コラム
短時間・単発の「スポットワーク(スキマバイト)」と呼ばれる雇用形態が、保育現場にも広がっている。人手不足に悩む園と柔軟な働き方を求める保育士のニーズが合致する一方、スポット保育士は園児と安定した関係づくりが難しく、保育の質の担保に保護者から不安の声も上がる。こども家庭庁は昨年10月、全国の自治体の実態調査に乗り出した。
タイミー」で週2日、子育てと両立
昨年12月、神奈川県藤沢市の認可保育園「キディ湘南C-X」の1歳クラス。子どもたちは、スポット保育士の女性(36)に背中をトントンされ、眠りにつこうとしていた。
女性は元教員で、出産後に保育士資格を取得。昨年2月から大手スポットバイト仲介アプリ「タイミー」を使い、週2日ほど午前9時から4時間、この園で働く。小学1年の長女は留守番が難しく、下校時間に間に合う今の働き方を選んだ。
とはいえ、園児の成長を支えるのは「スポットといえど責任の重い仕事」と女性。朝の園児の受け入れ時に「体調面や発達面で配慮が必要な子がいないか」と常勤の保育士らに聞くなど、確認は怠らない。

履歴書は原則不要 本採用の機会にも
スポットワークでは仲介アプリを通じて、労働者が希望する仕事を申し込み、企業と雇用契約を結ぶ。原則、履歴書の提出や面接が不要とされる。
保育現場で活用が広がる背景には、深刻な保育士不足がある。キディ湘南C-Xの戸島翔平園長によると、常勤の保育士が育児による時短勤務を希望するなど、3年前から慢性的に保育士が足りず、国が定める保育士の配置基準を満たすのがやっとだ。

2024年からタイミーを介し、延べ130人を雇い、3人を本採用。園では履歴書の提出を求め、経験不足と感じた保育士を再雇用しないようにする。以前に雇用して働きぶりが信頼できる保育士を「お気に入り」登録し、優先的に募集するようにしている。
欠勤時に活用しても、配置基準には…
スポット保育士の広がりを受け、こども家庭庁は昨年2月、各自治体へ通知を出した。急な欠勤が出た場合の活用は認めたものの、配置基準の定数をスポット保育士で満たすべきではない旨の見解を示した。実態調査では活用状況や雇用の際の課題なども確認する。
保育施設の業務支援を行う「コドモン」(東京)が昨年5月に全国258の保育施設を対象に行った調査では、スポット保育士を活用した32施設(12.4%)のうち、多くが保育準備や清掃など保育以外の業務に従事させていた。散歩の引率やおむつ替えを任せる園もあった。スポット保育士の働きぶりを「満足」「やや満足」としたのは9割を超えた。
「1日11時間」の”標準”を見直すべき
コドモンによる保護者465人への調査では、スポット保育士の配置を「受け入れられる」「やや受け入れられる」としたのは57.6%と半数以上。スポット保育士が入ることへの不安(複数回答)としては、「担任の先生との情報が共有できているか」(361件)、「子どもの性格や体調を十分に把握してもらえるか」(307件)との回答が多かった。
帝京大元教授で、埼玉県で私立園を運営する村山祐一さんは「常勤保育士の補助としてなら理解できるが、子どもの日々の様子を理解しない人が保育を担うのは無理がある」と指摘する。その上で、フルタイム就労を想定した国の「保育標準時間(保育園などを利用できる時間)」が、1日最長で11時間という長さになっていることを問題視。育児中の常勤保育士が対応できず離職することが保育士不足の背景にあるとし「国が責任を持って、標準時間の見直しや処遇改善に取り組むべきだ」と話す。
厚生労働省,処遇改善加算を来年度に取得するために必要な計画書の提出期限は4月15日まで
介護保険最新情報Vol.1469で、全国の自治体や介護現場の関係者に広く周知した。
年度当初の4月、5月から取得する事業所・施設の提出期限は4月15日。ここでは、6月以降の計画書もあわせて提出する必要がある。6月から処遇改善加算が新設される居宅介護支援、訪問看護などの事業所を併設している場合も、まとめて4月15日までに提出することとされた。
一方、6月から処遇改善加算が新設される居宅介護支援、訪問看護などの事業所のみを運営しており、4月分、5月分を申請しない事業者について、厚労省は計画書を6月15日まで受け付けるとした。
政府は来年度、介護報酬の臨時改定を実施する。6月から処遇改善加算を拡充し、定期昇給分を含めて最大で月額1.9万円のさらなる賃上げを実現する方針だ。これまで対象外だった居宅介護支援、訪問看護などにも、新たに処遇改善加算を創設する。
厚労省は6月以降の変更点などを盛り込んだ新しい計画書の様式案について、2月下旬を目処に公表する意向を示した。
「注意しただけなのに、パワハラだと言われた」
「問題職員を指導できず、周囲のスタッフが辞めてしまった」
近年、クリニックの現場からこのような相談が急増しています。
人員規模が小さく、距離の近い職場であるクリニックほど、人間関係トラブルが一気に経営リスクへ発展しやすいのが実情です。
本コラムでは、クリニック専門社労士の視点から、
**いま院長が必ず押さえておくべき労務リスクと、特にトラブルになりやすい「パワハラ問題」**について、実務ベースで解説します。
なぜ今、クリニックの労務リスクが表面化しているのか
「小規模だから大丈夫」が通用しない時代
クリニックはスタッフ数が少なく、院長と職員の距離が近い職場です。
そのため、
-
指導が感情的になりやすい
-
業務範囲や役割が曖昧
-
暗黙のルールで運営されがち
といった特徴があります。
以前は「医療の現場だから」「忙しいから仕方ない」で済んでいた対応も、
現在はハラスメント・不当対応として問題視される時代になっています。
クリニックで特に起きやすいパワハラの典型例
① 業務指導のつもりがパワハラになるケース
院長や主任がよくやってしまいがちなのが、
-
皆の前で強い口調で注意する
-
同じミスを理由に繰り返し叱責する
-
「向いていない」「辞めたほうがいい」と発言する
これらは業務指導の目的を超えるとパワハラと判断される可能性があります。
特に小規模クリニックでは「皆の前=職場全体」になりやすく、
本人の受ける心理的負担が大きくなりがちです。
② 感情的な言動・態度によるパワハラ
-
忙しい時に無視する
-
ため息や舌打ちを繰り返す
-
特定の職員にだけ冷たい態度を取る
これらも**「精神的攻撃」や「人間関係からの切り離し」**として、
パワハラ認定される可能性があります。
院長自身に悪意がなくても、
受け手が継続的に苦痛を感じていればリスクになる点が重要です。
③ 院長ではなく「ベテラン職員」が加害者になるケース
意外に多いのが、
-
ベテラン看護師が新人を強く叱責
-
医療事務リーダーが特定の職員を排除
-
「昔はこうだった」という価値観の押し付け
この場合でも、使用者である院長の管理責任が問われます。
「本人同士の問題」「現場に任せている」では済まされません。
パワハラと適正な業務指導の違いとは
判断のポイントは次の3点です。
-
業務上の必要性があるか
-
言動が相当な範囲を超えていないか
-
人格否定や感情的表現が含まれていないか
例えば、
-
ミスの内容を具体的に伝え、改善を求める → 適正指導
-
「何度言えば分かるんだ」「使えない」 → パワハラリスク大
**内容よりも「伝え方」「継続性」「場面」**が重要になります。
パワハラ問題が引き起こすクリニック経営への影響
パワハラが放置されると、
-
優秀な職員ほど辞める
-
院内の雰囲気が悪化する
-
採用しても定着しない
-
労基署・労働局への相談、通報リスク
といった悪循環に陥ります。
さらに深刻なのは、
一度「問題のある職場」という評判が立つと、採用市場で敬遠される点です。
労務トラブルを防ぐために院長が今すぐやるべきこと
① 指導ルールを「属人化」させない
-
注意・指導は原則1対1で行う
-
記録を残す(日時・内容・改善点)
-
感情ではなく事実ベースで伝える
これだけでもトラブル発生率は大きく下がります。
② 就業規則・院内ルールの整備
パワハラ防止規定や相談窓口の明示は、
**「守るため」ではなく「守られるため」**の仕組みです。
規則があることで、
-
院長の対応が正当化されやすい
-
職員側も安心して相談できる
-
重大トラブルになる前に是正できる
という効果があります。
③ 早めに専門家へ相談する
多くの院長が、
「もう少し早く相談していれば、ここまでこじれなかった」
とおっしゃいます。
問題が表面化してからでは、
選択肢が限られ、コストも大きくなりがちです。
クリニック専門社労士が果たす役割
クリニックの労務問題は、
一般企業の理論をそのまま当てはめても上手くいきません。
-
医療現場特有の人間関係
-
院長の立場と責任
-
小規模組織ならではの難しさ
これらを理解したうえで、
「現場で実行できる対応」を一緒に設計できるのが、クリニック専門社労士です。
まとめ|「人の問題」は放置しないことが最大のリスク対策
クリニック経営において、
一番のリスクは「人の問題を後回しにすること」
です。
パワハラと言われない指導方法、
辞めさせず・揉めさせない労務設計は、
正しい知識と仕組みがあれば必ず実現できます。
「最近スタッフとの距離感が難しい」
「注意すると辞めそうで何も言えない」
そう感じた時こそ、対策のタイミングです。
はじめに|「ハローワークでは人が採れない」は本当か?
介護事業所の採用相談で、私が必ず耳にする言葉があります。
それが
「ハローワークに出しても、どうせ人は来ませんよね?」
というものです。
確かに、民間求人サイトや紹介会社と比べると、
「応募が少ない」「条件が合わない人が来る」といった声が多いのも事実です。
しかし、それはハローワークの問題ではなく、“使い方”の問題であるケースがほとんどです。
実際、私が支援している介護事業所の中には、
・年間採用の半数以上をハローワーク経由で確保
・採用コストを大幅に削減
・定着率の高い職員を採用
といった成果を出している事例も少なくありません。
本コラムでは、介護専門社労士の視点から
**「ハローワークを採用チャネルとして最大限に活かす具体策」**を、事例とともにわかりやすく解説します。
なぜ介護事業所はハローワーク採用で失敗しやすいのか
① 求人票を「事務的に」作っている
ハローワーク求人は、
「最低限の項目を埋めればよい」
という意識で作成されがちです。
その結果、
・仕事内容が抽象的
・職場の雰囲気が伝わらない
・他施設との差別化がない
という**“選ばれない求人票”**になってしまいます。
② 採用ターゲットが曖昧
「介護職員募集(正社員)」
この一文だけで、誰に来てほしいのかが見えない求人は非常に多いです。
・未経験者を育てたいのか
・経験者即戦力がほしいのか
・子育て世代なのか
ターゲットを定めないと、ミスマッチが起こりやすくなります。
③ ハローワーク職員との連携不足
意外と知られていませんが、
ハローワーク職員は“求人の営業担当”でもあるという点です。
相談せずに放置している事業所ほど、成果が出にくい傾向があります。
【ノウハウ①】介護職採用で成果が出る求人票の作り方
ポイントは「仕事内容」を具体的に書くこと
NG例
利用者様の介護業務全般
OK例
食事介助(刻み食・とろみ対応あり)、入浴介助(機械浴あり)、
排泄介助、レクリエーション補助、介護記録の入力(タブレット使用)
**「1日の仕事がイメージできるか」**が応募率を大きく左右します。
「大変なこと」もあえて書く
介護職は決して楽な仕事ではありません。
あえて
・夜勤がある
・身体介助がある
と正直に書くことで、覚悟のある応募者が集まり、定着率が上がります。
【ノウハウ②】ハローワーク求人で差がつく「プラスα情報」
福利厚生・職場環境は“生活目線”で書く
単に
「社会保険完備」
と書くよりも、
・子どもの急な発熱でのシフト調整実績
・夜勤明けは必ず休み
・介護記録は手書きなし
など、現場のリアルを書く方が反応は明らかに良くなります。
処遇改善加算の使い道を明示する
介護業界では
「処遇改善加算=よく分からない」
という不信感を持つ求職者も多いです。
そこで、
・毎月手当として支給
・賞与に反映
など、どう還元されるかを明記することが有効です。
【ノウハウ③】ハローワーク職員を“味方”につける
定期的な求人相談が成果を分ける
成果を出している事業所は、
・求人票提出後も定期的に相談
・応募状況を共有
・条件変更の相談
をこまめに行っています。
ハローワーク職員に
「この事業所は本気だ」
と認識してもらえると、
求職者紹介の質が明らかに変わります。
【ノウハウ④】ハローワーク×他チャネルの併用戦略
ハローワークは
「万能な採用ツール」
ではありません。
おすすめは、
・ハローワーク:安定志向・地元人材
・求人サイト:即戦力
・紹介会社:緊急対応
という役割分担です。
特に、ハローワークは
「時間はかかるが、定着しやすい人材」
を採るのに向いています。
介護専門社労士として伝えたいこと
採用がうまくいかない原因を
「人がいない」「業界が厳しい」
で片付けてしまうのは簡単です。
しかし、
採用は“設計”と“運用”で結果が変わる分野です。
ハローワークは、
・無料
・公的
・地域密着
という、介護事業所にとって非常に相性の良い採用チャネルです。
使い方を変えるだけで、
「採れない媒体」から
「安定採用の柱」
へと変わります。
まとめ|ハローワーク採用成功の5つのポイント
-
求人票は「具体性」と「正直さ」
-
採用ターゲットを明確にする
-
福利厚生・働き方を生活目線で書く
-
ハローワーク職員と連携する
-
他の採用手法と併用する
もし
「求人票をどう直せばいいかわからない」
「ハローワークを活かしきれていない」
と感じているなら、一度プロの視点で見直すだけでも結果は変わります。
介護専門社労士として、
現場実態を踏まえた“採れる採用設計”の重要性を、これからもお伝えしていきます。
はじめに|なぜ今、人材紹介会社の使い方が重要なのか
保育士不足が慢性化する中、「求人を出しても全く応募が来ない」「ハローワークや求人サイトでは限界」という理由から、人材紹介会社(有料職業紹介)を利用する保育園が増えています。
確かに、人材紹介会社は即戦力となる保育士と出会える可能性が高い一方で、
-
採用コストが高い
-
早期離職リスクがある
-
契約内容をよく理解せずにトラブルになる
といった相談も、保育園専門社労士として数多く受けてきました。
本記事では、
「人材紹介会社を使う前に必ず押さえるべき留意点」
を、労務・法務・実務の観点からわかりやすく解説します。
人材紹介会社を使うメリット・デメリットを正しく理解する
人材紹介会社の主なメリット
まずはメリットから整理しましょう。
-
自園では出会えない潜在層(転職を迷っている保育士)にアプローチできる
-
採用までのスピードが早い
-
書類選考や日程調整などの工数が削減できる
特に、急な欠員補充や年度途中の採用では、有効な手段となります。
一方で見落とされがちなデメリット
一方、次のようなデメリットも存在します。
-
採用成功報酬が高額(年収の20〜30%が相場)
-
採用のミスマッチが起きやすい
-
園の採用力が育たない
「とにかく人が欲しい」という焦りから安易に利用すると、
結果的にコストだけが膨らみ、定着しないという悪循環に陥りがちです。
留意点① 紹介手数料と契約条件を必ず確認する
紹介手数料の相場と注意点
人材紹介会社の手数料は、一般的に以下のような水準です。
-
正社員:理論年収の20〜30%
-
パート:一律〇万円、または月給×〇か月分
重要なのは、**「いくらかかるか」だけでなく「いつ・どんな条件で支払うのか」**です。
よくある契約トラブル例
保育園で実際に多いのが、次のようなケースです。
-
試用期間中に退職したのに全額請求された
-
返金規定(返戻金)が契約書に明記されていなかった
-
分割返金だと思っていたら一切返金なしだった
👉 契約書の返戻金規定(返金条件・期間)は必ず書面で確認してください。
留意点② 「早期離職=返金される」ではない
返金規定は会社ごとに全く違う
多くの園長先生が誤解しがちなのが、
「すぐ辞めたら返金されるはず」という思い込みです。
実際には、
-
1か月以内:全額返金
-
3か月以内:50%返金
-
6か月以内:返金なし
など、返金条件は紹介会社ごとにバラバラです。
労務設計が弱い園ほど早期離職リスクが高い
社労士として見ていると、
-
就業規則が実態と合っていない
-
雇用条件通知書の説明不足
-
配置・人間関係の配慮不足
こうした園ほど、紹介採用でも早期離職が起こりやすい傾向があります。
👉 「返金があるから安心」ではなく、「辞めさせない体制づくり」こそ重要です。
留意点③ 紹介会社任せにしない採用面接が重要
面接を丸投げするとミスマッチが起きる
人材紹介会社が間に入ると、
「紹介会社がスクリーニングしているから大丈夫」と思いがちです。
しかし、紹介会社が重視するのは、
**「とりあえず内定が出るかどうか」**であり、
園の文化や方針との相性までは見きれていないことも多いのが実情です。
園側が必ず確認すべきポイント
面接では、以下を必ず園長・主任が確認しましょう。
-
保育観・価値観(安全重視か、自由保育か 等)
-
チーム保育への適応力
-
過去の退職理由(人間関係・業務量など)
👉 紹介会社+園のダブルチェック体制がミスマッチ防止の鍵です。
留意点④ 同一候補者の「二重紹介」に注意
複数の人材紹介会社を利用していると、
同じ保育士が別会社から紹介されるケースがあります。
この場合、
-
どちらの会社に手数料を支払うのか
-
先に接触したのはどちらか
といったトラブルに発展することも。
👉 候補者管理表を作成し、
👉 「どの紹介会社経由か」を必ず記録する
このひと手間が、無駄なコストを防ぎます。
留意点⑤ 人材紹介は「最終手段」と位置づける
紹介依存の採用は危険
人材紹介に頼りすぎると、
-
採用コストが慢性化する
-
園の魅力が言語化されない
-
職員定着率が改善しない
という構造に陥ります。
社労士が勧める理想的な採用戦略
理想は、
-
自園採用(HP・SNS・直接応募)
- 現在の職員などの紹介(リファラル採用)
-
ハローワーク・求人媒体
-
どうしても必要な場合のみ人材紹介
という段階的な活用です。
そのためには、
-
労働条件の整理
-
就業規則・評価制度の整備
-
職員が紹介したくなる職場づくり
といった労務設計の見直しが欠かせません。
まとめ|人材紹介会社は「使い方次第」で成果が変わる
保育士採用において、人材紹介会社は確かに有効な手段です。
しかし、
-
契約内容を確認せず
-
面接を任せきりにし
-
定着の仕組みを整えない
まま利用すると、高い採用コストだけが残る結果になりかねません。
保育園専門社労士としてお伝えしたいのは、
👉 **採用は「点」ではなく「仕組み」**だということ。
人材紹介を「最後の一手」として活かすためにも、
ぜひ一度、園の労務体制・採用戦略を見直してみてください。
はじめに
介護事業所、保育園、クリニックにおいて、「有給休暇の管理が煩雑で困っている」「職員ごとに付与日がバラバラで把握できない」といった相談は非常に多く寄せられます。
その解決策としてよく検討されるのが、有給休暇の付与日を全職員で統一する運用です。
確かに、付与日を統一すれば管理は楽になります。しかし、制度設計を誤ると労働基準法違反になるリスクもあるため注意が必要です。
本コラムでは、介護・保育・クリニックに特化した社労士の視点から、有給休暇の付与日統一のメリットと注意点を、できるだけわかりやすく解説します。
有給休暇の基本ルール(おさらい)
まず前提として、年次有給休暇は労働基準法第39条により、以下の要件を満たす労働者に付与する義務があります。
-
雇入れ日から 6か月継続勤務
-
その期間の 出勤率が8割以上
この要件を満たした時点で、最低10日の年次有給休暇を付与しなければなりません。
重要なのは、「この付与日は原則として個々の職員ごとに発生する」という点です。
有給休暇の付与日を統一するとは?
「付与日を統一する」とは、本来は入社日ごとに異なる有給休暇の付与日を、
例えば以下のように 特定の日にまとめて付与する運用を指します。
-
毎年4月1日に全職員へ一斉付与
-
毎年10月1日に統一付与
-
半期ごとに区切って付与 など
介護・保育・クリニックでは、人員入替が多いため、管理負担軽減を目的に導入されるケースが増えています。
付与日統一のメリット
① 有給管理が圧倒的に楽になる
シフト制が多い介護・保育、非常勤職員が多いクリニックでは、有給付与日がバラバラだと管理が煩雑です。
付与日を統一することで、残日数管理・5日取得義務の管理が一気に楽になります。
② 職員への説明がシンプル
「あなたの有給は〇年〇月〇日からです」という個別説明が不要になり、
職員側も制度を理解しやすいというメリットがあります。
ここが重要!付与日統一の5つの注意点
注意点① 法定基準を下回らないこと
最も重要なのは、法定基準を下回らないことです。
たとえば、
-
本来6か月経過で10日付与される職員に対し
-
統一付与の都合で「まだ付与しない」
これは 明確な労基法違反となります。
➡ 統一付与は「前倒し」はOK、後ろ倒しはNG
これが大原則です。
注意点② 中途入社職員への配慮が必須
介護・保育・クリニックでは中途採用が多いため、特に注意が必要です。
よくある誤りが、
「4月1日一斉付与だから、途中入社の人は次の4月まで有給なし」
これは完全アウトです。
実務では、
-
入社から6か月経過時点で比例付与(前倒し付与)
-
次回の統一付与日に本付与
という 二段階設計が安全です。
注意点③ パート・非常勤も対象になる
「パートだから有給は少しでいい」「付与日は別扱い」という運用も要注意です。
所定労働日数が少ない場合は、比例付与にはなりますが、
付与義務そのものは正社員と同じです。
特に保育園や介護事業所では、
-
短時間職員
-
曜日固定勤務
が多いため、比例付与日数の設計を誤らないよう注意が必要です。
注意点④ 就業規則への明記が必須
有給休暇の付与日を統一する場合、
就業規則に明確なルールとして記載することが必須です。
記載がないまま運用だけ変えてしまうと、
-
職員とのトラブル
-
労基署是正指導
につながるリスクがあります。
特にクリニックでは「昔からの慣習」で運用しているケースが多く、要注意ポイントです。
注意点⑤ 5日取得義務との関係
2019年から義務化された「年5日の有給取得義務」も忘れてはいけません。
付与日を統一すると、
-
付与日
-
取得管理期間
が明確になる一方、管理を怠ると一斉に未取得が発生します。
➡ 統一付与を行う場合は、
計画的付与や取得促進ルールとセットで設計することが重要です。
介護・保育・クリニック特有の実務ポイント
これらの業界では、
-
シフト制
-
人手不足
-
急な欠勤
が日常的に発生します。
有給付与日を統一するだけでなく、
-
時季変更権の適切な使い方
-
有給取得ルールの見える化
まで含めて設計しないと、**「制度はあるが使えない有給」**になってしまいます。
有給休暇の付与日を全職員で統一する場合のQ&A
Q1.有給休暇の付与日を全職員で同じ日にしても、法律上問題ありませんか?
A.一定の条件を満たせば問題ありません。
労働基準法では、有給休暇は「雇入れから6か月後」に発生するのが原則ですが、それより前に付与する(前倒し付与)ことは禁止されていません。
そのため、法定基準を下回らない形であれば、付与日を統一することは可能です。
Q2.「4月1日一斉付与」にしたいのですが、途中入社の職員はどうすればいいですか?
A.途中入社職員への配慮が不可欠です。
「次の4月1日まで有給なし」という運用は違法になります。
実務では、
-
入社6か月経過時点で先行付与
-
次の統一付与日に本付与へ切替
という二段階設計が安全です。
Q3.パート職員や非常勤職員も同じ付与日にしなければなりませんか?
A.はい、基本的には同様に考える必要があります。
所定労働日数が少ない場合は比例付与になりますが、
「パートだから対象外」「付与日は別」という扱いはできません。
特に保育園・介護事業所では短時間勤務者が多いため、注意が必要です。
Q4.付与日を統一すると、有給日数はどう計算すればいいですか?
A.勤続年数に応じた日数を基準にします。
たとえば4月1日一斉付与の場合、
-
勤続6か月以上1年6か月未満:10日
-
1年6か月以上:11日
といったように、勤続年数別に付与日数を整理します。
ここを曖昧にすると、トラブルの元になります。
Q5.有給付与日を統一すると、職員に不利になることはありませんか?
A.設計次第で不利にも有利にもなります。
前倒し付与を行えば、職員にとっては「早く有給がもらえる」メリットになります。
一方で、後ろ倒しになる設計は違法かつ職員不信につながるためNGです。
Q6.就業規則にはどこまで書く必要がありますか?
A.付与日・付与方法・日数は必ず明記してください。
最低限、
-
有給休暇の付与日
-
勤続年数別の付与日数
-
中途入社者の取扱い
は就業規則に記載が必要です。
「慣例でやっている」は通用しません。
Q7.口頭説明だけで運用しても大丈夫ですか?
A.おすすめできません。
労基署調査や職員トラブル時には、就業規則の記載内容が判断基準になります。
特にクリニックでは、院長が善意で運用していても、書面がないことで是正指導を受けるケースがあります。
Q8.有給の「年5日取得義務」との関係はどうなりますか?
A.統一付与とセットで管理が必要です。
付与日を統一すると、全職員の取得期限も同時に管理することになります。
そのため、
-
取得状況の定期確認
-
計画的付与の活用
をしないと、一斉未取得リスクが高まります。
Q9.忙しくて有給を取らせられない場合はどうすればいいですか?
A.「忙しい」は取得拒否の理由になりません。
ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には時季変更権の行使が可能です。
介護・保育・医療現場では、
「取得時期を調整する」運用設計が重要になります。
Q10.有給を使わずに退職した職員にはどう対応すればいいですか?
A.原則として買い取り義務はありません。
ただし、退職時に残っている有給を消化させることは可能です。
「統一付与にした結果、有給が残りやすくなった」という相談も多いため、退職時の取扱いも事前にルール化しておきましょう。
Q11.派遣職員や契約社員も対象になりますか?
A.雇用主が誰かで判断します。
自法人と雇用契約がある職員であれば、雇用形態に関わらず有給付与義務があります。
派遣職員の場合は、派遣元が付与主体になります。
Q12.付与日を年度途中で変更しても問題ありませんか?
A.慎重な対応が必要です。
不利益変更にならないこと、職員への十分な説明、就業規則改定が必須です。
特に保育園・介護事業所では、監査時に説明できる状態が求められます。
Q13.労基署から指摘されやすいポイントは何ですか?
A.次の3点が特に多いです。
-
中途入社職員への付与漏れ
-
パート職員の比例付与ミス
-
就業規則と実態の不一致
付与日統一は「管理が楽」になる反面、ミスが一斉に発生する点に注意が必要です。
Q14.小規模なクリニックでも付与日統一はした方がいいですか?
A.人数が少ないほど、ルール明確化の効果は高いです。
院長の頭の中で管理できていた時代は終わっています。
トラブル予防の観点からも、制度として整理する価値は十分にあります。
Q15.専門家に相談するタイミングはいつがベストですか?
A.「問題が起きる前」がベストです。
有給休暇は、退職・労基署調査・職員不満の引き金になりやすいテーマです。
付与日統一を検討する段階で、介護・保育・医療に詳しい社労士に相談することが、結果的にコストとリスクを下げます。
まとめ(社労士コメント)
有給休暇の付与日統一は、
正しく設計すれば、管理効率・職員満足度の両方を高める制度です。
一方で、設計を誤ると一気に法令違反リスクを抱えることになります。
介護・保育・クリニックという人手不足業界だからこそ、
「楽にするための統一」ではなく、
**「安心して働けるための制度設計」**が重要です。
Q) 体調不良で欠勤を繰り返している職員がいます。ここ1ヶ月間に何日も欠勤しており、業務への支障も大きくなっています。施設としては、急な欠勤は人員配
置の面で問題が多く、また職員本人の健康のためにも療養に専念し、場合によっては退職してもらった方がよいのではないかと考えていますが、どのように対応
したらよいでしょうか?
A) 就業規則などで私傷病に係る休職制度を設けている場合は、すぐに退職してもらうことはできません。施設は職員に対して療養のための休職を命じることにな
ります。その後、休職期間を経過しても復職が難しいのであれば、退職となります。まずは体調不良が続くようであれば、医療機関への受診を促しましょう。
詳細解説:
1.欠勤とは
一般的に「欠勤」とは、職員が本来出勤しなければならない日に、個人的な事情で出勤しないことを指します。労働契約では、職員は所定労働日・所定労働時間に労務を提供する義務を負っており、一方で施設は、労務提供に対し職員に賃金を支払う義務を負っています。職員が私傷病によって一定期間、労務を提供できない場合には、労働契約に基づく労務提
供義務を果たせないことになり、施設は、労働契約の債務不履行として、契約解除を検討することになります。
2.私傷病による休職制度
多くの施設では、職員が病気やケガ、またはその他の事由により、労務提供が困難になった場合、すぐには解雇せず、職員との労働契約を維持したまま、一定期間の労務提供義務を
免除し、回復を待つための休職制度を設けています。休職制度は、解雇を留保とする「解雇の猶予措置」に位置付けられており、休職期間を経過しても復職できない場合には、就業規則の定めに則って退職となります。よって、休職制度は、職員の一定期間の雇用を保障しつつ、無用な退職トラブルを防ぐことにもつながります。
3.休職発令の重要性
休職制度は、職員が施設へ取得の申請をするものではなく、あらかじめ定められた一定の休職事由に該当したときに、施設が職員に命じるものです。休職期間が満了すると退職
となることから、休職期間満了時にトラブルが発生しがちです。このようなトラブルを防ぐために、休職を開始するときには、職員へ書面で通知を行うようにしましょう。
休職制度は、法律上義務付けられるものではなく、任意に制度の設計・運用を行うことができます。休職制度の有無の確認と、休職制度がある場合には、休職の期間や復職の取扱い
に問題ないかを見直すとよいでしょう。
今年度の補正予算に基づく新たな補助金について、申請に必要な計画書の記入方法を解説する動画がYouTubeに公開された。厚生労働省が4日、介護保険最新情報Vol.1467で現場の関係者に広く周知した。
公開された動画は、今回の補助金の申請に必要な「計画書(Excelファイル)」の入力方法に特化した内容となっている。尺は14分弱で、実際の様式画面を映しながら記入の手順を解説している。複雑な書類作成に悩む担当者にとって、実務の頼もしい手引きとなりそうだ。
今回の補助金は、介護職員1人あたり最大で月額1.9万円を支給するもの。ベースは月額1万円で、要件を満たせばプラス5千円、追加でさらに4千円と上乗せされる「3階建て」の設計だ。居宅介護支援や訪問看護などは、ベース部分の1万円のみが支給対象となる。
厚労省はあわせて、今回の補助金の仕組みを分かりやすくまとめたリーフレットも公表した。申請から受給、報告までの流れを、以下の4つのステップで整理している。
ステップ1|まずは所在地の都道府県に届け出よう!
※ 申請先は都道府県。申請時点では要件が揃っていなくてもOK!
ステップ2|補助金額に相当する賃上げを行おう!
※ 今年度内に受給する場合、今年3月までに賃上げを行う必要がある。
ステップ3|生産性向上の取り組みを1つ行おう!
※ 訪問系・通所系サービスは「ケアプランデータ連携システム」への加入、施設系サービスは「生産性向上推進体制加算」の取得。
ステップ4|都道府県ごとの期限までに実績報告をしよう!
厚労省は介護保険最新情報Vol.1467で、幅広い介護従事者の速やかな賃上げの実現に向けて、今回の補助金の積極的な活用を改めて呼びかけている。
厚生労働省が1月30日に新たに公表した介護経営の「協働化・大規模化ガイドライン」。この中では、法人の合併やM&Aといったハードルの高い手法だけでなく、中小の事業者が独立性を保ちながら経営課題を解決する「協働化」の重要性と、その実践的なノウハウが詳しく紹介されている。
介護ニーズの変化や深刻な人材難、物価の高騰、賃上げ競争の激化、制度の複雑化、生産性の向上…。経営課題が幾重にも重なるなか、個々の事業所・施設が独力でサービスを安定的に維持していくことは、かつてないほど難しくなっている。
今回のガイドラインでは、地域の事業者が協働化を通じてスケールメリットを得るための選択肢が提示されている。ガイドラインが提唱する協働化のファーストステップは、「仲間をつくる」ことだ。
必ずしも最初から緻密な設計図を描く必要はない。
ガイドラインで紹介されている社会福祉法人東北福祉会(仙台市)の事例では、業界団体の会合などを通じて元々つながりのあった法人同士が、協定書や契約書を作成しないまま、必要な各種研修の共同開催を実現したという。お互いの事業所を見学し合い、課題認識を共有するという「日常的な関わり」の延長線上で、各種研修のマンネリ化や講師の固定化の解消、満足度の向上、人材の定着といった成果を生み出した。
その結果、地域内で経営課題を率直に共有・相談できる環境が構築され、赤字から黒字への転換など具体的な経営改善につながっている。今後については、「より実践的な方向性へ移行したい」。事務作業や人材育成の協働化も含め、「人的・時間的・資本的なリソース不足を補っていければ」との前向きな言葉が寄せられている。
個々の事業所の状況に合わせて、まずは身近な仲間づくりから始めてほしいと呼びかけている。
厚労省はガイドラインで協働化の効果について、人材確保・育成の合理化や事務作業の効率化、コストの削減、災害対応の強化などに加えて、「法人の交流を通じた知見やノウハウの共有が、結果として事業所・施設の経営改善にも寄与する」と指摘した。そのうえで、個々の事業所の状況に合わせて、まずは身近な仲間づくりから始めてほしいと呼びかけている。
はじめに|「人件費が限界」という院長の本音
ここ数年、院長先生方から最も多く聞く言葉があります。
それは――
**「もうこれ以上、人件費は上げられない」**という本音です。
最低賃金は毎年のように引き上げられ、看護師・医療事務の採用市場は売り手優位。
一方で、医療報酬は簡単には上がらず、収益構造は大きく変わらない。
「職員には辞めてほしくない」
「でも賃上げ原資はない」
このジレンマに、多くのクリニックが直面しています。
2026年を見据えたいま、院長が知っておくべきなのは、
**“賃上げ一択ではない人件費対策”**です。
1.なぜ今、クリニックの人件費はここまで重くなったのか
最低賃金の上昇は「点」ではなく「流れ」
最低賃金は一時的な政策ではありません。
政府は明確に「持続的な賃上げ」を掲げており、今後も上昇基調が続くことはほぼ確実です。
特に影響を受けやすいのが、
-
医療事務
-
看護助手
-
パート職員
といった時間給中心の職種です。
「新しく入る人の時給が、長く勤めている職員を追い抜いてしまう」
そんな逆転現象が、すでに多くの現場で起きています。
採用コストも“見えない人件費”
さらに見落とされがちなのが、採用コストの高騰です。
-
求人広告費
-
紹介会社への手数料
-
採用後の教育・引き継ぎ時間
これらはすべて、人件費の一部です。
「賃上げはできないから、辞めたらまた採用すればいい」
この考え方が、結果的に最もコストがかかる経営になっているケースは少なくありません。
2.「賃上げできない=ブラック」ではない時代の考え方
最近は、SNSや口コミサイトの影響もあり、
「賃上げしないクリニック=悪」という短絡的な見方が広がりがちです。
しかし、社労士の立場から断言できるのは、
賃上げをしないこと自体が問題なのではないという点です。
問題になるのは、次のような状態です。
-
なぜ給与が上がらないのか説明がない
-
評価の基準が不明確
-
頑張っても報われるイメージが持てない
職員が不満を感じる本質は、
「金額」そのものよりも、納得感の欠如にあります。
3.人件費をコントロールしながら満足度を上げる3つの視点
視点① 給与を「固定費」から「設計できる費用」へ
多くのクリニックでは、給与が
「なんとなく決めた金額」のまま固定化されています。
しかし、今後は次のような設計が不可欠です。
-
基本給は抑え、役割・責任で差をつける
-
手当の意味を明確化する
-
昇給ルールを“感覚”ではなく“仕組み”にする
これにより、人件費の総額をコントロールしながら、
頑張る人が報われる構造を作ることができます。
視点② 「評価制度がない」ことが最大のコストになる
評価制度がないクリニックでは、必ず次の問題が起きます。
-
真面目な職員ほど不満を溜める
-
声の大きい職員が得をする
-
院長が毎回、判断に悩む
結果として、
優秀な人から辞めていくという最悪の循環が生まれます。
評価制度は、大企業のためのものではありません。
むしろ、少人数のクリニックほど効果が大きいのです。
視点③ 「お金以外の報酬」を本気で整える
実務の現場で感じるのは、
「給与以外で満足している職員」は想像以上に多いという事実です。
たとえば、
-
シフトの融通
-
院長との関係性
-
役割を任されている実感
-
成長している感覚
これらが整っているクリニックでは、
多少の賃金差があっても、離職率は低くなります。
4.社労士が見てきた「人件費で失敗するクリニック」の共通点
人件費で悩み続けるクリニックには、共通点があります。
-
問題が起きてから制度を考える
-
職員の不満を「わがまま」と捉える
-
就業規則や給与規程が何年も更新されていない
これらはすべて、
経営判断の遅れによるものです。
人件費は、削るものではなく、
**“設計し直すもの”**なのです。
5.2026年に向けて、院長が今やるべきこと
今すぐ大幅な賃上げをする必要はありません。
しかし、次の3点は必ず着手すべきです。
-
給与・手当・評価の「見える化」
-
職員に説明できる昇給ルールの整理
-
院長一人で抱え込まない体制づくり
これらを整えることで、
人件費の不安は「経営のコントロール下」に置くことができます。
おわりに|人件費対策は「守り」ではなく「攻め」
人件費対策というと、
「我慢」「節約」「抑制」というイメージを持たれがちです。
しかし本来は、
**クリニックを安定成長させるための“攻めの経営戦略”**です。
職員が安心して働ける環境は、
患者満足度にも、院長自身の働き方にも直結します。
もし今、
「人件費の話題が出ると気が重くなる」
そう感じているなら、それは仕組みを見直すサインかもしれません。
クリニックの規模や診療科に合った方法は、必ずあります。
一人で悩まず、専門家の視点を活用することも、立派な経営判断です。





