ケアマネの業務範囲はどこまでか 協会が議論を呼びかける ルールなく拡大していく現状に危機感

ケアマネジャーが担うべき業務の範囲はどこまでなのか? 日本介護支援専門員協会は19日の記者会見で、このテーマを取り上げて議論を呼びかけた。

「今は個々の介護支援専門員の努力や裁量によってなんとか成り立っているが、それに依存せずに済む社会システムの構築が必要ではないか」。山田剛常任理事はこう問題を提起した。


協会はこの日、全国のケアマネを対象として昨年4月に実施した調査の結果を報告。例えば介護に関係ない相談への対応、介護保険以外の行政手続きの支援、入退院時の手続きのサポートなどを、多くのケアマネが行っている実態を改めて明らかにした。

山田常任理事は会見で、「他に担う人がいないから、なんとなく『介護支援専門員が担当するんでしょ』という感じで、業務がどんどん広がっているのが現状。そういうところに危機感を感じている」と語った。


そのうえで、「明確な基準がないまま介護支援専門員の業務が徐々に拡大していけば、本来のケアマネジメントの専門性を損なう。負担が増して人材不足にも拍車がかかる」と指摘。次のように続けた。


「全て明確に線を引くことはできないと思うが、ここまでは業務範囲だがここからはそうじゃない、ということをもう少し明確にしていく必要があるのではないか。代わりに誰が担うのか、ということも併せて考えていかなければならない」

また七種秀樹副会長は、「明確な基準がないまま保険外の支援を行っている時に、もし事故が起きたら誰が責任をとるのか。善意の介護支援専門員が責められるようなことがあってはならない。我々は、現場の介護支援専門員が傷つかないようにしたい」と強調。ケアマネが引き続き幅広い役割を担っていく場合には、介護報酬による正当な評価が必要との認識も示した。(介護ニュースより)

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