コラム

介護事業者様向け情報(経営❶)10月号①

福祉用具貸与価格の上限設定スタート

平成30 年度介護報酬改定により、福祉用具の貸与価格に上限設定が行われることと
なりました。10 月よりスタートです。同時に、福祉用具専門相談員には、利用者に
対する一定の説明等が義務付けられています。

上限額が発表されました

要介護者等が自宅で自立した日常生活を営むことを目的に、日常生活の便宜を図るためや
機能訓練のための一定の福祉用具のリース(貸与)について、そのリース料(貸与価格)を
介護保険で賄うことができます。
この貸与価格について、平成30 年10 月から上限額が設定されました。この上限を超えると、
福祉用具貸与事業者は福祉用具貸与費が算定できません。
上限設定は「全国平均貸与価格+1 標準偏差(1SD)」を基準に商品ごとに行われます。
平成30 年10 月1 日から適用される上限額は、既に厚生労働省より公表されています。
以下のURL にて上限額の一覧表(エクセルファイル)がダウンロードできます。
ご活用ください。
なお、上限額は年1 回の頻度で見直しが行われます。新商品についても、平成31 年度以降、
3 ヶ月ごとに上限額が設定されますので、随時ご確認ください。

厚⽣労働省
「福祉⽤具の全国平均貸与価格及び貸与価格の上限⼀覧(平成30 年10 ⽉)」

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/3010.xlsx

利用者への説明も義務化

今回の改定では、利用者が適切に福祉用具を選択できるよう、運営基準の改正も
行われました。これにより、福祉用具専門相談員には、以下の事項が義務付けられています。

① 貸与しようとする商品の特徴や貸与価格に加え、当該商品の全国平均貸与価格を
 利用者に説明
すること。

② 機能や価格帯の異なる複数の商品を利用者に提示すること。

③ 利用者に交付する福祉用具貸与計画書をケアマネジャーにも交付すること。

なお、①の「当該商品の全国平均貸与価格」については、上記のURL にて
ダウンロードできる一覧表に上限額とともに掲載されています。
併せてご利用ください。

(次号に続く)

医療事業者様向け情報(経営)10月号①

10 月から始まる改定項目に注目

4 月に行われた平成30 年度診療報酬改定。一部は経過措置等により10 月1 日
からのスタートとなります。中でも歯科の新施設基準は、注意を要する重要
項目。5 月号でも概要をご紹介しましたが、今号にて改めて確認しましょう。

歯科院内感染防止のための新施設基準

歯科診療は、日常的に唾液や血液等に触れるため、今回の改定では院内感染防止対策を
強く推し進める方針が打ち出されました。これにより創設されたのが、新しい施設基準です。
これに伴って歯科の初診料と再診料の引上げも行われました。適用されるのは、上述の
施設基準を満たしていることを届出た施設のみです。
未届の場合、10 月1 日以降、初診料、再診料の点数が大幅に下がることとなります。
なお、既に歯科外来診療環境体制加算(以下、外来環)を届出済の施設についても、
10 月1 日以降も外来環を算定するには、施設基準の届出を行うとともに、再度外来環の
届出を行う必要があります。

急性期一般入院基本料の入院料も

上記のほか、急性期一般入院基本料を届出ている病棟における急性期一般入院料2~6 の
変更の届出の様式の簡略化も、10月1 日から開始となります。
改定は一般に4 月1日から実施されますが、中にはここでご紹介したような例外も
あります。
適用開始時期、手続きの期限にはご留意ください。

(次号に続く)

処遇改善加算Ⅱを園経営に活かす

国が処遇改善加算を実施する目的は「職員の質の向上を図り、質の高い教育・保育を安定的に供給する・・・」であることをご存知でしょうか?つまり、この目的に沿った導入を考えていくことが必要となります。その視点としては、「法人理念」や「保育目標・特色」に基づき、「組織づくり」と「人材育成」といった、園長先生の人材マネジメントを考えていくことが必要になるのではないでしょうか。そして、処遇改善加算Ⅱの制度を園に活かして
それぞれの園が目指す質の高い保育を実現してほしいと思います。
 まずは、今後の園の組織の大枠を形にして、園長先生が思い描く構想を確認します。次に
例えば、異年齢保育と発達支援時の受け入れを研究し、推進実現する「乳児リーダー」「幼児リーダー」「発達支援リーダー」などを設け、リーダーごとに保育の再構築のための具体的な職務内容を明文化し、就業規則に明示し、その難易度や業務量に紐づいて手当額を設定していきます。
併せて、各リーダーが、園長の指導の下、主任と連携し、他の職員の協力を得ながら職務を遂行できるような「組織」づくりを目指していくことが必要になります。
すると各リーダーは、新しい体制の中で、それぞれの職務内容に取り組みながら成長もできますし、指導する園長、連携する主任にとっては、職務内容が育成していくうえでの指針となります。まさに「人材育成」です。

次回では、具体的な職務内容の紹介もさせていただきたいと思います。

訪問介護に成功報酬 岡山市、在宅介護特区で国と合意へ

訪問介護に成功報酬 岡山市、在宅介護特区で国と合意へ
ヘルスケア 中国・四国
2018/10/15 19:56

 

岡山市は在宅介護に関する国の総合特区制度に関して、訪問介護での成功報酬制度の導入や高齢者の活躍推進など5事業について新たに国と合意する見通しになったと発表した。高齢者が生きがいを持って暮らしていけるよう、自立や状態の改善を促進。介護給付費の抑制に加えて、訪問介護サービスの質の向上につなげる考えだ。
訪問介護の成功報酬制度では、リハビリ専門職の人が訪問介護員に同行し、調理作業など高齢者の手や体が動く範囲での機能訓練について助言。状態の改善度合いに応じて、訪問介護の事業所を表彰したり奨励金を付与したりする。2019年度中にも開始する方針だ。
高齢者の活躍推進については、要介護度が低い利用者の通所介護時間のうち、機能訓練や介護以外の時間を野菜の仕分けなどといった簡単な就労サービスに振り向ける。21年度の制度改正を見据え、国と共同で調査・研究を進める。
介護従事者の負担軽減や働き方改革の推進に向けて、ロボットの導入促進へのレンタルや効果検証作業も進める。岡山市は13年2月に国から特区の指定を受け、18年4月に5年間の継続が認められた。17年度までの第1期では、通所介護サービスでの成功報酬制度を設けるなどした。

保育事業者様向け情報(労務)10月号④

入院などで医療費が高額になるときに利用できる限度額適用認定

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士と
その顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:昨日、従業員から「今度、家族が大きな手術をすることになったので、
     医療費負担が高額になりそうです」という相談がありました。
     何かその負担を軽減するよい方法はありませんか。
社労士 :まずは、健康保険の高額療養費ですね。ご家族の年齢や従業員の方の
     標準報酬月額によっても異なりますが、一定の自己負担限度額を超える分は、
     高額療養費の申請をすることで後日、払い戻されます。
総務部長:やはりそうですよね。私も高額療養費の説明をしたのですが、毎月、住宅ローンを
     払っている関係で、一時的にでも医療費を立て替えることに負担を感じるとのこと
     でした。
社労士 :確かに高額療養費の払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書
     (レセプト)の審査を経て行われるため、診療を受けた月から3ヶ月以上
     かかってしまい、その間、立て替える必要があります。ですので、今回のように
     事前に高額療養費に該当するような医療費がかかることが分かっているのであれば、
     限度額適用認定証の発行の手続きをするとよいでしょう。
総務部長:限度額適用認定証ですか?
社労士 :はい。これは、あらかじめ保険者に限度額適用認定証を発行してもらい、
     医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとに1ヶ月の支払額を
     自己負担限度額までとしてもらうことができる制度です。
総務部長:なるほど。自己負担限度額まではいずれにしても支払う必要がありますが、
     それを超える部分の医療費を立て替える必要がなくなるということですね。
     早速、手続きを進めようと思いますが、どのような流れになりますか。
社労士 :限度額適用認定証の申請書を保険者に提出すると、1週間程度で指定した場所に
     限度額適用認定証が届きます。これを医療機関の窓口で提示することになります。
     なお、限度額適用認定証は最長1年間(※)が有効期間となりますが、
     申請書に1年以内の療養予定の期間を記入することになっており、申請月の初日から、
     申請書に記入した期間が有効期間となります。
総務部長:承知しました。それでは早速、説明して手配することにします。
社労士 :そうですね。なお、申請書には会社の証明はありませんので、従業員の方が直接、
     保険者に申請することも可能ですし、自宅以外の場所を送付希望先(※)として
     指定することもできますので、できるだけスムーズな発行ができる手順を考えると
     よいでしょう。
総務部長:ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 医療費が高額になるときは、限度額適用認定証を発行することで、医療機関の窓口での
 支払いを自己負担限度額までにすることができる。
2. 限度額適用認定証は最長1年間の有効期間が設けられている(※)。
3. 限度額適用認定証は従業員が希望する場所に送付される(※)。
(※)保険者が健康保険組合の場合には健康保険組合の定めによる。

(11月号に続く)

医療事業者様向け情報(労務)10月号④

入院などで医療費が高額になるときに利用できる限度額適用認定

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社会保険労務士と その顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。

総務部長:昨日、従業員から「今度、家族が大きな手術をすることになったので、
     医療費負担が高額になりそうです」という相談がありました。
     何かその負担を軽減するよい方法はありませんか。
社労士 :まずは、健康保険の高額療養費ですね。ご家族の年齢や従業員の方の
     標準報酬月額によっても異なりますが、一定の自己負担限度額を超える分は、
     高額療養費の申請をすることで後日、払い戻されます。
総務部長:やはりそうですよね。私も高額療養費の説明をしたのですが、毎月、住宅ローンを
     払っている関係で、一時的にでも医療費を立て替えることに負担を感じるとのこと
     でした。
社労士 :確かに高額療養費の払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書
     (レセプト)の審査を経て行われるため、診療を受けた月から3ヶ月以上
     かかってしまい、その間、立て替える必要があります。ですので、今回のように
     事前に高額療養費に該当するような医療費がかかることが分かっているのであれば、
     限度額適用認定証の発行の手続きをするとよいでしょう。
総務部長:限度額適用認定証ですか?
社労士 :はい。これは、あらかじめ保険者に限度額適用認定証を発行してもらい、
     医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとに1ヶ月の支払額を
     自己負担限度額までとしてもらうことができる制度です。
総務部長:なるほど。自己負担限度額まではいずれにしても支払う必要がありますが、
     それを超える部分の医療費を立て替える必要がなくなるということですね。
     早速、手続きを進めようと思いますが、どのような流れになりますか。
社労士 :限度額適用認定証の申請書を保険者に提出すると、1週間程度で指定した場所に
     限度額適用認定証が届きます。これを医療機関の窓口で提示することになります。
     なお、限度額適用認定証は最長1年間(※)が有効期間となりますが、
     申請書に1年以内の療養予定の期間を記入することになっており、申請月の初日から、
     申請書に記入した期間が有効期間となります。
総務部長:承知しました。それでは早速、説明して手配することにします。
社労士 :そうですね。なお、申請書には会社の証明はありませんので、従業員の方が直接、
     保険者に申請することも可能ですし、自宅以外の場所を送付希望先(※)として
     指定することもできますので、できるだけスムーズな発行ができる手順を考えると
     よいでしょう。
総務部長:ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 医療費が高額になるときは、限度額適用認定証を発行することで、医療機関の窓口での
 支払いを自己負担限度額までにすることができる。
2. 限度額適用認定証は最長1年間の有効期間が設けられている(※)。
3. 限度額適用認定証は従業員が希望する場所に送付される(※)。
(※)保険者が健康保険組合の場合には健康保険組合の定めによる。

(11月号に続く)

介護事業者様向け情報(労務)10月号④

入院などで医療費が高額になるときに利用できる限度額適用認定

このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社会保険労務士と
その顧問先の総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。


総務部長:昨日、従業員から「今度、家族が大きな手術をすることになったので、
     医療費負担が高額になりそうです」という相談がありました。
     何かその負担を軽減するよい方法はありませんか。
社労士 :まずは、健康保険の高額療養費ですね。ご家族の年齢や従業員の方の
     標準報酬月額によっても異なりますが、一定の自己負担限度額を超える分は、
     高額療養費の申請をすることで後日、払い戻されます。
総務部長:やはりそうですよね。私も高額療養費の説明をしたのですが、毎月、住宅ローンを
     払っている関係で、一時的にでも医療費を立て替えることに負担を感じるとのこと
     でした。
社労士 :確かに高額療養費の払い戻しは、医療機関等から提出される診療報酬明細書
     (レセプト)の審査を経て行われるため、診療を受けた月から3ヶ月以上
     かかってしまい、その間、立て替える必要があります。ですので、今回のように
     事前に高額療養費に該当するような医療費がかかることが分かっているのであれば、
     限度額適用認定証の発行の手続きをするとよいでしょう。
総務部長:限度額適用認定証ですか?
社労士 :はい。これは、あらかじめ保険者に限度額適用認定証を発行してもらい、
     医療機関の窓口に提示することで、医療機関ごとに1ヶ月の支払額を
     自己負担限度額までとしてもらうことができる制度です。
総務部長:なるほど。自己負担限度額まではいずれにしても支払う必要がありますが、
     それを超える部分の医療費を立て替える必要がなくなるということですね。
     早速、手続きを進めようと思いますが、どのような流れになりますか。
社労士 :限度額適用認定証の申請書を保険者に提出すると、1週間程度で指定した場所に
     限度額適用認定証が届きます。これを医療機関の窓口で提示することになります。
     なお、限度額適用認定証は最長1年間(※)が有効期間となりますが、
     申請書に1年以内の療養予定の期間を記入することになっており、申請月の初日から、
     申請書に記入した期間が有効期間となります。
総務部長:承知しました。それでは早速、説明して手配することにします。
社労士 :そうですね。なお、申請書には会社の証明はありませんので、従業員の方が直接、
     保険者に申請することも可能ですし、自宅以外の場所を送付希望先(※)として
     指定することもできますので、できるだけスムーズな発行ができる手順を考えると
     よいでしょう。
総務部長:ありがとうございました。

【ワンポイントアドバイス】
1. 医療費が高額になるときは、限度額適用認定証を発行することで、医療機関の窓口での
 支払いを自己負担限度額までにすることができる。
2. 限度額適用認定証は最長1年間の有効期間が設けられている(※)。
3. 限度額適用認定証は従業員が希望する場所に送付される(※)。
(※)保険者が健康保険組合の場合には健康保険組合の定めによる。

(11月号に続く)

介護処遇改善加算の今後について(給付費分科会資料より)

「今回の更なる処遇改善を行うに当たっては、その趣旨が、
これまでの介護職員の処遇改善の取組を一層進めるとともに、
介護現場への定着促進であることを踏まえ検討することとしては
どうか」

「この趣旨を損なわない程度において、事業所内の配分に当たって、
介護職員の処遇改善に合わせて、事業所の判断でその他の職員の処遇
改善にも充てられるようにすることについて更に検討を進めてはどうか」

「この取扱は、今般の更なる処遇改善に当たってのものであるため、
現行の介護職員の処遇改善とは別の加算で対応する方針としてはどうか」

・・・・

15日(月)に開催された介護給付費分科会資料
からの抜粋内容です。

 

主な論点は下記の2つです。

 

 

 

論点1
○ 「未来への投資を実現する経済対策」(平成28年8月2日閣議決定)を踏まえ、平成29年度に臨時で介護 報酬改定を行った際の審議報告においては、「介護人材の処遇を含む労働条件については、本来、労使間に おいて自律的に決定すべきものであるが、他方、介護人材の安定的確保及び資質の向上を図るためには、介 護業務の負担の軽減や事務の効率化を図る他、事業者における取組を評価し、確実に処遇改善を担保する ために必要な対応を講ずることは、現状においても引き続き求められている」とされており、更なる処遇改善に ついても、「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)に基づき、介護報酬における加算で対 応することとしてはどうか。

○ 今回の更なる処遇改善を行うに当たっては、その趣旨が、これまでの介護職員の処遇改善の取組を一層進 めるとともに、介護現場への定着促進であることを踏まえ検討することとしてはどうか。

○ この趣旨を損なわない程度において、事業所内の配分に当たって、介護職員の処遇改善に合わせて、事業 所の判断でその他の職員の処遇改善にも充てられるようにすることについて更に検討を進めてはどうか。

 

論点2

 

○ 離職理由として賃金水準に関することに加え将来の見込みが立たないことが挙げられていること、働きやすく 定着しやすい職場環境の整備をさらに進めていく必要があることから、介護事業所がこれまで進めてきたキャリ アアップの仕組みと整合のとれたものとなるよう検討してはどうか。 ○ また、あわせて、介護事業所における離職防止や人材育成、雇用管理改善などの介護人材確保に向けた 取組の支援に更に取り組むこととしてはどうか。

○ この取扱は、今般の更なる処遇改善に当たってのものであるため、現行の介護職員の処遇改善とは別の加 算で対応する方針としてはどうか。

 

詳細は

https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000365533.pdf

 

保育事業者様向け情報(労務)10月号③

労働時間を自己申告制で把握する際の注意点

来春の法改正により、年間720時間以下、単月で100時間未満などを内容とする
時間外労働の上限規制が行われます(中小企業は1年遅れの2020年4月より適用)。
これに向けて時間外労働の多い企業は、時間外労働を減らす取組みが必要となり、
併せて労働時間を適正に把握する方法が重要になります。そこで、今回は労働時
間を自己申告制で把握する際の注意点を確認しておきます。

1.労働基準監督署の指摘事項

2017年度に長時間労働が疑われる事業場に対して実施された労働基準監督署による
監督指導の実施結果を見てみると、指導事項として「実態調査の実施」が挙げられています。
この実態調査の実施とは、2017年1月20日に策定された「労働時間の適正な把握のために
使用者が講ずべき措置に関するカイドライン」(以下、「ガイドライン」という)の
4(3)ウ・エのことで、以下の内容になります。
ウ自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、
必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かる
データを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで
分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、
所要の労働時間の補正をすること。
エ自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に
報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。
その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと
報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の
指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければ
ならないこと。

2.実務上必要な対応策

このガイドラインの内容を踏まえ、例えば定期的にパソコンの使用時間の記録と
自己申告との時間の突き合わせを行い、乖離があるものについては確認を行うなどの
取組みを行うことが求められます。また、休憩時間に休憩が取れずに仕事をしていないか、
自主的な研修といっているが実際は強制参加で、参加しなければ業務に支障が出る研修が
行われていないかなど、実態は労働時間として扱うべき時間が労働時間から除外されて
いないかを点検し、問題があれば取扱いを見直すなどして改善しましょう。
時間外労働の上限規制により、企業が従業員に時間外労働を減らす取組みを命じると、
時間外労働を削減するのではなく、実際に業務を行い労働時間であるにもかかわらず、
業務を行っていないように見せることで、時間外労働の上限時間に抵触しないように
することも見受けられます。
時間外労働の上限規制の一番の目的は過重労働対策であることを、従業員自身が認識し、
業務改善を通して時間外労働の削減に取り組むようにしなければなりません。

(次号に続く)

医療事業者様向け情報(労務)10月号③

労働時間を自己申告制で把握する際の注意点

来春の法改正により、年間720時間以下、単月で100時間未満などを内容とする
時間外労働の上限規制が行われます(中小企業は1年遅れの2020年4月より適用)。
これに向けて時間外労働の多い企業は、時間外労働を減らす取組みが必要となり、
併せて労働時間を適正に把握する方法が重要になります。そこで、今回は労働時
間を自己申告制で把握する際の注意点を確認しておきます。

1.労働基準監督署の指摘事項

2017年度に長時間労働が疑われる事業場に対して実施された労働基準監督署による
監督指導の実施結果を見てみると、指導事項として「実態調査の実施」が挙げられています。
この実態調査の実施とは、2017年1月20日に策定された「労働時間の適正な把握のために
使用者が講ずべき措置に関するカイドライン」(以下、「ガイドライン」という)の
4(3)ウ・エのことで、以下の内容になります。
ウ自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、
必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かる
データを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで
分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、
所要の労働時間の補正をすること。
エ自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に
報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。
その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと
報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の
指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければ
ならないこと。

2.実務上必要な対応策

このガイドラインの内容を踏まえ、例えば定期的にパソコンの使用時間の記録と
自己申告との時間の突き合わせを行い、乖離があるものについては確認を行うなどの
取組みを行うことが求められます。また、休憩時間に休憩が取れずに仕事をしていないか、
自主的な研修といっているが実際は強制参加で、参加しなければ業務に支障が出る研修が
行われていないかなど、実態は労働時間として扱うべき時間が労働時間から除外されて
いないかを点検し、問題があれば取扱いを見直すなどして改善しましょう。
時間外労働の上限規制により、企業が従業員に時間外労働を減らす取組みを命じると、
時間外労働を削減するのではなく、実際に業務を行い労働時間であるにもかかわらず、
業務を行っていないように見せることで、時間外労働の上限時間に抵触しないように
することも見受けられます。
時間外労働の上限規制の一番の目的は過重労働対策であることを、従業員自身が認識し、
業務改善を通して時間外労働の削減に取り組むようにしなければなりません。


(次号に続く)

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