コラム
厚生労働省は20日、介護保険最新情報のVol.1101を発出した。いわゆる「ヤングケアラー」を支えるための一連の施策を、当事者と接する機会のある介護現場の関係者へ改めて周知する内容だ。
厚労省はこの中で、訪問介護の生活援助に言及。同居家族がいるから、という理由だけで一律にサービスの提供を見送ってしまう機械的な対応はせず、個々の状況に応じて柔軟に支援していくよう呼びかけた。
訪問介護の生活援助はその利用要件として、
○ 利用者が1人暮らしの場合
○ 同居家族が障害や疾病などにより家事を行うことが困難な場合
○ その他、やむを得ない事情により家事が困難な場合
などが設定されている。厚労省は今回の通知で、「利用者に同居家族(ヤングケアラーを含む)がいることのみをもって、一律に本人への生活援助が位置付けられないというものではない」と明記。ヤングケアラーへの十分な配慮を重ねて要請した。
厚生労働省は21日、全国の介護費の動向などを明らかにする「介護給付費等実態統計」の最新版を公表した。居宅介護支援の費用額(*)が昨年度、初めて5000億円を超えたと報告している。
* 費用額=介護保険の給付費に利用者負担分などを加えたもの。介護予防支援は含まれていない。
今回の統計によると、居宅介護支援の昨年度の費用額は5146億2900万円。前年度から5.4%(約263億円)増え、過去最高を更新した。介護予防支援も含めると、昨年度の費用額は前年度比0.55%増の5576億6400万円。
居宅介護支援の昨年度の利用者数は379万900人。高齢化の進展を背景として、前年度から3.2%(約12万人)増加した。利用者数、費用額は今後も引き続き増えていく見通しだ。
政府は現在、2024年度に控える次の介護保険制度改正を念頭に、居宅介護支援でも新たに利用者負担を徴収する案を俎上に載せている。仮に1割負担が導入された場合、単純計算でおよそ500億円強の給付費を抑制できることになる。
ただし、現場の関係者の間ではこの案への慎重論が根強い。「利用者の希望が優先され、必ずしも自立支援につながらないケアプランが増える」「かえって費用額の膨張が加速する」などの懸念の声が出ている。(介護ニュースより)
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Q
育児休業(以下、育休)を取得する予定の職員がいます。育休中の人員不足を補うため求人募集をしていますが、なかなか思うように応募がありません。育休中は基本的には育児に専念してもらうつもりですが、月に2~3 日程度、働いてもらうことはできますか?
A
原則として、育休中の職員を働かせることはできません。ただし、施設と職員との話し合いにより、職員が合意した場合に限り、一時的・臨時的に働かせることができます。なお、2022 年10 月1 日からの産後パパ育休では、休業中に働く仕組みが設けられます。
詳細解説
1.育休中の就労
育休は、原則、子どもが1 歳になるまで取得できます。育休中は、原則として働くことが想定されておらず、施設の一方的な指示によって働かせることはできません。ただし、施設と職員の話し合いによって、子どもの養育をする必要がないときに限り、一時的・臨時的に働かせることができます。質問のように、あらかじめ月2~3 日の働く日を決めておくことはできませんが、例えば、職員間で感染症がまん延し、一時的に職員が足りなくなった場合に、施設が応援のために臨時で介護業務を依頼し、職員が合意した場合は、働かせることができます。
2.産後パパ育休中の就労
男性の育休の取得促進策のひとつとして、2022 年10 月に産後パパ育休(出生時育児休業)が創設されます。産後パパ育休は、子どもが1 歳になるまでの育休とは別に、子どもが生まれて8 週間以内に4 週間まで育休を取得できる制度です。この産後パパ育休中は、労使協定をあらかじめ締結することで、施設と職員で個別に合意した日や時間に働くことが認められていることが最大の特徴です。なお、働く日や時間には、上限が設けられています。
3.育休中に働いた場合の育児休業給付金
育休中・産後パパ育休中に職員が働いた場合、施設は職員に賃金を支払う必要がありますが、支払われる賃金額によって、育児休業給付金の支給額が減額されたり、支給されなくなったりします。また、一定の時間数を超えて働くと、その期間に係る育児休業給付金が支給されなくなります。そのため、職員を働かせる場合には、その仕組みを十分に説明し、職員に納得して働いてもらうことが必要です。
育休は、子どもを養育するための休業であるという本来の趣旨を理解した上で、産後パパ育休中に働くことのできる仕組みを利用することで人員不足を補ったり、万が一の際には、職員の同意を得て一時的・臨時的に働かせたりすることができることを理解しておくとよいでしょう。
A 評価者研修やフィードバック面談研修を受講し、方法論を学び実践で活用している。
人事評価を行うことは、上司にとってかなりの負担で、ましてやその結果を部下に説明するフィードバック面談等は大変重荷、などと言うご意見は、評価者の方々からよく伺います。ただ、それは、「評価」という言葉の印象にとらわれている結果であって、実際には評価の仕方を具体的に理解していないがゆえに誤解されているケースがとても多いのです。
評価者として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を理解し、それを実践すれば、だれでも評価を行うことができます。
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①医療分野キャリアパス
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②介護分野キャリアパス
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③保育園のキャリアパス
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A 休職制度を設けるのであれば、休職と復職を命じるかどうかを判断する上での、公正な客観的な判断基準が必要です。その他にも就業規則に盛り込むべき内容は下記になります。
①休職について
・休職を命じる職員に要件
・休職を命じる判断基準
・休職期間
・休職中の賃金
・休職中の留意点
②復職について
・復職後の働き方
・復職を命じる判断基準
③休職期間完了時の取り扱い
上記の中で、休職を命じる判断基準では、例えば、「診断書の提出」はもちろん、「回復に何年もかかる場合には休職は命じない」または「業務外の同じ傷病が理由で欠勤と出勤を繰り返すようなときには休職は命じない」など、状況を想定しながら規定に落とし込んでいく作業が必要となります。休職期間については、「休職期間中であっても園は社会保険を負担しなければならないので、これまでの貢献度合いを考慮し、勤続年数が長い職員と短い職員では差を設ける」ことも大切です。
復職については、復職を命じる判断基準は、本人の復職願いの提出の他、主治医の診断書、
本人との面談実施や園指定の医療機関の受診なども必要です。また、復職後、もし同じ傷病で欠勤した場合には復職を取消、直ちに休職を命じることとし、休職期間は、前の休職期間と通算すること等の規程も必要です。
休職期間満了後の取り扱いについては、回復を見込んで休職を命じたけれど、回復できない場合には、残念だけど退職とせざるを得ない、ということで、休職期間満了日をもって
退職とします。
まずは、上記の内容を規定に明記しておくことで、いざというときには、冷静に対処できるようになります。
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A, 正職員の雇用形態をそのまま短時間で働く「短時間正社員」は、厚労省でも推奨している働き方ですが、なかなか普及していません。「短時間=パート」の概念を打破るには、それなりの経営戦略が必要になります。
そもそも短時間勤務を希望する職員は、旧来型の働き方であれば就業の継続を断念していた層です。家庭を重視しながらも正社員として働くことに踏みとどまろうとすることを前向きに捉えて、短時間勤務者がモチベーションをたもち、活躍しやすいものにすることが、制度導入の大前提です。育児、介護休業法に定める育児短時間勤務を選択した場合、業務内容などがパートの看護師と同じ扱いでは、将来的に常勤に戻ろうとするモチベーションは上がらないでしょう。
一方、短時間勤務制度を導入し、多様な勤務形態がふえるほどフルタイム勤務者の負担が大きくなる場合があります。短時間勤務制度の導入は、就業継続の切り札にもなり得る半面、
職員間の不公平感が生まれやすいのも事実です。
従って、導入を検討するには、①ルール化して不公平感を緩和する②金銭的なインセンティブを与える(処遇で差をつける)という視点が欠かせません。
また、ある病院では、短時間正社員二つのパターンに分け①勤務時間短縮型⇒1日6時間以上×5日 ②休日拡充型⇒所定労働時間×4日(週休3日)で運用されています。個人の事情によってどちらのニーズもあるということで選択できるようにしていますが、どちらも給与は勤務時間に応じて減らすようにされています(賞与はあり)。
更には正職員でも①夜勤免除A(平日日勤のみ)②夜勤免除B(土日祝の日勤もあり)③夜勤回数制限(月4回以内)④夜勤曜日制限(夜勤の曜日制限あり)⑤勤務制限なし、というようにきめ細かく職員ニーズに対応されています。処遇(給与・賞与)については⑤の制限なしの働き方を100%として、一定の比率で減額していくような仕組みにしています。
この病院では「働く人を大切にしてくれる病院」という印象が広まり、応募者が増え、
また離職者も大幅に低下したとのことです。
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東京杉並区にある保育園が「働きやすい職場」として話題になっている。どのようにして保育士が働きやすい環境づくりを実現しているのか、話を聞いた。 【映像】保育業界の暗い常識を覆す “働きやすい保育園”の実態 杉並区のとある保育園。元気いっぱいに遊ぶ子どもたちとそれを見守る保育士たち。こちらの保育園には、あることがきっかけで保育士の応募が殺到しているという。 社会福祉法人風の森・野上美希統括「国の基準の2倍以上の保育士を配置しています」 社会福祉法人風の森が運営する「Picoナーサリ」には、国が基準として定める保育士の数の2倍以上の保育士が在籍。“働きやすい職場”として注目を集めている。
園児たちと離れて休憩する保育士たち
例えば5歳児クラスでは、30人につき1人の配置が国の基準だが、教室には3人の保育士の姿が。メインで子どもたちと接する保育士に加えて、保護者への日報作成を行う保育士など、作業を分担している。 給食を食べる園児たちの傍らでは、園児たちがいる教室とは離れた専用の休憩室で“和気あいあい”とした様子で食事をとる保育士たちの姿が。この園では、全ての保育士が園児たちと離れて1時間の休憩を取っているという。また、勤務時間もシフトによって厳密に守られていて、月の残業時間はほぼ0とのこと。 30代保育士「(前の保育園では)基本的に家で仕事をすることが当たり前だったので、ここではそういうことが無くて驚きました」 40代保育士「休憩をしっかりとること、勤務内で終わることで、より(園児)ひとりひとりと向き合えます」
Picoナーサリ保育園にいる保育士の数
“休憩は取れない、残業は当たり前”といった、これまでの保育業界の常識を覆す働き方。「開園当初は国の基準通りの人員配置だった」と話すこの保育園を運営している社会福祉法人・風の森の野上美希統括に話を聞いた。 「事務の仕事をする時間を確保したり、行事の準備をしたりなど、園を運営していく中で“国の基準通りの配置”だと難しい現実があると分かりました」 こうして2019年ごろから、保育士の増員を開始。現在、この園には国の基準を大きく超える35人の保育士が勤務している。中には、育児との両立を実現させる保育士の姿もある。
一見良いこと尽くしにも思えるが、気になるのはその財源。増やした分の人件費はどこから捻出しているのだろうか。野上統括は「自治体が実施している補助金や助成金をくまなくチェックしている」と明かした。 野上統括「付帯事業と言われる、例えば保護者支援の事業や、小・中学生のボランティアを受け入れるなどを事業として取り組んでいくことで、そういった補助金の方が頂ける形になります」 「また、事務業務をICT化させて事務コストにかかる人件費を削減することで、その分保育士を別に雇うなど、そうした形を取ることで保育士の比率を上げています」 自治体が実施している補助金や助成金の情報をくまなくチェックし、フル活用。さらに、ICTのアプリケーションによる業務のICT化を推進することで保育士増員を実現していると話す野上統括は「勤務時間内に“研修”を終わらせていることもポイントだ」と述べた。 「研修を勤務時間内で行うことができるということも非常に大きいと思います。保育士は“常に学んでいかなくてはいけない仕事”なので、研修を勤務時間で完結できるのは大きなポイントだと思います」
「潜在保育士」の実態
現在、深刻な人手不足だと言われている保育業界。その一方、保育士の資格を持ちながらも、保育の現場で働いていない「潜在保育士」は約95万人を超えるという実態も明らかになっている。 こうした状況に、野上統括は「保育士が働く環境の改善が業界全体の課題解決にもつながっていく」と、保育士業界の課題に取り組んでいく姿勢を見せた。 「業界全体として『働きやすい、長く働き続けられる職場』という認識ができれば、潜在保育士の方も『また働きたい』という流れが生まれると思います。働き方改革を業界全体として行うことで『保育士になりたい』という人を増やしていき、業界の地位向上を目指したいですね」 (『ABEMAヒルズ』より)
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厚生労働省は13日、居宅サービス計画作成依頼(変更)届出書の様式の改正を通知した。
LGBTQをはじめ、多様な人々への配慮などの観点から性別欄を削除。介護保険のシステムの標準仕様に合わせる形で、居宅介護支援事業所番号、サービス開始年月日の記載欄を新設した。
介護予防サービス計画作成依頼届出書、介護予防ケアマネジメント依頼届出書も同様にアップデート。自治体の職員や居宅のケアマネジャーなど現場の関係者に対し、介護保険最新情報のVol.1098、Vol.1099で広く周知している。
厚労省はこのほか、小規模多機能・看護小規模多機能の居宅サービス計画作成依頼届出書の様式も新たに提示した。(介護ニュースより)
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12日、次の2024年度の介護保険制度改正に向けた協議を進めている審議会(社会保障審議会・介護保険部会)では、テーマの1つとして地域包括支援センターのあり方が取り上げられた。
厚生労働省は目下の課題として、相談支援や介護予防ケアマネジメントなどの業務が増えて現場の負担が重くなっていることを指摘。これから詰めていく論点として、
○ 包括が果たすべき役割に応じた適切な業務のあり方をどう考えるか
○ 相談支援の質を担保しつつ業務負担を軽減する方策として、地域資源の活用や役割分担・連携、委託のあり方を含めどう考えるか
○ 職員の確保が困難な自治体があったり各職種の配置にばらつきがあったり(特に主任介護支援専門員)する中で、どんな体制整備の方策が考えられるか
○ 介護予防ケアマネジメントについて、利用者の状態に応じて一部の業務を簡素化するなど、効率化の方策として何が考えられるか
などをあげた。包括の負担軽減をめぐっては、過去の制度改正のプロセスでも毎回のように具体策が俎上に載せられてきた経緯がある。包括に期待される役割も増えるなか今回は思い切った手を打つのか、厚労省の判断に注目が集まりそうだ。
委員によるディスカッションでは、包括の負担軽減を図るべきという問題意識に多くの委員が賛意を表明し、これから具体策を検討していくことの必要性が確認・共有された。
とりわけ目立ったのは、介護予防ケアマネジメント業務のテコ入れを促す意見だ。「居宅介護支援事業所に委託しやすい環境、ルールを整備すべき」「委託促進のネックは報酬にある」「委託料の引き上げと同時に業務の簡素化が必要」などの声があがった。(介護ニュースより)
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ここでは今年6 月に発表された調査結果※から、福祉施設等(以下、医療,福祉)の職員が自信のある能力・スキル(以下、能力等)と向上させたい能力等をみていきます。
チームワーク、協調性に自信あり
上記調査結果によると、医療,福祉の職員で自信のある能力等がある割合は85.3%でした。また、向上させたい能力等がある割合は92.8%に達しました。能力等ごとに自信のある割合と向上させたい割合をまとめると、下表のとおりです。
医療,福祉の職員が自信のある能力等をみると、チームワーク、協調性・周囲との協働力が50%を超えました。コミュニケーション能力・説得力や職種に特有の実践的スキル、定型的な事務・業務を効率的にこなすスキルも30%を超えています。
調査結果全体(総数)と比較すると、医療,福祉は職種に特有の実践的スキルやコミュニケーション能力・説得力に自信のある割合が高くなりました。
IT 関連の知識や能力を向上させたい
医療,福祉の職員が向上させたい能力等では、IT を使いこなす一般的な知識・能力の割合が最も高く、コミュニケーション能力・説得力とともに30%を超えました。その他、課題解決スキルやマネジメント能力・リーダーシップ、高度な専門的知識・スキル、職種に特有の実践的スキルが25%を超えています。
総数と比較すると、職種に特有の実践的スキルや高度な専門的知識・スキルを向上させたい割合が高い傾向にあります。
なお、向上させたい能力等で最も割合の高かった、IT を使いこなす一般的な知識や能力は、前年の調査結果では、5 番目に高い能力等でした。福祉施設等でも業務効率化等のためのIT 化が進展し、こうした能力等を向上させたい人が増えていることがうかがえます。
※厚生労働省「令和3 年度能力開発基本調査」
2021 年(令和3 年)10 月1 日時点の状況について、全国7,064 事業所とそこに属している労働者19,728 人などを対象にした調査です。ここでの割合は、自信のある能力等がある割合および向上させたい能力がある割合を100 とした時の割合になります。データの詳細は次のURLのページから確認いただけます。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450451&tstat=000001031190&cycle=8&tclass1=000001166666&tclass2=000001166670&tclass3=000001166671&tclass4val=0