職員採用で、面接者の前の職場での勤務態度を知りたいが、前職紹介はしても良いものなのか?

 

1. あらかじめ本人の同意を得ないで個人情報を取り扱ってはならない

前職紹介とは、応募者が前に勤務していたクリニックや病院などに電話やメールで問い合わせて在職中の勤務状態などを調べることで、履歴書や職務経歴書等の記載に相違が無いか、退職理由や勤務状況に問題なかったか、等を確認することを言います。

こうした調査そのものは違法ではないとしても、個人情報保護法では「あらかじめ本人の同意を得ないで取り扱ってはならない」と定められています。

2. 同意の取り方

同意の取り方としては、面接時に、「当院では、皆さんの前の御勤め先に前職照会をすることがあります。差し支えありませんか?」と口頭で聞くか、もしくは面接時のアンケートで、「前職照会しても(良い)(してほしくない)」のいずれを選択肢として選択してもらうといった形式です。実際に前の職場に問い合わせるかどうかは別として、応募者が「前職照会しても構わない」と回答した場合、「前職では大きな問題は無かった」と判断できる材料の一つになります。

 あるクリニックでは前職照会をしてほしくないと回答してきた人には、その理由を尋ねたところ、前の勤務先で院長との口論が絶えなかったことがわかりました。

前職に関して気になる点(例えば、すぐに辞めている、人間関係トラブル等)のある応募者には面接で「前の職場で、何かありましたか?」と聞いてみるのもいいかもしれません。とっさの質問に対しては、つい本音が出てくることもあります。但し、候補者全員に前職照会を聴くまでの必要性はないと考えられます。書面(アンケートなど)で確認する場合には全員を対象にして構いませんが、面接で聞く場合には特に気なるところが無ければ割愛してもよいでしょう。

3,「退職証明」を使う場合もある

労基法でいう「退職証明書」を、応募者に対し提出を求めることも出来ます。

退職証明とは本人が次の職場に提出するためのもので、旧職場はそれを求められた場合には必ず発行しなければならないという規定があります。

2のアンケートの取り扱い同様、特に問題が無い退職の場合には、退職証明書の発行を前職場にお願いすることが出来るはずで、そのリアクションによって前職場との関係をある程度、想像することも可能となりますので、ご参考まで。

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