採用面接時に申告していたスキルや能力を持っていない職員がいます。解雇はできますか?

資格の有無などは客観的に判断できますが、スキルや能力の有無を理由に解雇することは現実的には難しいと言わざる負えません。資格の有無などは客観的に判断できるので、例えば、専門看護師といった診療報酬の算定に必要な専門研修等の履修実績が無かったことが判明すれば、それは解雇事由に該当するでしょう。

面接時に「在宅医療の経験が3年以上あり、一通りのことはできる」と言っていたのに3年もやっていたとは到底思えないスキルしかないようなケース

難しいのは面接時に「在宅医療の経験が3年以上あり、一通りのことはできる」と言っていたのに3年もやっていたとは到底思えないスキルしかないようなケースです。このようなケースではこのことだけで解雇要件とするのは難しいと思います。

リスクをとって解雇するのであれば、試用期間終了後のタイミングで辞めてもらう方がまだ傷は小さくて済みます。試用期間を経て正職員として採用した後であれば「貴院は試用期間を終えて、スキルを含めて正職員として認めている」ということになり、解雇のハードルが上がるためです。

試用期間中に「あなたはこのスキルが足りていません」と話し合いの場を設けて、場合によっては必要なスキルを身に着けてもらうまで試用期間を延長し、延長した期間でもできない場合には「辞めますか、もしくは給料を下げて続けますか」と提案するなど解雇回避努力をおこなった上で、それでも退職に応じず、業務上難しい場合は解雇という流れになっていくと思います。

退職勧奨が現実的な場合

また解雇ではなく、退職勧奨が現実的な場合も多々あります。

この場合には、本人に「あなたはここにいても活躍するには難しい」と理解してもらった上で、退職に向けた条件を提示することです。解決金を給与の1か月~2か月程度の準備は必要となります。

その際には退職合意書を取り交わしておき、今後、本件で訴え出るような事などが無いように合意しておくことは重要です。このような合意書の存在は、仮に裁判になったとしても考慮されます。

トラブルを避けるための対応方法

最後にこのようなトラブルを避けるための対応方法もあります。

それは、入社後6か月は有期雇用として採用し、状況によっては期間更新をしないということを、最初から伝えておき有期雇用契約を締結することが出来れば、解雇や退職勧奨などの必要もありませんのでこの方法も検討されるといいかもしれません。

お電話でのお問い合わせ

03-6435-7075(平日9:00~18:00)

営業時間外のお問い合わせはこちらから

相談・ご依頼の流れはこちら