コラム

医療事業者様向け情報(経営)10月号③

医療機関でみられる人事労務Q&A

『通勤途中でケガをしたときに確認すべきこと』

Q:先日、ある職員が出勤前に買い物に立ち寄った際、階段で足を踏み外して転倒し、
  ケガをしてしまいました。通勤途中で立ち寄ったことになりますが、このような場合、
  通勤災害の給付は受けられるのでしょうか。

A:通勤災害として認められるためには、①業務に関連し、②職員の住居と業務を
  行う場所の往復で発生し、その経路が合理的であり、③中断や逸脱がない、
  という3 つの条件を満たしていることが求められます。今回のケースでも
  これらのことを確認して、個別に判断することになります。

詳細解説:

労災保険では、業務上発生した災害による職員のケガや病気等(以下、「ケガ等」という)を
対象として、治療が受けられ、また休業中の給与の補償が行われますが、通勤途中における
ケガ等についても一定の条件を満たせば、「通勤災害」として業務上の災害と同様に
保険給付が行われます。
通勤災害として給付を受けるためには、そのケガ等が以下の条件を満たした通勤途中で
発生していることが求められます。


① 業務関連性があること

職員の移動が業務に関連していることが必要です。
つまり、業務をするために(出勤)、または業務が終了したために(退勤)行われる
移動である必要があります。

② 職員の住居と業務を行う場所の往復で発生し、合理的な経路及び方法であること

方法一般的には、職員が住んでいる生活の拠点である場所から、業務を開始または
終了する場所の移動である必要があります。ただ、住居や業務の場所は、さまざまな
状況が考えられるため、必ずしも職員の自宅、医院とは限りません。
例えば、業務の場所については、朝、患者の自宅に直接行く場合、業務の開始場所は
医院ではなく患者の自宅となる場合があります。
また、この移動においては合理的な経路及び方法である必要があります。
合理的な経路は、最短ルートに限らず、通常利用するルートや交通事情により
迂回したルートも含まれます。

③ 中断及び逸脱がないこと

通勤途中に、買い物やレストランで飲食をする等、通勤とは関係のないことを
行ったり(中断)、通勤の目的以外の理由で経路を外れたり(逸脱)することが
あります。この中断や逸脱をした場合、その後に本来の経路に戻ったとしても、
中断や逸脱以降においては原則として通勤と認められません。
ただし、経路近くの公衆トイレを利用する等、ささいな
行為や、中断や逸脱が日常生活上必要な行為を最小限行い、合理的な経路に
戻った後の移動については、通勤として認められています。
日常生活上必要な行為とは、例えば日用品のの購入、選挙権の行使、病院での
診察のほか、父母等の介護が挙げられます。

労災保険上、通勤と認められたときのみに通勤災害として給付が行われるため、
実際に通勤途中にケガ等が発生した場合は、当該職員から詳細な情報を
確認するようにしましょう。

(11月号に続く)

介護事業者様向け情報(経営❶)10月号②

介護が必要になったときに不安なこと

介護が必要になったとしたら、人はどのようなことに不安を感じるのでしょうか。
ここでは、今年6 月に内閣府から発表された調査結果※から、年代別に高齢者が介護が
必要な状態になった場合に不安なことについて、みていきます。

最も不安なのは家族へ負担をかけること

上記調査結果によると、介護が必要な状態(要介護2 程度)になった場合、
回答者の82.7%が特に不安なことがある、15.6%が特に不安なことがないと回答しています。
回答者全体の最も不安なことは、「家族に肉体的・精神的負担をかけること」で、50.6%と
なりました。次いで「身体の自由がきかなくなる」が40.5%、「介護に要する経済的負担が
大きい」が28.8%などとなっています。

男女で大きな違いはみられず

男女別にみると、男性、女性ともにすべての年代で、「家族に肉体的・精神的負担をかける」が
最も不安なことになっており、男性では64 歳までの年代で50%以上に、女性では74 歳までの
年代で50%以上になりました。
不安なことの上位3 項目をみると、ほとんどの年代で全体と同じ結果になりましたが、男性の
55~59 歳で「収入がなくなる」が47.0%で2 番目に高い割合になっています。
また80 歳以上では、男女ともに「理由はないが漠然と不安を感じる」割合が3 位に
なっていることがわかります。

不安を和らげる取組を

介護が必要になった人やその家族が、はじめて福祉介護サービスを利用する際は、
さまざまな不安を抱えていることでしょう。こうした不安を少しでも和らげることができれば、
施設への信頼感を高めることにつながります。
ここで紹介した結果なども参考に、質問されることの多い項目などについては、利用者にとって
わかりやすい説明資料などを作成するなど、不安を和らげるような取組をしてみては
いかがでしょうか。

※内閣府「平成29 年高齢者の健康に関する調査結果」
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h29/zentai/index.html

(次号に続く)

医療事業者様向け情報(経営)10月号②

今年の医療機関等の賃金改定状況

ここ数年、賃金の引上げを実施する企業が多くなっていますが、医療機関等の状況は
どうなのでしょうか。ここでは今年7 月に厚生労働省が発表した資料※から、医療機関等の
賃金改定状況をみていきます。

賃金引上げ事業所割合は60%を超える

平成30 年1~6 月に賃金引上げを実施した事業所(以下、引上げ事業所)割合は60.3%と
なりました。産業計よりも15.5 ポイント高い割合です。ただし29 年よりは7.1 ポイント
減少しました。
賃金引下げを実施した事業所(以下、引下げ事業所)割合は0.3%で、産業計よりも
0.2 ポイント少なくなりました。また、29 年よりも0.3ポイント減少しました。
賃金改定を実施しない事業所割合は24.8%で、産業計より12.9 ポイント少なくなっています。
ただし、29 年よりも6.0 ポイント増加しています。

賃金引上げ事業所の改定率は2.5%に

30 年の改定率は引上げ事業所が2.5%、引下げ事業所は-2.6%となりました。
産業計の改定率は引上げ事業所が2.7%、引下げ事業所が-5.5%なので、引上げ事業所は
0.2 ポイント低い一方で、引下げ事業所は2.9 ポイント下げ幅が小さくなりました。
なお、1 時間当たり賃金額は、医療,福祉の一般労働者(以下、一般)が1,518 円、
パートタイム労働者(以下、パート)が1,318 円となっています。
産業計は一般が1,621 円、パートが1,085 円ですので、一般は全体の平均よりも低く、
パートは平均よりも高いという結果になりました。
医療,福祉では、引上げ事業所割合が低下し、賃金改定を実施しない事業所割合が
高まっています。
毎年賃金引上げを行うことが難しい医療機関等で、今年は賃金改定を実施しない
ところが多くなっていることがうかがえます。

※厚生労働省「平成30 年賃金改定状況調査」
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000331611.pdf

介護職場の「働きやすさ」評価・認証制度開始へ

 厚生労働省は、介護現場の人手不足が深刻なことから、研修や休暇制度など、「働きやすさ」に焦点をあてた介護事業所の評価・認証制度を全国で始める。今年度中にガイドライン(指針)を策定し、認証制度の実施を担う都道府県に通知する。来年度から指針を踏まえた認証制度の普及を目指す。
 介護職場では、昇給や昇格などの仕組みが明確でない事業所が多いことに加え、他産業と比べた賃金水準の低さや長時間労働のイメージが根強く、人材の定着や育成が課題となっている。
 認証制度ではこうした声を踏まえ、「明確な給与・昇給体系の導入」「休暇取得や育児・介護との両立支援」「研修や資格取得支援などの人材育成」といった評価項目を設定。どの程度満たしているかを各都道府県が審査する。
 審査をパスすれば、「認証事業所」として、ホームページなどで公表する仕組みを検討している。審査は民間の各事業所が申請する。
 若者らが就職先を考える際の参考にしてもらうほか、各事業所には、「選ばれる」ための職場改善を促すことで、現在働いている職員の離職防止にもつなげるねらいがある。職員の定着率の高い事業所が増えれば、より質の高いサービスを利用者が受けられる期待もある。(2018年10月15日 読売新聞より)

介護事業者様向け情報(経営❶)10月号①

福祉用具貸与価格の上限設定スタート

平成30 年度介護報酬改定により、福祉用具の貸与価格に上限設定が行われることと
なりました。10 月よりスタートです。同時に、福祉用具専門相談員には、利用者に
対する一定の説明等が義務付けられています。

上限額が発表されました

要介護者等が自宅で自立した日常生活を営むことを目的に、日常生活の便宜を図るためや
機能訓練のための一定の福祉用具のリース(貸与)について、そのリース料(貸与価格)を
介護保険で賄うことができます。
この貸与価格について、平成30 年10 月から上限額が設定されました。この上限を超えると、
福祉用具貸与事業者は福祉用具貸与費が算定できません。
上限設定は「全国平均貸与価格+1 標準偏差(1SD)」を基準に商品ごとに行われます。
平成30 年10 月1 日から適用される上限額は、既に厚生労働省より公表されています。
以下のURL にて上限額の一覧表(エクセルファイル)がダウンロードできます。
ご活用ください。
なお、上限額は年1 回の頻度で見直しが行われます。新商品についても、平成31 年度以降、
3 ヶ月ごとに上限額が設定されますので、随時ご確認ください。

厚⽣労働省
「福祉⽤具の全国平均貸与価格及び貸与価格の上限⼀覧(平成30 年10 ⽉)」

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/3010.xlsx

利用者への説明も義務化

今回の改定では、利用者が適切に福祉用具を選択できるよう、運営基準の改正も
行われました。これにより、福祉用具専門相談員には、以下の事項が義務付けられています。

① 貸与しようとする商品の特徴や貸与価格に加え、当該商品の全国平均貸与価格を
 利用者に説明
すること。

② 機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示すること。

③ 利用者に交付する福祉用具貸与計画書をケアマネジャーにも交付すること。

なお、①の「当該商品の全国平均貸与価格」については、上記のURL にて
ダウンロードできる一覧表に上限額とともに掲載されています。
併せてご利用ください。

(次号に続く)

医療事業者様向け情報(経営)10月号①

10 月から始まる改定項目に注目

4 月に行われた平成30 年度診療報酬改定。一部は経過措置等により10 月1 日
からのスタートとなります。中でも歯科の新施設基準は、注意を要する重要
項目。5 月号でも概要をご紹介しましたが、今号にて改めて確認しましょう。

歯科院内感染防止のための新施設基準

歯科診療は、日常的に唾液や血液等に触れるため、今回の改定では院内感染防止対策を
強く推し進める方針が打ち出されました。これにより創設されたのが、新しい施設基準です。
これに伴って歯科の初診料と再診料の引上げも行われました。適用されるのは、上述の
施設基準を満たしていることを届出た施設のみです。
未届の場合、10 月1 日以降、初診料、再診料の点数が大幅に下がることとなります。
なお、既に歯科外来診療環境体制加算(以下、外来環)を届出済の施設についても、
10 月1 日以降も外来環を算定するには、施設基準の届出を行うとともに、再度外来環の
届出を行う必要があります。

急性期一般入院基本料の入院料も

上記のほか、急性期一般入院基本料を届出ている病棟における急性期一般入院料2~6 の
変更の届出の様式の簡略化も、10月1 日から開始となります。
改定は一般に4 月1日から実施されますが、中にはここでご紹介したような例外も
あります。
適用開始時期、手続きの期限にはご留意ください。

(次号に続く)

処遇改善加算Ⅱを園経営に活かす

国が処遇改善加算を実施する目的は「職員の質の向上を図り、質の高い教育・保育を安定的に供給する・・・」であることをご存知でしょうか?つまり、この目的に沿った導入を考えていくことが必要となります。その視点としては、「法人理念」や「保育目標・特色」に基づき、「組織づくり」と「人材育成」といった、園長先生の人材マネジメントを考えていくことが必要になるのではないでしょうか。そして、処遇改善加算Ⅱの制度を園に活かして
それぞれの園が目指す質の高い保育を実現してほしいと思います。
 まずは、今後の園の組織の大枠を形にして、園長先生が思い描く構想を確認します。次に
例えば、異年齢保育と発達支援時の受け入れを研究し、推進実現する「乳児リーダー」「幼児リーダー」「発達支援リーダー」などを設け、リーダーごとに保育の再構築のための具体的な職務内容を明文化し、就業規則に明示し、その難易度や業務量に紐づいて手当額を設定していきます。
併せて、各リーダーが、園長の指導の下、主任と連携し、他の職員の協力を得ながら職務を遂行できるような「組織」づくりを目指していくことが必要になります。
すると各リーダーは、新しい体制の中で、それぞれの職務内容に取り組みながら成長もできますし、指導する園長、連携する主任にとっては、職務内容が育成していくうえでの指針となります。まさに「人材育成」です。

次回では、具体的な職務内容の紹介もさせていただきたいと思います。

訪問介護に成功報酬 岡山市、在宅介護特区で国と合意へ

訪問介護に成功報酬 岡山市、在宅介護特区で国と合意へ
ヘルスケア 中国・四国
2018/10/15 19:56

 

岡山市は在宅介護に関する国の総合特区制度に関して、訪問介護での成功報酬制度の導入や高齢者の活躍推進など5事業について新たに国と合意する見通しになったと発表した。高齢者が生きがいを持って暮らしていけるよう、自立や状態の改善を促進。介護給付費の抑制に加えて、訪問介護サービスの質の向上につなげる考えだ。
訪問介護の成功報酬制度では、リハビリ専門職の人が訪問介護員に同行し、調理作業など高齢者の手や体が動く範囲での機能訓練について助言。状態の改善度合いに応じて、訪問介護の事業所を表彰したり奨励金を付与したりする。2019年度中にも開始する方針だ。
高齢者の活躍推進については、要介護度が低い利用者の通所介護時間のうち、機能訓練や介護以外の時間を野菜の仕分けなどといった簡単な就労サービスに振り向ける。21年度の制度改正を見据え、国と共同で調査・研究を進める。
介護従事者の負担軽減や働き方改革の推進に向けて、ロボットの導入促進へのレンタルや効果検証作業も進める。岡山市は13年2月に国から特区の指定を受け、18年4月に5年間の継続が認められた。17年度までの第1期では、通所介護サービスでの成功報酬制度を設けるなどした。

保育事業者様向け情報(労務)10月号④

入院などで医療費が高額になるときに利用できる限度額適用認定

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士と
その顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:昨日、従業員から「今度、家族が大きな手術をすることになったので、
     医療費負担が高額になりそうです」という相談がありました。
     何かその負担を軽減するよい方法はありませんか。
社労士 :まずは、健康保険の高額療養費ですね。ご家族の年齢や従業員の方の
     標準報酬月額によっても異なりますが、一定の自己負担限度額を超える分は、
     高額療養費の申請をすることで後日、払い戻されます。
総務部長:やはりそうですよね。私も高額療養費の説明をしたのですが、毎月、住宅ローンを
     払っている関係で、一時的にでも医療費を立て替えることに負担を感じるとのこと
     でした。
社労士 :確かに高額療養費の払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書
     (レセプト)の審査を経て行われるため、診療を受けた月から3ヶ月以上
     かかってしまい、その間、立て替える必要があります。ですので、今回のように
     事前に高額療養費に該当するような医療費がかかることが分かっているのであれば、
     限度額適用認定証の発行の手続きをするとよいでしょう。
総務部長:限度額適用認定証ですか?
社労士 :はい。これは、あらかじめ保険者に限度額適用認定証を発行してもらい、
     医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとに1ヶ月の支払額を
     自己負担限度額までとしてもらうことができる制度です。
総務部長:なるほど。自己負担限度額まではいずれにしても支払う必要がありますが、
     それを超える部分の医療費を立て替える必要がなくなるということですね。
     早速、手続きを進めようと思いますが、どのような流れになりますか。
社労士 :限度額適用認定証の申請書を保険者に提出すると、1週間程度で指定した場所に
     限度額適用認定証が届きます。これを医療機関の窓口で提示することになります。
     なお、限度額適用認定証は最長1年間(※)が有効期間となりますが、
     申請書に1年以内の療養予定の期間を記入することになっており、申請月の初日から、
     申請書に記入した期間が有効期間となります。
総務部長:承知しました。それでは早速、説明して手配することにします。
社労士 :そうですね。なお、申請書には会社の証明はありませんので、従業員の方が直接、
     保険者に申請することも可能ですし、自宅以外の場所を送付希望先(※)として
     指定することもできますので、できるだけスムーズな発行ができる手順を考えると
     よいでしょう。
総務部長:ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 医療費が高額になるときは、限度額適用認定証を発行することで、医療機関の窓口での
 支払いを自己負担限度額までにすることができる。
2. 限度額適用認定証は最長1年間の有効期間が設けられている(※)。
3. 限度額適用認定証は従業員が希望する場所に送付される(※)。
(※)保険者が健康保険組合の場合には健康保険組合の定めによる。

(11月号に続く)

医療事業者様向け情報(労務)10月号④

入院などで医療費が高額になるときに利用できる限度額適用認定

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社会保険労務士と その顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:昨日、従業員から「今度、家族が大きな手術をすることになったので、
     医療費負担が高額になりそうです」という相談がありました。
     何かその負担を軽減するよい方法はありませんか。
社労士 :まずは、健康保険の高額療養費ですね。ご家族の年齢や従業員の方の
     標準報酬月額によっても異なりますが、一定の自己負担限度額を超える分は、
     高額療養費の申請をすることで後日、払い戻されます。
総務部長:やはりそうですよね。私も高額療養費の説明をしたのですが、毎月、住宅ローンを
     払っている関係で、一時的にでも医療費を立て替えることに負担を感じるとのこと
     でした。
社労士 :確かに高額療養費の払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書
     (レセプト)の審査を経て行われるため、診療を受けた月から3ヶ月以上
     かかってしまい、その間、立て替える必要があります。ですので、今回のように
     事前に高額療養費に該当するような医療費がかかることが分かっているのであれば、
     限度額適用認定証の発行の手続きをするとよいでしょう。
総務部長:限度額適用認定証ですか?
社労士 :はい。これは、あらかじめ保険者に限度額適用認定証を発行してもらい、
     医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとに1ヶ月の支払額を
     自己負担限度額までとしてもらうことができる制度です。
総務部長:なるほど。自己負担限度額まではいずれにしても支払う必要がありますが、
     それを超える部分の医療費を立て替える必要がなくなるということですね。
     早速、手続きを進めようと思いますが、どのような流れになりますか。
社労士 :限度額適用認定証の申請書を保険者に提出すると、1週間程度で指定した場所に
     限度額適用認定証が届きます。これを医療機関の窓口で提示することになります。
     なお、限度額適用認定証は最長1年間(※)が有効期間となりますが、
     申請書に1年以内の療養予定の期間を記入することになっており、申請月の初日から、
     申請書に記入した期間が有効期間となります。
総務部長:承知しました。それでは早速、説明して手配することにします。
社労士 :そうですね。なお、申請書には会社の証明はありませんので、従業員の方が直接、
     保険者に申請することも可能ですし、自宅以外の場所を送付希望先(※)として
     指定することもできますので、できるだけスムーズな発行ができる手順を考えると
     よいでしょう。
総務部長:ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 医療費が高額になるときは、限度額適用認定証を発行することで、医療機関の窓口での
 支払いを自己負担限度額までにすることができる。
2. 限度額適用認定証は最長1年間の有効期間が設けられている(※)。
3. 限度額適用認定証は従業員が希望する場所に送付される(※)。
(※)保険者が健康保険組合の場合には健康保険組合の定めによる。

(11月号に続く)

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