コラム
Q 職員の定着率が悪いなと感じていた時、辞めていくある職員が「私、Aさんが怖くてやめるんです」と教えてくれました。どうやらA職員は、利用者にいじめや嫌がらせをしていたようなのです。A職員の行動は一般職員にも有名らしいのですが、管理者には一切のその情報があがってきませんでした。辞める職員の密告であることがA職員にわかれば、辞めて後もその職員に何をしてくるかわからないので、内緒にしてほしいと言ってきています。でもそのままにしていたら、退職者が続出だけでなく施設の信用にも関わります。どのように指導したらよいでしょうか。
A、事実を確認したうえで、服務規律にそって指導や制裁を検討しましょう。
退職者が辞めるときの本音は「辞めるのだから自分はもう関係ない」とか「辞めるときには問題を起こしたくない」という心理状態が働きますので、黙って身を引く社員は多いものです。なかには今回のように、残される社員のために、とか自分にしか言えないことだから、ということで教えてくれる社員もいますので、これは大変ありがたいものです。
まずは、問題社員の行動が、退職者の言ったとおりなのかを確認する必要があります。一人だけの意見の場合にはどれだけ信ぴょう性あるかは、わかりません。ほかの社員からも聞き取りを行ったり、いつも以上に注意深く観察しておく必要があります。
確認したうえで、間違いなく問題を起こしている場合には、その社員を呼び出し、その程度によっては、指導しながら就業規則に定める制裁をあたえましょう。「制裁」という条文で、「利用者やその家族及び取引先などに不信招く応答など、対外的業務に誠実性を欠き、本法人の信用を傷つけた場合には罰則を与える」というような内容が定められていると思いますので、その条文を見せながら、具体的にどのような違反行為がおこなわれたのかを説明し、指導していく必要があります。いきなりの解雇ではなく、指導や始末書から初めて段階的に指導していきます。そしてその指導内容は記録に残しておくようにします。
規律が守れない社員には、管理者は指導をあきらめてしまいがちです。しかし、あきらめてしまったら、利用者や従業員の安全はどのように守られるのでしょうか。
また、職場風土として「密告」ではなくて、よりよいサービスを提供するために何が必要かを、いつでもだれでも発言できる職場環境を整えることで、事業所全体を高めあっていく風土を形成していきましょう。
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者(有期雇用労働者等)の非正規雇用労働者について、企業内のキャリアアップを促進するため、正社員化の取組みを実施する企業に対する助成金です。
先日成立した政府の補正予算においても、この助成金の拡充が案に組み込まれており、補正予算成立後に早速、助成額が拡充となる改正・施行が行われています。改正された内容は以下の通り全部で4つです。
1.正社員化のさらなる促進のための助成額を見直し
支給対象期間を6ヶ月から12ヶ月に拡充し、6ヶ月あたりの助成額が見直されました。中小企業で1人当たりの助成金が57万円から80万円(2期に分けて支給)に増額されました。
2.有期雇用期間が長期化している非正規雇用労働者に対する正社員化を支援するための支給要件の緩和
対象となる有期雇用労働者の雇用期間が、6ヶ月以上3年以内から6ヶ月以上に緩和されました。
3.正社員化に新たに取り組む事業主に対する支援を強化するため、正社員転換制度の導入に係る加算措置を新設
新たに正社員転換制度の導入に取り組む事業主に対し、中小企業において20万円の加算措置が新設されました。
4.多様な正社員の選択が可能となるよう、多様な正社員制度の導入に係る支援を拡充
多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間正社員)制度規定に関する加算額が、中小企業で9.5万円から40万円に増額されました。
■参考リンク
厚生労働省「キャリアアップ助成金
“きっと喜んでくれるだろう”で大失敗…福利厚生導入時のポイント
たとえ、どれだけ素晴らしい福利厚生を導入したとしても、スタッフがその福利厚生を利用しなければ意味がありません。経費がかさむだけで、本末転倒になってしまいます。
失敗例1.バスや電車、ホテルの割引
以前、「バスや電車、ホテルが一般料金よりも安く利用できる」という民間企業の福利厚生サービスを導入したことがあります。旅行好きな筆者としては、このサービスを導入すればスタッフたちも、たくさん旅行に行くようになり、きっと喜んでくれるだろうと考えたのです。しかし実際には、全くといっていいほど活用されませんでした。
失敗例2.企業型確定拠出年金
メディアなどで「老後2,000万円問題」が騒がれ始めたころ、当院でもスタッフに正しい金融知識を身につけ将来に備えて欲しいという想いから「企業型確定拠出年金」を導入しました。個人型とは違い、事務費用負担と加入手続きを法人が担うことから、個人型よりも加入ハードルが下がると考えたのです。
「資産を預金だけで持つべきではない」と企業型確定拠出年金を行う重要性を伝え、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフにお願いして複数回、節税方法などをレクチャーしてもらいましたが、いまいち浸透しておらず、加入者の割合は少ないままです。
「よかれと思って」がうまくいかなかった原因
このように、よかれと思って導入した福利厚生サービスですが、あまりうまくいかなかった原因は「院長目線」で導入したことにあります。
新しい福利厚生を導入する際には、事前にスタッフのニーズをしっかり把握することが重要です。導入する院長や経営者目線ではなく、サービスを享受するスタッフ目線に立つことで、双方の満足度を高めることができます。
【導入してよかった! スタッフの満足度が高い福利厚生3選】
成功例1.検診費用の補助
上記の失敗から、筆者は当院のスタッフにどんな福利厚生があったら嬉しいか、ヒアリングを行いました。
すると、「子宮頸がん・乳がん検診を受診する際に補助を出して欲しい」という声が上がりました。女性特有の疾患である子宮頸がん・乳がんですが、クリニックで働くスタッフというのは現状、女性が大半です。導入すれば助かる人が多いのは間違いありません。
要望を受け、筆者は早速「検診時半額を補助する」という福利厚生を導入しました。活用するスタッフは多く、満足度も高いようです。「ニーズを聞く」ことの重要性がよくわかった経験でした。
成功例2.置き型社食
仕事が忙しくつい外食やコンビニ弁当が多い人や、少しでも帰宅してからの家事を時短で済ませたい人に向けて、「置き型社食」を導入しました。
置き型社食とは、民間企業が提供する福利厚生サービスのひとつです。社員食堂を新たに設置するのが難しい中小企業などに向けて、「コストを抑えられ、手軽に導入でき、満足度が高い」として注目されています。
導入する側は、冷蔵庫が置けるスペースを確保し、サービスに申し込むだけで利用できます。社食専用の冷蔵庫が設置され、そこに毎月栄養バランスのとれた惣菜が届くのです。
当院が導入している置き型社食は、利用時に1品につき100円を支払うシステムです。電子レンジで温めるだけで食べることができるので、手間がかかりません。惣菜は持ち帰ることもできるため、忙しく働くスタッフに高い評価を得ています。
導入にあたってはスタッフを含めて試食を行い、アンケートの結果ニーズが高いことを把握したうえで実施に踏み切りました。
また当院では、「医療従事者である我々が健康であるからこそ、病気の患者さんに元気を与えられる」という考えのもと診療を行っており、筆者としてもスタッフにはできるだけ栄養価の高いものを食べてもらいたいという想いがあります。
そのため、国産原料が優先的に使用され、不要な添加物の入っていない「置き型社食」は、導入してよかったサービスのひとつです。
成功例3.自社農園で作った無農薬野菜の配付
上記の考えから、当院では某所に畑を借り、無農薬野菜の栽培を始めました。そこで収穫した玉ねぎ・さつまいも・トマト・レタスなどの無農薬野菜は、スタッフに無料で配っています。
スーパーなどで買うと割高な無農薬野菜を無料でもらえると、スタッフに好評です。野菜の配付を通じて、健康経営に繋げたいと考えています。
行政に頼るのもひとつの手!
市町村などが中小企業向けに提供している「福祉共済」は、個々の企業では導入しにくい充実した福利厚生サービスを提供しています。月々の会費が比較的安いわりに、サービス内容が手厚いものが多いのが特徴です。
たとえば、結婚・出産・子どもの入学時のための祝金や傷病時・災害時の見舞金、弔慰金、退職慰労金などの給付事業、舞台の観劇チケットやスポーツ観戦チケットが安く購入できる余暇支援といったサービスがあります。
当院でも、市の福祉共済に加入。筆者の経営するクリニックは球場が近いため、この余暇支援を利用して割引チケットを手に入れ、筆者とスタッフ、そのご家族を交えて野球チームの応援に行くなど、法人内のコミュニケーションの活性化に役立てていました。
残念なことに、現在は市の福祉共済事業が終了してしまったため、祝金や見舞金といった給付事業については内製化し、継続して福利厚生サービスを提供しています。
まとめ
充実した福利厚生制度を整えることで、スタッフとその家族の生活が豊かになり、モチベーションの向上につながります。また、新たなスタッフがクリニックで働く動機のひとつになるでしょう。
当院でも、これからもスタッフの満足度を高める福利厚生制度を考え、積極的に導入していきたいと考えています。(出典:梅岡 比俊(うめおか ひとし)
【医療法人梅華会 理事長】開業医コミュニティ「M.A.F」主宰)
政府は2023年12月22日、「こども未来戦略」を閣議決定した。2024年度からの3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」に3.6兆円を充て、児童手当の拡充、多子世帯の高等教育費の負担軽減、「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設などを打ち出している.
政府は2023年12月22日、「こども未来戦略」を閣議決定した。2024年度からの3年間で集中的に取り組む「加速化プラン」に3.6兆円を充て、児童手当の拡充、多子世帯の高等教育費の負担軽減、「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設などを打ち出している。
「こども未来戦略」では、2024年度から2026年度までの3年間を集中的な取組期間と位置付ける「加速化プラン」に3.6兆円を充てる。内訳は、「子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組」1.7兆円、「すべての子供・子育て世帯を対象とする支援の拡充」1.3兆円、「共働き・共育ての推進」0.6兆円。
具体的な施策は、「児童手当の抜本的拡充」「出産等の経済的負担の軽減」「高等教育費の負担軽減」「年収の壁への対応」「子育て世帯に対する住宅支援の強化」「こども誰でも通園制度(仮称)の創設」「男性育休の取得促進」など。
児童手当は、2024年10月分以降、支給対象を高校生年代(18歳到達後の最初の年度末)までに拡充。所得制限を撤廃し、第3子以降の手当月額を3万円に増額する。多子加算のカウント方法は、現在の高校生年代までの扱いを見直し。大学生に限らず、22歳年度末までの上の子について、親などに経済的負担がある場合をカウント対象とする。
多子世帯(扶養する子供が3人以上の世帯)の大学・短大・高専(4-5年生)・専門学校の授業料・入学金は、2025年度から所得制限を設けず無償とする措置を講じる。支援の上限は、現行制度と同様、大学の場合で授業料が国公立約54万円、私立約70万円、入学金が国公立約28万円、私立約26万円。対象学生に係る学業の要件について必要な見直しを図ることを含め、早急に具体化する。
授業料等減免および給付型奨学金については、2024年度から多子世帯や理工農系学生などの中間層(世帯年収約600万円)に拡大する。
こども誰でも通園制度(仮称)は、就労要件を問わず、時間単位などで柔軟に利用できる新たな通園給付制度。利用対象者は、満3歳未満で保育所などに通っていない子供とし、月一定時間まで利用可能枠内で利用が可能。2025年度に法律上制度化し、実施自治体数を拡充したうえで、2026年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付として全国の自治体で実施できるよう、所要の法案を次期通常国会に提出する。
加速化プランを支える安定な財源の確保については、社会保障の公費節減で1.1兆円、社会保険制度を通じて拠出する支援金制度の創設で1.0兆円、既定予算の最大限の活用などで1.5兆円とし、実質的な負担が生じないようにするとしている。(業界教育ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは介護施設(特養、老健、介護医療院)の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
日頃から連携できる協力医療機関の指定の義務化が大きな柱。厚労省の狙いは、高まる医療ニーズに対応できる体制の構築につなげていくことだ。このほか、生産性向上を具体化する委員会の設置の義務化なども盛り込まれた。今回、老健と介護医療院に固有の見直しはない。改正内容は下記の通り。
2024年度介護報酬改定|介護施設の運営基準の見直し
◆ 施設系サービス共通
(1)協力医療機関との連携体制の構築
以下の要件を満たす協力医療機関を定めることを義務付ける。その際、3年の経過措置期間を設ける。複数の医療機関を定めることで要件を満たすことも差し支えない。
◯ 入所者が急変した場合などに、医師、または看護職員が相談対応にあたる体制を常時確保していること
◯ 診療の求めがあった場合に、診療を行う体制を常時確保していること
◯ 入所者が急変した場合などに、当該施設の医師、協力医療機関の医師らが診療を行い、入院を要すると認められた入所者の入院を、原則として受け入れる体制を確保していること
1年に1回以上、協力医療機関との間で、入所者が急変した場合などの対応を確認するとともに、協力医療機関の名称などについて、指定権者に届け出なければならないこととする。
また、入所者が協力医療機関などに入院した後に、病状が軽快して退院が可能となった場合は、速やかに再入所させられるように努めることとする。
(2)新興感染症の発生時などに対応する医療機関との連携
新興感染症の発生時に、施設内の感染者の診療などに迅速に対応できる体制を平時から構築するため、あらかじめ、感染者に対応する協定締結医療機関(第2種協定指定医療機関)との間で、発生時の対応を取り決めるよう努めることとする。
また、協力医療機関が第2種協定指定医療機関の場合は、その医療機関との間で、新興感染症の発生時などの対応について協議することを義務付ける。
(3)ユニットケアの質の向上に向けた体制の確保
ユニット型施設の管理者は、「ユニットケア施設管理者研修」を受講するよう努めなければならないこととする。
(4)生産性向上の方策を検討する委員会の設置の義務付け
介護現場の生産性向上の取り組みを推進する観点から、現場の課題を抽出・分析したうえで必要な対応を検討し、事業所全体で継続的に業務改善に取り組む環境を整備するため、利用者の安全、サービスの質の確保、職員の負担軽減に資する方策を検討する委員会の設置を義務付ける。その際、3年間の経過措置期間を設けることとする。
◆ 特別養護老人ホーム
(1)小規模特養の配置基準の緩和
離島や過疎地域の小規模特養の効率的な人員配置を可能とする観点から、以下の見直しを行う。
◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養にショートステイが併設されている場合、そのショートステイの医師について、特養の医師によって利用者の健康管理が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。
◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養に通所介護、地域密着型通所介護、ショートステイなどが併設されている場合、併設事業所の生活相談員、栄養士、管理栄養士、機能訓練指導員について、特養の生活相談員、栄養士、管理栄養士、機能訓練指導員によって利用者の処遇が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。
◯ 離島・過疎地域の定員30名の特養に小規模多機能、看護小規模多機能が併設される場合、特養のケアマネジャーについて、小多機、看多機のケアマネによって利用者の処遇が適切に行われると認められれば、置かないことができることとする。
(2)緊急時などの対応方法の定期的な見直しの義務付け
特養があらかじめ定めることとされている緊急時などの対応方法について、配置医師、協力医療機関の協力を得て定めることとする。また、1年に1回以上、見直しを行うことを義務付ける。
◆ 全サービス共通
(1)管理者の兼務範囲の明確化
管理者の兼務について、一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認められるようになる。
現行の運営基準で管理者は、兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能とされている。
今回の改正では、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことがルール上明確になる。あわせて管理者の責務が、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義される。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようになる。
(2)「書面掲示」規制の見直し
運営規程の概要など、重要事項をウェブサイトで公表することが新たに義務付けられる。
現行では事業所内での書面掲示が求められるが、これに加えてネットでの情報提供も必須となる。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化が適用される。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などが想定されている。(介護ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは福祉用具貸与・販売の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
福祉用具を貸与で使うか、または販売で使うかを利用者が選べる「選択制」の導入に伴う見直しが目玉となっている。
選択制の対象となるのは、固定用スロープ、歩行器、単点杖(松葉杖を除く)、多点杖の4つ。事業者には今後、利用者の適切な選択を後押しする取り組みなどが求められていく。改正内容は下記の通り。
2024年度介護報酬改定|福祉用具貸与・販売の運営基準の見直し
◆ 福祉用具貸与と特定福祉用具販売の共通事項
(1)選択制の対象福祉用具に関する利用者への説明・提案
選択制の対象福祉用具の貸与・販売にあたり、福祉用具専門相談員が、貸与と販売のいずれかを選択できることについて、利用者へ十分に説明することを義務付ける。
あわせて、利用者の選択にあたって、必要な情報を提供するとともに、医師や専門職の意見、利用者の身体状況などを踏まえ、提案を行うことを義務付ける。
◆ 福祉用具貸与
(1)選択制の対象福祉用具を貸与した後の検討
選択制の対象福祉用具を貸与する際には、福祉用具専門相談員が、福祉用具の適時・適切な利用や利用者の安全の確保といった観点から、利用開始後6ヵ月以内に少なくとも1回はモニタリングを行い、貸与継続の必要性を検討することを義務付ける。
(2)貸与後のモニタリング実施時期の明確化
モニタリングを適切に実施してサービスの質を高める観点から、福祉用具貸与計画の記載事項にモニタリングの実施時期を追加する。
※ 選択制の対象福祉用具以外も含む
(3)モニタリング結果の記録とケアマネジャーへの報告
介護予防福祉用具貸与と同様に、福祉用具専門相談員がモニタリング結果を記録し、その記録を担当の居宅介護支援事業所へ報告することを義務付ける。
※ 選択制の対象福祉用具以外も含む
◆ 特定福祉用具販売
(1)選択制の対象福祉用具に関する計画の達成状況の確認
選択制の対象福祉用具を販売する際には、福祉用具専門相談員が、特定福祉用具販売計画の作成後、その目標の達成状況を確認することを義務付ける。
(2)選択制の対象福祉用具の販売後メンテナンス
選択制の対象福祉用具を販売する際には、福祉用具専門相談員が、利用者からの要請に応じて、販売した福祉用具の使用状況を確認するよう努めることとする。また必要な場合は使用方法の指導、修理など(メンテナンス)を行うよう努めることとする。
※ メンテナンスに要する費用は、個々の契約に基づき定められることになる。
◆ 全サービス共通
(1)管理者の兼務範囲の明確化
管理者の兼務について、一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認められるようになる。
現行の運営基準で管理者は、兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能とされている。
今回の改正では、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことがルール上明確になる。あわせて管理者の責務が、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義される。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようになる。
(2)身体拘束の適正化
身体拘束の原則禁止や記録の策定などが新たに義務付けられる。
福祉用具貸与・販売にも今後、特養や老健、グループホーム、介護付きホームと同様に、
◯ 利用者の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
◯ 身体拘束を行う場合は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
などが求められる。
(3)「書面掲示」規制の見直し
運営規程の概要など、重要事項をウェブサイトで公表することが新たに義務付けられる。
現行では事業所内での書面掲示が求められるが、これに加えてネットでの情報提供も必須となる。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化が適用される。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などが想定されている。(介護ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは居宅介護支援の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
居宅介護支援は今回、非常に幅広い見直しが実施されるサービスの1つとなった。改正点は固有のものが4つ、全サービス共通のものが3つ。事業所の経営に大きなインパクトを与え得るメニューも少なくない。内容は下記の通り。
2024年度介護報酬改定|居宅介護支援の運営基準の見直し
◆ サービス割合などの利用者への説明
厚労省は2021年度の介護報酬改定で、ケアマネジメントの公正中立性を確保するための措置として、以下の2点を利用者へ説明することを義務付けていた。今回、この義務を努力義務へ変更する。
◯ 前6ヵ月間に作成したケアプランの訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与の利用割合
◯ 前6ヵ月間に作成したケアプランの訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与それぞれについて、同一事業者によって提供されたサービスの割合
ケアマネジャーの負担軽減につなげることが狙い。厚労省は審議会で、「事務負担に比して公正中立性を確保する効果が薄い」と説明した。
◆ オンラインモニタリングの解禁
月1回の利用者宅でのモニタリングについて、厚労省はテレビ電話(ビデオ通話)などを活用したオンラインでの実施を始めて認める。守るべき要件は次の通り。
《オンラインモニタリングの実施要件》
(1)利用者の同意を得ること
(2)サービス担当者会議などで主治医、サービス事業者らから以下の合意が得られていること
◯ 主治医の所見も踏まえ、頻繁なケアプランの変更が想定されないなど、利用者の状態が安定していること
◯ 家族らのサポートがある場合も含め、利用者がテレビ電話などを介して意思表示できること
◯ テレビ電話などを活用したモニタリングでは収集できない情報について、他のサービス事業者との連携により収集すること(*)
* 情報連携シートなど一定の様式を用いた仕組みを想定
(3)居宅介護支援は少なくとも2ヵ月に1回、介護予防支援は少なくとも6ヵ月に1回は利用者の居宅を訪問すること
ケアマネの業務の効率化、負担の軽減などにつなげる狙いがある。厚労省は人材不足が深刻化していることも考慮した。引き続き月1回の訪問によるモニタリングを原則としつつ、思い切って条件付きのオンラインモニタリングの解禁に踏み切る。
◆ ケアマネジャー1人あたりの取り扱い件数
厚労省は基本報酬の逓減制を更に緩和する。これとの整合性を確保する観点から、事業所ごとに配置すべきケアマネの人数の基準を次のように見直す。
◯ 要介護者の数と要支援者の数に3分の1を乗じた数を足した数が44、またはその端数を増すごとに1とする
◯ 業務の効率化に向けて、事務職員を配置してケアプランデータ連携システムを活用している場合は、要介護者の数と要支援者の数に3分の1を乗じた数を足した数が49、またはその端数を増すごとに1とする
基本報酬の逓減制の緩和は、貴重な人材の有効活用につなげることが目的。事業所の経営状況の改善、ケアマネの処遇改善を図る狙いもある。
◆ 介護予防支援の指定を受ける際の基準
厚労省は来年度から、居宅介護支援事業所が市町村から介護予防支援の指定を直接受けられるようにする。その際の基準を次のように定める。
◯ 事業所ごとに1人以上のケアマネを置かなければならない
◯ 主任ケアマネの常勤の管理者を置かなければならない
◯ 管理者は、同じ事業所の他の職務に従事する場合や、管理上支障がない範囲で他の事業所の職務に従事する場合を除き、専らその職務に従事しなければならない
◯ 市町村が管内の要支援者の状況を適切に把握できるよう、市町村から情報提供の求めがあった場合は、介護予防サービス計画の実施状況などを提供することとする
居宅介護支援事業所が介護予防支援の指定を受けられるようにするのは、地域包括支援センターの業務負担の軽減が狙い。厚労省は昨年5月に成立した改正介護保険法の中に、こうした制度の見直しを盛り込んでいた。
◆ 管理者の兼務範囲の明確化(全サービス共通)
管理者の兼務について、厚労省は一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認めることにした。限られた人材の有効活用、より効率的なサービス提供体制の構築につなげる狙いがある。
現行の運営基準をみると、管理者は兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能となっている。
厚労省は今回、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことをルール上明確にする。あわせて管理者の責務について、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義する考え。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようにする。
◆ 身体拘束の適正化(全サービス共通)
厚労省は身体拘束の原則禁止や記録の策定などを新たに義務付ける。不当な身体拘束をなくし、高齢者の尊厳を守ることが狙いだ。
居宅介護支援には今後、特養や老健、グループホーム、介護付きホームと同様に、
(1)利用者の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
(2)身体拘束を行う場合は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
などが求められる。
◆「書面掲示」規制の見直し(全サービス共通)
厚労省は運営規程の概要などの重要事項をウェブサイトで公表することを新たに義務付ける。
現行では事業所内での書面掲示を求めているが、これに加えてネットでの情報提供も必須とする。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化を適用する方針。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などを想定している。(介護ニュースより)
来年度の介護報酬改定をめぐり、サービスごとに定められている運営基準の見直しの内容が15日に正式決定された。
武見敬三厚生労働相が社会保障審議会に改正案を諮問。同会はこれを「了承する」と答申した。
新たな運営基準は今月中にも公布される見通し。ここでは訪問介護・通所介護の改正内容をまとめていく。施行は4月1日。
訪問介護・通所介護は共に固有の見直しがない。あるのは全サービス共通の改正点のみだ。その内容は次の3つ。
2024年度介護報酬改定|訪問介護・通所介護の運営基準の見直し(全サービス共通)
◆ 管理者の兼務範囲の明確化
管理者の兼務について、厚労省は一定の条件のもとで離れた場所にある事業所でも認めることにした。限られた人材の有効活用、より効率的なサービス提供体制の構築につなげる狙いがある。
現行の運営基準をみると、管理者は兼務不可の常勤専従が原則。管理上支障がない場合は同一の敷地、または隣接する敷地にある事業所での兼務が可能となっている。
厚労省は今回、同一・隣接の敷地の事業所でなくても差し支えないことをルール上明確にする。あわせて管理者の責務について、
“サービス提供の現場を適切に把握しつつ、業務・職員の一元的な管理、指揮命令を行うこと”
などと再定義する考え。こうした責務を果たすことを要件として、離れた事業所の管理者・職員としても従事できるようにする。
◆ 身体拘束の適正化
厚労省は身体拘束の原則禁止や記録の策定などを新たに義務付ける。不当な身体拘束をなくし、高齢者の尊厳を守ることが狙いだ。
通所介護や訪問介護には今後、特養や老健、グループホーム、介護付きホームと同様に、
(1)利用者の生命・身体を保護するための緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束を行ってはならない
(2)身体拘束を行う場合は、その態様、時間、利用者の心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録しなければならない
などが求められる。
◆「書面掲示」規制の見直し
厚労省は運営規程の概要などの重要事項をウェブサイトで公表することを新たに義務付ける。
現行では事業所内での書面掲示を求めているが、これに加えてネットでの情報提供も必須とする。1年間の経過措置を設け、2025年度から義務化を適用する方針。
重要事項の公表方法としては、法人のホームページや情報公表システムの活用などを想定している。(介護ニュースより)
世の中には、好きになろうと思ってもなかなか好きになれない、許そうと思っても
なかなか許しがたい、という人がいるものです。
その相手はあなたを傷つけようとするからです。たとえ、邪気が無かったとしても。
そんな相手を無理に好きになろうと頑張ることはありません。なんとか変わってくれるはずだと、相手を正そうとする必要もありません。合わない人は「合わないままでいい」というスタンスの方が気は楽でしょう。ただ、「あの人は、あれでも精一杯、頑張っているのだ」と思って眺めていればいいのです。
その人がそうなってしまったのは、それなりの事情があります。育ちのせいかもしれませんし、家族や大切な人とうまくいってないのかもしれません。
それぞれの事情がありますが、それは私には責任が無く、相手の責任。心の中で「お疲れ様」というほかはありません。
大切なのは、相手の「邪気」をまともに受け取らないようにすることです。相手の未熟さのために自分が傷つくことはないのです。傷つかない方法の一つは、苦手な相手の中から、たった一つでいいので「学べる事」を探すこと。
「以外に責任感はある」とか「整理整頓は素晴らしい」でもなんでもいい、まったくなかったら、「あんな風に振舞うと人に嫌われる」「ああならないようにしよう」と反面教師としてでもいいでしょう。学ぶことを探そうとすると、客観的に相手のことが見えてきて、嫌なとことはそれほど苦にならなくなってきます。
相手への感情を選んでいるのは自分自身。実は、自分を傷つけているのは、相手ではなく、自分の恐れの気持ちだったと実感するはずです。
A 評価フィードバックを年2回実施し、さらに個別面談(毎月)にて課題解決のフォローを行っている。
人事評価でもっとも大切なキーワードは何でしょうか。それは「透明性」と「納得感」です。透明性とは、人事評価でいえば、どういう評価項目で、だれがどのようなプロセスで評価をしているのかが明確であること。また「納得感」とは、なぜその評価結果になったのか被評価者が理解し、納得することです。しかしながらこの納得感が生まれるのはそう簡単にはいきません。なぜなら多くの職員は、自分は一所懸命仕事をし、それなりに仕事で貢献していると思っているからです。しかしながら、上司の評価がそのようなものでない場合には、だれしも心穏やかでは、いられないはずです。半ばあきらめて、表面的に納得したフリをしている場合も多いのではないでしょうか。それでは納得感を醸成するにはどうすればいいのか。まず、絶対に必要なのが、フィードバック面談です。面談では、自己評価と上司評価が明らかに違っている項目に着目し、その評価にした根拠を具体的に話し合うことで、お互いの視点や期待レベルを知ることができ、初めて「納得感」が醸成されてくるものです。