介護
厚生労働省は来年度から、介護福祉士の国家試験のルールを大幅に変える。複数の科目ごとに合否を判定する「パート合格」の仕組みを新たに導入する。
介護福祉士の資格を目指す人は、現場で働きながら勉強を重ねている介護職が圧倒的に多い。当事者や事業者らにとっては、大幅な負担減につながる朗報と言えそうだ。
厚労省はこの見直しにどんな思いを込めたのか。これまでの検討過程では何を重視してきたのか。担当の吉田昌司福祉人材確保対策室長に直接話を聞いた。
【要チェック】介護福祉士国試、パート合格の3つのポイント!
◯ 現行で計13ある科目を大きく3つに分割。初回でその全てに合格できなかった場合、2回目以降は不合格パートのみ勉強して受験することも可能。
◯ 合格パートの免除はその後2年間(翌年と翌々年)。仮に毎年1パートずつ合格していけば、3年間で段階的に資格を取得できる。
◯ 有識者の検討会で具体的な議論を重ね、昨年秋に方針を決定。厚労省は2025年度に実施する国試からの導入を予定し、準備を進めている。
※ パート合格導入の厚労省検討会の資料はこちら
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吉田室長はインタビューで、「介護職の皆さんのキャリア形成を後押ししたい。目指す将来像を実現しやすくしたい」と力説。「合格基準は下げず、資格の価値を下げるものでは決してない」と強調した。(介護ニュースより)
厚生労働省は25日、全ての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度について、規定の解釈などを明らかにするQ&Aの第3弾を公表した。
今回は3つの問答を掲載。例えば、受け取った介護報酬が年100万円以下の事業所の取り扱いを解説した。また、医療保険と介護保険で会計を区分していない訪問看護事業所の取り扱いなども説明した。
介護保険最新情報のVol.1342で関係者に広く周知している。概要は以下の通り。
※ Q&Aの詳細は介護保険最新情報Vol.1342で。
問1|複数の事業所を運営する法人において、事業所単位で会計区分を行っている場合、報告対象の会計年度に提供した介護サービスの報酬が100万円以下の事業所については、報告対象外として取り扱って差し支えないか。
答|認識の通りの取り扱いで差し支えない。なお、事業所ごとの会計区分を行っていないなどのやむを得ない理由により、法人単位で報告する場合には、当該事業所を含めた法人全体の経営情報を報告すれば差し支えない。
問2|既出のQ&Aで職種別の人数について、「会計年度の初日に属する月に給与を支払った職員数を報告する」とあるが、給与支払いが月末締め・翌月払いの場合であっても、同じ取り扱いとして差し支えないか。
答|職員数については、会計年度の初月に事業所・施設に所属する職員数を報告する必要がある。お尋ねのように、給与支払いが翌月払いの場合は、会計年度の初日に属する月の翌月に給与を支払った職員数を報告してもらうことになる。
問3|同一の事業所が医療保険の訪問看護サービスと介護保険の訪問看護サービスを提供しており、医療保険と介護保険で会計を区分していない場合において、医療保険の給付による訪問看護サービスの利用者は「医療における延べ在院者数」と「医療における外来患者数」のどちらに含めて報告すればよいか。
答|医療保険の給付による訪問看護サービスの利用者数については、8月2日通知別紙1.4.(5)の「医療における外来患者数」に含めて報告する。なお、同一利用者において、医療保険から介護保険、または介護保険から医療保険へ切り替えた場合においても、医療保険による訪問回数のみを報告し、訪問1回ごとに外来患者数1人として報告する。(介護ニュースより)
「ま、いっか」で肩の荷を下ろすことも・・・
腹が立つこと、不安なこと、後悔することなど、受け入れがたいことに突き当たったとき、気を楽にしてくれる言葉があります。
それは「ま、いっか」。
友人の夫婦はお互い頑固で「それは違うでしょう」「あなたは間違っている」と意見がいつも平行線で、喧嘩が絶えなかったと言いますが、妻が「ま、いっか、それよりもせっかくの休日だから楽しく過ごしましょうよ」等と気持ちを切り替えることで、夫も「それもそうだね」と態度を軟化してきたとか。
相手の為に「許す」というより、「ま、いいか」で自分が楽になるのです。「気に入らないことはあるけれど、それはそれとして、前に進みましょう」という意味です。
「正しい、間違っている」を口に出し始めたら、イライラしたり、相手を攻撃したりして戦闘態勢になっている証拠。「こうじゃないといけない」と決めつけているから納得が出来ないのです。「ま、いっか」はそんな執着心から、心を自由にしてくれる言葉です。嫌なことを我慢する、問題を避けて事なかれ主義でになる、というのではありません。「他人のこと」や「過去のこと」などどうしようもないことを考えても、自分を傷つけるだけ。「ま、いっか」と言うだけで、自分も周りも肩の荷を下ろせるのです。
自分の過ちを責めてしまう時は「ま、いっか、その時はそうしたかったから」。同僚にイライラする人がいるときは「ま、いっか、そんな人だからしょうがない」。人生で深刻になることは、それほど多くはないものです。
「ま、いっか」は意外と人生をかえてくれる言葉かもしれません。
A、命令がなく、業務とは無関係な早めの出勤については、給料を支払う必要はありません。
労働時間とは
労働時間とは原則として「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことを言います。つまり、院長の指示命令がないのもかかわらず勝手に出勤している時間というのは労働時間ではありません。
業務命令はなくとも業務上必要な時間は労働時間
しかし、始業時間8時30分からでも「8時15分に出勤して、これとこれをやっておかなければ、診察の受付時間である8時30分には開始できない」という場合があります。このことを院長がわかっていながらスタッフの善意に頼ったままで積極的な対策を講じない場合、
この15分は黙示の業務命令の下行った業務として業務時間として扱われます。命令がなくとも15分前出勤が常態化しているのであれば、業務上必要な時間であり、それは労働時間になる可能性が高いといえます。
そもそもクリニックの始業時案は、診療受付までの準備を要する時間を見積もったうえで設定されますから8時30分の受付開始時間と同時に労働時間がスタートするといったところは聞いたことがありません。つまり、準備時間を15分と見積もるなら、8時15分が始業時間になるわけです。
掃除などをしてくれる場合には
質問のポイントは 例えば8時30分からの勤務時間開始でよいにも関わらず、8時からきて作業をしている場合にはどうするか」という点にあります。指示していないけれど、何かやっている、そしてタイムカードをおしている、するとこの時間に対価を支払うべきであるか、という疑問が出てくるであろうと思います。
しかし冒頭に述べたように、あくまで労働時間は指揮命令下にある時間です。自主的に作業をしていることに対して原則、給与の支払いは必要ありません。
職場の人間関係にも配慮する
また「8時30分始業なのに、一番の先輩社員が8時に出勤しているため他のスタッフが全員8時に出勤している」といったケースもあります。そうすると新しく入ったスタッフから「事実上強制的に出社させられているのになぜ給料がでないの」といった文句が出てきます。そのような場合に、早く出勤するスタッフに「ほかのスタッフが影響を受けるので、あまり早く出勤しないように配慮してほしいこと」もしくは「早く出勤するのは構わないが、他のスタッフに同時の時間に出勤することを強制しないように」と伝える必要があります。
自主的に早く出勤するスタッフにも、それぞれの理由があるのでしょう。準備をしっかりとしてから仕事を始めたいというプロ意識から早く出勤するスタッフもいるでしょう。仕事の喜び、積極性、職場への貢献やチームワークといった仕事観を否定することのないよう、伝え方には十分配慮する必要があると思います。
タイムカードの管理
タイムカードの打刻時間は原則としてクリニックに入った時間と出た時間を示しており、必ずしもそのすべてが労働時間になるわけではありません。業務がおわりスタッフ間でおしゃべりをして帰る場合などその時間まで給料を支払う必要はないのです。
ただし注意しなければならないのは、おしゃべりの時間わからないと、タイムカードの出勤時間から退勤時間までの時間がそのまま労働時間とみなされてしまう可能性があるということです。そのため「時間外労働は、院長の指示で行うものでおこなうものである」と周知しておくとともに、院長が承認しなかった時間がある場合にはその都度記載しておくなど、適切に把握しておくことが必要です。よくあるのは、タイムカードと時間外労働申請を並行して取り入れているケースです。例えば、17時間までの勤務の人が17時半にタイムカードが押されているような場合、時間外申請が「患者対応のため15分残業」となっていれば15分の残業代を支払えばよいということになります。このように時間外労働の管理があれば、タイムカードを押していたとしても、その分の給料をすべて支払う必要はないということになります。
厚生労働省は12日、ケアマネジメントをめぐる様々な課題と向き合う検討会のこれまでの議論をまとめ、「中間整理」として公表した
現下のケアマネジャーの人材不足や高齢化に対する危機感を、「10年以内に担い手が急激に減少していくことが見込まれる」と表現。幅広い世代の人材確保・定着に向けて、「様々な取り組みを総合的に実施する」との方針を明示した。
具体策の1つがケアマネジャーの処遇改善だ。厚労省は「中間整理」に、「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇を確保する」と明記。全産業平均より低い給与水準の引き上げ、介護職員の給与との“逆転現象”の是正に取り組む意向を示した。
現場の関係者からは、居宅介護支援の介護報酬にも処遇改善加算を設けるよう求める声が多くあがっている。今後、こうした処遇改善の具体策が大きな焦点となりそうだ。(介護ニュースより)
厚生労働省は今年度も、介護現場の「生産性向上推進フォーラム」を開催する。
3月12日に大阪で、3月18日に東京で開く。いずれもオンライン参加も可能なハイブリッド形式とした。参加無料。
生産性向上の基本的な考え方や先進的な事業所の取り組み、自治体の支援事業のメニュー、国の動向などを把握したい人にとって、正確な情報を負担なく得られる便利な機会だ。取り組みを実践する際のポイントの解説や様々なテクノロジーの紹介も行うとして、厚労省は積極的な参加を呼びかけている。
2会場の開催概要は以下の通り。参加者が定員に達した場合は、申し込みの期限を待たずに締め切りとなる場合もあるという。申し込みは公式サイトからオンラインで行える。
大阪会場
日時|2025年3月12日(水)13時〜17時30分
場所|コングレコンベンションセンター
定員|会場300人、Web3000人
申込期限|2025年3月7日(金)
東京会場
日時|2025年3月18日(火)13時〜17時30分
場所|ベルサール半蔵門
定員|会場300人、Web3000人
申込期限|2025年3月14日(金)
現在、全国で多くの事業所・施設が生産性向上の具体的な取り組みを実践している。高齢者の急増や現役世代の急減が進む今後は、人材確保が今よりも更に難しくなっていく − 。こうした認識が広く共有されたほか、介護報酬の加算の新設・変更を含む国の施策の影響もあり、介護現場の関心はかつてないほど高まっている。
厚労省によると、今回のフォーラムは生産性向上の取り組みを実践している現場の関係者による講演・報告が中心。内閣総理大臣表彰や厚生労働大臣表彰を受けた事業所・施設も登場する。厚労省や自治体が施策を説明する時間もあるなど、充実したプログラムが用意されている。(介護ニュースより)
今年度の補正予算が成立した。17日の参議院本会議で、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決された。
介護現場への支援策は、政府案通りに実施されることが決まった。厚生労働省は早期の具体化に向けた準備を急いでいる。
支援策の柱は、介護職員の賃上げ、職場環境の改善に向けた補助金の新設だ。常勤の介護職員1人あたり、およそ5.4万円の一時金を支給できる規模を交付する。
対象となるのは、今年度の介護報酬改定で拡充・一本化された処遇改善加算を取得している事業所・施設。居宅介護支援や福祉用具貸与などは今回も除外された。
補正予算の成立を受けて、厚労省は詳細なルールを明らかにする実施要綱などを通知する方針。
補助金の支給要件には、介護現場の業務の棚卸し、効率化に向けた課題の見える化などに取り組んだうえで、介護職員の負担軽減の方策を立てることを位置付ける。処遇改善加算の算定要件と重なるように設計し、課題となっている上位区分の算定率の引き上げにもつながる仕組みとすることで、生み出す効果をより大きくしたい考えだ。
厚労省は今回の補助金の使途を、こうした生産性向上の取り組みの経費に充てることも認めていく。介護職員の賃上げも含めてどう配分するかは、基本的に事業者の裁量に委ねる構えだ。
厚労省の関係者は実施要綱などの通知について、「年明けのできるだけ早い時期を目指す」と説明。実際に補助金を交付する都道府県との調整も重視しているとして、「可能な限り簡素な仕組みとし、介護現場にも自治体にも負担がかからないようにしたい。なるべく早期に交付できるように進めている」と話した。(介護ニュースより)
A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。
弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。
- 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。
評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。
- 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
- はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。
評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。
その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。
介護保険制度の見直しを話し合う審議会(社会保障審議会・介護保険部会)の9日の会合で、顕在化する人材不足などケアマネジャーをめぐる課題が取り上げられた。
厚生労働省は今月2日に大筋でまとめた検討会の「中間整理」を報告。ケアマネジャーの確保・定着に向けて、「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇を確保する」と明記したことを説明した。
あわせて、利用者・家族のニーズに応えてきた結果として広がったケアマネジャーの業務の範囲を、「保険外サービスで対応し得る業務」「他機関につなぐべき業務」などに分類したことも紹介。こうした法定外の業務について、ケアマネジャーに丸投げすることなく地域課題として捉え直し、支援が途切れない体制づくりを地域ごとに協議するよう促す方針も示した。
会合ではこれを受けて、複数の委員がケアマネジャーに対する支援策の一層の強化を呼びかけた。
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「居宅介護支援のケアマネジャーは介護報酬の処遇改善加算を得られない。一方で介護施設などで働くケアマネジャーはその恩恵を受けられる」と問題を提起。「この乖離をどうするのか、という議論をしっかり進めてほしい」と述べ、厚労省に是正を求めた。
高齢社会をよくする女性の会の石田路子副理事長は、「ケアマネジャーの法定外の業務は、地域の高齢者の生活を支える大きな効果を生んでいる。それに見合う高い評価を検討する必要がある」と提言。民間介護事業推進委員会の山際淳代表委員は、「法定外の業務を担わざるを得ないという課題には、訪問介護のサービス提供責任者なども直面している。その視点も含め、具体的な対策を更に検討する必要がある」と要請した。(介護ニュースより)

「利用者ファーストのための職員ファースト」。
これを理念に掲げる特別養護老人ホーム「六甲の館(神戸市)」が今年、介護現場の働きやすい職場環境づくりで内閣総理大臣表彰を受賞した。
高く評価されたのは、職員の心身の健康を守るための行き届いた配慮。またはそれを追求していく姿勢だ。
深刻な人手不足で介護業界に暗雲が漂うなか、施設の運営を牽引する社会福祉法人弘陵福祉会の溝田弘美理事長は、歩んでいる道に確信を持っているように見える。インタビュー取材に応じ、次のように力強く語った。
「私も含め事業者の取り組みはまだまだ足りていない。私たちはもっともっと介護職を大切にできる」
■ 内閣総理大臣表彰の六甲の館の取り組みと成果の一例
◯ 理念は「利用者ファーストのための職員ファースト」
◯ 施設内に天井リフト30台を導入し、ノーリフティングケアを徹底。
◯ 見守り機器を100%活用。複数のタイプを導入しており、利用者の特性に最も合った機器をアセスメントで選定して使っている。
◯ ICT化、介護助手の配置、外部サービスの活用などを推進。外国人が働きやすい職場環境の整備にも注力。
◯ 腰痛ありの職員は56%から9%に。1夜勤中の平均訪室回数は6.3回から3.8回に。
◯ 年間の平均総残業時間は880時間から76時間に。平均有休取得日数は6.7日から9.9日に。
◯ 現在は職員が充足。人材確保は口コミ・評判、リファラル採用(*)がメイン。介護職員の求人媒体などにかけるお金は数百万円からゼロに。
* 職員らによる友人・知人の紹介など。
溝田理事長はインタビューで、「まだ全然満足していない」ときっぱり。「人手不足を嘆いていても仕方がない。職員の心身を徹底的に守る環境を作り上げれば、介護現場は必ずもっと良い職場として見られるようになる。私たちの取り組みも道半ばだ」と語った。
= 社会福祉法人弘陵福祉会・溝田弘美理事長インタビュー要旨=
−−「利用者ファーストのための職員ファースト」という理念の趣旨は?

以前、六甲の館は人手不足にかなり苦しんでいました。私は当時、今より多く現場に入って働いていたんです。
痛感したのは身体的なきつさでした。まだリフトなども十分に導入されておらず、とにかく負担が重かったんです。
そこで確信しました。
ご利用者様に最高のサービスを提供したいのであれば、まず提供する職員の心身が元気であって、楽しく働けるようにしなければならない。そうでないと介護の仕事は長く続けられないし、人手不足も一向に解決しない。
なんだか当たり前のことのようですが、その当たり前を実現できるようにしようと決めました。
そうした思いを表現したのが、「利用者ファーストのための職員ファースト」。収益確保など経営のためではなく、何よりご利用者様のために職場環境の改善に心血を注ぐ。それが私たちの理念です。
−− 複数の見守り機器を導入し、個々の利用者の特性に合ったタイプを使うようになった経緯は?
どの機器が最も職員の負担を軽減するのか、最もサービスの向上につながるかを追求し続けてきました。様々な機能・特徴を持った機器を試していくうちに、自然な流れで複数の機器を使うようになったんです。
追求は今もまだ続けています。全てのご利用者様に合う完璧な機器が登場するまで、この試行錯誤に終わりはないでしょう。
開発企業の皆様とのコミュニケーションも重要だと思っています。私は失礼のないように、機器の使い勝手の悪さや改善すべき点などを率直に伝えることを心がけてきました。
正直、革新的に見えても現場では役に立たない機器もあります。その時に「ここはこう変えられないの?」と言うと、真剣に受け止めて改善につなげてくれる開発企業さんがおられることは、とても有難いです。
現場側から積極的に情報を提供していくことで、素晴らしい完璧な機器が生まれるのが早まるかもしれません。そうした思いで開発企業さんにはたらきかけています。
−− これから目指すこと、描く未来のビジョンを教えて下さい。
いつか介護職を憧れの職業にしたいと思っています。そのために私たちができることは、とにかく働きやすい職場環境づくりに注力することではないでしょうか。
人手不足を嘆いていても仕方ありません。テクノロジーを有効に活用すれば、介護の仕事は劇的に楽になるんです。そうして生み出した余裕を、ご利用者様と向き合ってより良いサービスを提供する力に変えたい。仕事の楽しさ、やりがいも更に増すと思います。
六甲の館では、副業も含めて職員のより柔軟な働き方を認めていきます。きっとモチベーションアップや離職防止につながるでしょう。
職員の心身を徹底的に守る環境を作り上げれば、介護現場は必ずもっと良い職場として見られるようになるはずです。高齢になっても負担なく前線で働けるようにする、という視点も欠かせません。そうした施設にしていけば、きっと必要な人材を確保し続けられると考えています。
私たちの取り組みは道半ば。今なお不十分と言わざるを得ず、私はまだ全然満足していません。光栄にも内閣総理大臣表彰を頂き、すごく励みになりました。私は今まさに、一段と働きやすい職場環境づくりを絶賛研究中です。(介護ニュースより)