クリニックの不満を言う職員への教育・指導をどのように行うか。
いつもクリニックの不満ばかりを周囲にいっている職員がいると、それを聞かされた職場のメンバーも気持ちよく仕事ができません。そのような場合、院長はどの様な対応を行えばいいのでしょうか。
1.まずは職員の不満をじっくり聞く
まず院長としてすべきことは、不満を持っている職員としっかり向き合って、職員の不満に傾聴してみることです。この時はまさに傾聴に徹し、「カチン」と来ることがあっても冷静に、職員の話を最後まで聞く努力をしてください。話の腰を折らないことが最も大切です。このような機会をもつことで、職員によっては、自分を振り返る機会となり、「自分の努力不足」や「自己中心的であった自分」に気づく方もいらっしゃいます。
なので、とにもかくにもじっくり聞く姿勢が院長には求められます。
2.職員と一緒に不満を改善に繋げる
その職員の不満が、一方的な思い込みや、個人的な好き嫌い、他人への責任押し付けのようなものであった時は、院長としてはそのことを率直に伝え、正すべきです。
ただ、不満の内容が職場改善につながるものと考えられるときには、前向きな話として
具体的な改善提案をするように促してみてください。それはクリニックにとってもメリットになります。その提案が出てきたときには院長も積極的に関り、適切なアドバイスをしてください。特に、職場の労働時間や休憩時間等の勤怠や有休休暇等に関しては
いわゆる「働きやすい職場」につながることも多々あります。
3.不満を放っておくと職場規律が保てなくなる
不満ばかり言う職員を放っておくと、院長としての信頼を下げることのなってしまうことがあります。なぜなら、指導力のない弱腰の院長という判断に繋がってしまうからです。
その結果、クリニックを良くしていこうという気持ちが薄れ、仕事の踏ん張りにも力が入らなくなってしまいます。またそのような状況はエスカレートしてくると、その職員を避けたり、いじめに発展してしまうようなことも考えられます。そのような職場は暗くなり、規律も保てなくなります。
4.不満が出てくる前に「先手」をうつ
不満は表面化する前に予防が出来ます。院長が職員と定期的に面談をして「クリニックに対する不満」や「仕事の悩み」「人間関係」などについて聞く機会を持つことはとても重要です。これが不満の予防にはもっとも有効な予防策となります。
さらに職員満足度調査などを実施し、職場環境や労働条件の不満を把握する方法もあります。この場合調査結果は職員に公開し、優先順をつけて改善を実施していくことが望まれます。但し、職員が望んでいるからと言って全てに応えなければならないというわけではありません。クリニックの状況を考慮し、専門家と連携するなど案件ごとに対処をすべきと考えます。