コラム
A, 当該社員は定年迎えるということで、定年後再雇用をしないということが考えられますが、それが出来るかどうかが問題になるところです。
平成25年4月1日より改正高年齢者等の雇用の安定等の関する法律が施行されています。この改正では、定年に達した人を引き続き雇用する「雇用継続制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みが廃止されました。ただ、従来このような仕組みを設けていた場合には、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢(令和4年3月31日までであれば63歳)を超える年齢の者について、なお雇用継続制度の対象者を限定する基準を定めることは可能となります。
逆にいうと、60歳定年で雇用継続制度をとっている場合、本人が希望するときは、解雇事由や退職事由にあたる事由がないかぎり、少なくとも上記支給開始までは再雇用する必要があります。再雇用基準を適用できるのは上記支給開始年齢を超えて再雇用するかどうかを判断するときになります。
従って、御質問にある問題社員が再雇用を希望した場合、その時に再雇用基準を満たしていなかったとしても、少なくとも上記支給開始年齢までは再雇用をする必要があります。
2,解雇することはできるのか
仮に再雇用拒否が出来ない場合でも客観的合理性と社会的相当性の要件を満たしていれば解雇することはできます。ご質問のケースでは、当該社員は仕事も出来ず協調性もないとのことですので、解雇できるかどうかのポイントとしては、その問題事由を裏付ける客観的事実、問題性の程度、そして何度も注意指導しても改善しなかったという「改善可能性」が無いことや、他の部署に配転して解雇を回避する余地がないか、などが焦点になります。
実際のケースでは、十分な注意指導が出来ておらず、直ちに解雇するのは難しいというケースが見受けられます。そのような場合には、一端、再雇用したうえで、当該社員の問題状況や注意指導の履歴を記録化するようにして、契約更新の段階で雇止めを検討するという方法も考えられます。ただ、社内で長年キャリアを積んだ年長社員に対して、どれだけの指導教育ができるかについては、現実的にかなり難しい部分もあるのではないでしょうか。
3,労働条件を変更することはできるか
定年後再雇用とする場合、雇用契約を締結しなおすことになりますので、その際に労働条件(給与、職種、業務内容)を改定し提示することは可能です。ただ、どのような変更をしてもいいかというと、厚労省Q&Aによれば、継続雇用高齢者の安定した雇用を確保するという趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金など雇用に関するルールの範囲内で事業主と労働者の間で決めることが出来るとされています。そして最終的に合意できなかった場合でも、事業主が合理的な裁量の範囲の条件を提示していれば結果的に継続雇用に至らなかったとしても、法律違反になることはないとしています。
4,事業主側として現実的な対処方法としては。
ご質問のケースのような場合、当該社員との雇用継続が難しいということであれば、実務対応としては、当該社員にこれまでの勤務をねぎらいつつも、会社の評価を伝えて、まずは退職勧奨を試みるのが現実的な対応であると考えます。また、場合によっては割り増し退職金を支払う等の方法も考えられるところです。
以上
おおむね全ての医療機関や薬局の電子処方箋の導入目標が見直される。厚生労働省は22日、
医療分野のデジタル化実現に向けた「医療DX令和ビジョン2030」に関する会合で、医療機関で
の電子処方箋の導入目標を見直す方針を示した。25年3月末までの導入を政府は目指すが、現
状では例えば病院での導入率が 3%台と低水準にとどまっている。このため当初の目標達成が
困難と判断。新たな目標を検討し、夏ごろをめどに示すこととした。
厚労省によると、医療機関のうち病院での電子処方箋の導入率は、1月12日時点で 3.9%に
とどまっている。ほかは医科診療所が9.9%、歯科診療所が1.7%と、いずれも1割に満たない。
一方、薬局は63.2%と普及が進んでおり、25年夏ごろにはおおむね全ての薬局での導入が見
込まれている。
そのため厚労省は、医療機関での導入目標を見直し、▽補助金の継続▽システムベンダーへ
の早期導入・開発の要請▽電子処方箋の機能を必要最小限にとどめシステム改修の負担軽減
などに取り組む。そのうえで、25年夏ごろに新たな導入目標を設定することとした。
●電子処方箋管理サービスのシステム改修に着手
厚労省はまた、電子処方箋を受け付ける薬局側のシステムで医師の処方と異なる医薬品名が
誤表示される事例が報告された問題への対応も示した。
24 年12 月20-26日に医療機関からの電子処方箋の発行を停止し、一斉点検を実施したこと
を踏まえ、厚労省は医療機関と薬局のシステムをつなぐ電子処方箋管理サービスを改修し、防
止策に着手していると説明。25 年夏ごろまでに改修を終えるとし、当面は一斉点検の報告が完
了し、適切に電子処方箋を発行できる医療機関を除き、紙での処方箋の発行を依頼するなどの
対応を行うとした。さらに医薬品名の誤表示の原因となったダミーコードによる運用などを防ぐため、医薬品コ
ードの仕組みの見直しも検討し、夏ごろをめどに今後の方向性を示す。
会議に参加した福岡資麿厚労相は、「医療 DX 実現の道のりは平たんではない」としつつも、
質の高い医療を効率的かつ効果的に提供できるよう積極的な取り組みを進める考えを示した。
(MMPG メディカルウェーブ記事より)
岩手県は28日、奥州保健所管内の教育・保育施設(園児100人、職員28人)でノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生があったと発表しました。
24日、この施設から奥州保健所に「複数の園児と職員に嘔吐や下痢、発熱などの症状が出ている」と連絡がありました。
保健所が調査したところ、0歳から5歳までの園児38人と職員9人に症状が出ていることが確認され、その後の検査で症状のあった人のうち2人からノロウイルスが検出されました。
1人が入院しましたが、いずれも回復傾向にあるということです。
県は施設の食事を原因とする食中毒ではないとしていて、奥州保健所は施設に対し手洗いや消毒の徹底などの二次感染対策を指導したということです。
2024年度に岩手県内で発生した感染性胃腸炎の集団発生は39件となりました。
県は予防方法として、トイレで用を足した後や調理の前、食事前に石けんで十分に手洗いをすること、調理で加熱が必要な食品は85〜90度で90秒間熱を加えることなどを呼びかけています。(岩手放送ニュース)
東京都は来年度予算案に、苦境に立たされている訪問介護の事業所に対する独自の支援策を盛り込む。
事業所の出費がかさむホームヘルパーの確保と移動手段の整備に補助を出す。都内の中小企業に的を絞る。10ヵ所以上の事業所を運営しており、かつ資本金5千万円超の事業者は対象外とした。
ヘルパーの確保に向けては、1事業者あたり80万円まで補助する。人材採用を図る際に求人媒体への掲載など関連経費に充ててもらう考え。10億円超の財源を計上する。
移動手段の整備については、電動アシスト自転車や自動車(EV)、バイク(EV)を購入する際に補助を出す。例えば、電動アシスト自転車なら1事業所あたり上限20万円、自動車(EV)なら1事業所あたり上限500万円。約3億円の財源を投じる。
訪問介護の厳しい経営環境を踏まえ、都民ファーストの会が来年度予算案をめぐる重点要望として具体化を求めていた。調整にあたった後藤なみ政務調査会長は、「在宅介護の要の訪問介護を支えたい。採用費や移動費が大きな負担となっている点に着目した」と述べた。
補助制度の詳細は、来年度予算案の審議過程や成立後に明らかになる見通し。(介護ニュースより)
厳しい経営環境に追い込まれている訪問介護の事業所を支えるため、立憲民主党と国民民主党は29日、国会に「緊急支援法案」を共同で提出した。
この「緊急支援法案」は2本柱。訪問介護の事業者に速やかに補助金を支給することと、訪問介護の基本報酬を期中の臨時改定で引き上げることだ。
法案を提出した立憲民主党の井坂信彦議員は記者団に対し、「訪問介護は過去最悪のペースで倒産・休廃業が相次いでいる。地方にいくほど本当に大変なことになっていて緊急性が高い」と強調。「日本維新の会からも法案の内容について非常によくご理解をいただいている。ご賛同いただけるという見通しを持っている」と述べた。
今年度の介護報酬改定は全体でプラス1.59%とされたが、訪問介護の基本報酬は約2.4%引き下げられた。深刻な人手不足や物価高騰などの影響もあり、訪問介護の経営環境はかつてないほど厳しくなっている。
憲・国民両党はこの「緊急支援法案」で、訪問介護の基本報酬の引き下げを帳消しにしつつ、今年度改定と同じプラス1.59%に相当する額を上乗せした補助金を、事業者に速やかに支給するとした。あわせて、訪問介護の基本報酬を期中の臨時改定でできるだけ早く引き上げ、事業所の経営の安定化につなげたいとした。(介護ニュース)
「時間がない」は「優先順位が低い」ということ
「業務で忙しいのでやっていません」「取り組む時間がありません」と社員から言われることがあります。評価制度の運用をサポートする中で「面談や振り返るの時間」を作ってくださいというと、このような言葉が返ってくるのです。
もちろん普段の仕事で忙しいのは十分承知していて、だからこそこのような時間を取ることが、成果の実現や成長に向けて非常に大きいのです。
もし「社長が大事な話があるから来週時間をあけてくれ」といわれたら「忙しいので時間がありません」という社員はあまりいないかと思います。
つまり「忙しくてできないは」は「優先順が低い」といっていることなのです。
評価制度を運用することは、本来忙しいからこそ、生産性が低いままではなく、組織全体でこれを向上させていうために行うことなのです。ところが評価については、なぜか自分の業務だという認識が薄く、普段の業務とは別のところで会社がなんとなくやっていることと、他人事のようになってしまっていたりします。これをいかに自分ごとにして、通常業務よりも大事な「優先順位の高い業務」としていくことが出来るかが、評価制度の運用がうまくいくかどうか重要なポイントです。
年間スケジュールをたてて、会社全員がとても大事な「優先順位が高い」業務として取り組むようになると、間違いなく評価制度の効果が上がっていくでしょう。
A 給与計算上、よくある質問ですが、基本は1分単位となります。ただし、端数を切り上げる場合には15分単位、30分単位でも構いません。切り上げにしないと給料未払いになります。例えば、17時までの就業時間で17時42分まで働いた場合、12分カットして30分の残業代を支払った場合、12分の就業に関する支払いは未払いになってしまいます。
休養計算上は楽だということで15分単位の取り入れている事業所はよくあります。もし15分単位とするなら切り上げでなければいけません。つまり17時までの就業時間で17時42分まで働いた場合には45分間の残業代を支払うことになります。管理の手間と数分プラスになる賃金のどちらをとるかの判断になります。
例外として、1か月の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計に1時間未満の端数が
ある場合には30分未満の端数の切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるといった端数処理は認められます。つまり月のトータル残業時間が3時間20分であった場合には3時間として、3時間40分であった場合を4時間とすることは可能です。
未払い残業は行政指導の対象に残業代を未払いのまま労基署の監査が行われると「是正勧告書」「指導票」により行政指導が行われます。例えば3か月分の未払い残業の「遡及支払い」を命じられた場合、未払いとなっている時間数及び給料の額を3か月間さかのぼって計算し、当該スタッフへの不足額を支払うなど、まずは行政書道に従い原則対応することになります。
適切な時間管理とは厚労省から平成13年に出された「労働時間の適正な把握のため講ずべき措置」では以下のように定められています。
- 労働日ごとに、何時から仕事を開始して、何時まで仕事をしたか、確認し記録すること。
- 使用者が自ら確認し記録するか、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を、適性に申告するように十分に説明すること。必要に応じて実態調査をすること。
- 労働時間の記録に関する書類は3年間保存すること。
労働時間の上限を設定して、上限を超える時間を切り捨てたり、そもそも労働時間の記録がないため「時間外労働がない」としたりしている場合には法律違反になります。
固定残業代として定額を支給する際には慎重に検討してください。
固定残業代を設定すると仮に残業代が発生しない月があっても残業代を支払わなければなりません。しかも実際に行われた残業が想定された10時間を超えると、別途残業代の支払い義務が発生します。そのため実態を確認した上で「何時間分を固定で支払うか」を決めなければなりません。固定残業手当を適切に運用するためには次の三つが要件とされています。
- 基本給と割り増し賃金部分が明確に区分されていること
- 割増賃金部分には何時間分の残業が含まれているかが明確であること
- 上記②を超過した場合には、別途割増残業が支給されること
この方法は、残業が大体同じ時間発生している場合には適している方法ですが、月によって残業時間が大きく変動したり、人によってばらばらであったりする場合には、かえって管理が煩雑になる場合があります。導入によりメリットとデメリットをよく検討して慎重に判断する必要があります。
医師の時間外労働の上限に対する罰則付きの規制が施行された2024年4月以降、大学病院な
どから派遣されている医師を引き揚げられた医療機関が12月6日現在、全国に300カ所あるこ
とが厚生労働省の調べで分かった。これは、各都道府県が回答を取りまとめた医療機関(5,653
カ所)の5.3%に当たる。また、医師の働き方改革の影響で診療体制を縮小した医療機関は 266
カ所(5,653カ所の4.7%)あり、うち38カ所(同0.7%)はそれによって「地域医療に影響が
でる」と答えた。医師を引き揚げられたため診療体制を縮小した医療機関は82カ所(同1.5%)、
それによって「地域医療に影響がでる」と答えた医療機関は15カ所(同0.3%)だった。
調査は、「医師の働き方改革の施行後状況調査」。
医師の時間外労働の上限規制が始まる前に行った準備状況調査(5 回目)で診療体制への縮
小が見込まれると答えた医療機関のほか、三次救急や二次救急医療機関(救急告示医療機関)、
夜間休日急病診療所などを対象に(大学病院の本院は除外)、24年6月24日-7月25日に実
施。各都道府県が取りまとめた医療機関の回答を厚労省が集計し、都道府県から11-12月に詳
細を聞き取った。
調査の結果を踏まえ、厚労省では「地域医療への影響がでる」と答えた医療機関を中心に状
況把握を続け、必要な支援を行うとしている。(1月24日メディカルウェーブ記事より)
厚生労働省は22日、今年度の介護報酬改定を解説するQ&A(Vol.12)を新たに公表した。
今回は2つの問答を掲載。施設系・居住系サービスの「新興感染症等施設療養費」と、看護小規模多機能のサービス提供が少ない場合の減算を取り上げた。
介護保険最新情報のVol.1348で周知した。概要は以下の通り。
※ Q&Aの詳細は介護保険最新情報のVol.1348で。
【施設系・居住系サービス】新興感染症等施設療養費について
問1|入所者が新型コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザなどに感染し、施設内で療養する場合、新興感染症等施設療養費を算定できるか。
答|対象の感染症は、今後のパンデミック発生時などに必要に応じて国が指定することとしており、令和6年4月以降に指定された感染症はない。このため、今後対象となる感染症を新たに指定しない限りは、新興感染症等施設療養費を算定することはできない。
【看護小規模多機能】サービス提供が過少の際の減算について
問1|令和6年度の報酬改定で、減算の要件に「週平均1回に満たない場合」が追加されたが、その場合の減算は当該利用者のみが対象となるのか。
答|その通り。(介護ニュースより)
全ての介護事業所・施設に策定を義務付けたBCP(業務継続計画)の運用について、厚生労働省は来月に事業者向けのオンデマンドセミナーを開催する。
BCP策定後の研修や訓練の取り組み方などを詳しく学べる。
「BCPを策定したもののこれでいいのだろうか…」「策定後の研修・訓練をどうやればいいか分からない…」
そんな誰もが直面する悩みの解消を図れる。参加無料。オンデマンドセミナーの概要は以下の通りだ。
【オンデマンドセミナー概要】
期間:2025年2月3日(月)〜2025年2月21日(金)
形式:YouTubeでの動画配信
対象:介護サービス事業者、関係者、職員、自治体関係者
費用:無料
申込:2025年1月17日(金)正午〜セミナー視聴期間終了まで
申し込みは専用フォームからサービス種別を選んで行う。オンデマンドなので繰り返し視聴することも可能。セミナー視聴開始時に、登録したメールアドレスに動画のURLが送られてくる。(介護ニュースより)