介護

介護職の平均賃金、24.3万円 最新調査 ボーナスの平均は年62.6万円

月給制で働く無期雇用の介護職の賃金は平均で月24万3135円 − 。介護労働安定センターが23日に公表した最新の「介護労働実態調査」の結果では、そう報告されている。

 

前年から8696円の増加。人材獲得競争の激化や特定処遇改善加算の新設などが影響を与えたとみられる。平均賃金に12をかけると291万7620円。 令和2年度介護労働実態調査結果についhttp://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html て ここで言う賃金は昨年9月のもの。税金や保険料などを引かれる前の"額面"で、いわゆる"手取り"ではない。毎月決まって支払われるものを指し、そうであれば役職手当や交通費なども含まれる。月ごとに変動する残業代や夜勤手当などは対象外。ボーナスも除外されている。 この調査は昨年10月に実施されたもの。全国の約1万7500事業所が対象で、9244事業所から有効なデータを集めている。 介護職の賃金を職種別にみると以下の通り。ヘルパーは22万4277円、サ責は25万9072円、ケアマネは26万3379円となっている。

厚労省、介護助手の人材確保へ新事業 「普及推進員」の全国配置を計画

介護現場で周辺業務を行い専門職らをサポートする「介護助手」の人材確保に向けて、厚生労働省は来年度から新事業を始める計画だ。

都道府県が福祉人材センターへ「介護助手等普及推進員(仮称)」を配置した際に、人件費などを補助していく。そのために必要な経費として、来年度予算の概算要求に3億円を盛り込んだ。当面は都道府県ごとに1人以上の推進員の配置を目指す。

介護助手は、例えば施設などで物品の補充や食事の配膳、清掃といった仕事をこなし、身体介護などの担い手をバックアップする存在。介護職の人手不足の緩和、負担の軽減、離職の防止などに寄与すると期待されている。元気高齢者などの社会参加の機会を作るメリットも見込まれているが、その活用はまだ十分に進んでいないのが実情だ。

介護助手の人材確保に向けてはこれまで、モデル的な取り組みやマッチングを後押しする事業などが実施されてきた。推進員の配置を全国展開するのは今回が初めて。

今後、厚労省は推進員の詳しい要件を詰めていく。社会保険労務士や経営者らを想定。制度を熟知している人、介護現場のマネジメント経験のある人などを登用したいという。

推進員の役割としては、各地の社会福祉協議会や福祉事務所などを巡回して担い手を掘り起こすことを例示。介護助手の受け入れに有効な業務改善、求人開拓などに関する事業所への助言もあげている。厚労省の担当者は、「介護助手の仕組みの認知度向上にもつなげたい」と話している。(介護ニュース)


介護の生産性向上、予算増目指す 厚労省概算要求 科学的介護の推進も

厚生労働省は26日に開かれた自民党の厚労部会に、来年度予算の概算要求の内容を提示した。介護分野では、現場の生産性の向上や科学的介護の推進に投じる予算の増額を求めていく方針だ。

一般会計の総額は33兆9450億円。前年度と比べて8070億円の増となり、4年連続で過去最高を更新した。その大部分を占める社会保障費は、同6738億円増の31兆7791億円となっている。

介護現場の生産性向上を図る予算については、今年度(7.3億円)の倍の16億円を要求する。効果的な取り組みのモデル化やセミナーの開催、地域アドバイザーの配置などを展開するほか、ICTを活用した全国共通の電子申請・届け出システムの拡充も進めていく。介護ロボット開発加速化事業にも引き続き力を入れる計画だ。

科学的介護の推進に向けた予算も、今年度の4.7億円から13億円への増額を目指す。例えばデータベースの保守・機能改修、フィードバック活用の好事例の収集などを行いたいという。

このほか、介護サービス提供体制の強化の原資として都道府県ごとに設置している「地域医療介護総合確保基金」については、今年度と同額の549億円を求める考えだ。

YouTubeで学ぼう 適切なケアマネジメント手法の手引き、短尺の解説動画が公開

YouTubeで学ぼう 適切なケアマネジメント手法の手引き、短尺の解説動画が公開

厚労省は24日に出した介護保険最新情報のVol.1005で周知。現場の関係者に対し、ケアマネジメントの質の向上に役立てて欲しいと呼びかけた。

適切なケアマネジメント手法とは何か?

手引きの作成にあたった日本総研の担当者は動画で、「介護支援専門員の先達が培った知見の中で、共通化できる内容を体系化したもの」と説明している。ケアマネジメントの水準を一定以上に保っていくこと、質のばらつきを無くしていくことが手引き作成の目的だ。個別性を度外視した画一的な支援を求める標準化ではない。

新たな動画は全部で10本。テーマごとに分けられており、尺はそれぞれ2分から7分ほどと短い。

動画では手引きを使う意義について、「支援内容やアセスメント項目の"抜け漏れ"を防げる」「他の職種との協働や役割分担を進めやすくなる」「ケアプランの見直しがしやすくなる」の3点を指摘。手引きを活用した利用者ごとのきめ細かい支援の組み立てを呼びかけている。(介護ニュースより)

介護職が離職を考えた理由、ハラスメントが最多 利用者との人間関係も 組合調査

職場でのハラスメントは人材の離職につながる可能性が非常に高い − 。介護職で組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が20日に公表した調査レポートでは、そうした結果が報告されている。

働くうえでの不安はあるか? 月給制で現場を支える介護職にそう尋ねたところ、76.0%が「ある」と回答。その最大の理由では、「自分の体力・体調(24.4%)」や「賃金・貯蓄(22.8%)」などが多く、「上司や利用者・家族のハラスメント」は2.3%と少なかった。 一方で、こうした不安から離職を考えたことがある人の割合をみると、「上司や利用者・家族のハラスメント」が93.2%で最多。以下、「利用者・家族との人間関係がうまくいかない」が76.9%、「事業所内の人間関係がうまくいかない」が76.7%と続いていた。 NCCUの村上久美子副会長は会見で、「人間関係を最大の不安と位置付ける介護職は少ないが、実際に問題が起きれば離職に直結しやすい」と指摘。「職場のハラスメントなどの対策は、人材確保のうえで非常に重要」と述べた。 この調査は今年3月から4月にかけて行われたもの。NCCUの組合員8604人が対象で、月給制の介護職では4124人の回答を集計している。 結果ではこのほか、働くうえでの現状の不満について70.0%が「ある」を選択。その最大の理由は多い順に、「賃金が安い(30.9%)」「仕事量が多い(18.8%)」「何年経っても賃金が上がらない(7.4%)」となっていた。 (介護ニュースJOINTより)

濃厚接触者の自宅待機、介護施設の団体が見直し要請 「体制が維持できない」

新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者となった医療職の取り扱いについて、厚生労働省は18日、自宅待機のルールの緩和を認める通知を発出した。介護職にも同様の措置を講じるよう、全国老人福祉施設協議会など介護施設の団体が要望書を提出している。

全国的な感染の急拡大に伴い、濃厚接触者となって14日間の自宅待機を余儀なくされる医療職・介護職が増えている。人材確保に苦労する現場の関係者からは、国に運用の見直しを求める声が噴出。厚労省は今月13日、新型コロナの感染者の診療にあたる医療職らに限って、例えば以下の要件を満たせば仕事を続けられるとする通知を出した経緯がある。

◯ 新型コロナ対策に従事する医療職であること。

◯ ワクチンを2回接種済みで、2回目の接種から14日間経過していること。

◯ 毎日、業務前に検査で陰性が確認されており無症状であること。

厚労省は今回、こうした取り扱いを新型コロナに対応していない一般の医療職にも広げる通知を発出した。介護職については依然として自宅待機が必要。今後、医療職を踏襲する形でルールが緩和される可能性もある。

全国老施協、全国老人保健施設協会などは18日、田村憲久厚労相へ要望書を提出。「濃厚接触者の自宅待機が増加しており、介護の提供に支障が出ている」と訴え、医療職と同様の取り扱いへ変えるよう注文した。

全国老施協は要望書の提出時に、田村厚労相へ「このままでは人手不足に拍車がかかり、サービス提供体制が維持できなくなる」と説明。「可能な限り早く対応して欲しい」と求めた。(介護ニュースJOINTより)

介護職のワクチン接種、在宅系で進まず 施設系と大きな格差 組合調査

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、介護職では在宅系サービスの担い手だけ置き去りにされている実態がある − 。改めてそう問題を提起している。

全国の約8万6000人の介護職で組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が今月10日、介護職のワクチン接種の進捗を探った調査の結果を公表した。

それによると、全ての介護職が2回のワクチン接種を既に済ませている事業所の割合は、施設系で71.0%と高い水準に至っている。一方、施設に併設されている在宅系では37.0%、併設無しの在宅系では12.6%。非常に大きな格差が生じている現状が浮き彫りになっている。

ワクチン未接種の事業所(接種中など除く)の割合は、施設系が5.7%、施設併設の在宅系が16.1%、併設無しの在宅系が30.2%だった。

この調査は先月14日から今月2日にかけて実施されたもの。NCCUの組合員が働く4051事業所にFAXで調査票を送り、1003事業所から有効な回答を得たという。

NCCUは現下の感染状況と今回の調査結果を踏まえ、「今後は在宅のコロナ患者の増加が想定される。在宅系の介護職は、今まで以上に感染リスクの大きな不安を抱えながらサービスを提供しなければいけない」と指摘。在宅系の介護職もワクチンの優先接種の対象として明確に位置付けるべき、と重ねて訴えている。

政府はもともと、介護職の優先接種の対象を施設系のみに限定する方針を掲げていた。その見直しを求める声を各方面から受け、今年3月に運用を弾力化。一定の条件を設けつつ、在宅系を含めるかどうかの判断を自治体の裁量に委ねた経緯がある。(介護ニュースより)

【解説】適切なケアマネジメント手法って何? 厚労省が手引きを公表

今年6月、国の「適切なケアマネジメント手法の手引き」が新たに公表された。厚生労働省は現場のケアマネジャーらに活用を呼びかける通知を出したが、いったいどんな内容になっているのか? 日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長に策定の経緯や抑えるべきポイントなどを聞いた。

−− この手引きが作られることになった背景、問題意識を教えて下さい。

今から5年ほど前に遡ります。政府が2016年にまとめた「ニッポン1億総活躍プラン」に構想が書き込まれました。同じ年の審議会の報告書でも、「介護支援専門員の資質向上を図る観点からは、適切なケアマネジメント手法の策定も重要」と提起されていました。

議論の出発点は、以前から指摘されてきた、個々のケアマネジメントの質にバラつきがみられるのではないか、という課題認識です。求められる知識、スキルの高度化も進むなか、適切なケアプランを作れるよう介護支援専門員を支援していくことが必要、という意見もありました。こうした経緯でできあがったのが今回の手引きではないか、と拝察しております。

  −− ケアプランの画一化を促すものではないということですね?

はい。手引きではその趣旨や目的を、

○ ケアマネの先達たちが培ってきた知見の中で共通化できる知見に着目し、それを体系化したもの

○ どの介護支援専門員が担当しても一定レベル以上のケアマネジメントが提供されるようにすること

などと説明しています。あくまでもノウハウの共有、質の底上げを目指すもので、どんなケースでもこういう画一的な対応で済ませればいい、という標準化では決してありません。ケースごとの個別化が引き続き重要であることは重ねて強調されています。

  −− 手引きのポイントはどんなところですか?

それはやはり、ケアマネジメントで不可欠となる基礎的な知見が改めて分かりやすく整理されているところ、ではないでしょうか。我々介護支援専門員の日常的な業務との親和性は非常に高いと思います。

例えば、高齢者が地域生活を継続する基盤を支える「基本ケア」が土台として示されており、その考え方を再確認できる内容となっていることは重要です。また、それぞれ特有の視点も必要となる「疾患別ケア」の解説も十分に盛り込まれました。この2つを併記し、相互に結びつける構成となっていることが1つのポイントと言えるでしょう。

  −− 基本ケアと疾患別ケアの2階建てになっていると聞きました。

はい。疾患別ケアについては様々なエビデンスが出てきており、優れた調査・研究の報告書なども多く公表されています。逆に言うと高度で幅広く、少し学ぶのが大変な領域と言うこともできるでしょう。介護支援専門員はみんな非常に忙しいですから…。

今回の手引きでは、"最低限ここだけは"という知見が簡潔にまとめられています。まずはこれでポイントを抑え、新たな気付きを日々のケアマネジメントに活かしていく − 。その中で必要性が生じたら、より専門的な知見についても積極的に学習していく − 。そうした使い方もできるところが非常に便利だと思っています。

  −− ケアマネはどのように活用すればいいのでしょうか?

この手引きの目的の1つに、"ケアプラン検討時の視点の抜け漏れを防ぐ"ということもあります。例えば今、業務の効率化や負担軽減に力を入れている事業所は少なくないでしょう。そうした取り組みは重要ですが、どうしても欠かせない仕事まで省いてしまうとやはり問題ですよね。

ケアマネジメントでは最低限どこを抑えておかなければいけないのか − 。それを再確認する手段としても、今回の手引きは優れていると思います。ケアマネジメントの質の更なる向上に役立つことはもちろん、業務の"適切な効率化"を実現するツールとしても活用できるのではないでしょうか。

また、手引きには自己点検や研修、多職種カンファレンスといったシーンごとの活用方法もまとめられていますので、そちらも非常に参考になることと思います。(介護ニュースJOINT)

介護事業所様向け情報(経営)8月号③

福祉施設でみられる人事労務Q&A
『妊娠した職員に対して求められる雇用主としての配慮』

女性職員から妊娠したと報告を受けました。その際、本人から長時間連続して立ち続ける仕事を減らしてほしいという要望がありました。雇用主として、どこまで配慮をする必要があるのでしょうか?

妊娠中の職員からの要望について、主治医等が職員にどのような指導事項を出しているかを確認した上で、雇用主は主治医等の指導事項を守ることができるようにするための措置を講じることが求められます。具体的な措置の内容については職員と話し合い検討します。

詳細解説

1.雇用主に求められる母性健康管理措置

妊娠や出産は病気ではないため、通常通り勤務することが原則的な考え方となります。ただし、妊娠中の職員が健康診査等により、主治医や助産師(以下、主治医等)から指導を受けた場合には、その指導事項を守るために必要な措置を講じる必要があります。具体的には、以下のような措置があります。
● 妊娠中の通勤緩和
●妊娠中の休憩に関する措置
●妊娠中または出産後の症状等に関する措置(作業の制限、勤務時間の短縮、休業等)
今回のケースは職員からの要望であるため、まずは主治医等が指導事項を出しているか確認すべきでしょう。

2.妊娠中の職員に対する配慮

主治医等の指導事項を雇用主へ適切に伝えるためのものとして、「母性健康管理指導事項連絡カード」(以下、母健連絡カード)が用意されています。この母健連絡カードは、主治医等が職員へ行った指導事項の内容を雇用主に伝えるものです。職員には状況を把握するためにも、このカードの提出を求めるとよいでしょう。
母健連絡カードでは、「作業の制限」として「長時間の立作業」の項目が設けられており、提出のあった母健連絡カードにこの指導があるときには、どの程度の作業時間が身体的負担となるか、本人と話し合うことになります。例えば、休憩回数を増やすことや、休憩時間を長くするなどの対応が考えられます。具体的な措置が分かりづらい場合は、本人の了承を得て、主治医等と直接連絡をとり、判断を求めることも可能です。
妊娠した職員への配慮をすることにより、周囲の負担が増えることもあるかと思います。妊娠した職員と話し合い、負担となる業務を明確にした上で対応するとともに、周囲の職員にも協力を求めることが必要になります。

 

介護事業所様向け情報(経営)8月号②

福祉施設等における労働者の就業形態の変化

少子高齢化の進展による労働人口の減少や働き方改革の推進により、様々な働き方が行われるようになっています。ここでは今年 3 月に発表された調査結果※から、福祉施設等(以下、医療,福祉)における労働者の就業形態の変化をみていきます。

正社員数の変化

上記調査結果から、医療,福祉の事業所における 3 年前(2016 年)と 2019 年の正社員数の変化をみると、表 1 のとおりです。

変わらないとする割合が 49.5%で約半数を占めました。増えたとする割合は 35.0%で、減ったとする割合の 14.6%を上回りました。

正社員以外の労働者比率の変化

では、正社員以外の労働者の状況はどうでしょうか。医療,福祉の事業所で正社員以外の労働者がいる割合は 92.3%で、その事業所における正社員以外の労働者比率の変化をまとめると、表 2 のとおりです。

3 年前と比べて変わらないとする事業所割合が 64.5%で最も高くなりました。正社員の場合よりも、変わらないとする割合が 10 ポイント以上高い状況です。
また、今後の正社員以外の労働者比率の変化予測については、医療,福祉では、ほとんど変わらないが 63.4%、上昇するが 18.5%、低下するは 6.3%にとどまりました。

パートタイム労働者の活用が多い

比率が上昇した正社員以外の就業形態については、医療,福祉では、パートタイム労働者(以下、パート)が 80.4%で最も高くなりました。そして、今後比率が上昇すると思われる正社員以外の就業形態をまとめると、表 3 のとおりです。

こちらもパートが 74.8%で最も高く、次いで嘱託社員(再雇用者)が 20.9%となっています。パートを活用する理由をみると、賃金の節約のためが 41.1%で最も割合が高く、正社員を確保できないためが 38.4%で続いています。
正職員の新規採用はもちろん、既存職員の雇用維持のために賃上げを行う福祉施設等は少なくありません。人件費の高騰や採用難に対応するための方法として、パートを採用するケースが多いのかもしれません。
貴施設の状況はいかがでしょうか。

 

※厚生労働省「令和元年度 就業形態の多様化に関する総合実態調査」
5 人以上の常用労働者を雇用する事業所及びその事業所に就業している労働者を対象に 2019 年 11~12 月に行われた調査です。調査対象数17,278 事業所、有効回答率は 43.4%です。詳細は次の URL のページからご確認ください。https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/5-22.html

 

 

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