コラム
【介護・保育】人材定着ブログ11月号~介護・保育 「福祉事業に必要なキャリアパスとは③」の続きです。
ステップ2、求められる能力を設定する
能力についての基本的な考え方は、「仕事をするために必要な能力」です。例えば、報告、連絡、相談を円滑に行う「コミュニケーション力」、リーダー業務に必要な「リーダーシップ力」、業務計画の進捗を管理するための「財務会計の知識」等です。
これらの能力についても法人でプロジェクトを立ち上げ、職員間で議論すれば様々な内容が出てくると思いますが、一般的に良く使われるものを下記しますので参考にしてほしいと思います。
- 初任クラス:コミュニケーション力・自己管理力・理解力・実行力・整理力・計張力等
- 上級クラス:創造力・改善力・提案力・リーダーシップ・問題提起力
- 指導職員:指導力・育成技術・判断力・目標設定力・進捗管理能力・説得力等
- 管理経営職:決断力・問題解決能力・計画実行力・説明力・折衝力・情報能力等
ステップ3、必要な研修を設定する
キャリアパスについては、「仕組みの構築だけが事業者の責務であり、それをどう活用するかは職員次第」という訳にはいきません。職員にキャリアアップの機会を意図的に提供することも事業者の重要な責務です。事業者は人材育成方針を踏まえた上で、「各階層において求められる仕事がきちんとできるようになるための研修」「その仕事に必要な能力を身につける研修」「資格を取得するための研修」という視点で、研修を整理、体系化しなければなりません。
-
留意点1
研修には「直面するニーズ」と「育成に必要なニーズ」の双方があります。差し迫った必要性を感じるという意味では、どうしても専門性を優先しがちになります。専門性が重要であることは言うまでもありませんが、問題なのが、「組織性の研修」が軽視されがちなことです。指導職、監督職という階層から上は「専門職の階層」でなく「組織マネジメント」の階層です。「介護主任にはなりたくない」「主任に抜擢したら期待外れだった」という経験がある法人では、そもそも主任業務が務まるだけの研修機会を職員に提供しているかどうか、検証してもらいたいと思います。
また、研修体系の構築と充実は、担当者の配置や委員の設置が不可欠になります。
組織が小規模の場合は、代表者や管理者が兼務でも構いません。要は研修の責任者を明確にすることが必要です。
-
留意点2
研修には、「OJT」「OFFJT」「SDS」の3つの手法があります。
OJTとは、職場の上司や先輩が実務を通じて、または実務と関連させながら、部下や後輩を指導育成するものです。OFFJTは、業務命令である一定期間通常業務を離れて行う研修で、職場内の集合研修と職場外研修の二つがあります。そしてSDSは、職員の自主的な自己啓発活動を職場として認め、経済的、時間的な援助や施設の提供などを行うものです。研修については、既に行われているケースが多いので、その内容を階層別で体系化することがポイントです。
ステップ4、昇格条件を設定する
何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「昇格条件」です。昇格要件では、次の6つの視点で検討をすすめれば良いと考えています。但し、重要なことは、5つ全てを設定しなければならないわけではなく、この中から、自社の昇格要件として、どれを導入すべきかを検討していくことです。
- 前等級における最低勤務年数
「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。
- 資格
それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。
- 受講しておくべき研修
本来、昇格前に、昇格後に必要になる能力を身につける研修を受けておく、というのが望ましい研修の受け方ですが、なかなかそのように次のキャリアを意識した研修受講というのは難しいため、研修受講を昇格条件にする場合は、「新入職員研修を受講しないと2等級にはなれない」というように、現階層の必須研修を受講していないのに、先にはすすめません、といった観点で行います。
- 実務経験
「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。
少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。
- 人事評価
人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。
次回からは、キャリアパスの中心である「評価制度」に入っていきたいと思います。
社会保険労務士法人
ヒューマンスキルコンサルティング
林正人
福祉施設でみられる人事労務Q&A
『受診を拒む職員に健康診断の受診を強制してもよいのか』
Q:
当施設では毎年健康診断を実施していますが、ある職員がその受診を拒否しています。本人の意向に沿って健康診断を受診させなくても問題はないのでしょうか。受診させるとした場合、強制しても問題ないのでしょうか?
A:
法律には、施設が定期健康診断を実施することと職員が健康的に業務を行えるよう必要な措置を講じるといった安全配慮義務の2 つが定められているため、必ず健康診断を行わなければなりません。また、職員も自身の健康を管理する自己保健義務が課されているため、施設が受診を強制することは基本的に問題とはなりません。
詳細解説:
施設は、職員に原則1 年に1 回健康診断を実施しなければなりません(労働安全衛生法第66 条1 項)。また、職員の健康状態が悪い場合には必要に応じて業務時間を短縮する等の具体的な措置を講じることによって、職員が健康的で安全に業務を行うことができるようにする、安全配慮義務が定められています(労働契約法第5 条)。そのため、今回のケースのように健康診断を受診しない職員がいる場合は、施設に罰則が適用される可能性があります。また、例えば健康診断を受診していない職員に健康上の問題が生じた場合、施設が職員の健康状態を適正に把握できていなかったことが安全配慮義務違反と判断される可能性があります。さらには、施設が行うべき職員の健康管理が不十分な状態にあり、職員の健康状態を悪化させたと判断されるような場合は、損害賠償責任を負わなければならないことも考えられます。そうしたことから、施設は健康診断を受診しなければならない職員全員が確実に受診しているようにすることが必要です。ただし、職員には医師を選択する自由があるため、施設が指定する医療機関で健康診断を受けずに、他の医療機関で受けた健康診断結果を施設に提出する方法でも問題ありません。
職員については、健康診断の受診を拒否しても罰則はありませんが、法的に受診が義務づけられています(労働安全衛生法第66 条5項)。また、職員も自身の健康を守るための努力をしなければならないとする自己保健義務に基づいて、事業主が行った懲戒処分が認められた裁判例があります(愛知県教育委員会事件)。施設が職員に自己保健義務を果たすよう求めるために、就業規則に以下のような規定を定めることも検討したいところです。
就業規則への記載例:
- 職員は、正当な理由なく健康診断の受診を拒否してはならない。
- 職員は、⽇頃から⾃らの⼼⾝の健康の維持・増進及び傷病の予防に⾃ら率先して努めるとともに、⾃らの⼼⾝の健康管理に責任を持たなければならない。
- ⼼⾝の健康に⽀障を感じた時は、速やかに上司等に相談し、また医師の診察を受けるなどして早期の回復に努めなければならない。
(来月に続く)
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医療機関でみられる人事労務Q&A
『受診を拒む職員に健康診断の受診を強制してもよいのか』
Q:
当院では毎年健康診断を実施していますが、ある職員がその受診を拒否しています。本人の意向に沿って健康診断を受診させなくても問題はないのでしょうか。受診させるとした場合、強制しても問題ないのでしょうか?
A:
法律には、医院が定期健康診断を実施することと職員が健康的に業務を行えるよう必要な措置を講じるといった安全配慮義務の2 つが定められているため、必ず健康診断を行わなければなりません。また、職員も自身の健康を管理する自己保健義務が課されているため、医院が受診を強制することは基本的に問題とはなりません。
詳細解説:
医院は、職員に原則1 年に1 回健康診断を実施しなければなりません(労働安全衛生法第66 条1 項)。また、職員の健康状態が悪い場合には必要に応じて業務時間を短縮する等の具体的な措置を講じることによって、職員が健康的で安全に業務を行うことができるようにする、安全配慮義務が定められています(労働契約法第5 条)。そのため、今回のケースのように健康診断を受診しない職員がいる場合は、医院に罰則が適用される可能性があります。また、例えば健康診断を受診していない職員に健康上の問題が生じた場合、医院が職員の健康状態を適正に把握できていなかったことが安全配慮義務違反と判断される可能性があります。さらには、医院が行うべき職員の健康管理が不十分な状態にあり、職員の健康状態を悪化させたと判断されるような場合は、損害賠償責任を負わなければならないことも考えられます。そうしたことから、医院は健康診断を受診しなければならない職員全員が確実に受診しているようにすることが必要です。ただし、職員には医師を選択する自由があるため、医院が指定する医療機関で健康診断を受けずに、他の医療機関で受けた健康診断結果を医院に提出する方法でも問題ありません。
職員については、健康診断の受診を拒否しても罰則はありませんが、法的に受診が義務づけられています(労働安全衛生法第66 条5項)。また、職員も自身の健康を守るための努力をしなければならないとする自己保健義務に基づいて、事業主が行った懲戒処分が認められた裁判例があります(愛知県教育委員会事件)。医院が職員に自己保健義務を果たすよう求めるために、就業規則に以下のような規定を定めることも検討したいところです。
就業規則への記載例:
- 職員は、正当な理由なく健康診断の受診を拒否してはならない。
- 職員は、⽇頃から⾃らの⼼⾝の健康の維持・増進及び傷病の予防に⾃ら率先して努めるとともに、⾃らの⼼⾝の健康管理に責任を持たなければならない。
- ⼼⾝の健康に⽀障を感じた時は、速やかに上司等に相談し、また医師の診察を受けるなどして早期の回復に努めなければならない。
(来月に続く)
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都道府県別 福祉施設等の入・離職率
業種を問わず慢性的な人手不足の状態が続いていますが、人材の移動はどのようになっているのでしょうか。ここでは、今年8 月に厚生労働省から発表された資料※から、福祉施設等の入職率と離職率を都道府県別にみていきます。
医療,福祉は入職超過の状態
上記調査結果から、2018 年(平成30 年)の福祉施設等(以下、医療,福祉)の入職率と離職率、入職超過率(入職率から離職率を引いたもの)を都道府県別にまとめると、下表のとおりです。
全国計をみると、入職率は16.2%、離職率は15.5%で、入職超過率が0.7 ポイントと入職超過になっています。なお、2017 年と比較すると、入職率は16.4%と0.2 ポイント減少、離職率は14.5%で1 ポイント増加、入職超過率は1.9 ポイントで1.2 ポイントの減少となり、離職率が高くなっています。
25 道県で入職超過の状態
都道府県別では、入職率、離職率、入職超過率のいずれも山口県が最も高くなりました。
それ以外では、入職率は北海道が40%を超え、栃木県、広島県、島根県、岩手県で25%を超えました。離職率では、広島県と北海道が30%を超えています。入職超過率では、山口県を含め
25 道県が入職超過です。残りの22 都府県のうち、10 ポイント以上の離職超過になっているのが、群馬県、長野県、鹿児島県、石川県、宮崎県の5 県です。
貴施設の地域の状況はいかがでしょうか。
※厚生労働省「平成30 年雇用動向調査」
日本標準産業分類(平成25 年10 月改定)に基づく次の16 大産業に属し、5 人以上の常用労働者を雇用する事業所のうちから、産業、事業所規模別に層化して無作為に抽出した約15,000 事業所と、その事業所に入職した常用労働者と離職した常用労働者のうちから無作為に抽出した者を対象にした調査です。詳細は次のURL のページからご確認ください。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450073&tstat=000001012468&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000001012469&tclass2=000001063686&tclass3=000001063688&result_back=1
(次号に続く)
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医療機関におけるマタハラ防止対策の取組状況
2017 年(平成29 年)より、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(以下、マタハラ)の防止措置を適切に講じることが、事業主の義務となっています。ここでは、今年7 月に発表された調査結果※から、医療機関におけるマタハラ防止対策の取組状況をみていきます。
80%近くで対策を実施
上記調査結果などから、医療機関(以下、医療,福祉)におけるマタハラ防止対策の取組割合をまとめると、下グラフのとおりです。
2017、2018 年度とも80%近い割合でマタハラ防止対策に取り組んでいます。産業計と比べると、両年度とも医療,福祉の方が取組割合は高い状況です。ただし、2018 年度の結果をみると情報通信業や金融業,保険業など、医療,福祉よりも高い取組割合の業種もあります。
具体的な防止対策
次に医療,福祉で行われている具体的な取組について、2018 年度の内容別の割合をまとめると下表のとおりです。
就業規則、労働協約等の書面でマタハラについての方針を明確化し、周知した割合が73.4%で最も高くなりました。次いで相談・苦情対応窓口を設置した割合も50%を超えて54.5%となりました。
2020 年にはまず大企業から、パワハラ防止対策が義務化されることになっています。医療機関でも、今後はマタハラやセクハラだけでなく、パワハラについても防止対策に取り組む必要があります。
貴院の取組状況はいかがでしょうか。
※厚生労働省「平成30 年度雇用均等基本調査」
日本標準産業分類に基づく16 大産業に属する、常用労働者10 人以上を雇用している民営企業のうちから、産業・規模別に層化して抽出した企業を対象に行われた調査です。詳細は次のURL のページからご確認ください。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450281&tstat=000001051898&cycle=8&tclass1=000001132283&tclass2=000001132284
(次号に続く)
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介護現場の生産性向上ガイドライン
働き方改革や人材難から、介護の現場における生産性向上がますます求められています。今回は、今年3 月に厚生労働省が作成・公表した「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン※」について取り上げます。
介護現場における「業務改善」
生産性向上には、「業務改善」が不可欠。一般的な「業務改善」は、業務のやり方を工夫し「ムリ」「ムダ」「ムラ」を無くしていくことで、安全、正確性、効率や負担の軽減を目指しますが、介護は「人」が相手。単純に効率性や安全性を追求することは、サービスの質の低下につながります。介護現場での「業務改善」では、「介護の価値を高めること」も同時に重要となります。
ガイドラインでは、「介護現場における業務改善」を「改善で生まれた時間を有効活用して、利用者に向き合う時間を増やしたり、自分達で質をどう高めるかを考えること」と読み替え、
①人材育成、②チームケアの質の向上、③情報共有の効率化、の3 つの視点を重視し、サービスの向上と人材定着・確保を目指しています。
改善活動の手順とポイント
ガイドラインは「施設サービス」版、「居宅サービス」版、「医療系サービス」版の3 種類があり、業務改善の取組経験のない事業所でも実行できる「道案内のツール」として、分かりや
すくまとめられています。例えば、施設・居宅サービスの改善活動手順は次のようにまとめられ、事例や書式ツールも紹介されています。
※厚生労働省「介護分野における生産性向上について」ガイドラインは、次のURL からダウンロードいただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198094_00013.html
(次号に続く)
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医療・福祉分野の「生産性向上」の動き
2040年を展望したとき、現役世代が急減する中での医療・福祉サービスの確保が政策課題として取り上げられました※。今回はこの課題への対応として示された、医療・福祉サービスの生産性の向上に注目します。
生産性の向上を図る4 つの改革
2040 年時点で必要とされるサービスが適切に確保できるよう、より少ない人手でも回る医療・福祉の現場を実現するために、次の4 つの改革を行い、医療・福祉サービスの生産性の向上を図ることが示されています。
4 つの改革における主要施策
それぞれの主要施策をご紹介します。
2040 年には人と先端技術が共生し、一人ひとりの生き方を共に支える次世代ケアを目指しています。
※厚生労働省「第2 回2040 年を展望した社会保障・働き方改革本部 資料」
2040 年を展望した社会保障・働き方改革本部のとりまとめが掲載されています。詳細は次のURL のページからご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000101520_00002.html
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高校生を雇用する際の留意点
人材確保が難しいことから、これまで高校生等の満18歳未満の年少者(以下、「高校生」という)を雇用していなかった企業でも、長期休暇や土曜日・日曜日等に高校生を雇用することを検討しているケースが増えています。高校生を雇用するときには、労務管理上の留意点があるため、その内容を確認しておきます。
1.労働基準法における主な保護規定
労働基準法は高校生にも当然に適用されます。雇用契約は高校生本人と行い、給与も高校生本人に支払います。ただし、年齢区分に応じて取扱いが異なるものがあり、高校生を雇用するにあたっては、特に以下の3項目について注意が必要です。
①年齢証明書等の備付け
②労働時間・休日の制限
③深夜業の制限
①年齢証明書等の備付け
事業場に、高校生の年齢を証明する公的な書面(戸籍証明書や住民票記載事項証明書等)を備え付ける必要があります。
②労働時間・休日の制限
労働基準法の原則である1週40時間、1日8時間を超えて労働させることはできず、いわゆる変形労働時間制により働かせることもできません。例外として、以下の2つがあります。
ア)1週40時間を超えない範囲で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長する場合
イ)1週48時間、1日8時間を超えない範囲内において、1ヶ月または1年単位の変形労働制を適用する場合
③深夜業の制限
原則として、午後10時から翌日午前5時までの深夜時間帯に働かせることはできません。ただし、以下の場合は例外となっています。
ア)交替制の満16歳以上の男性
イ)農林業、水産・養蚕・畜産業、保健衛生業または電話交換の業務に従事する高校生
ウ)災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合
2.その他の留意点
雇用契約は高校生本人と行うことになりますが、雇用契約をする際には、親権者に働くことを伝えてあるかを確認し、学生の本分である勉強がおろそかにならないような配慮が必要です。
また、高校生であっても労災保険の対象となります。そのため、業務中にケガをしたり通勤途中で事故にあった場合は、労災保険が適用されます。会社としては、このような場合には自身の健康保険証が使えないことを事前に伝えておくといった細かな配慮もしたいものです。
4月に新入社員として入社する前の冬休みや春休みに、高校生にアルバイトとして勤務してもらうこともあるでしょう。高校生の雇用については、新入社員として雇用する予定であっても、満18歳に満たない場合は、保護規定が適用されるので、勤務する前に、年齢の確認をしておきましょう。
(来月に続く)
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高校生を雇用する際の留意点
人材確保が難しいことから、これまで高校生等の満18歳未満の年少者(以下、「高校生」という)を雇用していなかった企業でも、長期休暇や土曜日・日曜日等に高校生を雇用することを検討しているケースが増えています。高校生を雇用するときには、労務管理上の留意点があるため、その内容を確認しておきます。
1.労働基準法における主な保護規定
労働基準法は高校生にも当然に適用されます。雇用契約は高校生本人と行い、給与も高校生本人に支払います。ただし、年齢区分に応じて取扱いが異なるものがあり、高校生を雇用するにあたっては、特に以下の3項目について注意が必要です。
①年齢証明書等の備付け
②労働時間・休日の制限
③深夜業の制限
①年齢証明書等の備付け
事業場に、高校生の年齢を証明する公的な書面(戸籍証明書や住民票記載事項証明書等)を備え付ける必要があります。
②労働時間・休日の制限
労働基準法の原則である1週40時間、1日8時間を超えて労働させることはできず、いわゆる変形労働時間制により働かせることもできません。例外として、以下の2つがあります。
ア)1週40時間を超えない範囲で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長する場合
イ)1週48時間、1日8時間を超えない範囲内において、1ヶ月または1年単位の変形労働制を適用する場合
③深夜業の制限
原則として、午後10時から翌日午前5時までの深夜時間帯に働かせることはできません。ただし、以下の場合は例外となっています。
ア)交替制の満16歳以上の男性
イ)農林業、水産・養蚕・畜産業、保健衛生業または電話交換の業務に従事する高校生
ウ)災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合
2.その他の留意点
雇用契約は高校生本人と行うことになりますが、雇用契約をする際には、親権者に働くことを伝えてあるかを確認し、学生の本分である勉強がおろそかにならないような配慮が必要です。
また、高校生であっても労災保険の対象となります。そのため、業務中にケガをしたり通勤途中で事故にあった場合は、労災保険が適用されます。会社としては、このような場合には自身の健康保険証が使えないことを事前に伝えておくといった細かな配慮もしたいものです。
4月に新入社員として入社する前の冬休みや春休みに、高校生にアルバイトとして勤務してもらうこともあるでしょう。高校生の雇用については、新入社員として雇用する予定であっても、満18歳に満たない場合は、保護規定が適用されるので、勤務する前に、年齢の確認をしておきましょう。
(来月に続く)
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高校生を雇用する際の留意点
人材確保が難しいことから、これまで高校生等の満18歳未満の年少者(以下、「高校生」という)を雇用していなかった企業でも、長期休暇や土曜日・日曜日等に高校生を雇用することを検討しているケースが増えています。高校生を雇用するときには、労務管理上の留意点があるため、その内容を確認しておきます。
1.労働基準法における主な保護規定
労働基準法は高校生にも当然に適用されます。雇用契約は高校生本人と行い、給与も高校生本人に支払います。ただし、年齢区分に応じて取扱いが異なるものがあり、高校生を雇用するにあたっては、特に以下の3項目について注意が必要です。
①年齢証明書等の備付け
②労働時間・休日の制限
③深夜業の制限
①年齢証明書等の備付け
事業場に、高校生の年齢を証明する公的な書面(戸籍証明書や住民票記載事項証明書等)を備え付ける必要があります。
②労働時間・休日の制限
労働基準法の原則である1週40時間、1日8時間を超えて労働させることはできず、いわゆる変形労働時間制により働かせることもできません。例外として、以下の2つがあります。
ア)1週40時間を超えない範囲で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長する場合
イ)1週48時間、1日8時間を超えない範囲内において、1ヶ月または1年単位の変形労働制を適用する場合
③深夜業の制限
原則として、午後10時から翌日午前5時までの深夜時間帯に働かせることはできません。ただし、以下の場合は例外となっています。
ア)交替制の満16歳以上の男性
イ)農林業、水産・養蚕・畜産業、保健衛生業または電話交換の業務に従事する高校生
ウ)災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合
2.その他の留意点
雇用契約は高校生本人と行うことになりますが、雇用契約をする際には、親権者に働くことを伝えてあるかを確認し、学生の本分である勉強がおろそかにならないような配慮が必要です。
また、高校生であっても労災保険の対象となります。そのため、業務中にケガをしたり通勤途中で事故にあった場合は、労災保険が適用されます。会社としては、このような場合には自身の健康保険証が使えないことを事前に伝えておくといった細かな配慮もしたいものです。
4月に新入社員として入社する前の冬休みや春休みに、高校生にアルバイトとして勤務してもらうこともあるでしょう。高校生の雇用については、新入社員として雇用する予定であっても、満18歳に満たない場合は、保護規定が適用されるので、勤務する前に、年齢の確認をしておきましょう。
(来月に続く)
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