等級における最低勤務年数
「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。- 資格
それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。- 実務経験
「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。- 人事評価
人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。
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①医療分野キャリアパス
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②介護分野キャリアパス
処遇改善加算対応キャリアパス構築コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
③保育園のキャリアパス
保育士キャリアアップの仕組みサポートパック | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
A 労働基準法41条の除外規定として、労基法上の管理監督者は深夜業務を除く、労働時間に関する規定は適用されないと定めています。まずは、労基法上の管理監督者とはどのよう方を指すのかを確認しておきたいと思います。ここでいう、「管理監督者」とは下記の要件を全て満たす方を指します。
1,人事権を持ち、事業経営にも参加している(ここでいう人事権とは、いわゆる異動を含む人事権で、人事評価しているだけでは不十分)
2,自分自身の勤務時間について自由裁量が認められている
3、一般社員と比べて、十分な報酬を得ている
これらの3点を、勤務の実態として適用されている必要があります。単に役職名では判断できません。つまり休日、時間外労働の規制をうけない「管理監督者」に該当するかどうかは、具体的な権限や給与、勤務実態で判断が必要ということになります。
例えば、多くの介護事業所ではシフト勤務で勤怠管理を行っていますが、常態として勤務シフトに入っている働き方をしているような管理者がいた場合、勤務時間の自由裁量がないと判断され、管理監督者ではなく、一般社員とみなされる可能性もあります。
先ほど、管理監督者に該当するか否かを判断するときに、単に役職名での判断ではなく、勤務の実態で判断しなければならないとしましたが、多くの介護事業では職責(役職)で、それを判断している場合が多い上に、介護保険制度における「管理者」と労基法における管理監督者を混同してしまうケースもあるので注意が必要です。一般的には、理事長、社長、施設長、事業所長、事務長くらいまでの立場の方がそれに該当するケースが多いと考えられます。もし、それ以下の役職の方(例えば、主任、副主任やリーダー等)を管理監督者の扱いにして残業代などを支給していない場合は、一度、その方の業務や給与の実態を確認してみる必要があると思います。その結果、管理監督職に該当しない方に、残業手当等を支給していない場合には、労基署からは残業代未払いの扱いとして、「3年間分を遡及して」支払うといった是正勧告を受けるリスクがあります。
2,また、管理監督者には残業代は支給されませんが、勤務時間管理自体は必要となります。これは、給与計算上の必要性ではなく、管理監督者の健康管理の問題によるものです。管理監督者はその責任の重さから、過重労働になってしまうケースは相変わらず多く、それが深刻化するとメンタル疾患につながる場合も見られます。従って、経営者や人事担当者は
管理監督者の労働時間には常に注意を払い、管理監督者の健康管理に十分注意することが重要です。
3,さて、今回ご質問のあった管理監督者における遅刻・早退・欠勤に関する給与の扱い
についてですが、その方が管理監督者に該当することを前提とした場合に、先述の要件
の「勤務時間の自由裁量」の点が問題になります。
つまり、管理監督者は勤務時間に裁量が認められていることから、始業時刻から遅れて
出社(遅刻)しても給与減額扱いにはなりませんし、また終業時刻より遅くなっても残
業手当はつかないことになります。
ただ、欠勤の扱いにつきましては、管理監督者であっても「就業義務」自体はありますので、その義務が果たされない場合に該当すると判断され、給与も欠勤控除として減額することになります。
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政府は7日、介護職員の賃金を引き上げるために介護報酬に設けている処遇改善加算を見直す方針を固めた。
次の2024年度の介護報酬改定を見据え、来年に厚生労働省の審議会で具体的な議論を行う。
7日に開催した「全世代型社会保障構築会議」で、年内にまとめる報告書の素案(論点整理)を提示。介護現場の生産性向上と働く環境の改善に向けた施策の一環として、「処遇改善加算の見直し」を明記した。ただ、処遇改善加算の“拡充”には言及していない。近く報告書を正式決定する。
現在、介護報酬の処遇改善加算は3種類。それぞれ異なる性格・目的を持つが、介護現場からは「複雑で分かりにくい」「事務手続きが大変」といった不満が噴出している。当の介護職員が処遇改善の実感を持てていない事態も生じており、改善を促す声は各方面からあがっている。
介護事業者で組織する団体は、処遇改善加算の一本化や基本報酬への組み入れなどを提言しており、政府はこうした案も俎上に載せる構えだ。(介護ニュースより)
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厚生労働省は全ての介護事業所に財務諸表の公表を義務付ける方針を決めた。2024年度から実施する。
次の介護保険制度の改正に向けた協議を重ねている審議会で年内にまとめる意見書に盛り込む。5日の会合でその素案を公表。介護事業者の経営状況をより詳細に把握・分析できる環境の整備を図る意向を明示した。
《関連記事》介護事業所に財務諸表の公表を義務付け 厚労省方針 経営状況の見える化へ 2024年度から
全ての介護事業者に対し、財務諸表など経営に関する情報を定期的に都道府県へ届け出るよう求めていく。国はこれを基にデータベースを構築。例えば介護職員の更なる処遇改善など、今後の重要施策の効果を高めるために活用していく計画だ。
厚労省はあわせて、介護サービス情報公表システムを通じて全ての介護事業所に財務諸表を公表させる方針。年内に意見書を正式決定し、それから制度の細部を詰めていく考えだ。(介護ニュースより)
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介護保険制度改正知っておきたい8つのポイント①
介護保険制度改正知っておきたい8つのポイント②
厚生労働省は2日、介護職員の賃金を月額3%ほど引き上げるために交付した「処遇改善支援補助金」をめぐり、現場の疑問に答えるQ&Aを新たに公表した。事業所が作成・提出する実績報告書の記載方法に関する内容だ。介護保険最新情報のVol.1114で周知している。(介護ニュースより)
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事業主等が雇用する労働者に対して、事前に作成した計画に沿って職務に関連した訓練を実施する場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
詳細は
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