介護人材の紹介料・派遣料が高い… 審議会で悲鳴 「立ち行かなくなる」「真剣に検討を」

介護サービス事業所からの人材紹介・派遣会社に対する支出はどれくらいあるのか − 。これを詳しく調べるよう求める声が、国の審議会で相次いであがっている。

「介護事業者が支払う人材紹介料がすごく高いという問題があるようだ。この辺りの実態がどうなっているのか、やはり把握していく必要がある」


2月27日の社保審・介護保険部会で、一橋大学国際・公共政策大学院の佐藤主光教授はこう呼びかけた。


日本慢性期医療協会の橋本康子会長も、「病院では人材派遣料がどんどん高額になってきているが、どうしても頼らざるを得ないのが現状。介護の分野でも、これから人材派遣などに頼っていく施設・事業所が更に増えていくのではないか」と指摘。「そうなると財務はかなり圧迫される。本当にそれで立ち行かなくなるのではないか、というくらいだ」と問題を提起した。

これを受けて、介護保険部会の菊池馨実会長(早稲田大学理事・法学学術院教授)は、「介護現場に携わる方の切実な声を労働部局と共有するところから始める必要があるのではないか。逼迫した状況をどうにかしなければいけない」と言明。「実態がどうなっているのか、データを示して地道に積み上げていくことも必要だ。老健局としてできることもある。その辺りを真剣に検討して欲しい」と促した。


厚労省の担当者は、「分かりました。介護関係者の問題意識を労働部局にも伝えていきたい」と応じた。

2月20日に開催された社保審・介護給付費分科会でも、委員がこの話題に言及した。


認知症の人と家族の会の鎌田松代理事は、「派遣などの費用が施設・事業所にとってどれくらいの負担になっているのか、明らかにして欲しい」と要請。産業医科大学の松田晋哉教授は、「派遣のコストがものすごく高くなっているので、その部分は調査したほうがいい」と促した。(介護ニュースより)

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