コラム
今年度の補正予算が成立した。17日の参議院本会議で、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決された。
介護現場への支援策は、政府案通りに実施されることが決まった。厚生労働省は早期の具体化に向けた準備を急いでいる。
支援策の柱は、介護職員の賃上げ、職場環境の改善に向けた補助金の新設だ。常勤の介護職員1人あたり、およそ5.4万円の一時金を支給できる規模を交付する。
対象となるのは、今年度の介護報酬改定で拡充・一本化された処遇改善加算を取得している事業所・施設。居宅介護支援や福祉用具貸与などは今回も除外された。
補正予算の成立を受けて、厚労省は詳細なルールを明らかにする実施要綱などを通知する方針。
補助金の支給要件には、介護現場の業務の棚卸し、効率化に向けた課題の見える化などに取り組んだうえで、介護職員の負担軽減の方策を立てることを位置付ける。処遇改善加算の算定要件と重なるように設計し、課題となっている上位区分の算定率の引き上げにもつながる仕組みとすることで、生み出す効果をより大きくしたい考えだ。
厚労省は今回の補助金の使途を、こうした生産性向上の取り組みの経費に充てることも認めていく。介護職員の賃上げも含めてどう配分するかは、基本的に事業者の裁量に委ねる構えだ。
厚労省の関係者は実施要綱などの通知について、「年明けのできるだけ早い時期を目指す」と説明。実際に補助金を交付する都道府県との調整も重視しているとして、「可能な限り簡素な仕組みとし、介護現場にも自治体にも負担がかからないようにしたい。なるべく早期に交付できるように進めている」と話した。(介護ニュースより)
A、「何をどうすれば、いい評価が得られるのか」。被評価者からすれば当然知りたい内容ですし、それが法人の求めている職員像につながることになるわけです。ところが、評価者側の都合で、もしくは評価者側の裁量の幅をできるだけ大きくできることを目的に、評価項目を抽象的な表現にしたり、評価点のつけ方などがブラックボックスにしているケースがあります。この場合、「求められる職員像」が明確にはならないので、目標自体に具体性が欠けることになります。
弊社が推奨する職能評価や行動評価は、事前に評価される内容が具体的に分かっているだけではなく、点数のつけ方もオープンにしているので、透明性が担保されるだけでなく、各職員においては自己成長の実感が可能になります。評価制度が本当の意味で職員を育てるための制度にするには、次に述べる視点がとても大切になります。
- 組織全体のレベルアップを図ることを目的とする。
評価によって優秀な職員を発見することも大切ですが、それよりも先に行わなければならないことは、普通の職員の能力を高めることによって組織全体のサービスの質を上げることなのです。一人の優秀な職員のヤル気を高めるよりも、多くを占める普通の職員のヤル気を高めることの方が大切であることを理解してください。
- 部署別、職種別、そして等級別に「期待される職員の努力」を具体的に明記する。
- はじめから「どんな努力をすれば良い評価(SまたはA評価)になるか」を明示しておく。この内容が「期待される職員像」となり、全ての職員に、期の初めから「こんな努力をしてほしい」と明示する。
評価は学校で行われるような試験や通信簿ではありません。学校の教育では、教科書に基づいて教えていき、期末または年度末に試験をして結果だけを測定し、評価すればいいのですが、職場ではそうではなく、どんな問題を出すのか(つまりどんな行動を期待しているのか)を初めに明確にしておいて、出来るだけ多くの職員が優秀な成績、つまり5段階評価ならS評価やA評価を取ってもらうようにすることが必要なのです。
その場合、必ず意見として聞こえてくるのが、「良い評価が増えれば、人件費が増加してしまうのでは?」という懸念です。もちろん、評価結果を反映させる処遇の財源(例えば、処遇改善加算)は確保しておきながら、その財源の限度内で分配を行う管理手法は必要になってきます。
介護保険制度の見直しを話し合う審議会(社会保障審議会・介護保険部会)の9日の会合で、顕在化する人材不足などケアマネジャーをめぐる課題が取り上げられた。
厚生労働省は今月2日に大筋でまとめた検討会の「中間整理」を報告。ケアマネジャーの確保・定着に向けて、「他産業・同業他職種に見劣りしない処遇を確保する」と明記したことを説明した。
あわせて、利用者・家族のニーズに応えてきた結果として広がったケアマネジャーの業務の範囲を、「保険外サービスで対応し得る業務」「他機関につなぐべき業務」などに分類したことも紹介。こうした法定外の業務について、ケアマネジャーに丸投げすることなく地域課題として捉え直し、支援が途切れない体制づくりを地域ごとに協議するよう促す方針も示した。
会合ではこれを受けて、複数の委員がケアマネジャーに対する支援策の一層の強化を呼びかけた。
全国老人保健施設協会の東憲太郎会長は、「居宅介護支援のケアマネジャーは介護報酬の処遇改善加算を得られない。一方で介護施設などで働くケアマネジャーはその恩恵を受けられる」と問題を提起。「この乖離をどうするのか、という議論をしっかり進めてほしい」と述べ、厚労省に是正を求めた。
高齢社会をよくする女性の会の石田路子副理事長は、「ケアマネジャーの法定外の業務は、地域の高齢者の生活を支える大きな効果を生んでいる。それに見合う高い評価を検討する必要がある」と提言。民間介護事業推進委員会の山際淳代表委員は、「法定外の業務を担わざるを得ないという課題には、訪問介護のサービス提供責任者なども直面している。その視点も含め、具体的な対策を更に検討する必要がある」と要請した。(介護ニュースより)

「利用者ファーストのための職員ファースト」。
これを理念に掲げる特別養護老人ホーム「六甲の館(神戸市)」が今年、介護現場の働きやすい職場環境づくりで内閣総理大臣表彰を受賞した。
高く評価されたのは、職員の心身の健康を守るための行き届いた配慮。またはそれを追求していく姿勢だ。
深刻な人手不足で介護業界に暗雲が漂うなか、施設の運営を牽引する社会福祉法人弘陵福祉会の溝田弘美理事長は、歩んでいる道に確信を持っているように見える。インタビュー取材に応じ、次のように力強く語った。
「私も含め事業者の取り組みはまだまだ足りていない。私たちはもっともっと介護職を大切にできる」
■ 内閣総理大臣表彰の六甲の館の取り組みと成果の一例
◯ 理念は「利用者ファーストのための職員ファースト」
◯ 施設内に天井リフト30台を導入し、ノーリフティングケアを徹底。
◯ 見守り機器を100%活用。複数のタイプを導入しており、利用者の特性に最も合った機器をアセスメントで選定して使っている。
◯ ICT化、介護助手の配置、外部サービスの活用などを推進。外国人が働きやすい職場環境の整備にも注力。
◯ 腰痛ありの職員は56%から9%に。1夜勤中の平均訪室回数は6.3回から3.8回に。
◯ 年間の平均総残業時間は880時間から76時間に。平均有休取得日数は6.7日から9.9日に。
◯ 現在は職員が充足。人材確保は口コミ・評判、リファラル採用(*)がメイン。介護職員の求人媒体などにかけるお金は数百万円からゼロに。
* 職員らによる友人・知人の紹介など。
溝田理事長はインタビューで、「まだ全然満足していない」ときっぱり。「人手不足を嘆いていても仕方がない。職員の心身を徹底的に守る環境を作り上げれば、介護現場は必ずもっと良い職場として見られるようになる。私たちの取り組みも道半ばだ」と語った。
= 社会福祉法人弘陵福祉会・溝田弘美理事長インタビュー要旨=
−−「利用者ファーストのための職員ファースト」という理念の趣旨は?

以前、六甲の館は人手不足にかなり苦しんでいました。私は当時、今より多く現場に入って働いていたんです。
痛感したのは身体的なきつさでした。まだリフトなども十分に導入されておらず、とにかく負担が重かったんです。
そこで確信しました。
ご利用者様に最高のサービスを提供したいのであれば、まず提供する職員の心身が元気であって、楽しく働けるようにしなければならない。そうでないと介護の仕事は長く続けられないし、人手不足も一向に解決しない。
なんだか当たり前のことのようですが、その当たり前を実現できるようにしようと決めました。
そうした思いを表現したのが、「利用者ファーストのための職員ファースト」。収益確保など経営のためではなく、何よりご利用者様のために職場環境の改善に心血を注ぐ。それが私たちの理念です。
−− 複数の見守り機器を導入し、個々の利用者の特性に合ったタイプを使うようになった経緯は?
どの機器が最も職員の負担を軽減するのか、最もサービスの向上につながるかを追求し続けてきました。様々な機能・特徴を持った機器を試していくうちに、自然な流れで複数の機器を使うようになったんです。
追求は今もまだ続けています。全てのご利用者様に合う完璧な機器が登場するまで、この試行錯誤に終わりはないでしょう。
開発企業の皆様とのコミュニケーションも重要だと思っています。私は失礼のないように、機器の使い勝手の悪さや改善すべき点などを率直に伝えることを心がけてきました。
正直、革新的に見えても現場では役に立たない機器もあります。その時に「ここはこう変えられないの?」と言うと、真剣に受け止めて改善につなげてくれる開発企業さんがおられることは、とても有難いです。
現場側から積極的に情報を提供していくことで、素晴らしい完璧な機器が生まれるのが早まるかもしれません。そうした思いで開発企業さんにはたらきかけています。
−− これから目指すこと、描く未来のビジョンを教えて下さい。
いつか介護職を憧れの職業にしたいと思っています。そのために私たちができることは、とにかく働きやすい職場環境づくりに注力することではないでしょうか。
人手不足を嘆いていても仕方ありません。テクノロジーを有効に活用すれば、介護の仕事は劇的に楽になるんです。そうして生み出した余裕を、ご利用者様と向き合ってより良いサービスを提供する力に変えたい。仕事の楽しさ、やりがいも更に増すと思います。
六甲の館では、副業も含めて職員のより柔軟な働き方を認めていきます。きっとモチベーションアップや離職防止につながるでしょう。
職員の心身を徹底的に守る環境を作り上げれば、介護現場は必ずもっと良い職場として見られるようになるはずです。高齢になっても負担なく前線で働けるようにする、という視点も欠かせません。そうした施設にしていけば、きっと必要な人材を確保し続けられると考えています。
私たちの取り組みは道半ば。今なお不十分と言わざるを得ず、私はまだ全然満足していません。光栄にも内閣総理大臣表彰を頂き、すごく励みになりました。私は今まさに、一段と働きやすい職場環境づくりを絶賛研究中です。(介護ニュースより)
人手不足などで経営環境が厳しさを増している訪問介護をめぐり、政府は事業所への支援を柱とする補助金を新設する方針だ。11月29日に閣議決定した今年度の補正予算案に、そのための財源として97億円を計上した。
一方、国会では野党から基本報酬の引き上げなどを求める声が出ている。
政府の新たな補助金は、訪問介護のホームヘルパーの確保、事業所の経営改善を後押しすることが目的。例えば研修体制づくり、1人で利用者宅へ行くことが不安な新人ヘルパーの同行支援、多様な人材の採用活動、常勤化の促進、経営の協働化などに要する費用を、申請を行った事業所に支給する。
また政府は、都道府県が主体となって業界団体、労働局、福祉人材センターらと連携協議会を設け、地域ぐるみの求職イベントなどを開催する取り組みにも補助を出す。ハローワークや事業所とも協力して訪問介護の説明、魅力発信、職場見学などの機会を用意し、地域の実情に合ったヘルパーの確保につなげてもらう狙いがある。
厚生労働省はもともと、こうした支援事業を都道府県ごとの基金を通じて来年度から実施できるようにする意向を示していた。
その計画を今回の補正予算案で変更。当初の予定より前倒しで実施するほか、基金の枠組みではない補助金で具体化することに決めた。補正予算が政府案通りに成立すれば、事業者らにできるだけ早く詳細を明らかにする構えをみせている。
◆「現場が全く見えていない」
衆議院本会議の2日の代表質問では、野党から政府案への異論が噴出した。
国民民主党の浅野哲議員は、今年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬を引き下げた政府の判断について、「現場の実態が全く見えていない」と強く批判。「次の改定を待たずに訪問介護の基本報酬を早急に見直すべき」と訴えた。
また、立憲民主党の石川香織議員は、「訪問介護事業所に支援金を支給すべき」と施策の強化を要請した。(介護ニュースより)
「あの上司はやさしいから、評価はいつも甘いんだよね」
このような話を良き聞きますが、はたしてこのように甘い点を津得る上司は本当に優しい上司でしょうか?
私は評価者研修などでよくこのような問いかけをします。そして少し辛辣な意見になるかもしれませんが、こういいます。「それは優しいからではなく。自分がよく見られたいからです。本当に優しい上司であれば、出来ていない点に良い点数はつけないはずです。問題があることをそのままにすれば、その場では部下から「良い点をつけていただきありがとうございます」と感謝されるかもしれません。でも課題は課題のままスルーされているのです。
課題の改善はいつまでもできないまま、年月を重ね、その上司の元では気づかれないかもしれませんが、上司がかわったりしたとき新しい上司になった人から
「なんで、この人はこの年齢なのにこれができないままなの?」と言われてしまうのです。本当に優しい上司であれば、早めにそれを指摘し、指導教育し頑張るように促すのではないでしょうか。
甘い点を付けるのは、部下の為ではなく、部下からよく見られたい、気に入られたい、低い評価をして社長から説明を求められたりするなど面倒なことは先送りしたい、といった自分自身のためにしているのではないでしょうか。
医療・介護・保育の現場では、「変形労働時間制」を採用されている事業所が多いものと思います。ただ、変形労働制の「運用」に関して、適法に行われていない事業所も結構多いものと感じています。比較的多い誤った運用例としては下記2つのケースが散見されます。
- 勤務シフトは前月末までには作成しているものの、当月の業務の都合(特に顧客要望や職員の出勤状況)にて、当初決めていた勤務シフトを「自由」に変更して運用しているようなケース。
⇒正しい運用は、前月に作成したシフトを原則、(例外的ケースを除き)変更してはならないとしています。変更が認められるのは天災などやむ負えない緊急かつ不可避の事情のみとしています。
- 変形労働においては月次の法定労働時間の総枠(30日であれば171時間25分)を超えた時間のみ所定外労働として残業時間を計算しているようなケース。
⇒当初決めた勤務シフトを超える労働を行った場合には、日単位、週単位、月単位で
(重複カウントを除き)所定外労働を計算しなければならない。
上記のとおり変形労働制の基本は、「決められた勤務シフトに従った運用を行う」というものあり、その運用が出来ないような業務管理ではそもそも変形労働制は認められないことになり、原則通りの「1日8時間労働制」とみなされます。
今回ご紹介する判例で、注目すべき点は「就業規則に代表的なシフトパターンが記載されていたものの、全てのシフトパターンが 記載されていないとして変形労働時間制が無効とな
る」とされたものです。これが日本マクドナルドという 有名大手企業に関するものであったことから新聞などで報道されました。今回の判例は各事業所の身近な問題になりうると
思いますので、事例とともに裁判の内容を要点のみ抜粋し、お伝えします。
- 事例
被告(会社側:日本マクドナルド)は、就業規則において、店舗マネージャーの労働時間について以下のとおり定めていまし た。勤務シフトは4パターン記載されておりますが、「原則として」と記載し、店舗ごとの例外を 認め実際に店舗ごとのシフトパターンがあり運営されていたようです。原告(従業員)は「シフトパターンが 全て就業規則に記載されていないため変形労働時間制は無効である。」と主張し、未払い賃金を請求しました。
- 裁判所の判断
裁判所は、就業規則にシフトパターンが全て記載されていない場合は、労働基準法32条の2の 「特定された週」又は「特定された日」の要件を充足せず、変形労働時間制は無効であると判断しました。
被告(マクドナルド側)は、全店舗に共通する勤務シフトを就業規則上定めることは事実上不可能であり、各店舗において就業規則上の勤務シフトに準じて設定された勤務シフトを使った勤務割は、就業規則に基づくものであると主張しましたが、裁判所は、たとえ大企業であっても、全てのシフトパターンを就業規則に記載する必要があると判断しました。
- 実務上の留意点
この判決は、かなり厳しい判断と言わざる負えません。この判決をあてはめると、現状多くくの事例で変形労働時間制が無効となってしまうと思われます。
対策はないのでしょうか。 例えば、就業規則に定めたシフトパターン以外の働き方をしてもらう場合は、一度決めた就業規則のシフトパターンを変更することで何とか対処できないかが問題になります。 原則として変形労働時間制のシフト変更は認められませんが、過去の裁判例では正当な理由があればシフトの変更が認められています。例えば、天災地変や機械の故障などといった緊急かつ、不 可避の事情が挙げられます。また、予定していた業務の大幅な変動があったときなど、例外的な事由に基づく場合は認められる(規定の根拠が必要)と判断した裁判例もあります。ただし、このようにやむを得ない理由がある場合だけシフトの変更が認められるので、単に忙しい、人手不足などの理由ではシフトの変更は 認められません。
従いまして、現状では、やはり全てのシフトパターンを就業規則に記載し、加えて可能な限りシフトパターンに従って運用するしか対策は無いものと思われます。
いかがでしょうか、この判例を基に労働基準監督署等の労務監査が行われることを想定しますと、シフトパターンの再検討や就業規則の見直し等の対応を行っていくことが必要となります。すでに実際の監査で、このような指摘をされている事例が出てきていますので
早めの準備をお勧めしたいと思っています。
東京都内の保育園や学童施設の利用者の個人情報が流出した疑いがあった問題で、「にじいろ保育園」などの保育施設を運営する「ライクキッズ」(東京都渋谷区)は、首都圏を中心に約15万8千人分の園児や保護者の情報が閲覧可能になっていたことを明らかにした。現時点で不正利用の被害は確認されていないとしている。 発表は11月29日付け。閲覧できるようになっていた情報は、卒園者を含む園児の氏名や生年月日、アレルギー情報や、保護者の住所、電話番号、口座情報など。情報が持ち出された形跡はなく、すでに閲覧できないようにしてあるという。 同社は東京都や神奈川県を中心に全国約400カ所の保育施設や学童施設などを運営しており、「当社名などを名乗る不審な電話やメールなどによる勧誘や詐欺には十分注意頂きたい。再発を防止すべく、外部専門家による助言を受けながら対策を講じる」などとしている。 同社によると、9月30日早朝にシステム障害が発生し、外部からの不正アクセスの形跡が検出された。暗号化した重要なデータを人質に、身代金を要求する「ランサムウェア(身代金ウイルス)」によるサイバー攻撃とみられるという。(朝日新聞デジタル版)
介護施設などでサービス提供中に予期せぬ事故が起きてしまった場合の対応をめぐり、市町村への報告に用いる書類の様式が新たに公表された。
厚生労働省が11月29日に発出した通知で、現場の関係者に広く活用を呼びかけた。介護保険最新情報のVol.1332で周知している。
新たな書類の様式は、事故情報のより効率的な収集・分析、今後の安全対策への有効活用、介護現場と自治体の負担軽減などを図るもの。今年度の介護報酬改定に向けた議論で、様式の統一化や電子的な報告の浸透を進める方針が確認されていた経緯がある。
厚労省は今回の通知で新たな様式について、チェックボックス形式への変更など事故情報のデータ化が容易となるよう工夫したと説明。特養、老健、グループホーム、介護付きホームなどが対象になるとして、「可能な限りこの様式の使用を」と促した。
また、利用者の死亡に至った事故、医師の治療が必要になった事故などは、原則として全て報告するよう要請した。(介護ニュースより)
厚生労働省は11月29日、介護サービス情報公表制度の運用ルールの詳細などを明らかにするQ&Aを新たに公表した。
掲載された問答は2つ。キャッシュフロー計算書を作成していない場合はどうするのか、事業所単位の書類と法人単位の書類が混在してもよいかを取り上げている。
厚労省はこのうちキャッシュフロー計算書について、「会計基準の規定上、作成が求められていない場合は必ずしも報告する必要はない」と明記した。介護保険最新情報のVol.1333で現場の関係者に広く周知している。
介護サービス情報公表制度をめぐっては、厚労省が運用ルールの見直しを伝える通知を今年10月に発出。介護事業者が報告すべき項目の中に、損益計算書、バランスシート、キャッシュフロー計算書など、事業所・施設の財務諸表を新たに位置付けた。個々の経営状況を見える化し、透明性を高める施策の一環。
今回のQ&Aの概要は下記の通り。詳細は介護保険最新情報のVol.1333から。
問1|財務状況が分かる書類の報告について、会計基準の規定上、キャッシュフロー計算書の作成が求められておらず、作成をしていない場合、損益計算書と貸借対照表のみ公表することで問題ないか。
答|会計基準の規定上、キャッシュフロー計算書の作成が求められていない場合は、必ずしも報告する必要はない
問2|財務状況が分かる書類について、事業所単位で作成している書類と、法人単位でしか作成していない書類がある場合、混在して報告しても差し支えないか。
答|既出の通知にある通り、財務状況が分かる書類の報告は、事業所・施設単位で行うこととしているが、事業所・施設単位で会計処理を行っていないなどやむを得ない場合については、法人単位で公表することとしても差し支えなく、お尋ねの場合については、混在して報告しても差し支えない。(介護ニュースより)