クリニック職員の長時間労働(残業)をどのように減らしたらいいでしょうか

経営上最小限のスタッフで勤務体制を回していかなければならないクリニックは多いと思います。しかし、その結果長時間労働が発生しそれば慢性化すると、クリニック職員のモチベーションの低下を招いてしまいます。

また、残業代の増加で人件費がクリニックの経営を圧迫したり、職員から労働条件に対し不満の声があったります。そして、最悪の場合に職員が過重労働で倒れてしまったり、メンタル疾患を罹患してしまうようなケースもありますので、長時間労働同の慢性化を放置するわけにはいきません。

とはいえ、長時間労働の原因を人手不足に求めると、その改善は人員増になりますが、思ったような人材がすぐには確保できない等の問題に直面することになります。

そこで人手不足以外の根本的な改善策を模索して取り組んでいく必要があると思います。ご参考までにクリニックの取り組み事例を下記にご紹介いたします。

対応策① クリニックの勤務体制の見直し(残り番制の導入)

残業の発生はどうしても避けられないケースはあるでしょう、例えば、外来での残業では、実際には何人が残って対処する必要が有るのでしょうか。意外と多いのが、本来は一人残れば済む問題を、その場にいる職員が全員残って残業をするケースです。

こうしたケースには「残り番制」の導入を検討します。残り番を部署に一人だけ決めて、その担当が必要に応じて残業で対応するか、もしくは例えば30分程度遅く出勤してその分遅く帰るといった遅番制度です。そうすることで仮に残業が発生しても、残り番だけで対処して、他の職員は退勤しやすくなります。

対応策② クリニックの業務マニュアルの作成・見直し

特定の職員に仕事が集中して長時間労働になっている場合、当の本人がその仕事を自分にしかできないように抱え込んでしまっていることがあります。こうなると周りの職員は出だしすることはできません。

こうしたケースではクリニックの業務マニュアルを作成して作業の標準化を図ることです。仕事を抱えている職員に協力してもらい、作業を洗い出して、手順書を作成します。これは少々時間がかかりますが、特定の職員以外のものでも作業が出来るようになり、業務分担が進むことで長時間労働の削減につながります。

対応策③ クリニック業務のICT化

外来の再来受付機や会計用の自動精算機、医療器具の洗浄機などの導入は、業務の効率化を図れると共に職員の負担軽減にもつながります。電子カルテや予約受付システム、医事会計システムなどをネットワークでつなげることで、重複した作業、無理、無駄の作業の削減につながります。

対応策④ 残業に対する意識を変える

本来30分で済む作業を1時間も2時間もかけて行い、結果不必要な作業につながることをダラダラ残業と言います。これは職員のスキルの問題もありますが、より大きいのは賃金に対する意識の問題です。

そこで意識を変えてもらうための方法として行われるのは「残業の認可制」です。

残業が必要な時はクリニックの上司(先生以外の現場管理者や事務長等)に承認をしてもらい、その際には残業理由と残業時間を申告し、承認を受けるというプロセスです。このルールを徹底させることで、結果としてかなりの残業が減ったという声も聞きます。

また残業が多い職員には定期的に面談して、残業の要因と改善について話し合うとともに、こうした意識についても口を酸っぱくして言い続ける事でクリニック職員の意識も変わってくるものと思います。

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