コラム
新年度の居宅介護支援の介護報酬改定では、事業所の経営に大きな影響を与える「特定事業所加算」の算定要件が変更される。ケアマネジャーが介護保険制度の枠を超えた支援について学ぶ機会を確保することが、新たに求められるようになる。
この算定要件の見直しは、特定事業所加算の全ての区分に適用されるもの。厚生労働省は新たに公表した解釈通知の案で、その具体的な内容や考え方などを解説した。
新たな算定要件は以下の通り。
特定事業所加算|全区分の要件(8)
《現行》地域包括支援センターが実施する事例検討会などに参加していること。
《改定後》家族の介護を日常的に行っている児童や障害者、生活困窮者、難病患者など、高齢者以外の対象者への支援に関する事例検討会・研修などに参加していること
厚労省は解釈通知の案で、新たな算定要件の趣旨を「多様化、複雑化する課題に対応するため」と改めて説明。「家族の介護を日常的に行っている児童とは、いわゆるヤングケアラーのことを指す」と明記した。
あわせて、算定要件の対象となり得る事例検討会・研修の範囲について、「上記に例示するもののほか、仕事と介護の両立支援制度や生活保護制度なども考えられる」と解説。「利用者のケアマネジメントを行ううえで必要な知識・技術を修得するためのものであれば差し支えない」との認識を示した。(介護ニュースより)
厚生労働省は来月から、感染症や災害の発生を想定した業務継続計画(BCP)を策定していない介護事業所・施設を対象に、基本報酬の減算を新たに導入する。
これを念頭に、全国の自治体の担当者らに「運営指導などで集中的な指導の徹底を」と要請した。介護保険の重点施策などを説明する会議(*)で広く呼びかけた。
* 全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議。今年度は資料の公表、説明動画の公開で代替。資料は今月8日公表。
BCP未策定の減算は、全ての介護事業所・施設に義務付けられる感染症と災害のBCPの策定を怠っていると適用される。
ただ、一定の経過措置も設けられる。訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援は来年度に限り適用されない。その他のサービスも、「感染症の予防とまん延防止の指針」と「非常災害に関する具体的計画」を策定していれば、来年度に限り適用されない。
厚労省は今回の会議で、「BCPに実効性を持たせるためには、危機発生時も迅速に行動できるよう関係者へ周知し、平時から研修や訓練(シミュレーション)を行い、最新の知見を踏まえて定期的に見直すことが重要」と説明。自治体の担当者らに、「一連の取り組み状況の確認・指導をお願いしたい」と要請した。(介護ニュースより)
原則すべての介護事業者に経営情報の毎年の報告を義務付ける新たな制度が新年度から始まる。
とはいえまだ焦る必要はなく、じっくりと準備を進めればいい。現場が実際に対応を求められるのは、新年度の秋以降となることが明らかになった。
厚生労働省は新たに公表した自治体向けの説明資料の中で、制度の運用開始に向けたスケジュールを提示。「初年度に限り、経営情報の報告期限を2024年度末までとする」と改めて明記した。2025年度以降は、毎会計年度終了後3ヵ月以内に報告する決まりとした。
報告手段については、新たなシステムの整備を進めていると説明。損益計算書を出力したcsvファイルをアップロードする形、Webの専用フォームに入力する形などを準備しているとした。
そのうえで、「システムの試行は今年秋頃、開始は今年冬頃を見込んでいる。実際の稼働時期は別途お示しする」とアナウンスした。
経営情報の報告の義務化は、事業所・施設の実態をより詳しく把握できるようにすることが目的。例えば3年に1度の介護報酬改定や介護職員の更なる処遇改善など、今後の重点施策の精度向上につなげていく狙いがある。
《参考記事》全ての介護事業者に財務状況の報告・公表を義務付け 厚労省がルール公表
対象はすべての介護事業者だが、過去1年の介護報酬が100万円以下の小規模な事業者などは除外される。厚労省は報告の内容について、
(1)事業所・施設の名称、所在地、その他の基本情報
(2)事業所・施設の収益、費用の内容
(3)事業所・施設の職員の職種別人員数、その他の人員に関する事項
(4)その他必要な事項
などと説明している。職種別の給与は任意項目とした。
厚労省はこのほか、介護サービス情報公表制度を通じた財務諸表などの公表も来年度から事業者に求めていく方針だ。(介護ニュースより)
厚生労働省は8日、来年度の介護報酬改定の内容を明らかにする告示、解釈通知、留意事項通知などの案を公式サイトに掲載した。
近く正式に通知する。その後、改定の細部をより詳しく解説するQ&Aなども出す。
厚労省は今回、全国の自治体の担当者らを対象とする政策説明会(全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議)の資料として、通知案を提示した。各種加算の様式なども併せて公表している。
公式サイトでは「今後、修正がなされる可能性がある」とアナウンスした。自治体や介護現場の関係者らは、現時点版の参考資料として活用することができそうだ。
政府は8日、高齢者や障害者ら要配慮者が賃貸住宅へ円滑に入居できる環境整備を進めるための関連法改正案を閣議決定した。支援団体が見守りなど入居中のサポートをする賃貸住宅を自治体が認定する制度を新設。要配慮者と大家の双方が安心して貸し借りできるようにする。10年間で10万戸の認定を目標とする。
孤独死や家賃滞納への懸念から要配慮者への貸し出しを敬遠する大家は多い。
改正案では、支援団体による訪問や、人感センサーで安否確認するサービスを備えた賃貸住宅を「居住安定援助賃貸住宅」と規定。物件の構造や支援策をまとめた計画を大家と支援団体が作成し、自治体が認定する。
入居中に生活や心身の状況が不安定になった場合は、支援団体を通じて介護や就労支援などの福祉サービスにつなげる。
センサーなど安否確認に必要な設備を取り付けるための改修工事費の一部を国が補助する。
家賃面では、要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国が認定する。親族だけではなく、支援団体を緊急連絡先としても契約できることなどが認定条件。
2024年3月8日 09時11分 (共同通信)
A、何をどのように頑張れば、階層を上がっていくことができるのかを決めるのが、
キャリアパスの中で最も重要なルールのひとつである「任用要件・昇格条件」です。
この任用要件を決定して、職員にオープンにし丁寧に説明することが必要です。尚、任用要件では、次の4つの視点で検討をすすめれば良いと考えています
- 前等級における最低勤務年数
「リーダーを最低3年やらないと主任は務まらない」というような発想があると思いますが、このような考え方を昇格の条件として、1級は2年以上、2級は3年以上などのような形で採り入れます。そして各階層の滞留年数を決めます。つまり昇格を考えるときにも、この年数経過が一つの要件になります。 - 資格
それぞれの等級で取得してほしい資格を昇格の条件として用いるという考え方です。 - 実務経験
「優秀なケアスタッフだったのに、リーダーにしたらプレッシャーから力を発揮できず、結局もとの立場に戻さざるを得なくなった・・・」などというミスマッチをなくすために、指導監督職(主任等)になる前に、一般職の間に、一度でも委員会の委員長や行事のリーダー等をつとめた経験がある事などを、昇格条件にするケースもあります。少し大きな事業所では、複数の事業所を経験していないと(異動していないと)管理者になれないというルールもこの類です。 - 人事評価
人事評価制度を取り入れている事業所では、必ずといっていいほど、その結果を昇格の条件に用いています。「階層に求められる業務ができているか」を評価しているのであれば、その結果を次の段階に進めるか否かの判断基準に加えるというのは、極めて合理的な方法です。
人の時間の使い方を考えるとき、「100%誰かのための時間」ということはあり得ません。「自分の為に時間」「誰かのための時間」は単純に割り切れるものではありません。「あの人にはこれだけやってあげた」「親が望むよう生きていた」「会社の為に働いてきた」という人は自分の時間を犠牲にしてきたとおもっているのでしょう。
わかっておきたいのは、自分の時間は全て自分で選択できる自由な時間であるということ。どう使うかはひとりひとりに委ねられています。「いやそんな自由はない」と思うなら「~しなくては」という呪縛に縛られているのかもしれません。「誰かの時間」でも、自分がそうしたいからと思えば「自分のための時間になります」その意識が無ければ、他人に振り回されてばかりの時間になります。「だれかの為だけ」と考えていたら自分の気持ちが置いてきぼりで身が持ちません。
人は誰かの為だから頑張れることが多いものです。仕事をするのも、食事をつくるのも、遊びの計画をたてるのも、「あの人の喜ぶ顔が見たい」と思えば頑張れるものです。人の役にたったり、認めてもらえたりすることで、安心感も幸せも感じられます。自分の為に時間も必要ですが、「誰かが喜んでくれることが自分の幸せ」と思える時間をもてたり、より大きな幸せがもたらされるのではないでしょうか。
Q,仕事が出来ず協調性もない問題のあった社員が、定年後の再雇用を申し出てきました。会社としては定年をもってやめてもらいたいが、どのような対応が出来ますか、尚、当社は雇用継続制度をとっており、再雇用基準を定めた労使協定があります。
A, 当該社員は定年迎えるということで、定年後再雇用をしないということが考えられますが、それが出来るかどうかが問題になるところです。
平成25年4月1日より改正高年齢者等の雇用の安定等の関する法律が施行されています。この改正では、定年に達した人を引き続き雇用する「雇用継続制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されました。ただ、従来このような仕組みを設けていた場合には、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢(令和4年3月31日までであれば63歳)を超える年齢の者について、なお雇用継続制度の対象者を限定する基準を定めることは可能となります。
逆にいうと、60歳定年で雇用継続制度をとっている場合、本人が希望するときは、解雇事由や退職事由にあたる事由がないかぎり、少なくとも上記支給開始までは再雇用する必要があります。再雇用基準を適用できるのは上記支給開始年齢を超えて再雇用するかどうかを判断するときになります。
従って、御質問にある問題社員が再雇用を希望した場合、その時に再雇用基準を満たしていなかったとしても、少なくとも上記支給開始年齢までは再雇用をする必要があります。
2,解雇することはできるのか
仮に再雇用拒否が出来ない場合でも客観的合理性と社会的相当性の要件を満たしていれば解雇することはできます。ご質問のケースでは、当該社員は仕事も出来ず協調性もないとのことですので、解雇できるかどうかのポイントとしては、その問題事由を裏付ける客観的事実、問題性の程度、そして何度も注意指導しても改善しなかったという「改善可能性」が無いことや、他の部署に配転して解雇を回避する余地がないか、などが焦点になります。
実際のケースでは、十分な注意指導が出来ておらず、直ちに解雇するのは難しいというケースが見受けられます。そのような場合には、一端、再雇用したうえで、当該社員の問題状況や注意指導の履歴を記録化するようにして、契約更新の段階で雇止めを検討するという方法も考えられます。ただ、社内で長年キャリアを積んだ年長社員に対して、どれだけの指導教育ができるかについては、現実的にかなり難しい部分もあるのではないでしょうか。
3,労働条件を変更することはできるか
定年後再雇用とする場合、雇用契約を締結しなおすことになりますので、その際に労働条件(給与、職種、業務内容)を改定し提示することは可能です。ただ、どのような変更をしてもいいかというと、厚労省Q&Aによれば、継続雇用高齢者の安定した雇用を確保するという趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金など雇用に関するルールの範囲内で事業主と労働者の間で決めることが出来るとされています。そして最終的に合意できなかった場合でも、事業主が合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば結果的に継続雇用に至らなかったとしても、法律違反になることはないとしています。
4,事業主側として現実的な対処方法としては。
ご質問のケースのような場合、当該社員との雇用継続が難しいということであれば、実務対応としては、当該社員にこれまでの勤務をねぎらいつつも、会社の評価を伝えて、まずは退職勧奨を試みるのが現実的な対応であると考えます。また、場合によっては割り増し退職金を支払う等の方法も考えられるところです。
以上
厚生労働省は4日、来年度の介護報酬改定で6月から一本化する新たな処遇改善加算について、詳細なルールを規定する通知を発出した。その中で明示された算定要件を分かりやすくまとめていく。
新加算の算定要件は大きく9つ。これは「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」の3つに分類される。
以下をどこまで満たせるかで、新加算の4区分のどれを取得できるかが決まる。厚労省は上位区分の取得を後押しする観点から、多くの要件に一定の経過措置を設けることにした。
新たな処遇改善加算の算定要件
■ キャリアパス要件
(1)介護職員の職位、職責、職務内容に応じた任用の要件などを定め、それに応じた賃金体系を整備する。
※ 2024年度中は年度内の対応の誓約で可。
(2)介護職員の資質向上の目標や具体的な計画を策定し、それに沿った研修の機会を確保する。
(3)経験や資格に応じて昇給する仕組み、または一定の基準で定期に昇給を判定する仕組みを設ける。
※ 2024年度中は年度内の対応の誓約で可。
(4)経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること。
※ 小規模事業所で加算が少額な場合などは適用免除。
(5)サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士などを配置していること。
※ サービス類型ごとに特定事業所加算、サービス提供体制強化加算、入居継続支援加算などの算定が必須。
■ 月額賃金改善要件
(6)新加算(IV)の加算額の2分の1以上を、基本給か毎月支払う手当に充てる。
※ 2025年度から適用。
(7)前年度と比較して、現行のベースアップ加算の加算額の3分の2以上を用い、基本給か毎月支払う手当の引き上げを行う。
※ 現行のベースアップ加算を未算定の場合のみ適用。
■ 職場環境等要件
(8)6つの区分ごとにそれぞれ2つ以上取り組む。ただし生産性向上は3つ以上、うち一部は必須。実施した取り組みの内容を情報公表システムなどで具体的に公表する。
※ 2024年度中は区分ごとに1つ以上の取り組みでも可。取り組み内容の公表は不要。
(9)6つの区分ごとにそれぞれ1つ以上取り組む。ただし生産性向上は2つ以上必要。
※ 2024年度中は全体で1つ以上で可。
* 職場環境等要件の6つの区分は通知から。
こうした算定要件のうち、新加算の最上位の加算(I)を取得するためには全てを満たす必要がある。加算(II)以下は次の通りだ。
新たな処遇改善加算の区分ごとの要件(上記の算定要件の番号に対応)
■ 新加算(I)
上記全て
■ 新加算(II)
上記(1)(2)(3)(4)(6)(7)(8)
■ 新加算(III)
上記(1)(2)(3)(6)(7)(9)
■ 新加算(IV)
上記(1)(2)(6)(7)(9)
厚労省はこうした算定要件やサービスごとの加算率などの詳細を、今回の通知で明らかにしている。新加算への移行が困難な事業所には、来年度に限り、現行の3加算の加算率以上を担保する経過措置を適用する。
このほか、新加算のルールを分かりやすく整理した事業者向けのリーフレット・資料も新たに公表。新加算への移行を円滑に済ませるために、より上位の区分を算定するために必要なことを、これまで以上に丁寧に解説している。(介護ニュース)
来年度の介護報酬改定をめぐり、6月から一本化される新たな処遇改善加算の詳細なルールなどを規定する通知が4日に発出された。
厚生労働省はこの中で、加算の申請に必要な書類の提出期限を明示した。
処遇改善計画書は原則4月15日で統一。新加算の計画書は6月15日まで変更を受け付ける、という運用を自治体に要請した。次の通りだ。