コラム

Q、当施設は職員の中途採用が多く、入職時期もバラバラです。有給休暇の付与に関しては、個人の入社日ごとに付与する方法を採用していますが、事務対応の煩雑さから付与日を統一することを検討しています。その場合、留意すべき点はどのようなことがありますか?

 

A,

有給休暇の基準日を一律に定めて付与することを「斉一的取り扱い」と言いますが、前提条件となるのが、「前倒しで付与する」ことです。例えば、41日を基準日と定める場合、91日入職した職員は、6か月継続勤務すれば翌年の31日に10日の有給取得の権利が発生します。この場合、基準日を統一し41日に繰り下げての付与(入職から7か月目の付与)は認められません。有給休暇の斉一的取り扱いについては、下記の要件を満たす必要があります(平成6.1.4基発1号、平成273.31基発033114

  • 斉一的取り扱いや分割付与により、法定の基準日以前に付与する場合の年次有給休暇の付与要件である8割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。
  • 次年度以降の有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰り上げた期間と同じまたはそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げること。

しかし、基準日を前倒しで繰り上げるため、入職時期によりどうしても不公平が生じてしまいます。ここをどのように考えるかがポイントになります。それでは、その代表的な対応とその留意点を下記致します。

①基準日を月初などに統一する

入社が月の途中であっても、基準日を月初などに統一します。例えば、同じ月に採用した方の基準日を月初に統一することにより、統一的な管理が可能となります。この場合、

5日取得させる期間も月ごとに統一できることになります。

② 基準日を「年2回」とする緩和策をとるケース

例えば、41日と101日の2回に統一する方法もあります。全職員同一の基準日に統一するよりは、入職時期による不公平感が軽減できます。41日から930日までに入職した職員の基準日は101日に10日付与し、101日から331日までに入職した職員は41日に10日付与します。以後、それぞれ41日と10月1日を基準日としていきます。この場合、71日入職者の8割出勤の考え方は以下のようになります。

6か月継続勤務後の本来の基準日である11日から短縮された3か月(10月~12月)

は全期間出勤したものとみなし、この期間を含めて71日から1231日までの6か月間で、8割以上出勤したかどうかを計算します。

基準日の統一は前倒し付与が原則の為、41日入職者は6か月後に10日付与され、91日入職者は1か月後に付与される不公平感は残りますが、年1回と比較すれば、不公平感は緩和されているのではないでしょうか。

 

③分割して前倒し付与したら次年度基準日も繰り上げる

施設によっては、入職と同時に10日付与するケースや、「入職3か月後(使用期間終了後)に3日付与、6か月後に7日付与」と分割して付与するケースがあります。分割して付与する場合も先の行政解釈(上述(2))にあるように、前倒し付与したら次年度の基準日も繰り上げます。

例えば41日入職者に、使用期間終了後の71日に3日付与し、101日に7日付与した場合、次年度に11日付与する基準日は本来の付与日(101日)から1年経過後ですが、初年度の3日分を3か月繰り上げて付与したため、次年度の基準日も同様に3か月繰り上げ、「7月1日から1年経過後」に11日付与することになるわけです。この点も注意をしながら前倒しのルールを検討していく必要があります。

 

                                    以上

医療法人を狙うネット犯罪~組織としてのサイバーセキュリティへの取り組みの姿勢

サイバーセキュリティに取り組むうえで意識すること

サイバーセキュリティといっても、今以上できることはあるのか? 正直なところ予算をかける意味はあるの? と、今まで被害に遭った(という認識)がないと考えてしまうかもしれません。前回挙げた岡山県精神科医療センターでの事案レポートを読んでみても、具体的に打つ手も不安も浮かばないかもしれません。

第一に、バイアスや偏見は医療者の自分にもあり、完全に打ち消すことはできない、ということを認識し受け入れることが大切です。そして判断をするときに
思い込みで決めつけていないか?と、自問する癖を一度付けます。

第二に、何事にも完璧はあり得ないという事実をしっかり受け入れることです。頭ではわかっていても、実際に受け入れ行動することはなかなかできません。
例として、あるテクノロジーや新技術の導入を「自分が期待した完璧」ではないと、見送ろうとするとき。その代替案があれば良いのですが、多くの場合は「何もしない」という結果になり、踏み出すべきであった改革や対応への動きをただ止めてしまうことを繰り返してはいませんか?
80点であっても、たとえ65点であっても「するべきの対応の実行」に踏み出すことが大切な場合があり、100点満点を待ち続けるより良いのです。

そして第三に、変化に追従していく心構えを持つことです。セキュリティ体制を定期的に見直すことも大切ですし、事案や事故が見直しのきっかけになることもあります。新しい検査機器を取り入れる等、内部の変化も見直しするのに良い機会と言えます。
しかし、バイアスを打ち消しながら物事を進めるのは、個々の判断に時間がかかりすぎるのも事実です。日々の活動の中で毎回ゼロからセキュリティ対策を考えるのは現実的ではありません。

そこで最重要ポイント。セキュリティ対策を構築、運用するうえで十分に時間をかけ考える手間を許すのを「事前準備」段階に絞りましょう。セキュリティポリシーや手順まで、しっかりとマニュアル化して準備を整えれば、事案や事故が発生しても、個々に手間取ることなく素早く対応できるでしょう。

事前準備の成果物:セキュリティ対策計画

ではその「事前準備」段階です。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」という古代中国のことわざがありますが、サイバー空間では攻撃者のことを深く知ることは非常に難しいです。そこで事前準備としては自らの組織と事業について把握することが肝要です。

・事業内容
・業務形態
・扱っている情報
・活用している機器、設備、インフラ等
・外部委託している業務やサービス
・出入りする従業員、顧客、業者
・他、思いつくもなんでも

次に「守るべきもの」と優先順位を明確にします。現金、個人情報・取引先情報、事業継続性、知的財産など、事業によって様々となりますが、医療機関においてはまず患者の病歴などセンシティブな個人情報が特異的な項目と思われます。そして各項目において、それが侵害された場合の復旧するまでの工数や時間を含めたコストを算出できれば、優先順位をつけるのに役立ちます。

守るべきものがわかったら、それらに対する「脅威」は何でしょう?ここはサイバー攻撃に限定せず、あらゆるリスク要因を上げていきます。フィッシングやランサムウェア攻撃、パソコンの故障、従業員による機密情報の持ち出し・紛失など。ここで「思いつくけど、そんなことはあり得ない」というバイアスで、リスク要因を無いものとせぬように注意が必要です。

リスク要因が判明したら、どのように守りを固めるかが見えてきます。必要とされるテクノロジーや運用上のポリシーが明確になり、製品の選定や導入コストの算出ができるようになります。さらに対策として、できることとできないことの線引きができ、今後の課題をはっきりさせておくこともできます。
さらにわかったことをマニュアル等の文章にしておくことで従業員への説明やセキュリティの運用に活用できます。

このように自組織としっかりと向き合うことで後々の工程で無駄を減らすことにつながります。さらにこの事前準備は、自分で行えば少ない費用で済ませられます。技術的な支援が必要な場合はコンサルタントやシステムベンダーを雇うこともできますが、くれぐれも頼り切りにならないよう注意が必要です。彼らはシステムのプロでも顧客(あなた)の業務や人(スタッフ)、ネットワーク等についてまったく知らないため、様々なことを聞いてきます。ここで面倒くさがって丸投げすると良い結果になりません。

小規模医療機関における保護対象とリスク要因の例

例としてサイバーセキュリティ上の保護対象とリスク要因をいくつか示します。

カルテ、患者情報
医療履歴を含む個人情報は日々の業務に必要で触れ慣れているものですが、取り扱いには最も気を付けなくてはなりません。漏洩によるリスクもありますし、内部者による悪用も考えられます。
事故が起きた場合に信用を最も揺るがす項目でしょう。

オンラインバンキング情報
スタッフの給与振り込みや各種支払いを自ら行っている場合、オンラインバンキングを活用するのが一般的です。しかし非常に狙われやすく、犯罪の手法も数多く生み出されており、部外者による盗取の他、内部者による不正やミスもリスクとして考えておく必要があります。

検査機器など
レントゲンやCTなどの検査機器の多くはコンピューターによって制御されており、ネットワークに繋がっています。制御ソフトがWindows上で動作していることもありますが、これらは機器メーカーの管理下にあり、一般的なパソコンのように扱うことはできません。セキュリティ製品やWindowsの最新修正を任意に入れることができないので、個別に保護施策を検討する必要があります。

 

著者:イーセットジャパン株式会社・シニアモニタリングアナリスト 佐島隆博

保育園 法人理念から求める職員像を可視化する

私は、法人が園を経営していく上で最も大切な価値観表しているものが、法人理念であると捉えています。多くの園では法人理念を、HP、入園のしおり、パンフレットなどの印刷物をはじめ様々な方法で保護者や職員に周知しています。

保育理念の浸透とは

ただ、周知はしているものの、どこまで「浸透」しているかというと、なかなか難しいところです。ある園では、職員に理念を改めて尋ねたところ、ほとんどの職員が応えられなかったということをお聞きしています。「浸透」している状態とは、職員が理念の意味を理解し

しそれを日々の実践に活かせる状況を言います。そのような状態にもっていくために経営は、経営理念の周知に努力するだけでなく、それを行動に移せる職員をどれだけ育てることができるのかを日々の活動のかなで考えていく必要があります。

 

求める職員像を的確な言葉で表現する

 

保育現場では職員一人一人の自律的な判断、行動が求められます。しかし保育者不足から中途採用の職員やぱーと職員の増加により、法人理念の背景や創立者の思いが継承できていなかったり、これまでの暗黙の前提が成立しなくなっている園もあるでしょう。法人の、園の、保育実践において、拠り所となるものが必要になるのも自然な流れと言えるかもしれません。そこで、私は法人理念を具体的に実現できる「人財」を「求める職員像」として可視化することをご提案しています。法人理念に基づき、どのように行動してほしいのか、どのような人となりであってほしいのかを整理し、的確に表現する言葉で「可視化」し、職員に示すことが重要です。そのための方法はいろいろあると思いますが、当社では、法人理念を

いくつかのキーワードに凝縮し、各キーワードの意味とそれを実現できる行動を職員の発想で具体的にしていきます。例えば、

キーワード:「思いやり」⇒出来ることに手を出すのではなく、見守って、助けが必要な時は、思いやりの気持ちをもち笑顔で、声をかけて手伝っている。

キーワード:「報告・連絡・相談」⇒何を相談したいのか整理し、自分なりの考え方をもって、先輩や同僚に積極的に相談し、アドバイスは素直に受け入れている。

 

求める職員像が育成指針として活用し、また人事評価に組み入れ定期的に振り返る機会を

 法人理念から「求める職員像」を可視化し、周知と浸透を図っている園長先生にお伺いしました。

 先日の職員会議で、園児への声掛けやかかわり方が議題に上がったのですが、中途採用の新人職員の一人から「求める職員像」を根拠にその関わり方の提案が出ました。参加していた職員からは賛同と納得を得ただけでなく、この発言は刺激になったようです。

また、年2回の評価の中に、その実践度合いに関する評価項目を入れて、定期的自己を振返る機会を持っています。いい評価がもらえればモチベーションにもつながっているようです。また上司・部下の間で、現状と今後について話し合う良いコミュニケーションの機会にもなっています。

 園としては、引き続き「求める職員像」に基づく職員の働きぶりを承認し、育成に繋げていければと考えています。

居宅介護支援が予防マネジメントを直接実施 厚労省方針 次の制度改正へ具体化検討

市町村の総合事業などの枠組みで行う要支援者らの介護予防ケアマネジメントについて、厚生労働省は居宅介護支援事業所が直接実施できるルールを新設する方針を固めた。

現行は地域包括支援センターからの委託のみ。より効率的に運用できる環境を整備し、包括と居宅の業務負担の軽減につなげる。


9日に開催した審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で提案。委員から大筋で了承を得た。今後、2027年度に控える次の介護保険制度の見直しに向けて、法改正も視野に具体的な検討を進める構えだ。

 

利用者の属性を問わず、介護予防ケアマネジメントについても、居宅介護支援事業所が直接実施できる体制を検討


厚労省は今回、身寄りのない高齢者らへの対応などで包括の機能のさらなる強化を図る必要があると説明。包括のオーバーワークを解消しつつ、居宅の円滑なケアマネジメントを後押しすることにもつながるとして、「利用者の属性を問わず、介護予防ケアマネジメントについても、居宅介護支援事業所が直接実施できる体制を検討してはどうか」と提案した。

あわせて、介護予防ケアマネジメントのプロセスを参考に介護予防支援のプロセスを効率化する案も示した。

 

ケアマネジャーの処遇改善・人材確保が不可欠」との意見も


会合の意見交換で強硬な反対意見は出なかったが、委員からは居宅の報酬を引き上げるよう求める声が続出。「十分な対価が設定されなければ、介護予防ケアマネジメントを担う事業所は増えない」「ケアマネジャーの処遇改善・人材確保が不可欠」との意見が相次いだ。

介護勤怠管理システムの全てを徹底解説

 

介護勤怠管理システムは、介護業界において従業員の勤怠を効果的に管理するためのツールです。介護施設の運営担当者や経営者は、効率的な人材管理を行うことで、サービスの質を向上させることが求められます。

特に、介護スタッフのシフト管理や業務の進捗状況をリアルタイムで把握することが可能なため、働き方改革にも寄与します。これにより、スタッフの働きやすい環境を整え、離職率の低下や利用者満足度の向上を図ることができます。

多くの介護勤怠管理システムが存在する中で、選ぶ際には機能性だけでなく、導入コストやサポート体制も重要な要素です。最新のシステムを取り入れることで、円滑な運営と業務効率化を実現しましょう。

介護業界での勤怠管理システムの必要性

介護業界において、勤怠管理システムは欠かせない存在となっています。介護サービスは24時間体制で行われるため、シフト管理が特に重要です。従業員の出勤・退勤時間を正確に記録し、シフトの調整をスムーズに行うことで、スタッフの働きやすさを向上させることができます。

また、法令遵守の観点からも、適切な勤怠管理が必要です。働き方改革が進む中、労働時間の適正化や休暇取得の促進が求められています。こういった要件に対応するには、効率的な勤怠管理システムが役立ちます。

さらに、データ分析機能を利用することで、スタッフの働き方の傾向を把握し、業務改善や人材育成に活かすことができます。このように、勤怠管理システムは介護業界において、業務の効率化やスタッフの満足度向上に欠かせないツールと言えるでしょう。

シフト管理の問題点

シフト管理には多くの問題点が存在します。まず、介護業界の特性上、急な欠勤や人員不足が発生しやすいことが挙げられます。これにより、シフトの調整が困難になり、業務に支障をきたす可能性があります。

また、手動でのシフト管理では、入力ミスや誤情報が発生しやすく、正確な勤怠データの把握が難しくなります。特に、人為的エラーはスタッフの休暇取得や時間外勤務の管理を困難にし、法令遵守の面でも問題が生じることがあります。

さらに、従業員の喪失感や不満が蓄積し、職場の雰囲気にも悪影響を及ぼすことがあります。シフトが不公平に感じられる場合、士気の低下や離職率の上昇にもつながるため、効果的なシフト管理が求められます。これらの問題を解決するためには、デジタル化による勤怠管理システムの導入が有効です。

給与計算の煩雑さ

介護業界において、給与計算は非常に煩雑な業務の一つです。スタッフの勤務時間やシフトが多様であるため、出勤日や残業、休日出勤の管理が複雑になります。また、法定労働時間や各種手当の適用に関するルールも多岐にわたり、ミスが起こりやすいポイントでもあります。

こうした煩雑さを解消するためには、勤怠管理システムの導入が効果的です。システムが自動的に勤務時間を集計し、給与計算や各種手当の適用を行ってくれるため、管理者や経営者の負担が軽減されるでしょう。

さらに、リアルタイムでデータを参照できるため、給与の不正確さや遅延を防ぐことができ、スタッフの信頼も得られます。結果として、業務の円滑化やスタッフのモチベーション向上につながるのです。このように、給与計算の煩雑さを軽減することは、介護施設の運営において重要なポイントとなります。

労働時間の正確な把握

労働時間の正確な把握は、勤怠管理システム導入の大きなメリットの一つです。介護業界では、スタッフのシフトや勤務時間が多様であるため、手作業での記録にはミスが生じやすくなります。ここで勤怠管理システムを利用することで、自動的にデータを収集・管理できるため、正確な労働時間の把握が可能になります。

また、労働時間を正確に把握することで、過剰労働を防ぐことができます。適切なシフト管理が行われれば、スタッフの負担を軽減でき、健康管理にもつながります。これは、高い介護サービスを提供するために必要不可欠な要素です。

さらに、正確な労働時間のデータは、スタッフの給与計算や労働条件の見直しにも役立ちます。透明性が生まれ、スタッフからの信頼も向上するため、結果的に職場環境の改善に寄与します。このように、勤怠管理システムを通じて労働時間を正確に把握することは、介護施設の運営においてメリットが多いのです。

業務効率の向上

業務効率の向上は、介護勤怠管理システム導入における重要なメリットの一つです。手動で行っていた勤怠管理作業を自動化することで、従業員の労働時間や休暇取得状況を瞬時に把握できます。これにより、シフト作成がスムーズになるため、スタッフの負担が軽減されます。

また、リアルタイムで進捗状況を管理できるため、業務の偏りや労働力の不足を早期に発見し、適切な対応が可能です。例えば、特定の時間帯に人手が足りていない場合、迅速にシフトを調整することで、サービスの質を落とさずに運営することができます。

さらに、データの蓄積により、過去の傾向を分析し、今後の人材配置や業務の改善に役立てることができます。これにより、将来的な戦略を立てる際の貴重な情報源となり、業務全体の効率を飛躍的に向上させることが可能となります。

他言語対応

介護施設では、さまざまな国籍のスタッフが働いていることも珍しくありません。そのため、介護勤怠管理システムには他言語対応が求められることが増えています。

他言語対応のシステムを選ぶことで、多様な背景を持つスタッフが自分の言語で操作できるようになります。これにより、システムへの理解度が向上し、操作ミスのリスクを減少させることができます。また、コミュニケーションの障壁を下げることができるため、よりスムーズな勤怠管理が可能です。

さらに、法令や労働基準に関する情報を多言語で提供することは、異なる文化背景を持つスタッフにとっても安心感を与える要素となります。介護施設の運営においては、多国籍スタッフが活躍する環境を整備することが、サービスの質向上にも繋がります。

 

成功事例と失敗事例

介護勤怠管理システムの導入には、成功事例と失敗事例の両方があります。成功事例としては、あるデイサービスセンターが挙げられます。この施設では、システムを導入したことで勤怠情報の一元管理が実現しました。シフト調整が迅速になり、スタッフの負担が軽減され、結果的に利用者満足度も向上しました。

一方、失敗事例も存在します。例えば、導入前のニーズ分析が不十分だったため、マッチしない機能ばかりが多く、スタッフからの不満が出ました。このような場合、運用に対する抵抗感が強まり、結局システムが定着せずに終わりました。

成功するためには、事前の準備と具体的なニーズの把握が不可欠です。適切な選定を行うことで、介護施設の運営は大きく改善されることでしょう。

 

まとめ

本記事では、介護勤怠管理システムの重要性と選び方、さらにおすすめの10選を詳しく解説いたしました。介護業界においては、スタッフの勤怠管理が業務の効率化やサービスの質向上に直結します。そのため、適切なシステムを選ぶことが必須です。

選ぶ際には、操作性やサポート体制、コスト面をしっかりと比較することが大切です。また、介護施設の特性に応じた機能が備わっているかどうかも考慮する必要があります。実際に導入した際の声や口コミも参考にすることで、より良い選択ができるでしょう。

最後に、導入が決まった後は、スタッフの教育や運用の見直しを行い、システムを最大限に活用することがポイントです。これにより、よりスムーズな勤怠管理を実現し、職場環境の改善にもつながるでしょう。

「勤怠の電子化」コンサルティング | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング

 

「情報共有」「業務効率化」を揚げ クラウドネイティブでのカルテ導入を推進

 

「医療DX令和ビジョン2030」が示されるなど、医療分野におけるDX推進は国策レベルでの取り組みとなっていますが、その柱の一つとなっているのが「標準型電子カルテ」の導入です。これによって現在普及が5割程度にとどまる診療所での電子カルテ導入を一気に進め、情報共有による医療の質向上や業務効率化などを進める方針です。

「情報共有」を前提にクラウド型電子カルテを導入

標準型電子カルテについて、厚生労働省は「小規模な医療機関が安価に導入できるよう、国の主導により開発してクラウド上に整備する、標準化対応済みの電子カルテシステム一式である」と定義しています(「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料「医療DXの進捗状況について」2025年7月1日)。

標準型電子カルテの構築に当たり、厚生労働省は大きく以下の2つの構築を目指しています。

①「切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供」を実現するため、電子カルテ情報共有サービスをはじめとした医療DXのシステム群(全国医療情報プラットフォーム)につながり、情報の共有が可能な電子カルテ

②「医療機関等の業務効率化」を実現するため、民間サービス(システム)との組み合わせが可能な電子カルテ

背景には医療DX自体の目標があります。「国民のさらなる健康増進、切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供等の実現」等を目指しており、その施策の一つとして全国医療情報プラットフォームの構築を進めているのです。医療機関の電子カルテ情報もその一環と位置付けられます。

医療DXの推進に関する工程表では、標準型電子カルテについて、

①2023年度に厚生労働省で必要な要件・定義などに関する調査・研究を行い、②2024年度にデジタル庁で試作タイプとなる「α版」のシステム開発を実施、③遅くとも2030年にはおおむね全ての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す-としています。

α版の対象は医科の無床診療所とし、その中でも診療科によらない共通の診療行為を想定しています。今年3月から山形県の診療所でモデル事業を開始しており、2026年度以降に本格的に実施する予定です。なお、α版では診療録の記載は紙カルテで実施し、電子処方箋の発行や医療情報の共有などは電子的に行うことになりました。

 

既に導入済みの診療所も含め移行を推進、情報共有可能な体制へ

標準型電子カルテの大きな特徴として「クラウドネイティブ型システム」を志向していることが挙げられます。厚労省によると現在、医科無床診療所のうち5.7万施設ほどが電子カルテを導入し、そのうち4.7万施設ほどがサーバーなどのハードウェアやIT機器、ファイルソフトなどのソフトウェアを自社で保有し、構築・管理する「オンプレミス型」を導入していますが、次回システム更改時に、標準型に準拠したクラウド型電子カルテへの移行を促す方針です。またクラウド型電子カルテを導入している1万強の施設についても標準型電子カルテに移行を図りつつ、速やかな移行が難しい場合は共有サービスや電子処方箋に対応したアップデートを推進する考えです。

つまり、最初からクラウドでアプリケーションを実行したり、ソフトウェアを開発したりすることを前提とした考え方に基づいているのです。

現在、医療施設で導入されている電子カルテの多くは、オンブレ型で、かつそれぞれの医療機関の独自の使い方に沿ってカスタマイズしています。これを、クラウドネイティブを基本とし、かつ廉価なものへと移行させるわけです。

小規模な医療機関でも過度な負担なく導入できるよう、標準型電子カルテの要件に沿って、システム費用の抑制を目指して基本要件を策定する方針です。

また標準仕様に準拠した電子カルテの開発を民間事業者に促し、当該電子カルテを厚生労働省や社会保険診療報酬支払基金などが認証する形をとる方針も示されています。認証された電子カルテと国の医療DXのサービスとは、クラウド間で連携できるようになると説明しています。

「紙カルテのまま」の声が多数、維持費用に対する懸念も散見

標準型電子カルテの導入に対して懸念する声も少なくありません。日本医師会は8月6日の記者会見で、「紙カルテ利用の診療所の電子化対応可能性に関する調査」の結果を発表しました。それによると、電子カルテの導入可能性について、「紙カルテが必要」という回答が77.0%を占めていました。内訳をみると「不可能(紙カルテのまま)」が54.2%、「紙カルテのまま+情報共有機能併用(国開発の標準型電子カルテ)」が 22.8%となっています。他方「カルテ本体として導入可能」は23.0%で民間製品電子カルテ使用が13.0%、国開発の標準型電子カルテは10.0%という内訳になっています。

電子カルテ導入が「不可能」とした回答の属性をみると、FAXで回答した診療所が多く、ITに不慣れであることがうかがえるとの見方を示したほか、医師の年代が高いほど「不可能」と回答する割合が高くなる傾向がありました。

導入できない理由としては、「電子カルテの操作に時間がかかり、診察が十分できなくなる」「導入の費用が高額であり、負担できない」「導入しても数年しか電子カルテを使用する見込みがない」などが多く上がりました。

調査結果を報告した長島公之・日本医師会常任理事は、「導入・維持などの費用が高額であり、リスクやトラブルに対処できない理由も多く、希望する診療所が無理なく導入・維持が可能な環境を整える必要があり、そのための十分な財政支援や安全で利用しやすい標準型電子カルテの提供が必要」と述べています。

電子カルテを導入している医療機関、とりわけ病院の間では維持費用が重荷になっているとの指摘もあります。それを踏まえ、「今回をきっかけに、すでに電子カルテを導入している医療機関にも維持費諸々の面でメリットがあるような形を考えていただければと思っています」(菅間博・日本医療法人協会副会長、第3回標準型電子カルテ検討ワーキンググループ、1月31日)といった、国主導の電子カルテ導入には経営面でのメリットを期待する声が出ています。

医療機関における電子カルテ導入率は200床未満の一般病院と一般診療所で、それぞれ2023年時点で59.0%、55.0%となっています(第6回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム資料、2025年1月22日)。厚労省は「電子カルテそのものの普及率を向上させる取り組みが必要な状況である」との見解を示していますが、医療機関が抱える課題や要望への対応も標準型電子カルテ展開の課題になりそうです。

出典:MMPG医業経営ジャーナル 2025 9 Vol.315

なぜ人事評価制度は形骸化してしまうのか

 

評価制度の運用の改善やサポート業務で、ご相談を頂きますが、何にお悩みかというと

いわゆる形骸化です。

形骸化とは「実質的な意味を失い、中身のない形式だけ残ること」です。

 まさしく、「ただ やっているだけ」という状態と言っていいかもしれません。評価制度を導入して3年ぐらい経過するとこのような状況に陥るケースはとても多いように感じています。

 なぜ、このようなことになってしまうのか。管理者やTOPの方にやる気が無いからでしょうか?それもあるかもしれませんが、それを考えてもなかなか改善にはつながらないので

もう少し構造的に考えてみたいと思います。

 その視点で「重要度、緊急度のマトリックス」で考えてみると、人事評価のポジションは

「重要度は高い」が「緊急度は低い」ということになります。つまり、今やらなくても問題はない仕事となり、この結果「先延ばし」となり「緊急度の高い仕事」が終わったら取り組もうと思っているうちに、気が付いたら期末になってしまう。このようなことを繰り返しているうちに、評価制度は「形骸化」へまっしぐらとなります。誰が悪いわけではなく、そのような構造になっているのが評価制度の運用というわけです。

 

評価制度の形骸化にどうすれば歯止めがかけられるか

 評価制度の評価内容を毎年見直す

 

評価項目のブラッシュアップ、とりわけ評価項目が今の時代に即しているか、人の成長に合わせてよりレベルアップしていく項目に変わってきているかを毎年実施する重要なイベントごととして、必ず行っていただきたいと思います。

  もちろん、見直した結果として、前年と同じでいこう、という結論であればそれもOK

  です。

 

 本人評価と上司評価(一次評価)を別々に行う

良き聞く声で、「どうしても本人評価に引っ張られてしまう」という相談があります。

その場合のアドバイスは、本人評価とは別シートで一次評価を行うことです。そのメリットとして、今まで以上に評価への真剣度が変わります。そもそも本人評価は評価エラーも多く、スキルを持っている人は少ないので、あまりアテにしない方がいいと思いおます。いずれにしてもこの変更は評価者にとっては大きな変更なので、異論はありますが、実際におこなった事業所に例を見ると、評価に対する真剣度は変わり、形骸化にはなりません

 運用委員会などを作り機能させる

人事制度は構造上、「緊急度は低い」業務であることは、事業所のTOPや管理者でも同じです。そこでTOPも含めて、評価制度全体をマネジメントする「担当者」や委員会をつくることをお勧めしています。年間のスケジュールを決めたり、いつまでに●●を実施してくださいというように指示手配する役割と責任をもった委員会などがあることで全体が機能するようになります。

 期初に、一年間のスケジュールに日付を入れて決めておく

事業計画の発表日や、社内的なイベントの日付を決めるのと同じように、評価制度の運用を重要なイベントとして、評価実施期間、評価者ミーティング、フィードバック面談等をあらかじめ1年間の日付を確定させておきます。そして、これは会社の最重要イベントということで、他の予定が入っても、この予定を最優先すると決めて通知をするぐらい徹底したいものです。

 

以上、過去の事例に基づき、代表的な方法を挙げましたが、

対策の必要があれば、出来ることから始めて行くことをお勧めします。

Q 面接後の内定辞退を防止するにはどうしたらいいでしょうか?

A 採用までのスピード感と内定後のフォローが大事です。

 面接から内定までの間をあけない

応募者は一般的な企業の求職者ほど就職先をさほど慎重に選んでいないのも実態ではないかと思います。もちろん「この職場でどうしても働きたい」という人は少なく、「ここを断って次でもおとされたらどうしよう」という不安もあるため、最初に内定をもらえたところの就職を決める傾向があります。

 したがって「良い人材だ」と思ったらできるだけ早く結論を出すことが大事です。優秀な人材はどこからでも内定をもらえます。内定まで1週間程度空いた場合、同時に受けた他社から内定がでたらそちらに決めたしまう可能性は高まります。良い人材と判断したらできれば面接の翌日には内定を入れることが望ましいと思います。ただ、判断が難しい場合や、候補者が複数いる場合には、判断を留保する場合もあります。その場合でも1週間後には結論を出した方がよいと思います。面接から2週間も経過してしまうと、本人も「歓迎されていない」と感じ、就職する意欲が薄れてしまいます。

 こちらも見られていることを忘れずに

面接する側も応募者から「見られている」という意識を持つ必要があります。他院を受けている応募者は、当然そこと比較し、自分なりに判断をしているわけで、いい印象を持たれなければ辞退されます。

 私も面接に立ち会わせいただく機会がありますが、こちらの要望を伝えすぎてしまうケースがよく見られます。「うちに来たら、本来業務はもちろんだけど、院長秘書、掃除、診察の介助を幅広くおこなってほしい」などと一方的に並べ立ててしまうと、私には務まらないかも、と思って不安に感じてしまいます。要望は伝える必要がありますが「忙しくてもスタッフの助け合いで頑張っています」というように工夫して伝えることをお勧めします。

 人は自分を求めてくれるところに行きたいもの

人は自分を必要としてくれているところに行きたいものです。内定の際にも「あなたを採用します」という一言でなく。「あなたのお人柄が当法人には合うと思いました。全員一致で○○さんに来ていただきたいという結論が出ましたので、ぜひ当社に来てください」と伝えた方は応募者の心に響きます。内定後も「あなたを必要としている」というメッセージを伝えることが大切です。入職までに時間が空くようでしたら、スタッフとの顔合わせの時間などを持っておくことも大切です。途中でユニフォームの準備などの連絡をいれたり「入職をまっている」というメッセージを間接的に伝えることも大切です。

次期医療保険制度改革に関する議論に着手、年末にとりまとめ―医療保険部会

 

社会保障審議会医療保険部会は、次期医療保険制度改革に向けた議論を開始しました。目指すのは「全世代型社会保障」の構築であり、まず中長期的な政策や理念を整理し、年末までに意見を取りまとめる予定です。厚生労働省は、日本の医療制度の現状や環境変化、将来像についての考察を求めています。高齢者人口の増加や医療費の上昇が見込まれる一方で、現役世代の保険料負担が限界に達しているため、自己負担の引き上げや保険給付の縮小が選択肢となる可能性があります。国民の理解と納得を得ることが改革の鍵とされています。委員からは、給付と負担のバランスを国民に分かりやすく説明する必要性や、高額医療費に対する負担のあり方、医療機関の経営安定の重要性についての意見が寄せられました。

 

社会保障審議会医療保険部会は9月18日、次期医療保険制度改革に向けた議論を開始した。

能力に応じた負担を通じて全世代が支え合う「全世代型社会保障」の構築を目指し、まずは中長期的にあるべき姿から逆算した必要な政策、理念、全体像を固めた上で論点を整理、個別課題の議論を進めていく方針を確認した。

年末をメドに部会としての意見をとりまとめる。

 

厚生労働省は同日の部会に議論の視点として、①日本の医療・医療保険制度の現状について、どのように考えるか、②医療保険制度が直面する環境変化(人口構造の変化による担い手の減少、医療需要の変化、物価・賃金の上昇、医療費の動向、保険料・所得の変化)についてどのように考えるか、③日本の医療・医療保険制度のあるべき将来像についてどのように考えるか。

その実現のためにどのような観点から必要な制度改正を検討すべきと考えるか―の3項目を提示した。

 委員からは、制度改革に当たって国民の理解や納得を得ることが必須という意見が相次いだ。

 

今後、高齢者人口の増加や医療の高度化などによる医療費のさらなる増加は避けられず、現役世代の保険料負担は限界に来ているとされる。

もう1つの医療費財源である公費負担を増やすころも難しく、残る選択肢は患者自己負担の引上げまたは、保険給付範囲の縮小のいずれかとなる。

このため委員からは、制度改革に当たって国民の理解や納得を得ることが必須という意見が相次いだ。

 

佐野雅宏委員(健康保険組合連合会会長代理)は、「支える側と支えられる側の考え方を変える必要がある。財政面の裏づけも含めて給付と負担をどうバランスするか、国民の納得を得なければならない」と指摘。

城守国斗委員(日本医師会常任理事)も、「保険料負担や自己負担は限界にあり、公費も投入できないとなれば保険給付を縮小することになるのだろう。国民がどこまで許容・納得できるのか、都度、国にしっかり説明いただきながら議論を進めていく必要がある」と述べた。

 

このほか、「保険料は所得に応じた負担でいいが、高額な医療は資産に応じた負担とすべき」(中村さやか委員・上智大学経済学部教授)、「医療機関の経営が安定しないと良質な医療を国民に提供する使命が果たせないということをしっかり認識してほしい」(島弘志委員・日本病院会副会長)といった意見もあった。

 

せんせいトーク、利用職員数1万人を突破

株式会社コドモンが提供する職員間連絡アプリ「せんせいトーク」が、正式リリースからわずか2か月で全国700施設以上に導入され、利用職員数1万人を突破しました。従来の口頭・電話・紙メモや個人アプリ利用の課題(伝達ミス・情報漏洩リスクなど)を解消し、緊急連絡やシフト調整、ヒヤリハット報告まで一元化。パート含む全員への一斉連絡も可能で、既読確認や研修動画機能も搭載。導入施設では業務削減や職場雰囲気改善の効果が報告されています。

■ 人事担当者にとっての学び

保育現場の「連絡業務効率化」は職員の離職防止にも直結します。情報伝達の不備がストレスや人間関係悪化を招く中、業務専用ツールの導入は心理的負担軽減につながります。また、パート職員を含めた公平な情報共有は、チーム一体感を生み、採用後の定着率を高めるヒントになります。

■ 自分の事業所で検討できること

 ・既存のLINEやメールを業務連絡から切り離す
  → 私用アプリ混在を防ぐ
 ・職員全員がアクセスできる専用連絡ツールを導入
  → パート・短時間勤務者も含めた公平な情報共有
 ・研修動画やマニュアルの一元化
  → 新人教育の効率化と品質維持
 ・導入後は定量効果を測定
  → 業務削減時間や職員満足度を数値化し、人事戦略の改善に活用

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