コラム
厚生労働省は10月31日、全ての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度をめぐり、ルールの細部などを明らかにするQ&Aの第2弾を公表した
今回は7つの問答を掲載。介護保険最新情報のVol.1325で現場の関係者に周知した。
例えば、事業所を廃止した場合の取り扱い、障害福祉サービスも提供している場合の報告方法、報告期限の考え方などが解説されている。ここでは5つのQ&Aを取り上げ、そのポイントをまとめた。
※ Q&Aの詳細は介護保険最新情報Vol.1325で。
問1|廃止となった事業所の経営情報も報告すべきか。
答|その事業所を廃止した事業者からの報告が必要。事業者自体が廃業、閉鎖、解散している場合はこの限りではない。
問3|介護サービス以外に医療・障害福祉サービスも提供しているが、介護サービスとそれ以外のサービスを按分した金額を報告すればよいか。
答|介護サービスとそれ以外の障害福祉サービスなどを按分することが可能であれば、按分したデータを報告・登録する。按分が難しい場合は、介護サービスとそれ以外のサービスを含んだデータを報告して差し支えない。
問4|事業所Aと事業所Bが同一拠点に属している場合は、どのように報告すればよいか。
答|報告は原則として事業所・施設単位だが、事業所・施設ごとの会計区分を行っておらず、拠点単位でのみ会計処理を行っているなどやむを得ない場合は、拠点単位で報告して差し支えない。
問6|特定の収益・費用の内容について、介護サービスと介護サービス以外(医療・障害福祉サービスを除く)を分けられない場合、どのように報告すればよいか。
答|報告は介護サービスに係る事項のみを対象とすることが基本。各収益・費用の内容については、8月2日の通知の考え方を踏まえ、適切な方法で報告する必要がある。会計処理上、介護サービス以外の部分との切り分けがどうしても困難な場合は、個別に都道府県と相談する必要がある。
問7|いわゆる「内部取引」にあたる金額が含まれる場合、「消去前」「消去後」のどちらの金額を計算すべきか。
答|内部取引消去については、財務諸表の作成に関する各会計基準上の定めに従って実施する。例えば、複数の事業所をひとまとめにした拠点区分の損益計算書などのデータを、社会福祉法人会計基準の科目により報告する場合は、拠点区分を超えた内部取引額は計上しつつ、拠点区分内での内部取引については消去する。
日本経済新聞 朝刊 経済・政策(5ページ)2024/11/7 2:00
厚生労働省はケアマネジャー(介護支援専門員)になるための試験について、受験時に求める要件を緩和する。対象となる資格を増やし、実務経験の年数短縮を検討する。高齢化により介護のニーズが高まる一方でケアマネの人数は減っており、要件の緩和でなり手の確保につなげる。
7日に開くケアマネの人手不足に対応する検討会で、中間とりまとめの案を示す。具体的にどの資格を対象に加えるかや、要件の緩和を始める時期などは引き続き議論する。
ケアマネになるためには試験に合格したうえで、実務研修を修了する必要がある。
試験の受験には介護福祉士や看護師といった特定の資格をもち、通算5年以上の実務経験が求められる。
かつては介護の業務経験が一定年数あれば資格を持っていなくても試験を受けられたが、2018年度からは受験できなくなった。
18年度に18万9754人だったケアマネは、22年度には18万3278人と3%減った。受験資格を厳しくし、受験人数が減ったためだ。
検討会では参加者から「今のケアマネは若い人が少ない。15~20年後には決定的な人材不足となる」との指摘が出ていた。
私は、いつからかは忘れましたが「朝起きたときにベッドを整える」という習慣を毎朝、繰り返しています。基本的のずぼらな人間で、ときどき「面倒だな、今日は放置でいいか」と思うこともありますが、何となく自分の中でルールにしているので、体が動いてしまうもの。なまけ心が出てきそうな時こそ、やってしまえば気分が良いものです。「ひとつ終わった。さて、動き出しましょう」とばかり少しの清々しさで一日を始められるます。そんな些細なことが、一日を作り、自分を作っていくと実感するのです。
不思議なもので、良い習慣が一つ身に着くと、他の動きも変わっていきます。自分が少しばかり、ちゃんとした人、余裕のある人になったような気がして、無意識にそんな行動をとるようになるのです。習慣の力は、ドミノ式に良い結果をもたらしてくれることがあります。一発逆転でなくとも、その時々、明るい方向に進もうとすることで、明るい現実がゆっくり、でも確実に近づいてくるのです。
「習慣にするためのコツ」は次の三つと言われています。
- 今すぐにできるカンタンなことから、ひとつづつやってみる。
- 「気分がいいこと」をしっかりと味わう
- どんなとき、何をきっかけにするかを決める
続けるためには、一度にたくさんやらないことです。そして、「ああ、すっきり」とか「気分がラクになった」とかいい気分をしっかりと味わうことです。
もうひとつ、習慣化のために大事なのは、いつ、どこで、なにをきっかけにするかを決める事。「朝、起きた時」「人に会ったとき」「イラっとしたとき」「食事をするとき」「歯を磨くとき」など「このときにこうしよう」と自分なりのルールを決めると、それが自分を変えていく小さな「仕掛け」になります。
はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人を作っていくのです。
Q,仕事が出来ず協調性もない問題のあった社員が、定年後の再雇用を申し出てきました。会社としては定年をもってやめてもらいたいが、どのような対応が出来ますか、尚、当社は雇用継続制度をとっており、再雇用基準を定めた労使協定があります。
A, 当該社員は定年迎えるということで、定年後再雇用をしないということが考えられますが、それが出来るかどうかが問題になるところです。
平成25年4月1日より改正高年齢者等の雇用の安定等の関する法律が施行されています。この改正では、定年に達した人を引き続き雇用する「雇用継続制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されました。ただ、従来このような仕組みを設けていた場合には、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢(令和4年3月31日までであれば63歳)を超える年齢の者について、なお雇用継続制度の対象者を限定する基準を定めることは可能となります。
逆にいうと、60歳定年で雇用継続制度をとっている場合、本人が希望するときは、解雇事由や退職事由にあたる事由がないかぎり、少なくとも上記支給開始までは再雇用する必要があります。再雇用基準を適用できるのは上記支給開始年齢を超えて再雇用するかどうかを判断するときになります。
従って、御質問にある問題社員が再雇用を希望した場合、その時に再雇用基準を満たしていなかったとしても、少なくとも上記支給開始年齢までは再雇用をする必要があります。
2,解雇することはできるのか
仮に再雇用拒否が出来ない場合でも客観的合理性と社会的相当性の要件を満たしていれば解雇することはできます。ご質問のケースでは、当該社員は仕事も出来ず協調性もないとのことですので、解雇できるかどうかのポイントとしては、その問題事由を裏付ける客観的事実、問題性の程度、そして何度も注意指導しても改善しなかったという「改善可能性」が無いことや、他の部署に配転して解雇を回避する余地がないか、などが焦点になります。
実際のケースでは、十分な注意指導が出来ておらず、直ちに解雇するのは難しいというケースが見受けられます。そのような場合には、一端、再雇用したうえで、当該社員の問題状況や注意指導の履歴を記録化するようにして、契約更新の段階で雇止めを検討するという方法も考えられます。ただ、社内で長年キャリアを積んだ年長社員に対して、どれだけの指導教育ができるかについては、現実的にかなり難しい部分もあるのではないでしょうか。
3,労働条件を変更することはできるか
定年後再雇用とする場合、雇用契約を締結しなおすことになりますので、その際に労働条件(給与、職種、業務内容)を改定し提示することは可能です。ただ、どのような変更をしてもいいかというと、厚労省Q&Aによれば、継続雇用高齢者の安定した雇用を確保するという趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金など雇用に関するルールの範囲内で事業主と労働者の間で決めることが出来るとされています。そして最終的に合意できなかった場合でも、事業主が合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば結果的に継続雇用に至らなかったとしても、法律違反になることはないとしています。
4,事業主側として現実的な対処方法としては。
ご質問のケースのような場合、当該社員との雇用継続が難しいということであれば、実務対応としては、当該社員にこれまでの勤務をねぎらいつつも、会社の評価を伝えて、まずは退職勧奨を試みるのが現実的な対応であると考えます。また、場合によっては割り増し退職金を支払う等の方法も考えられるところです。
以上
厚生労働省は、美容外科や皮膚科を標榜するなどの417医療機関の 6割超で麻酔下施術を行
う医師への麻酔・全身管理に関する研修の制度がないとする調査結果を公表した。施術の技術
に関する研修がなかった医療機関は2割超あった。
調査は、厚労省から委託された民間の研究所が実施。医療機関向けの調査では、8月20-9月
17 日に美容外科や皮膚科を標榜する医療機関や、関係学会の会員医師の医療機関の 417施設か
ら回答を得た。それによると、院内での研修制度やルール、連携先医療機関の有無について聞
いたところ(複数回答)、60.2%の医療機関で、麻酔下施術を行う医師への麻酔・全身管理の研
修制度がないと答えた。
また、47.7%が施術後翌日の患者診察のルールがなかったほか、37.2%が施術ごとに実施可
能な医師の限定要件がないと回答した。施術の技術に関する研修制度がない医療機関は 23.5%
あった。
施術の技術に関する研修制度がないと回答した 98 医療機関に理由を聞いたところ(同)、最
も多かったのは「研修の必要性を感じないから」(18.4%)だった。ほかには、「経営者の判断
によるから」(12.2%)や「研修の準備・実施に時間や費用がかかるから」「研修のやり方が分
からないから」(共に6.1%)など。
従事する医師について、治療を行う上での経験年数や実績、医療機関内での研修、専門医な
どの要件を設けていない医療機関は54.4%あった。
また、カルテの記載に関するルールを定めた上で、それを周知しているのは約半数にとどま
り、ルール自体がない医療機関は約2割あった。
一方、8 月24-26 日に実施した別の調査では、美容医療に関して何らかのトラブルを経験し
た患者 600 人が回答した。美容医療に関して診察をどの職種から受けたことがあるか聞いたと
ころ(複数回答)、医師からが 64.8%、看護師からは 26.5%だった。一方、カウンセラーから
が 20.5%、受け付けスタッフからは 8.7%いた。また、カウンセラーや受け付けスタッフから
施術を受けたことがある患者も、それぞれ13.8%、6.3%いた。
美容医療を受けたことで、合併症や後遺症に陥った患者は約 4 割いた。合併症の症状では、
熱傷が最も多く、重度の形態異常や皮膚壊死・皮膚潰瘍などが続いた。中には骨折や輸血が必
要なほどの出血を経験した人もいた。
調査結果は、厚労省が 18 日の「美容医療の適切な実施に関する検討会」で明らかにした。
脱毛や眼瞼形成などの美容医療を巡っては、ニーズの高まりに伴って提供する医師や医療機関
の数が増加しており、利用者による相談件数や危害事例も増加している。そのため、厚労省は
美容医療を提供する病院や診療所に安全管理の実施状況を年 1 回、都道府県に報告することを
求める案を18日の同検討会に示した。(メディカルウェーブ記事より)
横浜市瀬谷区、小田急電鉄桜ヶ丘駅と相模鉄道瀬谷駅のちょうど中間に位置する下瀬谷保育園。
「遊びこみ、遊びきる」という理念を基に、自然豊かな環境の中で、子どもたちの個性を尊重したインクルーシブな保育を実践しています。
広々とした園庭には、すべり台やボルダリング付きの大型遊具、畑などの設備が整っており、子どもたちは思う存分遊びながら、主体性や創造力を育んでいます。
日々の保育の中で、さまざまな工夫を重ねる同園の取り組みについて、園長の櫻井宏基先生と辻林加奈子先生にお話を伺いました。インタビュアーはリンクエイジの大野。
『みんなが嬉しい保育園』を目標に掲げる下瀬谷保育園は、2018年に横浜市の公立保育所から民間へ移管され、子どもたちの主体性を重視した保育を実践しています。
「なければ自分で作ればいい」を合言葉に、廃材を使った遊びを大切にする同園。一見ただの廃材でも、子どもたちの手にかかれば世界に一つだけの宝物に生まれ変わります。
また、保護者や地域の方々との協働にも力を入れています。例えば、園庭に大きな砂山を作る際には保護者も参加し、親子で遊びを作り上げました。さらに、近隣で飲食店を営む保護者の協力で実現した本格的な餃子作り体験など、地域とのつながりを活かしたさまざまな活動を展開。
「保育園って、もっといろいろなことに挑戦してみても良いと思うんです」と語る櫻井園長。子どもたちの興味や好奇心から生まれる遊びを大切にしながら、新しい価値観や喜びを生み出せる場所を目指しています。
下瀬谷保育園が実践する、子どもたち一人ひとりの豊かな心を育む保育の詳細は、以下のURLからご覧いただけます。
https://www.lage.co.jp/case/c014/
全国介護事業者連盟は30日、ケアマネジメントのあり方に関する要望書を厚生労働省へ提出した。
ケアマネジャー不足が全国的に顕在化していることを念頭に、「最優先で実行すべきは処遇改善と法定研修の抜本的な見直し」と訴えた。
処遇改善の具体策としては、居宅介護支援の介護報酬に「処遇改善加算」を導入することによる賃上げを要請。当面の措置として、ケアマネジャー向けの「処遇改善交付金」を税財源で創設することも一案とし、今後の予算編成・報酬改定に向けて具体化を図るよう求めた。
法定研修については、更新制度・更新研修の抜本的な見直しを提言した。
「ケアマネジャーが更新研修で研鑽を高めることは重要だが、人材確保の弊害となっている側面も否めない」と主張。更新期間の5年間を柔軟に使い、オンデマンドのオンライン研修をそれぞれのペースで受けていける仕組みに変えるべきとした。
あわせて、資格取得後の経過年数や更新研修の受講回数といったキャリアも考慮すること、重複している研修内容を整理して時間数を減らすことなども提案した。
介事連の「ケアマネジメントあり方検討部会」の田中紘太部会長(株式会社マロー・サウンズ・カンパニー代表)は、「ケアマネジャーがなかなか見つからない“ケアマネ難民”が、地域によってはかなり生じている。このまま状況が悪化すれば、必要な介護サービスをスムーズに受けられない高齢者が増え、制度自体が立ち行かなくなりかねない」と指摘。要望書の施策の早期実現を呼びかけた。(介護ニュースより)
衆院選の結果が28日未明に決まった。自民党、公明党はあわせて215議席。政治と金の問題などで強い批判にさらされるなか、与党は15年ぶりに過半数の233議席を下回った。
政局の行方は不透明感が強い。与野党の協力関係のあり方など、国会での多数派工作も当面の大きな焦点となりそうだ。
こうした政治状況は、今後の介護政策にどんな影響を及ぼすのだろうか。
有識者に話を聞いた。介護の問題に焦点が当たりやすくなると期待する声、意思決定のプロセスが混乱すると懸念する声などが聞かれた。
淑徳大学総合福祉学部・結城康博教授の話
結果に驚いている。与党はギリギリで過半数を維持するとみていたが、まさかの大敗で非常にびっくりした。
介護業界にとっては良かったのではないか。
介護の問題はこれまであまり注目されず、石破政権でも優先順位が低かった。一方で野党は、深刻な人手不足やいわゆる「介護難民」などを問題として強調しており、衆院選の公約でも施策を強く訴えていた。
与野党の勢力が伯仲すれば、介護の問題もこれまでより取り上げられやすくなる。介護業界にとって良い転機となるのではないか。
◆ 全国介護事業者連盟・斉藤正行理事長の話
政権運営の舵取りは非常に難しくなった。政局はまだ先行きが見通せない。引き続き状況を注視していく必要がある。
それを前提として言えば、当面は意思決定プロセスの混乱が心配される。政策判断に時間がかかり、スピーディーな対応ができなくなる懸念も強い。妥協の産物のようなどっちつかずの方針になったり、先送りされる重要案件が増えたりする可能性もある。もしそうなれば、介護政策だけでなく、日本の社会保障政策全般にとって良いこととは言えない。
過半数は割り込んだが、依然として自民党・公明党は多くの議席を有している。介護政策が直ちに大きく変わることはないだろう。
ただし、野党の発言力がこれまで以上に大きくなることは間違いない。介護職員の処遇改善などの主張が取り入れられ、介護政策が全体として良い方向へ向かっていくことに期待したい。
UAゼンセン日本介護クラフトユニオン・村上久美子副会長の話
立憲民主党や国民民主党が躍進した。労働者の立場から政策を考えてくれる政党が力を持つのは、人手不足が大きな課題の介護業界にとって歓迎すべきこと。今後に期待している。
例えば立憲民主党は、介護職員の処遇改善や訪問介護の報酬減の撤回などを訴えていた。国民民主党は介護職員の処遇改善、ケアマネジャーの更新研修の廃止などを主張している。これらに賛同してくれる介護関係者も多いのではないか。
今回の衆院選は、こうした重要な政策の実現を強く後押しする結果となった。いわゆる「介護難民」への対応などは喫緊の課題で、それを前へ動かす大きな一歩になると強く期待している。(介護ニュースより)
デーサービスに行っている90代の母親が、こんなことを言っていました。「老人たちの話題は、ここが痛い、どこどこの具合が悪いって、病気の話ばかり。こっちの気がめいってくるわ。でも一人だけいつも面白いことをいうご婦人がいて、この前も誰かが「膝が痛い」と言ったら、「あら、それは、まだ生きてるってことね。お互い生きててよかったね」だって。みんな大笑いよ」なるほど、そんな言い方があるんだと感心しました。
一見、マイナスの事象のことでも、必ずプラスのことが隠れています。マイナスとプラスは表裏で、どちらを見ようとするかでその意味はまったく変わってきます。
例えば仕事が忙しかったとき「働きすぎて今日もぐったりという」というのと「今日は仕事がはかどってよかった」というのとは、どちらが元気になれるでしょう?
職場に厳しい先輩がいるとき「あの人がいると職場の空気がピリピリして緊張する」というのと「あの人がいるから空気が引き締まる」というのとでは、どちらがいい気分ですごせるでしょう?
現実が変わらないのならば、プラスの言葉を使うことで、その現実に対する「意味づけ」を変えるのです。すると物事はいい方向に進んでいくもの。愚痴や不満ばかり言っていても、いやな気持になって、さらに良くない方向に進んでいきます。幸せか、不幸かは自分で決めることができるのです。あなたが毎日の生活をご機嫌なものにしたいなら、プラスの言葉だけを使うよう心掛けてください。言葉を変えれば、人生は変わりますから。(有川真由美著「いつも機嫌がいい人の小さな習慣」より)
Q 上司Aが部下Bに対し、Bが作成した文書の誤字脱字が多くミスが多いとして、業務上の注意指導をしたが、それでも改まらなかったので、再度、前回よりきつく注意したところ、Bは「パワハラです」と言って注意指導を受け入れない、注意指導はどのような場合にパワハラになりますか?
A,パワハラに関し実際に何をすればパワハラになるのか、十分に理解できている方は以外と少ないのではないでしょうか。そのため本来、部下を指導監督する上司が、これはパワハラにあたるのか、などと判断に迷ってしまうこともあると思います。さらに本設問のようにちょっと厳しく注意すると部下から「パワハラだ」などと言われると上司は注意する出来ないのではないかと思ってしまうケースも散見されます。そこで、まずはパワハラに関する基本的な考え方について検討したいと思います。
パワハラにつては、法律上の定義があるわけではありませんが、厚生労働省は「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働くものに対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義しています。
つまり注意指導そのものがパワハラにあたるものではなく、注意指導の程度や態様が度を越している場合にはパワハラにあたる可能性があるということになります。裁判上も、注意指導の目的は正当なものであったとしても、感情的になって大きな声を出したり、部下の人間性を否定するかのような表現を用いて叱責した点などは「社会通念上、許容される範囲を超える」としています。
御質問のケースでは、上司は部下の誤字脱字が多いことを、業務を対象にして注意指導を行っていると言えます。しかしながら部下は注意されたにも関わらず改善されないだけでなく、反抗的な態度をとってきたとのことですから、その分厳しく注意するのは当然と言えます。もちろん、先に述べた人格否定を行う、大声で怒鳴るといった注意指導は行き過ぎですが、そうでない限り、上司の注意指導はパワハラとはいえないでしょう。注意指導を行うときには、くれぐれも冷静に行うことが大切です。